社会の独房から

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『くらげ中二』という昔ジャンプに連載していたクラゲ漫画

週刊少年ジャンプと言えばやはり「打ち切り漫画」だろう。

数多くの漫画が大ヒットを夢見て連載を始め、あの週刊少年ジャンプに連載したという思い出だけ作って打ち切られる。

そんなあまりにも悲しい現実。夢の果て、野望の墓、人生の捨て場でもある週刊少年ジャンプ。

ただ、打ち切りでも一応単行本を出すことが出来るのも週刊少年ジャンプである。

8週打ち切りというアンケート至上主義が始まってから最短打ち切りだった『チャゲチャ』でも単行本を出すことが出来た。

 

チャゲチャ (ジャンプコミックスDIGITAL)

チャゲチャ (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:澤井啓夫
  • 発売日: 2018/07/01
  • メディア: Kindle版
 

 ↑最近では電子化してくれるので手軽に買うことが出来る。

 

単行本が発売されるって何だかんだ強くて、「ジャンプで打ち切られた伝説の打ち切り漫画」「俺は好きだったあの漫画」など人々の記憶に残りやすし、長くても10巻まで続かないので他人にも薦めやすい。

 

そんな打ち切り漫画にもある意味優しいジャンプだが、単行本化してくれない漫画もある。それは「短期連載」「読み切り漫画」や雑誌に本来掲載されるはずの作品が落稿してしまった時、代わりに空いたページを埋め合わせるために作品が掲載される「代理原稿」などがある。

そんな中で僕が印象深く残っている『くらげ中二』について今回は語りたい事がある。

 

概要

第51回赤塚賞佳作を同作で受賞した高田雅利先生によるギャグマンガである。

ネットで調べても『くらげ中二』以外に高田雅利先生は連載を持ってないみたいなので、この漫画が描きたくて漫画家になったのかもしれないし、この作品に夢と人生を懸けていたと思うと余計にこのまま忘れられて良いのかという気分になる(それほどまでに懸けた作品がクラゲなんだと思うと余計に感動しないか?)

 

そんな『くらげ中二』は2000年に「短期集中連載」として週刊少年ジャンプに6回連載されたらしい。2000年と言えば鳥山明先生の『SAND LAND』が連載されていたり、『HUNTER×HUNTER』がまだヨークシン編だったころだ。

なんでこんなに僕が『くらげ中二』の印象に残っているかと言えば、恐らく『SAND LAND』目的でジャンプを買い始めた時だったので、折角買ったんだから隅から隅まで他の漫画も読もうと思ったが、ストーリー漫画って途中から読んでも話が複雑で中々理解出来ずにイマイチ楽しめない。

そんな中、この漫画と『こち亀』みたいなギャグ漫画は途中から読み始めた読者にも優しく読めるというのが印象に残っている理由だと思う。特に『くらげ中二』は主人公クラゲ夫のビジュアルのインパクトもあったし、いきなり主人公の首つり自殺から始まるのも印象深い。ジャンプというよりコロコロっぽい感じが子供心を掴んだのだろう。

 

 

内容

ホモサピエンスが生活する普通の学園生活の中で、クラゲ夫は自分だけクラゲなのではと悩んでいた。

母親に相談しても「ホニャララよホニャララ」と誤魔化され、父親はホルマリン漬け状態。定期的に水を浴びないとだめだし、出産はピッコロ大魔王みたいに母親の口から生まれ、くらげ夫が誕生した際にはその場にいた人を5人殺めたらしい。

そんなクラゲ夫が自分は他のホモサピエンスとは違うのでないかと悩み、母親からの不条理な行動に戸惑いつつ学園生活を満喫する漫画だ。

 

父親はくらげ、母親はホモサピエンスという異種婚だったり、異種族の子供産んだのに母親がサバサバしてる所など現在週間少年ジャンプで絶賛休載中の『ルリドラゴン』と似ている所が多い。何だかんだ学園生活を楽しむのも『ルリドラゴン』ぽい。『ルリドラゴン』がうけているなら『くらげ中二』もいけるのでは……!?

 

ここまで書いていてアレだが、正直『くらげ中二』は僕もそこまで内容覚えている訳ではないものの爆笑するような漫画ではなかったと思う。

「ふふっ」となる程度だし、コメディ漫画なので人を選ぶ。今、絶賛公開中の映画『バービー』と同じようなモノ。

 

ただまぁ未だに記憶に残っているという事はそれだけ当時の僕にはインパクトがあったからだと思う。だってクラゲ人間だぜ!?ホモサピエンスの中で自分だけが違うという物語は結構あるけど、クラゲを選択するセンス(描きやすいからとかそんな理由な気がしてならないが)

 

『くらげ中二』今はもう当時のジャンプを買うしか読む方法がない。それで良いのか。否、是非電子化してほしい。

なんでほぼ同時期連載だった鳥山明先生の『SAND LAND』は単行本化され、電子化までされてとうとうアニメ映画化までされたのに『くらげ中二』は単行本化すらされていないんだ。

『SAND LAND』と『くらげ中二』

鳥山明先生と高田雅利先生。

そこには大した違いはないハズ。

是非、集英社のお偉いさん方『くらげ中二』を。『くらげ中二』をどうぞよろしくお願いいたします。