社会の独房から

映画やゲーム、漫画など。

キャラゲーではなくコスプレゲー『JUMP FORCE(ジャンプフォース)』レビュー

あなたはバンナムのキャラクターゲームにどうようなイメージを持っているだろうか。

個性的であったり、手抜きであったり、キャラクターIP人気に依存し過ぎだったり、60点ゲー量産だったり、糞ゲーだったり人それぞれだと思うが、あんまり良いイメージ持っている人は少ないと思う。

そもそもキャラクターの特に作品の垣根を越えてのお祭りは出演キャラの数の多さであったり、キャラ同士の声の掛け合いであったり、原作の再現度が大事で、ゲーム自体の完成度は二の次という方も多いというか諦めている人が多い。

バンナムもジャンプのオールスターゲームジャンプアルティメットスターズ』や『ジェイスターズ ビクトリーバーサス』など、数多く作ってきたが、ゲーム性うんぬんよりお祭り感満載で楽しかった。

しかし、野心家のバンナムは今回、海外戦略も考えキャラクターゲームとしてのお祭り感もゲーム自体の出来も両方良くしようとして、両方中途半端になってしまったのが今作『ジャンプフォース』である。感想を書いていくよ。

 

【PS4】JUMP FORCE

 

 

まずは大雑把にゲームの概要

 

今作は週間少年ジャンプ創刊50周年を記念したアニバーサリータイトルである。

本作の過去のジャンプゲームと違う最大の要素は我々の住む実際の現実の世界(ニューヨークや日本などが舞台となっており、ジャンプヒーローやヴィランたちはジャンプ世界という異世界から召喚されたという設定となっている。プレイヤーは、そんな地球やジャンプ世界を守るために結成された組織“Jフォース”のメンバー。ジャンプヒーローたちとともに、2つの世界の平和を取り戻すために戦っていくことに。

登場キャラは16作品42キャラ!(ただ、作品によってキャラの偏りは凄い)

 

 遊んで思ったこと

まず不満点を書いていくが、『ジャンプフォース』はこれから何回かアプデ予定なのであなたが読んでいる時には解消しているかもしれないことだけ頭に入れていて欲しい。

ロード時間が長い&頻度が凄い。

アイテム店員に話しかけるだけでロード

アイテム店員との会話が終わるだけでロード

対戦前に長いロード

コンテニューすると長いロード

リトライすると長いロード

取り敢えずロード&ロード

f:id:Shachiku:20190217215500j:plain

↑このゲーム中、一番よく見たロード時間

ムービーも長いし、スキップ出来ない。

 

また、ホームであるアンブラスホームが無駄にでかいし、無駄に立体的。

悟空、ルフィ、ナルトと3チームあり、それぞれに拠点があるのだが、ストーリー的にはそれが活かされる事が一切なく、ただただミッション探しが面倒という辛い状態になっている。

f:id:Shachiku:20190217220004j:plain

↑この道、何かあるのかなと探索したら本当にただの長い道だった。

 

淡泊なストーリー

メインストーリーのミッション形式で、序盤は操られた味方を倒し、洗脳を解いていくというキャラゲーで親の顔ほどみた王道モノ。ただ、ボス戦になると倒しても倒しても無限増殖してくる戸愚呂弟と連戦が待ち構えていたり、プレイヤーの心を折ってくる。

また、味方の洗脳が大体解けると世界各国で暴れるレプリカという敵の偽物と戦う事になるが、これがまたしつこい程同じ敵と戦うことになり、露骨な話の引き延ばしを体験する事になる。ジャンプ漫画で下手に人気が出てしまい、終わるに終われない人気漫画を自分自身で追体験できるぞ!

 

戸愚呂弟とかフリーザは何回戦うんだよと思うぐらい戦うが、逆にセルやカグヤはストーリーでは一度しか戦わないため、バランス!ってなる

 

このバランスの悪さは味方陣営も一緒で悟空やルフィやナルト、あと意外にデクやサンジは話に絡んでくるが、遊戯とか剣心とか多くのキャラクターはほとんど話に絡んでこないし、何か取り敢えず画面にはいるが存在は無視されているため滅茶苦茶不遇である。

 

ダイの大冒険』のダイ参戦でネットは沸いたが、正直話にはあまり絡んでこないのでそこ目的ならあんまりオススメ出来ない。(ダイを戦闘で使えるだけで嬉しい、テンション上がる程好きならオススメ出来る)というより『ドラゴンボール』『ワンピース』『ナルト』以外のファンが買ってストーリーだけ楽しむなら楽しめるか疑問だ。

 

上記3作は人気作で個別でゲームがよく出ているんだから、優遇する作品違うだろというツッコミが出てしまう(ただ売れるためには仕方ない)

 

あと、非プレイアブルキャラクターに夜神月がいるが、夜神月好きは買っても損はないぐらい話に絡んでくる(声優の問題か、リュークだけボイスなくて違和感あるが)

 

戦闘システムは王道

戦闘は三人一組のチーム戦。基本的にはジェイスターズ ビクトリーバーサス』の戦闘が好きだった人は楽しめると思う。

f:id:Shachiku:20190217224303j:plain

↑ストーリーであれば遠距離攻撃をスキを見て撃つのが安定して勝てるのでオススメ。

 

バンナムお得意のよくある戦闘システムなので無難な出来。高速反撃や高速回避などほぼタイミングゲーム。

初心者救済のためかストーリーではレベルの概念があるため、最悪、レベルを上げて物理で殴ればクリア出来る。

 

また、ここではキャラ同士の声の掛け合いや、サンジだと女性キャラを蹴れないなど、ファンには嬉しい作り込みになっているためそういうのが好きな人は買って損はしない。

ただ、折角の現実世界が舞台なのに背景がただの背景以上のモノでギミックなどがほぼないのが寂しい所。

 

キャラゲーはなはなくコスプレゲー

このゲームの最大の魅力がアバターである。

初めのキャラクリでも細かく選べる他、ショップで色々コスチュームを買えるので

好きなキャラになりきる事が出来る。

f:id:Shachiku:20190217231419j:plain

f:id:Shachiku:20190217231447j:plain

 

また、技も自由につけ外しが出来るのであるキャラにコスプレしたアバターが別のキャラの技を自由に使える。

f:id:Shachiku:20190217231656j:plain



本当に自由なのだ。また、大雑把にコスチュームを変えるだけなのでキャラクリ面倒という方にも気軽に出来る(ロードは長いが)

このゲーム、ストーリーがほとんどアバター操作になるため気分で色々見た目も技も変えられるのはポイント高い。

また、ナルト(のコスプレ)がかめはめ波を撃つなど、子供の頃妄想した様々な事が実現可能になっているためジャンプの作品が好きというよりキャラが好きという方にオススメ出来るゲームになっている。

 

総評

週間少年ジャンプ創刊50周年と言うことで色々ソシャゲを乱発していたジャンプだが、どれもこれも成功とは言い難く、満を持してのこのゲームだったが、バンナムのいつものキャラゲー以上の出来にはなれなかった。それで良いのか集英社

この作品、参戦作品がDLCで増えるとは言え、やはり少ない。『ジェイスターズ ビクトリーバーサス』では32作品も出ていたのに、ここでは16作品と半分になっているのはお祭りキャラゲームとして辛い所だし、その分、ゲーム性が上がったかといえば確かにグラフックは良いが表情は硬いし、動きも原作の再現度は低い。

お祭りとしてもゲームとしても完全に中途半端な作品になっているのは否定出来ない。

DLCで色々追加、改善予定らしいのでそれに期待しています.

 

【PS4】JUMP FORCE

【PS4】JUMP FORCE