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映画『ブライトバーン/恐怖の拡散者』感想。ドーン!バーン!物理!痛い!系ホラーの真骨頂

まず初めに言っておきたい事がある。この映画は人体損壊描写をとても派手に、とてもリアルに描いており、大変グロい。

 

予告CMでもあった電灯が割れ、破片が女性の目に突き刺さり、それを素手で必死に眼球から引き抜こうとするシーンがあるのだが、観てて大変シンドイ。

f:id:Shachiku:20191116183046j:image(C)The H Collective

 他にも「悪のスーパーマン」こと主人公のブランドンくんが一般市民を殺すシーンのゴア表現が多彩で、グロい。

 

ホラーにも色々種類があり、ジャパニーズホラーによくあるジワジワと精神的怖さを追求するタイプではなく、ドーン!バーン!物理!痛い!系の怖さの映画なので、そこを勘違いしてこの映画を観てしまうと90分尺の比較的短めの映画だが、30分ほど目を背ける事になってしまうぞ。

私はジェームズ・ガン製作映画という事でホイホイ観に行ってしまったが、隣に座った見ず知らずの女性から苦笑されるほど、顔をイチイチ背けてしまった。だって怖いんだもん。

そんな『ブライトバーン/恐怖の拡散者』の感想をネタバレあり書いていきたい。

【映画パンフレット】ブライトバーン/恐怖の拡散者 監督 デヴィッド・ヤロヴェスキー キャスト エリザベス・バンクス、デヴィッド・デンマン、

 

もしもスーパーマンが悪に堕ちたら

私たちがよく知っているスーパーマンは善と悪の2択を迫られた時に、結局は善の道を選び、ヒーローとして確立されていった。

ただ、もしそのスーパーマンが悪の道を選んだら?

同じようなテーマにアマプラで配信しているザ・ボーイズがある。こちらも傑作だ。

発端
 

 本作でもブランドンくんとスーパーマンとの共通点は多い。例えば

  • 赤ちゃんの時に宇宙からやってきて、人間の両親に人間として育てられる
  • カンザス州にやってくる
  • 超人的パワーと目からビーム、空中浮遊の能力を持つ
  • 自分の惑星の物質が弱点

などなどである。

ただ、ブランドンくんがスーパーマンと違う所が2つある。1つは善と悪の2択を迫られた時に尽く悪の道を選んでしまうという事である。

そしてもう1つがスーパーマンみたいにSって書いたクソダサいコスチュームを着てないところかなHAHAHAHAHAHA!

 

悪の道と思春期らしい性への期待も相まってまるで地獄絵図みたいになるのが本作である。

ブランドンくんは学校では勉強は出来るものの、所謂陰キャであり、陽キャからイジられるタイプだった。そんな中唯一味方してくれる同級生の女の子に片思いをしてしまう。

自分の性への高まりに動揺するブランドンくんだったが、父親から雑な性教育を受け、自分の変態思考を受け入れてしまう。

深夜、片思いの女の子の部屋の突撃し、PCをパカパカとポルターガイストさせ、陽気な音楽を流し、場を温めるブランドンくんと困惑する女の子。

調子に乗った陰キャ程、困った存在はいない。

当たり前だが、女の子はブランドンくんにブチ切れ。「ヘンタイ!」と罵ってしまう。

彼女が喜ぶと思っていたブランドンくんは逆切れし「裏切りやがって」と言い、転んだブランドンくんを起こそうと差し出した彼女の手を力いっぱい握り、右手をバキバキにさせてしまう。

更に女の子がブランドンくんになびかないのは女の子の母親のセイだと妄想し、ブランドンくんは母親を強襲。母親はお腹がパックリ開く。

いやいや、まてまてブランドンくん。あまりにも女の子が可哀想だろう。

イジってきた陽キャ達を襲うならまだこっちもガッツポーズも出来るのに、主人公に優しくした女の子を狙うのはただただ可哀想だろう。「誰でも良かった」と言いつつ女子供を狙う殺人鬼じゃないんだからさ。

観客をスカッとさせてくれない所も「悪のスーパーマン」たる所以か。

 

子供の反抗期と両親の愛

「少年の反抗期が人々の脅威に」というキャッチコピーだった本作。

主人公である少年のブランドンくん目線ではなく、親目線で基本的に物語は進行していく。

ブランドンくんを無実と信じる母親と彼が犯人だと確信する父親の心の揺れが本作の見所である。

 

反抗期の子供を持つ親がよく言う「自分の子が何を考えているか分からない」が本作の肝であり、そこにホラー要素とスーパーマン要素を付け加えた構成になっている。

 

反抗期の時期になると、親離れしていき自宅外で過ごす時間も増え、結果的に家族以外のコミュニティで過ごす事が多くなる。

こうなると親はもう子供を完全に把握するのは困難になり、それを不安に感じる親御さんは多いだろう。

 

本作でもブランドンくんは下着を着たモデルの切り抜き写真や、なぜか臓器がアップで映った写真がベッドの下から出てきたりして、親の考えの範疇を超えた行いをしていく。

恐らくブランドンは水着を着た女性ではなく、人体や動物の臓器などに興奮する性癖だと考えられる。

ただ、それは一般的性癖ではないので親は困惑し、子供を徐々に信用出来なくなってくる。口では母親だから息子を信用すると頑なになるが、本当に信用するなら早めに警察に相談するという選択肢もあったハズ。

 

そして最終的には息子を信じられなくなり、これ以上他の人に迷惑をかけないよう、自分の子供を殺す行動を最終的にしてしまうが、それがブランドンをより絶望させ、人類の驚異にさせてしまう事になってしまう。登場人物の行いが悪い方悪い方にいってしまうのは『ミスト』のようだ。

 

最後に

海外のホラー映画とか観ていると養子縁組とか絶対にしたくないなという気持ちが強くなる事があるが、本作もそんな作品である。

EDでブライトバーンユニバースが始まりそうな雰囲気が出ていたが、人類が物凄い事になりそうなので、是非作って欲しい。

最終的にはジャパニーズホラーの代名詞である貞子と伽椰子も参戦させて

『貞子VS伽椰子VSブライトバーンVS半魚人』という映画を白石監督に撮って欲しい。

ただそれだけを望む。

貞子vs伽椰子

貞子vs伽椰子