MIYAVIの鼻の穴が気になって物語に集中できないんじゃーないんだよ。
まさか、公開前に炎上していた杉咲花さんの朽木ルキアは意外と良かったのにMIYAVIさん演じる白哉が傲慢で偉そうな感じを演出したかった為か、常に顔反らし気味で鼻の穴が強調されてるビジュアルになり、笑いで観客を殺しに来るとは思わなかったですね。
と言うわけで実写版『BLEACH』の感想書きます。
アクションが凄い
『アイアムアヒーロー』や『いぬやしき』『GANTZ』などを手掛けた佐藤信介監督作なので安定安心の素晴らしきアクションシーン。
序盤は結構なオカルトチックな雰囲気もあってオドオドしくそれはそれで良かったのですが、なんと言っても後半のアクションが良かったです。
特にラストの駅前ロータリーという日常をバックにした虚や死神達の戦いは日常と非日常が融解していてとても見応えあった。
ファーストフード店などセットを豪快に破壊しながら暴れるグランドフィッシャーや、ワイヤーを駆使した死神達の飛んで回って跳ねて斬魄刀をぶつけ合うのこの作品の魅力のほぼ全てと言っても過言ではない。
お話
今回の映画は原作の死神代行篇、単行本では1~8巻(実写化された部分は1~7巻)に相当する部分が描かれている中で原作通りではなく、基本的には一護とルキアの関係、一護とグランドフィッシャーと関係に比重を置いていて、織姫やチャドといったクラスメイトはまぁ、存在は消さないけどお前の席ねーから現象になっている。
映画という短い時間で物語を完結させないといけないのだからそれはいいのだけど、その割には中途半端に吉沢亮演じる石田雨竜の見せ場を作るためか、一応原作再現したけどほとんどカットされた撒き餌を撒いたがために空座町に虚が大挙するシーンとかそこいるかなぁと思ったり、何回長澤まさみが死ぬシーンの再放送見せられるねんとか思ったりと結構なチグハグした構成になっている。
原作ではグランドフィッシャー戦後に母親の事や倒しきれなくて後悔している一護に対して父親の一心が
「しっかり生きてしっかり年喰ってしっかりハゲてそんで俺より後に死ね。そんでできれば笑って死ね」
という名言があるんですが、映画ではグランドフィッシャー戦後すぐに死神戦だったため全てが終わって記憶がなくなり目が覚めて朝ごはんを食べようする一護に対してイキナリ言ってきて、その脈拍なさに親父何説教臭い事を言い出すねんというツッコミを入れたくなりましたね。
名言だからどうしても使いたかったけど、使うタイミングないから無理矢理最後に使いました感がありありでしたが、使いたくなる気持ちはわかるので強くは言えない(原作再現で母親の遺影がデカデカとあるのだが、実写では長澤まさみ大好きクラブの集団にしか見えないのズルい)
バットエンドな終わり方
因縁の相手であるグランドフィッシャー戦後に阿散井恋次と朽木白哉の連戦になるという打ち切り漫画の最終戦みたいな展開になるこの映画。
覚醒した一護はかませの阿散井恋次を圧倒するが、朽木白哉にボコボコにされる(原作では瞬殺だったのも関わらず映画では三回ぐらい殺したと思って納刀したのに一護、生きてました~を繰り返したのコントやんと思ったのはまぁ置いといて)そのまま一護は敗北するがルキアに護られ命は救われ、ルキアは尸魂界に連行される原作通りの展開になるのだが、原作とは違うのはここで一護はルキアや死神のことの記憶を失い、ルキアが来る前の平々凡々な学生生活の戻ってしまい、そのまま映画(物語)が終わってしまうことにある。
原作読んだことある人なら知っていると思うが、ルキアは尸魂界に連行された後、処刑されてしまう。
そして一護も物語の最初にルキアに命を救われ、恩もあったハズなのに、実力が足りずルキアを護る事が出来ず、最後も同じように護られ、記憶を失い何事もなかったかのように学生生活を過ごすの滅茶苦茶バットエンドに感じた。
続編があったら、多分この続きあったのかもしれないが、正直この映画興行収入があんまり良くなく、続編はまぁ難しいと思う(海外ではそこそこヒットしてるのでワンチャン?)
実写映画『BLEACH』は救われる事なく、仮初めの平和の中で終わっていく。