週刊少年ジャンプと言えばやはり「打ち切り漫画」だろう。
数多くの漫画が大ヒットを夢見て連載を始め、あの週刊少年ジャンプに連載したという思い出だけ作って打ち切られる。
そんなあまりにも悲しい現実。夢の果て、野望の墓捨て場でもある週刊少年ジャンプ。
ただ、まぁ打ち切りでも一応単行本を出すことが出来るのが週刊少年ジャンプでもある。
8週打ち切りというアンケート至上主義が始まってから最短打ち切りだった『チャゲチャ』でも単行本を出すことが出来た。
↑最近では電子化してくれるので手軽に買うことが出来る。
単行本が発売されるって何だかんだ強くて、「ジャンプで打ち切られた伝説の打ち切り漫画」「俺は好きだったあの漫画」など人々の記憶に残りやすし、長くても10巻まで続かないので他人にも薦めやすい。
ただ、そんな打ち切り漫画にもある意味優しいジャンプだが、単行本化してくれない漫画もある。それは「短期連載」「読み切り漫画」や雑誌に本来掲載されるはずの作品が落稿してしまった時、代わりに空いたページを埋め合わせるために作品が掲載される「代理原稿」などがある。
そんな中で僕が印象深く残っている『くらげ中二』について今回は語りたい事がある。
概要
第51回赤塚賞佳作を同作で受賞した高田雅利先生によるギャグマンガである。
飛び飛びで全6話ぐらい連載したらしい。
ネットで調べても『くらげ中二』以外に高田雅利先生は連載を持ってないみたいなので、この漫画が描きたくて漫画家になったのかもしれないし、この作品に夢と人生を懸けていたと思うと余計にこのまま忘れられて良いのかという気分になる(なぜそれほどまで懸けた作品がクラゲなんだという疑問は残る)
そんな『くらげ中二』は2000年に「代理原稿」として週刊少年ジャンプに6回連載された。2000年と言えば鳥山明先生の『SAND LAND』が連載されていたり、『HUNTER×HUNTER』がまだヨークシン編だったころだ。
なんでこんなに僕が『くらげ中二』の印象に残っているかと言えば、恐らく『SAND LAND』目的でジャンプを買い始めた時だったので、折角買ったんだから隅から隅まで他の漫画も読もうと思ったが、ストーリー漫画って途中から読んでも話が複雑で中々理解出来ずに、イマイチ楽しめない。
そんな中、この漫画と『こち亀』みたいなギャグ漫画は圧倒的に途中読者にも優しく読めるというのが無駄に印象に残っている理由だと思う。特に『くらげ中二』は主人公クラゲ夫のビジュアルのインパクトもあったし、いきなり主人公の首つり自殺から始まるのも印象深い。
正直『くらげ中二』自体がそんなにバリバリ笑えて面白い漫画と言えばまぁ苦い顔をしてしまう。
内容
ホモサピエンスが生活する普通の学園生活の中で、クラゲ夫は自分だけクラゲなのではと悩んでいた。
母親に相談しても「ホニャララよホニャララ」と誤魔化され、父親はホルマリン漬け状態。定期的に水を浴びないとだめだし、出産はピッコロ大魔王みたいに母親の口から生まれ、5人ほど殺した経緯がある。
そんなクラゲ夫が自分は他のホモサピエンスとは違うのでないかと悩み、母親からの不条理な行動に戸惑いつつ学園生活を満喫する漫画だ。
正直、僕もそこまで内容覚えている訳ではないが爆笑するような漫画ではない。
「ふふっ」となる程度だったと思う。
ただまぁ未だに記憶に残っているという事はそれだけ当時の僕にはインパクトがあったからだと思う。だってクラゲ人間だぜ!?ホモサピエンスの中で自分だけが違うという物語は結構あるけど、クラゲを選択するセンス(描きやすいからとかそんな理由は気がしてならないが)
『くらげ中二』今はもう当時のジャンプを買うしか読む方法がない。それで良いのか。いや、是非電子化してほしい。
なんでほぼ同時期連載だった鳥山明先生の『SAND LAND』は単行本化され、電子化までされているのに『くらげ中二』はされていないんだ。
『SAND LAND』と『くらげ中二』
鳥山明先生と高田雅利先生。
そこには大した違いはないハズ。
是非、集英社のお偉いさん方『くらげ中二』を。『くらげ中二』をどうぞよろしくお願いいたします。