社会の独房から

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 「わたし、定時で帰ります」でナチュラルサイコパスな上司を演じているユースケサンタマリアさんのナチュラルサイコパス役が上手すぎる話

『わたし、定時で帰ります』というTBSドラマがある。

ドラマ自体も「命を削って一生懸命仕事を頑張ることが生き甲斐ってどうなんだ」という昨今の日本社会への警報をスマートに鳴らしており、大変面白いドラマになっていて全ての社畜に観てもらいたい内容だ。

そのドラマの中で独り、異質な空気を出している役者がいる。

そう、今日本で一番ナチュラサイコパスな演技が上手い事で有名になりつつあるユースケサンタマリアさんだ。

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 日本一、ナチュラサイコパス役が似合うユースケサンタマリアとかいう役者

『わたし、定時で帰ります』は吉高百合子さん演じる主人公「東山結衣」が残業せず、勤務時間内に仕事を終わらせる中で様々な問題に立ち向かう内容なのだが、その中で東山の新しい上司役の「福永清次」を演じているがユースケサンタマリアさん、これが本当に視聴者にストレスを与える(褒めている)

「福永清次」はよくある悪役のような憎しみとか悪意を抱いているキャラではない。素なのだ。

そう、上司が無能で悪気無くブラック発言を連発するという現実社会での考え得る最悪のキャラなのだ。

「福永清次」の意識は現場にあるのではなく、会社からの評価や世間体にある。

 2話で産休から復帰した賤ヶ岳という女性の話でワーキングマザー問題提起の回があり、その中で「福永清次」は本人には応援すると言いつつ、陰では男の育休許す上司って、どうなんだろうね? 会社のお荷物なのかな、ご主人? あっ……、もしかして失業したとか。でなきゃ、何であんな張り切ってんの? 赤ちゃんがかわいくないのかな?」という思っていても同僚にそんな事言うなよって事を普通に言ったりしたり、

ある日、仕事と家庭でキャパオーバーになった賤ヶ岳が遅刻した事に対し、

 「だから、無理しないでって言ったのに」と怒る「福永清次」

 男なら決して言われないであろう一言である。子どもを引き合いに出されるのは、やはり女性、ただ、これは「福永清次」というキャラより、日本の現代社会でまだまだ根付く企業体質の問題点そのものだと思う。恐らく「福永清次」というキャラは古い企業体質の擬人化なのだと思う。

そして第3話では、新人がミスし辞めようとすると「福永清次」は必至に止めようとすうる。これは新人の事を想って止めているのではない。他にも二人の新人が既に辞めており、全滅となると上司としての能力を疑われるという自己保身からくる行動だ。

そこで「福永清次」は雑に新人の事を褒めたり、あろう事か飲みに誘ったりする。

一応彼の役職は部長なのだが、責任を取ろうとはしない。もし新人が辞めた場合、その責任は東山にあると責任転化したりもする。

これらの事を悪意があっての行動ではない。彼の素なのだ。

また、結婚を考えている東山にもプライベート関係なくズカズカ話をしてくる無神経さがある。

「熱い想いはあるけど責任は負いたくないダメ上司」がピッタリくる。

そして「福永清次」本人は、自分はバリバリ仕事出来て、部下への気配りを完璧だと自画自賛してそうな狂気を自然に演じているユースケサンタマリアが本当に観ていてストレスが溜まる(褒めている)

ナチュラサイコパスになるまでのユースケサンタマリア

 私が最初にユースケサンタマリアさんを知ったのは『踊る大捜査線』だ。

ここで真下正義という父が警察の偉いさんのキャリア組である。ただ、キャリアでありながら、無能で、物腰は低く、「腰が痛い」が口癖の和久さんの腰を揉んだり、アニメやPCの扱いにも精通するなど好感度が高いキャラだが、当時大好きだった水野美紀さん演じる柏木 雪乃と恋仲になり、私からの評価は底に落ちる。

その後、『アルジャーノンに花束を』で知能障害者とそこから賢くなった時、そしてまた知能障害者戻る時の感情を見事に演じており、ここでユースケサンタマリア=演技が上手いという認識が根付いてくるし、『ぷっ』すまで「無責任な発言を繰り返すいつも目が死んでいる面白い人」という地位を確立する。

ただ、微妙にキャラが被っている大泉洋の登場などで最近はイマイチ影が薄かったし、プライベートでは鬱病になったという噂があったり、結婚した人と10年別居しており、令和になるタイミングで離婚もしたりしていた。

ただ、そういう経験もあったお陰か2018年にTBSドラマ『あなたには帰る家がある』でパワハラサイコパスな夫を演じており、「男は外で働き、女は男を支えるもの」という、時代錯誤な家族観を持つ太郎は、綾子に対して常に威圧的な態度をとり視聴者にストレスを与えた(褒めている)。本能のままに行動する太郎は、綾子が一切反抗的な態度を取らないのをいいことに、自分勝手に振る舞う。彼は“自分が常に正しい”と確信し、基本的に上から目線なのだ。

ここぐらいからユースケサンタマリアさんサイコパス演技が極まってきたと思います

 

最後に

最近は女性殴ってそうな役者こと新井浩文さんが実際に女性を殴ったり、コカイン吸ってそうな役者ことピエール瀧さんが実際にコカインを吸ったり、演技と実生活の境目が無くなることが多いですが、ナチュラサイコパス役を極めつつあるユースケサンタマリアさんがそうなったら逮捕不可避なので我慢して欲しい所。

これからもナチュラサイコパス役として連続殺人鬼役とかも演じて欲しい。

復讐とか快楽とかそういうのではなくて普段の生活の中で、食事をしたり風呂に入るそんな当たり前の活動に中で当たり前に人を殺す。そこになんの感情も含まれていない。

そんな演技させたら日本一だと思うんですよ!私は!是非!お願いします!

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

交渉人 真下正義

交渉人 真下正義