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【タイパラ】『タイムパラドクスゴーストライター』感想とこれからの展開妄想

週刊少年ジャンプ2020年24号、『鬼滅の刃』の完結と同時に始まった新連載である『タイムパラドクスゴーストライター』(以下、『タイパラ』)(このタイパラは残念ながら『聖闘士星矢』のタイタン×パラスのカップリングのことではない。)

今回は本作について書いていきたい。

 

週刊少年ジャンプ(24) 2020年 6/1 号 [雑誌]

↓未読の人は少年ジャンプ+で3話まで読めるよ。

[第1話]タイムパラドクスゴーストライター/ジャンプ本誌新連載マンガ試し読み - 市真ケンジ/伊達恒大 | 少年ジャンプ+

 

ジャンプで連載を夢見る新人漫画家・佐々木哲平は自分の才能に限界を感じる。

そんな時、彼のもとに「10年後のジャンプ」が現れ、「ホワイトナイト」という新作漫画を盗作してしまう。(佐々木自身はこの時、盗作ではなく神の啓示だという認識)

ジャンプ編集部に持ち込んで、読み切りがアンケート1位になり、連載も決定!

しかし「ホワイトナイト」の本当の作者アイノイツキと出会ってしまいどうなるのか!?というあらすじ。

 

ネットでは賛否両論あるこの作品だが、とにかく物語の先が読めない。

まず、この漫画がどういう漫画でどうなろうとしているのかが不透明で読者はどういう気持ちで読んだら良いのかが難しい。

また、私含めて多くの読者がまだ作者の事を信用してないのも大きい。

市真ケンジ先生、未知数である。

 

個人的には毎週読んでいて先が気になるのは本当で、「期待感はないが先は気になる」というこれ目的で雑誌は買わないけど、買った雑誌に載ってるとついつい気になって読んでしまう漫画だ。

ある意味、週刊漫画雑誌の強みを生かしている。

日本テレビ系列で毎週日曜日22:30 - 23:25に放送しているテレビドラマを見ている時のテンションで読むのが正解みたいな漫画である。

 

それではここから『タイムパラドクスゴーストライター』について整理したい。

 

話の縦軸の候補が3つあると思っている。

  1. 「10年後のジャンプ」というSF要素がある漫画家サクセスストーリー(SF要素は『ヒカルの碁』の佐為のような存在で、重要であるが物語の本質ではない)
  2. 盗作という悪行に対して読者に届けるためという大義名分の下に、「十字架を背負ったまま描くしかない」と決意するなど、現状「事あるごとに自分に都合の良い保身の選択をする」好感度の低い佐々木が、このまま自分の保身のためにドンドン悪行を重ねて行く「タイムスペクタクルサイコサスペンス」モノ。最終的には人を殺したりもする。
  3. シュタゲ的、想定科学漫画家モノ。

 

個人的には2が読みたいけど、バクマンからデスノートになっちゃうのはナイと想定して1と3の重ね合わせだと思う。特に後半は3の要素が濃ゆくなると考える。

 

理由としてはタイムマシンに電子レンジを採用したことだ。

電子レンジをタイムマシンにしているのはどうしても『STEINS;GATE』を彷彿とさせてしまう。

 

オタク界隈では『STEINS;GATE』の知名度は高く、「パクリ」と言われる可能性も高いのになぜ電子レンジを採用したのか。

『タイムパラドクスゴーストライター』は『STEINS;GATE』を下敷きに物語を作っていきます。

という作者の覚悟のように感じられる。

それ故に「世界線」というワードを出したり、これからの展開も「シュタゲかこれ」と思われるような展開があると想像する。

そして何より本作では

 

「どうやって」過去にジャンプを送っているのかではなく、「誰が」「何のために」送っていくのかが重要だと思う。

 

尾田栄一郎先生の読み切り漫画に『神から未来のプレゼント』という漫画があって、そこでは神様が所持する書いたことが必ず起こる「運命のペン」というアイテムが登場するが、『タイムパラドクスゴーストライター』では神様が出てくるのは思えない。

ホモサピエンスが何らかの動機があって、10年前の佐々木にジャンプを送っていると思う。

ではなぜ送っているのか。

ここからは私の妄想を更に書いていきたい。

 

本来の世界線では、佐々木は1話で編集から「好きなモノ描いて評価されたいんだったら地元帰って身内とか少ないファン囲ってチヤホヤされてれば?」と言われ、ショックを受けた雨の日に、プロ漫画家になることを諦めており、高校生でデビューしたイツキのアシスタントになっていた。

しかし、イツキは事故か事件で「ホワイトナイト」を世に出す前に死亡してしまう。

事故現場に出くわしていた佐々木はイツキから「自分と同類だから」という理由で「ホワイトナイト」を託される。

佐々木はイツキの意志を継ぎ、画力を向上させ、ストーリーを練り上げ10年後に「ホワイトナイト」を連載させる(話の流れとキャラが全然違うのはそのため)

その際に佐々木は自分の名前ではなく「アイノイツキ」の名を借りる。(カタカナ表記はそのため)(ここがタイトルのゴーストライター要素)

 

しかし、「ホワイトナイト」を描けば描くほど、本物ではないような気がして、未来の佐々木は悩む。そんな時にタイムマシンを発見する。

彼はそれで過去の自分にジャンプを送り、タイムパラドクスを引き起こし、イツキに存命してもらうと共に、過去の佐々木とイツキで真の「ホワイトナイト」を描く世界線を生み出そうと計画する。

 

未来の佐々木は自分なら「ホワイトナイト」を盗用する事を確信しており、そこにイツキが合流するのも計画の内みたいな妄想。

以上。

 

最後に

まだ、単行本も出てないような漫画の展開予想は流石にどうかと自分でも思ったが、この漫画、展開が滅茶苦茶スピーディなので単行本が出ている頃には上記の私の妄想が全否定されている可能性もあり、もしそうなったら「こういう展開予想してたけど、外れてましたね~。トホホ」みたいな悲しい事になるので思うがままに書きました。

 

ネットでは本作を叩く人もいるけど、個人的にはタイパラと同時期にジャンプに連載された作品がお母さんが作るお味噌汁みたいな美味しさだったので、こういうジャンクフードみたいな塩分たっぷりな作品が1つぐらいあった方が現代的だなと思う。身体に悪いって中毒性がある。

 

ただ、タイパラが長々やるのだけは想像がつかないので、短く太くなって欲しいなと思う今日この頃。

 

こういう漫画はライブ感で読むのが大切だと思うし、展開予想するのが楽しい漫画なので、皆さまもこのタイミングで1度読んでみるのをオススメします。