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パペット大捜査線じゃないよ、大騒査線 だよ。映画『パペット大騒査線 追憶の紫影』ネタバレ感想。(ザ・下品)

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下品。本当にPG12なのが信じられない程fu○kとクスリと砂糖に支配された『パペット大騒査線 追憶の紫影』

ちなみにPG12というのは12歳未満の年少者の観覧には、親又は保護者の助言・指導が必要」だと言う意味です。この映画をみると親は一緒に見た子供にどんな指導したらええねん!と頭を抱える事必至の作りになっています。

今作の感想をネタバレ全開で書いていきます。

 

 

お話

人間とパペットは共存する世界。パペットは二級市民として差別されていた。そんな中、ロス市警初のパペット刑事、フィル・フィリップスはかつて相棒のコニー・エドワーズ刑事(メリッサ・マッカーシーおばちゃん)を人質に取られフィルは犯罪者を撃ってエドワーズを救い出そうとしたが、誤って無実のパペットを娘の前で射殺してしまった。エドワーズと犯罪者は銃撃戦になり、犯罪者は殺害されたもののエドワーズも負傷し。パペットの臓器を移植することになった。その後、エドワーズがフィルに不利な証言をした結果、フィルは警察を解雇されることになり、パペットの警官採用を禁止する法律まで制定されてしまう。

 

月日が経った後、フィルは私立探偵として働いており、サンドラという名前のパペットから「自分を脅迫している人間を探し出して欲しい」という依頼を受けた。フィルはとあるポルノショップに手掛かりがあると睨んでいたが、そのポルノショップで悲惨な殺人事件が発生した。(思っていた以上にパペット達が死ぬんで悲惨だし、牛は乳飛ばしすぎだし、SMシーンもある。親御さんはこの時点でこの映画を子供と一緒に見た事を後悔する事必至。18歳なるまでは入店禁止だよと優しく諭そう

 

その日の夜、フィルの兄であるラリーが犬に引きちぎられ、殺害されるという事件が発生した。(犬も生き物だからストレス貯まったら暴れるので優しく扱おうと子供に指導しようエドワーズとフィルは殺人犯を見つけるために再度タッグを組むことになった。

 

昔の人気番組のギャラ1000万ドルを取り分を増やすため、犯人は昔の仲間を殺してると推理したフィル達はそのメンバーに会いに行くことにする。

 

メンバーと会ったいく中で、

コニーがドラックでハイになったり(日本ではドラック禁止と子供に注意しよう。クスリ、ダメ

パペットがボロ雑巾のように殺されたり(生き物をボロ雑巾にしたらダメ

フィルがサンドラとfu○kしてホイップクリープ大噴出したり(体感5分ぐらいずっと大噴出しててもはやPG12の上限突破。これをきっかけに子供にきちんとした性教育してあげよう

と怒濤の下品展開の連続だが、本筋がしっかりとしたフィルとコニーの二人のハードボイルドバディモノ。とてつもなくオーソドックスになっているので下品を楽しみつつ本筋を見失わないようにしよう。

 

結局、昔のお金の取り分のメンバーはほとんど死んでしまい、FBIは殺害現場にいつもいて、サンドラが供述を行ったことが決め手になり、フィルを犯人だと決めつけ逮捕。

そう、サンドラこそが今回の一連の殺人事件の犯人であり、全てはフィルを陥れるための罠だったのだ。(滅茶苦茶回りくどい

 

サンドラこそ、かつてフィルが誤射して殺してしまったパペットの娘であり、復讐者だと言うことが分かる(どんな気持ちでフィルとfu○kしたのか

 

最後コニーの手助けで留置所から脱走したフィルは飛行場でサンドラと戦う。

かつてのトラウマの再現化のようにコニーを人質に取られしまったフィルだが今度こそきちんとサンドラを狙い撃ち事に成功して過去のトラウマを脱却(ただ、サンドラを殺していまうのは今までの経緯からしてもどうなんだと疑問に思ってしまった

 

フィルの行動が讃えられ、パペットの警官採用を禁止する法律が無くなる動きになり、フィルが再び刑事に復帰して話は終わる。

 

今作について

アメリカで公開されると、そのあまりにもアホで下品すぎる内容に評価は最悪で大コケ。その年の最低映画を決めるゴールデンラズベリー賞に多数の部門でノミネートされるというこの作品では逆に名誉な賞を受賞した。

間違っても家族やカップルの初デートで観るような映画ではないので注意が必要。

ただ、下品なのは間違いないが、人間では表現できない残虐表現もパペットというマスコットを挟むとここまで出来るんだなとまた、マスコットならどれだけアレでもPG12で済むのだなと勉強になった作品。そこにあるのはアメリカ社会での差別される側のあまりにも辛い生き方とそこから立ち上がり現実と向き合っていく男の姿ことが今作のテーマだと思う

また、相棒のコニーは昔銃で撃たれたせいで身体の一部がパペットになっており、人間でもパペットでもない自分という存在が揺れ動く(その設定がイマイチ活かされる事がなかったのが少し残念だったが)

基本的にこの映画は弱者のための作品であり、パペットだったり、半パペットな人が差別され、失敗して、挫折しながらも自分自分に誇りを持ち、取り戻していく大まじめな作品になっている。

そういう劣等感ある人が観れば勇気付けられる作品だし、下品な描写は残酷過ぎる世界を笑うための道化なのだ。

あまりにも下品であまりにも悲しい。そんな作品を私は嫌いになれない。

 最後に

今作のオススメポイントは他にエンドロールだ。

メイキング映像だったり、NG集だったり、この映画が好きそうな人が好きなエンドロールを実にスタッフは熟知している。信頼しかない。

 

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