とうとうやってきました「筋金入りのろくでなし」「ゲス外道」「奈落に怪物がいるとするなら恐らくああいうのを言うんだ」「得体の知れない何かが仮面被ってヒトの真似事をしている」「パパ棒」と作中で言われ、ファンからも「アビスのやべーやつ」「PG12をR15に書き換えた男」「地上波に流したらいけない男」「倫理観が鍵爪の男」と言われるボンドルドとの決戦を描く『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』
ナナチの可愛さで見始めた人が「んなぁー」と鳴くそんな原作屈指の人気回でもある本作をネタバレありで感想かいていきます。
監督:小島正幸 脚本:倉田英之 キャラクターデザイン:黄瀬和哉(Production I.G)
エフェクト作画監督:橋本敬史 生物デザイン:吉成鋼 アニメーション制作:キネマシトラス 原作:つくしあきひと
あらすじ
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。
「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。
アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。
ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。
深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。そこで、プルシュカと名乗る女の子に出会い
ツイッター感想
『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』はR15で原作通りしっかりとグロいので迂闊に観ると後悔するかもしれません。僕が先程観た回では、「も゛う゛二゛度゛と゛こ゛ん゛な゛の゛に゛誘゛わ゛な゛い゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」と友達に言いながら号泣しているオタクがいました
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2020年1月17日
ボンドルド
「アビスの全てを解明し人類の新たな夜明けを見る」を目指し、「黎明卿」、「新しきボンドルド」とも呼ばれ、CV.森川智之である本作のキーパーソン、ボンドルドをキーワード毎に書いていく。
祈手(アンブラハンズ)
ボンドルドが率いる配下達の総称。ボンドルドの研究の助手も務めている。
全員がボンドルドとは異なるデザイン・形状のフルフェイス仮面を身につけている。
素顔や性別は判らないが性格自体ははっきりしており、千差万別。
ただ、どの祈手も目的達成のためなら躊躇なく他の探窟家や子供達を犠牲にしてでも任務を遂行しようとする。
グェイラ
ボンドルドに対して「旦那」と呼びかけるなど、プルシュカの過去編でやたらキャラ付されていたり、パンフで名前付きで紹介されているが(声優は川田紳司さん)
本人は序盤の戦闘でカッショウガシラにさっさと殺されているという無情さ。良いキャラだったのに…
↑仮面のマークがグェイラと同じ(C)メイドインアビス4巻
カートリッジ
ボンドルドが開発したアイテム。
自分が受ける上昇負荷を肩代わりさせて「呪い」の悪影響だけをカットし、残った上澄み部分を「祝福」として装着者に還元するアイテム。
ある種のろ過装置でありこれにより深層6層の負荷すら克服できるが、その正体は人間の子供から脳と脊髄と最低限の臓器以外の全てを削ぎ落として生きたまま箱詰めし、その子供が上昇負荷を肩代わりして死ぬ事で装着者は上昇負荷を受けなくなるという人道を完全無視した代物。ボンドルドが子供たちの愛(物理)を背中に戦う男の物語なんですよねこの映画。
白笛
白笛たちがそれぞれ所持する笛型のアイテム。
吹くことで特定の遺物や仕掛けを作動させることができるが、その材料は人間であることが判明する。それも、白笛の持ち主となる人物と親密な関係を持つ人物の遺体からしか生成されない。 因みにオリジナルのボンドルドは自らの手で白笛へと加工し、死亡している。
精神隷属機(ゾアホリック)
自分の意識を他人へと植え付けることで自身を増やすことができる遺物。
この性質により「ボンドルド」はある種の群体生命体と化しており、この遺物ある限りボンドルドが滅びることはない。
ただし人間がこの遺物による精神の増殖や融合に耐えることは出来ず、やがて意識がなくなり廃人と化す。
また、上書きに失敗して廃人同然となった者もいる。作中では「祈手になれなかったヒトたち」と呼ばれ、単純労働に従事していた。
功績
「新薬の開発」
「それまで不可侵だったルートの開拓」と「アビス深層での活動拠点の確保」
「アビスから襲い来る大規模な虫害の未然防止」
など前代未聞の偉業を何個も成し遂げ、人類のアビス攻略を一気に推し進めた。
愛情
ボンドルドはカートリッジの材料となった子供達の名前・性格・個性を全て暗記し、誰がどのカートリッジに入っているのかはっきり認識して大切に扱っていた。それ故に狂人。
また、ナナチは特に特別なモノがあり、暴走した「火葬砲」を撃とうとしたレグにナナチが飛びつくと「いけません!ナナチ!」と必死になるボンドルドを見ることが出来る。
彼は人であった時の気持ちや想い、そういったモノを必死に真似ようとしているのではないだろうか。
リコとボンドルド
リコもレグを見つけた時、始めは解剖を試みたのはボンドルドと同じ。
リコが出来なかったのは手段が無かったからでしかない。
彼女はボンドルドに対して「ロマンが分かるのよ」と否定したが、彼女の延長線上の1つにボンドルドがあるのではないかと思ってしまう。
もし、彼女がレグやナナチといった仲間がおらず独りだったら、間違いなく道中で死ぬが、万が一生き残った場合、それは人間性が極限まで削り落とされた状況、つまりボンドルドになってしまっているのではないか。リコがリコとして冒険出来ているのはレグが手を握っているから、そう思ってしまう。
ラストシーンの解釈
最後、「火葬砲」によってボンドルドは下半身を丸ごと消滅させられて敗北。
ボンドルド自身はまたも身体を替えて復活するものの、一連の戦いで戦闘技能に長けた「祈手」と武装を失い、もはやリコ達を捕らえることができなくなる。
6層へ進もうとする3人が見たのは、「前線基地」で3人を見送る祈手達と、破れた仮面を被った新たなボンドルドであった。
ここで、多くの人が疑問に思うのが、あんな非道を行うボンドルドを殺さず先に進むのは駄目なのではということ。あいつこれからも非道なことするのではという心配。
やはりこれはプルシュカの最後の願いでもある「父がリコ達と仲直りし、自身と父がリコ等3人と一緒に仲良くアビスを探索すること」という夢がリコに伝わったのじゃないかなと、そういうロマンを感じてしまう。
最後に
(C)メイドインアビス4巻
前から作者のつくしあきひと先生はヤバイ奴では疑惑がありましたが、これで確信に変わりました。一生ついていきます。
遠くからでも存在感が凄いつくしあきひと先生好き
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2020年1月12日
#メイドインアビス pic.twitter.com/7bkhw0CKMm
1本の映画としてよくまとめており、またクオリティも高い。なによりも愛を感じるファンなら大満足の映画化だと思う。
エンドロール後にTo be continuedの文字が出てきたので、続編をどうしても期待してしまうが、どうなるのだろうか。是非、完結まで作って欲しい。地上波が無理ならネット配信なら行けるはず。アマプラかネトフリ頼む!!
最後に一言
リコのゲロシーンカットは許せねぇ!円盤で追加お願いします!!!あと、「パパ棒」ってなに!!!!!!」