『The Last of Us Part II』(以下『ラスアス2』)クリアした。プレイ時間約33時間の大ボリュームだった。
『ラスアス2』とは前作が2013年に発売され、圧倒的人気で累計売上本数が全世界で1700万本以上を記録し、ゲーム史上最多となる231以上のメディアで「GOTY(ゲームオブザイヤー)」を受賞した紛れもなく歴史に「名作」として名を残した『The Last of Us』(以下『ラスアス』)の続編である。
ただ、残念なことに『ラスアス2』はネットで「ポリコレに屈した」と炎上している。
今更「ポリコレ」の説明はいらないと思うが、本記事のメインなので一応最初に説明しておく。
ポリコレとはポリティカル・コレクトネスの略称で、性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用することを指す。
私は本作をクリアして「ポリコレ」要素をそこまで感じなかったし、そもそもあったとしてもシナリオ上で意味や理由があったり、前作からの要素だったりしたので、ここまでネットで叩かれてる状況に困惑してしまった。
本記事では『ラスアス2』の感想を書きながら、本作におけるポリコレ要素や、ネットで氾濫しているデマなどについて検証していきたい。
記事の性質上、どうしてもネタバレ要素があるので、まだ遊んでいる最中な人や、これから遊び予定の人は避けていただきたい。
どちらかと言うと本作を遊んでいないし、遊ぶ予定もない。それでも『ラスアス2』を『ポリコレ2』って言いながらキャキャしている人や、怒っている人に向けての内容になっている。
また、『ラスアス2 』を購入予定の方は本作は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』における『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』のような続編であり、前作『ラスアス』を遊んでいないとストーリーが分からないと思うので、そこも注意して遊んで欲しい。
『ラスアス2』炎上の経緯
『ラスアス2』の炎上の歴史は長い。
まず最初が2018年のE3で公開されたトレーラ。
ここで前作の主人公の1人であるエリーがレズビアンだと思われる描写をしたことから炎上。
ただ、エリーの同性愛描写は前作のDLCからあったので、私からすれば今更なのだが『ラスアス』好きと言いながらDLCやってない人は意外と多い。1700万本以上売れているので仕方ない面もあるが。
そして1番の炎上事件が起きる。
リークである。
ハッカーにより『ラスアス2』のネタバレがリークされてしまったのだ。
『The Last of Us Part II』のネタバレをリークした人物はソニーともNaughty Dogとも関連なし
そしてその内容が過激だったため、この時点で更に炎上。
また、これはハッカーによるリークだったのだが、開発元であるNaughty Dogのブラック企業さに不満を持つ元従業員が投稿したものではないかというデマも広がり、「リークは因果応報」という滅茶苦茶な事を言い出す人もいた。
恐らく、本作における発売初日からのスタートダッシュ炎上はこのリークが大いに関係していると思われる。
このリーク、デマじゃない部分とデマ部分がある。
デマ部分はエリーが最後に殺されて、友人がエリーを殺した奴を殺す決意をする復讐の連鎖エンドになっている所だ。
このリークは動画と文字の二種類があり、文字リークはデマだった(初期案の可能性もあるが)
またデマではない部分もデマではないだけで、内容を知らない人に対して如何に負の感情を植え付けるかを考えたような悪意が見え隠れする文章になっている事が多い。
少なくとも『ラスアス2 』はポリコレに屈したという声が大きくなったのはここからである。
そして2020年6月19日、『ラスアス2』発売。
まず、炎上したのが評価のレビュー収集サイトであるMetacriticである。
プロの批評家が9.5点という圧倒的「絶賛」だったのに対してユーザースコアは3.3点といった圧倒的「不評」になった(2020年6月23日時点では4点台まで回復している)
ラスアス2 のメタスコアのユーザースコア、発売日当日なのに2000件を超えるレビューがされてるし(発売して3ヶ月のFF7Rでも4000件程度)内容が殆どポリコレ批判ばかりで、スターウォーズ EP8を彷彿とさせる。
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2020年6月19日
ゲーム発売日に書かれたレビューほど参考にならない奴ないよね pic.twitter.com/SYoqxs8Wpf
Twitterでは2000件と書いたが、その後も増え続け発売されて1日も経たないうちに18000件以上ものレビュー数まで膨れ上がった。
ちなみに発売して半年程度で販売本数が1737万本を超えた『ポケモン ソード・シールド』のレビューの合計が7486件(2020年6月23日時点)
販売本数1177万本を超えた『あつまれ どうぶつの森』が5021件(2020年6月23日時点)である。
『ラスアス2』は現時点(2020年6月23日時点)で64301件である。
このレビュー数がエアプではなく、実際に遊んだ人達なら本作の売り上げは歴史に残るとんでもない数字になっていると思われる。そうなっていると嬉しい。
このメタスコアのユーザースコア、『デススト』の時にも書いたが、向こうの国のゲハのお遊びの場になっており、話題作は大体荒れる。『ポケモン ソード・シールド』もユーザースコアは4点台である(2020年6月23日時点)
『ラスアス2』ではゲハ以外にもポリコレ絶対許さないマンなども加わり、物凄い事になっている(話は逸れるがあるゲームメディア編集長さんがメタスコアの評価が荒れている事を理由にメディア評価とユーザー評価が分かれたって言ってしまったのはどうかと思う。流石に発売直後におけるメタスコアの0点爆撃の事を知らないとは思えないけど)
ここで勘違いして欲しくないのは『ラスアス2』自体は前作のファンならショックを受けたり、不快に感じる場面も多くあり、一定の炎上は仕方ない所だ。
特に続編で前作のキャラが死んだり、不幸になると『ラスアス2』に限らず燃える事が多い。これはそれだけそのキャラクターが愛されていた証拠でもある。
開発陣もこう言っている。
感情移入させた結果、「このゲームを好きになれない人も現れるでしょうね」とドラックマンは予想している。「物語が向かう先、描かれるテーマ、愛するキャラクターたちの結末を好きになれない人もいると思う。“普通だった“と言われるのであれば、むしろ全力で嫌って欲しいですね」。
「このゲームが嫌われても構わない」『The Last of Us Part II』制作陣、野心的な企み語る | THE RIVER
ただ、私が言いたいのは「『ラスアス2』はポリコレだから駄作!」は真実なのかというところだ。
『ラスアス2』におけるポリコレ要素
まず、ネットで拡散しているポリコレ要素をまとめた。
- エリーがレズになった。
- エリーのレズシーンが長い
- 新キャラのアビーがトランスジェンダー
- 新キャラのアビーが屈強な女
- 新キャラのアビーがブス
- そんなアビーのホモセックスシーンがある(ここが1番センセーショナルであり、このシーンの拡散で『ラスアス2』=「ポリコレ」の風潮が広まったと思う。
- 新時代の女主人公アビーが頑固で前時代的な白人男性の象徴ジョエルを殺す
- 男性キャラはどんどん死ぬが、女性キャラは死なない
- 妊婦キャラが活躍する
- 感染者より人間相手がメインになっている
- 新キャラの女性の子供が既存の風習に逆らい頭を坊主にする
これらの要素が正しいのか検証していく
- エリーがレズになった。
これは上記でも書いたが、前作のDLCからその描写はあった。怒る前にDLCやってくれ。というかレズビアンだと分かっただけでそこまで怒るの普通に怖い。
レズビアン自体がダメなのか、異性愛者だと思ってたキャラが同性愛者だと裏切られた気持ちになるのか、その両方なのか。因みに本編でもレズビアンに対して偏見を持っているキャラは出てくるよ。
- エリーのレズシーンが長い
『交響詩篇エウレカセブン』のインタビューでレントンの年齢を14歳にしたのはなぜですかという質問に、それ以上歳を取るとセックスしないのは嘘になるからという答えが忘れられない(ソース元は忘れた)
前作14歳だったエリーは本作では19歳である。
そりゃ、キスもセックスもするハズである。そして好きな相手が女性なんだから必然的にレズ描写になってしまう。
確かにエリーが復讐に燃える時にもイチャイチャする描写(日記など)はノイズだったかも。個人的には相手のディーナはうちのエリーにハッパ勧めたりして「うちの娘を悪の道に落とさないで!」って親の気持ちになったのは確か。
また、感染者を殺した数でマウント取ってきたりして強キャラアピールしながら、妊娠発覚してプレイ時間で言えば1日で味方NPCとして役に立たなくなったのも中々。
よくアビーが開発陣のメアリー・スー的キャラって言われるけど、個人的にはもし本作にメアリー・スー的キャラがいるとすればアビーではなくディーナだと思いますけどね。
ただ「それほど愛した相手と赤ちゃんよりもジョエルの復讐をエリーは選ぶ」というのが本作における重要な要素だと思うので、仕方ない所もある。
- 新キャラのアビーがトランスジェンダー
完全なるデマ。これに関してはエアプが騒いでいるだけ。
- 新キャラのアビーが屈強な女
確かに筋肉は凄いが、これは復讐に燃える悲しき鎧なので絶対に必要な要素でもある。
復讐に燃える前は、筋肉はそこまでムキムキではなかったので開発陣も狙っている。
特に終盤のその鎧が剥がれた後、アビーの変わり様がエリーとプレイヤーに効果が発揮するので、演出がうまいと言わざるえない。
「強い女性自体ありえない」という意見にはありえない根拠が私には分からない。
というか、強い女性自体は前作にもいた。
- 新キャラのアビーがブス
あなたはどう思います?
- そんなアビーのホモセックスシーンがある
「アビーはゲイ」自体がデマであるため、ホモセックスというのはデマ。また、昨今のSIEは独自の規制を設けていると言われており、アニメ調の裸は規制するのにこれは良いのか問題はそもそもそれは『ラスアス2』評価には繋がらないし、SIEに直接言って欲しい。
ちなみに日本語版だとその問題のセックスシーンは完全にカットされているので安心して欲しい(安心できるわけない、CEROレーティング制度嫌い)
↑事後シーンだけある
- 新時代の女主人公アビーが頑固で前時代的な白人男性の象徴ジョエルを殺す
本作最大の鬱シーンであり、叫んだ人も多いだろう。拒絶反応でるのも仕方ない。私も冒頭のアビー操作でアビーの目的自体はその時点では分からなかったが、嫌な緊張感はあった。先に進めたくないという生まれて初めての感情も芽生えた。
前作のラストにジョエルがエリーを救うシーンがある。私はジョエルに同調できたが、出来なかった人がジョエルの行動に不快感を覚え、先に進めなかったと言っていた人がいた。
本シリーズは映画的ゲームであり、マルチエンドのない一本道なのだが、映画と決定的に違うのは見るだけでなく、プレイヤー自身が操作しなければならないという点だ。
開発陣の言葉を借りるなら「共犯者」
それ故に嫌いなキャラの操作が出来ない人がいるのは仕方がない。
アビーが自分の父親を殺されたように、エリーの父親的存在でもあったジョエルの死は「復讐」がテーマの本作では逃れられないのだろう。
復讐に燃えるエリーと復讐後のアビー。
その対比と対照が本作のメイン。
だからこそアビーは男性ではなく女性として採用されたのだと思う。あくまでもエリー基準なのだ。
プレイヤーは中盤からそんな復讐相手のアビー操作になる。
正直、最初は嫌悪感と困惑で一杯である。
そこからプレイヤーの感情が分かれると思う。
「アビーへの憎しみが消えない人」
「アビーに対して共感を覚えた人」
「アビーよりエリーの方が悪に見えた人」
「こんな操作をさせるゲーム自体に憎悪を覚える人」
「エリー視点の続きが気になって目の前のストーリーに集中できない人」
「一体俺は何をしているんだ?と困惑が消えない人」
等々である。
色々な感情が生まれて然るべきだと思うので、楽しんで欲しい。
それにしてもこのアビー、滅茶苦茶嫌われている。
理由はジョエルを殺したというのが1番だけど他にも理由があると思う。
『MGS2』発売まで、雷電というキャラは極力伏せられており、いざ発売したらスネークではなくほぼ雷電を操作させられて、凄く雷電嫌われたことがあったのと同じ流れだと推察する。
↑冒頭雪山でのアビー操作、ここの「この先の展開が怖い」的不安と緊張感は凄い。
- 男性キャラはどんどん死ぬが、女性キャラは死なない
アビーが死なないだけで、男女関係なくバリバリ人が死んでいくのが 『ラスアス2』である。
エリーの復讐相手は複数人いて、その中には女性もいるので当然ながら死ぬ。
黒人男性と女性、アジア人男性と女性全て死ぬ。妊娠している女性も死ぬ。何よりゲームプレイ中は本当に男女関係なく殺していく。圧倒的暴力の前に男女など関係ない事を思い知る。人が死ぬのは良いのだが、犬が死ぬのは悲しい。
↑本作では数多くの犬が敵として登場するが、それぞれ名前があり、犬を殺した時の飼い主の悲壮感は異常(それはそれとして先に進めるために飼い主諸共火炎瓶で殺す)
- 妊婦キャラが活躍する
妊婦は2人出てくるが、1人はあっけなく死に、1人は妊娠していると告白した時点から戦闘から離れ、赤ちゃんが生まれる。
本作はエリーとアビーの対比と対照が物語のメインにある為、アビーが復讐より愛を選ぶチャンスがあった様に、エリーにもチャンスが現れる。赤ちゃんはその象徴である。また、あんな世紀末の世界でコミュニティを形成しようとしているんだから、人口を増やすために妊婦キャラが出てくるのは必然だし、人が足りてないから妊娠していてもコミュニティの為働く描写があるのは自然だと思う。
- 感染者より人間相手がメインになっている。
前作からそうだったし、本作では「最初の感染者」こと感染者の大ボスが出てきて、そういうゲームだったんだって私は驚いた。
- 新キャラの女性の子供が風習に逆らい頭を坊主にする
そもそも女性だと気づいた人がどれだけいるのだろうか。あまりにも女性だと気づかれてないのでネットでも炎上してない存在だと思う。不快指数が少なめのキャラだからかもしれない。
ざっと調べて出てきた事は以上だが、本作における「ポリコレに屈した」と言われてる大きな要素は2つあり、1つがエリーのレズ。これは前作からの要素であり、もう1つはホモセックスなのだが、こちらは完全なるデマである。
デマを排除した上で、物語上の必然性がないポリコレ要素は少ないと個人的には思う。
定量的に語るのは難しいが、少なくとも昨今の作品の中で『ラスアス2』がポリコレ要素が多いとはいえないだろう。
ではなぜここまでポリコレポリコレ言われるのだろうか。
ポリコレ言ってる奴みんなエアプだから
で片付ける事が出来れば簡単だが、話は結構根深い。そもそも、1度「ポリコレに屈した」という噂が流れた作品はポリコレという色眼鏡で見てしまい、普段気にしない要素をポリコレと感じやすくなってしまう事もある。
ここからはその話を掘り下げる。
「ポリコレ棒」と「ポリコレの犬」の関係
ポリコレ棒という言葉はご存知だろうか。語源は諸説あるが、ゲバルト棒が有力とされている。
かつての政治運動の時代に、左翼活動家が使っていたゲバルト棒つまり「ゲバ棒」の存在と同じように、「自由だ平和だ平等だ」と言いながら、自分たちが持つ正義を他人に押しつけ、意に沿わぬ相手を過剰に殴りつけるための「武器」として、ポリコレを利用しているという意味の造語である。
私も昔、漫画『ONE PIECE』のSBSのコーナーで「ルフィ達を女体化しました」という企画があったのだが、それがフェミニスト活動家に目をつけられ叩かれた事があった。
同じ様に日本の漫画やアニメが好きな人は自分の好きな作品を棒で叩かれた経験を待つ人は多いと思う。
フェミニスト活動家はLGBTや性的消費について正しさを求めるなら既存のIPを乗っ取ったり、押し付けたりせずに自分達で新しい作品を世に出すべきという人も多い。
その是非は置いといて、そういったポリコレ棒の嫌悪感から最近では過剰にポリコレ自体に対して反応する人が増えてきている印象がある。
彼らの中で
ポリコレに屈した作品=駄作
ポリコレ要素がある作品=クソ
という本来因果関係がないハズの図式が出来上がってしまい、「ポリコレ」が何かを批判する時の便利なワードになってしまった。
「パブロフの犬」をご存知だろうか。
生まれつき備わっている反射(無条件反射)に対して、後天的(訓練や経験)に獲得する反射を「条件反射」という。
無関係な別の刺激を犬に与えることを繰り返し行い(ベルを鳴らし→餌を与え→唾液を出す)その結果、犬はベルの音を聞いただけで唾液を出すようになった、これが「パブロフの犬」の実験である。
ポリコレ嫌いの人がポリコレを意識し過ぎた結果、この作品にはポリコレ要素があると聞くと条件反射で憎悪を感じ、「クソクソ」連呼するようになってしまった。
本記事では「ポリコレ棒」と区別するため、それらの人を「ポリコレの犬」と表現する。
「ポリコレ棒」は誇張された乳袋があると叩き、「ポリコレの犬」はブスな女が活躍すると吠える。
「ポリコレ棒」は白人以外出てこないと叩き、「ポリコレの犬」はブスな女ばかりだと吠える。
こういう事を書くと必ず「作品の出来が良ければポリコレと言われない」や「ポリコレ要素をうまく作品に落とし込めていないのが悪い」といった反論が出てくる。
個人的にはポリコレの有無や、政治的正しさと作品の面白さは別の所にあると思っていると同時に「ポリコレに屈した」(この表現自体如何なものかとも思うが)ことが悪いとも思えない。
少なくともクリアするまでに20時間以上かかる『ラスアス2』において発売日当日に「ポリコレだ!」と吠える人が作品の出来不出来を判断した上で言っているとはどうしても思えないという話だ。
ブログなどでネタバレ内容を6行ぐらいでまとめた奴を読んでストーリーを分かった気でいる人に対しては、映画をyoutubeの3分解説動画見ただけで分かった気でいる人に嫌悪感と不信感を持つのと同じ感情を抱いてしまう。
あなたが『ラスアス2』を自分でプレイしてクリアした結果、ポリコレ要素が多いクソ作品だと感じたなら私は何も言わない。この記事はあなた向けの記事ではない。
『ラスアス2』はポリコレに屈したという情報はSNSなどを通して瞬く間に広がった。
特にTwitterでは普段からフェミと戦っているアカウントも多く、ポリコレの犬も多い。
前作のファンではなく、『ラスアス2』自体に興味もないだろうにポリコレを叩きたいからこの話題に参戦して来たりする人がいる。
そういった人は作品に興味はないのに雑な知識で日本の漫画やアニメを叩きに来る自称フェミニストと何が違うのか私には分からない。
『最後のジェダイ』
評価レビューサイトにおける評論家とユーザースコアの乖離や、ポリコレに屈したと言われるのはどうしても『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を彷彿とさせてしまう。
私はこの『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』があまり好きではないし、ローズというキャラクターも嫌いだ。
フィンの話をちゃんと聞こうともせずに、スタンガンのようなもので失神させて、牢獄にぶち込もうとしたり、敵のキャノン砲に自らの命を犠牲にして特攻しようとするフィンのスピーダーに横から体当たりして妨害して、更にその上キスしたり、見ていてストレスがたまる行動ばかりして、物語上においてローズというキャラクターを脚本にうまく馴染ませられなかったから嫌いなのだ。
ただ、ネット上ではブスだからダメ!とかアジア系ポリコレ枠はいらん!とかそういう層が声大きく非難するから差別問題に発展してしまったことがあった。
ローズ嫌い=差別主義者のような図式は乱暴なのだが、それがまかり通るのが昨今の情勢である。
「ローズを嫌いなのはそんな理由じゃないのに!」と私はもどかしい想いをしてしまった。
『ラスアス2』も同じで、作品自体の良し悪しではなくポリコレだけ言っていると、また差別問題に発展して、開発陣を応援しようみたいな活動が始まり、作品自体の出来の話は有耶無耶になってしまう。
作品自体に嫌悪感がある人こそ、ポリコレポリコレに言う人に対して安易に同調するのでなく、お前本当に遊んだのかと問う姿勢が必要なのだと思う。
最後に
メタスコアのユーザースコアを見ていると0点つけている人でも
グラフィック10点
ゲーム性8点
ストーリー0点
結果0点
みたいなレビューをよく見かける。
それなら5点ぐらいにしたら良いのにと思わない事もないが、0点つける人でも納得するぐらい本作のグラフィックは本当に素晴らしく、ゲーム性も前作の正統派進化といった感じで面白い。また、ロード時間の体感が本当に短く感じるのも凄い(凄い)
恐らく今年の賞レースに間違いなく絡んでくるが、コメント欄などでポリコレポリコレと炎上するのが目に見えている。
GOTYを獲ったものなら「GOTYはポリコレに屈した」とか「これじゃPOTYだよ」とか「GOTYが終わった日」など散々叩かれるだろう。
1度「ポリコレ」というレッテルを貼られた作品の評価が変わることはまずないので、「ポリコレ」と叩かれる流れを止めることは出来ないが、この記事を読んだ誰かが「ポリコレw」って条件反射でコメントする前に一瞬でも「あれ、でも本当にポリコレなのかな」と疑問に思ってもらえると本当に嬉しいです。
最後に一言。
それはそれとしてエリーとジョエル主演で『ぼくのなつやすみ』的ゲーム作って欲しい。