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【KHMoM】『キングダムハーツメロディオブメモリー』感想【キンハーの音ゲーレビューと考察】

この世には壊滅的なまでにリズム感と音感がない人がいる。

ドの音とか言われても「?」だし、自分が今どの音を出しているのかなんて全然分からない。

リズムの表と裏の概念が理解できない。

 

そういう人は他人と「音」を楽しむ事に恐怖を感じ、やり過ごす技術ばかり育っていってしまう。

 

例えば、歌っている人に手拍子する流れになっても、タイミングが分からず、かと言って手拍子を1人だけせず空気読めない扱いも嫌なので、音が鳴らない「エア手拍子」の技術ばかり上達してしまったり

 

例えば、断りに断りきれず断腸の思いでカラオケに行くことになった場合、お腹痛いと偽って長時間トイレに引きこもるとか、滅茶苦茶喉の調子が悪い動きをするとか、歌うことになっても1人で歌わずデュエットを誘い、マイクの調子が悪いとか言いつつ殆ど声ださないとか、「ライブで客席にマイク向けるパフォーマンス」的な奴で8割過ごすとか

 

それらは過去の哀しいトラウマと、自分自身の自信のなさから生まれてくるモノであり、一生付き合っていかなければならない。

 

そんな人間が今回、音ゲーをしなければならない状況になってしまった。

なぜならディズニーキャラとFFのキャラが夢の競演をする『キングダムハーツ』シリーズの最新作

キングダムハーツメロディオブメモリーが発売されたからだ。

私の『キングダムハーツ』との思い入れは過去の記事を読んで欲しいが、

良くも悪くも並々ならぬ思い入れがある。

 それが今回シリーズ初の音ゲーである。

スクエニ音ゲーと言えば
シアトリズム ファイナルファンタジー

シアトリズム ドラゴンクエスト

などが存在するが、所謂ファンアイテムであり、シリーズを振り返り、過去を懐かしむ為のゲームだ。

ただ、この『キングダムハーツメロディオブメモリー』は違う。

次回作へのプロローグ的新ストーリーも楽しむことが出来るのだ!!

 

その文言を見た時の第一印象は

そういうのやめろ!!!!!!!!!

ってなりました。

ファン向けの外伝ゲームかと思いきや、次回作に向けてストーリーの伏線を撒いていくという「お前、まじそういう所やぞ!」と言いたくなる『キングダムハーツ』の音ゲー

これこそがキンハーはストーリー追いつくのが難しいと言われる真髄である。

初代キングダムハーツからキングダムハーツ2を続けざまに遊んだのにストーリー分からないという伝説の奴再びの可能性すらある(どうせ『キングダムハーツ3.8』的な奴が発売されてストーリーは最低限分かるようにしてくれるとは思うけど)

 

確かに私はリズム感も音感も全くないが「音」を聞いて楽しむのは嫌いじゃない。他人と音を出したり表現するのがトラウマなだけだ。

キングダムハーツ』シリーズは好きなBGMが数多くあるし、PS5は買えなかったが、PS5用のヘッドセットは買えたのでその音質チェックも含めて遊んでみた(泣いてない)

非常に前置きが長くなってしまったが、今回そんなリズム感0の私が『キングダムハーツメロディオブメモリー』の前半はネタバレなしのレビューと後半はネタバレありで考察を書いていきたい。

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譜面が読み辛い

本作のメインとなる「ワールドトリップ」では、「カイリの記憶の旋律を辿る旅」なので、語り手はカイリとなり、これまでのシリーズを彩ってきた音楽を通して初代から3まで(外伝含む)物語を振り返っていく。

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本家同様にワールドを巡りながら楽曲に挑戦し、指定された3つのミッションをこなして星を集めていく。

星が一定数になったり、特定のワールドをクリアすると扉が開いて次へ進めるようになる。ミッションは難易度に関わらず1曲3個になっている。

一部ミッションに難易度指定はあるものの、100%集めないと進めないわけでもないので、自分のやれる難易度で挑んで良い。私はそうした。

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↑この「ワールドトリップ」はシリーズごとに画面が切り替わるとかが一切ないので滅茶苦茶縦に長く、往復するのが地味に時間かかり面倒。曲を遊びたいだけなら「ミュージックセレクト」(好きな楽曲で自由に遊べる)システムを使った方がいい。

 

音ゲーのタイプは3種類。メインとなるのはこの「フィールドバトル」

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このゲームの8割はこれである。

流れてくる敵や敵の技、箱や樽に合わせてボタンを押していくもの。

リズム感がない人間が音ゲーをやる時に必須の技術が「目押し」だがこのゲーム滅茶苦茶「目押し」が見辛い。

シアトリズム系が2Dで見やすかったのに対して『KHMoM』では3Dになっている事の弊害が凄い。「奥行きが邪魔だなぁ」という奴だ。

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特に真ん中でキャラがグライド(飛ぶ)状態だと左右からくるノーツが隠れたり、見辛かったりするのが結構あったり、譜面がカーブしたり、ノーツの速さをばらけさしたりして「目押しするな!リズムにのれ!」という製作陣の想いが伝わってくる(そして死ぬ)あと『美女と野獣』のビーストがゲストとして操作キャラにいると図体デカくているだけで邪魔である。

色々書いたが、レベルを上げて1番簡単なビギナーモードで遊ぶと中々死なないので音ゲー苦手な人にもクリアは出来るバランスだとは思う。ただ、ビギナーモードだと簡単過ぎて眠たくなる事が多いという問題はある。

 

2つ目は「ボスバトル」

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レーンが1つになり、後ろでは実際にボスと戦闘している(見ている暇はないが)
フィールドバトルと違ってスティックを使用し、スティック上下左右や長押しが登場。ただ基本は1本線なうえ、レーンも動かないし「フィールドバトル」であった見辛さはない。


途中でノーツが紫の邪念に包まれるパートがあり、そこでミスがあるかどうかその後のボスの大技をどれだけ回避できるかが決まる(最初ノーツが叩けないようオーラで包まれているのかと思ったけど全然叩けた)

ボス戦の割には全体的に地味である。

 

そして3つ目は「メモリーダイブ」

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おおよそボスバトルと同じだが、こちらは後ろで印象的な映像が流れる(それ故に見辛い時はある)

キンハーの代表曲「光」もこれで遊べる。

終盤である『キングダムハーツ3』のところまで来ると、各ワールド1曲ずつになり、これまでメインだったフィールドバトルではなくメモリーダイブばかりになる。
「レット・イット・ゴー ~ありのままで~」はちゃんと歌付きで、映像含めて完全再現しているが、完全再現している分、曲が長い。

個人的にはKH3だけでなく過去シリーズも「メモリーダイブ」で遊びたかった。

 

メインである音ゲー以外の要素。

まずは「パーティー

「ORIGINAL」ソラ、ドナルド、グーフィー

「DAYS」ロクサス、シオン、アクセル

などなどパーティーを変えられる(個別では変えられない)

ワールドトリップを進めていくと順次解放される。

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ただ、このパーティは本当のおまけ要素でしかなく、アビリティや装備などは一切変えられない。また、選んだワールドによってはワールドに応じたゲストキャラが参戦してくれることもある(初回以外はランダム)

 

もうひとつはシリーズ恒例の「アイテム合成」

プレイすることで手に入る素材を使って、サポートアイテムやコレクション(シリーズで登場したイラストやシーン、キャラクターなどを見れる)アイテムを作れる。

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以上である。

総評として、

クリアするだけなら誰でも出来る(私でもできた)

大体10時間前後でクリアできる。

譜面が読み辛いので事前に曲を聞いてここで叩きそうとイメージすることが大切だと思う。あとは何度も挑戦して暗記するのも良い。

下村氏、石元氏、関戸氏による曲はどれも素晴らしいが、一部でこれリズムゲームに採用するか!?と疑問に思ってしまうようなリズムに乗り辛い曲もある(私はどっちにしろ乗れないが)

 

 

あと、オンライン対人モードもあり中々面白いが結構過疎ってる。発売直後でこれだから早めに遊ばないと対人モード遊べないかも。

 

物語はラスト以外総集編になっているので、目新しさはほとんどなかった。

正直これで7000円かぁとは思う(すぐに安くなりそうだが)

 

 

ここからはネタバレありでこれからの展開の考察をしていきたい。

「裏側の世界」

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最後にカイリの失われた幼少期の記憶が判明する。

アンセムレポートにもあったようにゼアノートの手によって異空の海に送り出されていた。

 

たどり着いたと思われるのが裏側の世界、現実の裏、つまり非現実。

作中では更に「虚構の世界」と表現。

虚構、即ちゲームの世界とも言える。

そう、KH3の『トイ・ストーリー』がモチーフのワールド「トイボックス」で発売されているゲーム『VERUM REX』だ。

 

現実世界は

光の世界、闇の世界、狭間の世界、記憶、夢、データの世界

 

非現実世界が

虚構の世界

といった風に分類できそうだ。

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リクとフェアリー・ゴッドマザーが登場。

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フェアリー・ゴッドマザー曰く、ソラについて手がかりを持っているのは3人。

リクが見た夢(KH3のシークレットムービー)、カイリの記憶(今作)、そしてもう1人の手がかりの元へ。

 

もう1人というのはKH3でソラが出会った「ネームレススター」

実は彼女は裏側の世界から来てるらしい。

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彼女からポータルを生み出し目覚めの力で「裏側の世界」クァッドラトゥムへ向かうリク。
カイリも付いていこうとするが、リクに止められる。

カイリは自らの力不足を認め、残って修行をすることに。

ちなみにクアッドラトゥム(quadratum)はラテン語で、意味は「平方」。

英語だと「スクエア」

FFの生みの親であり、スクウェア・エニックスの合併前である株式会社スクウェアをどうしても連想してしまう。

 

KH3のシークレットムービーであった、まるで現代のような高層ビルが建っている世界。

まるで『FF Versus XIII』で出て来た主人公のようなキャラであるヨゾラがいた世界。

まるでKH3の『トイ・ストーリー』がモチーフのワールド「トイボックス」で発売されているゲーム『VERUM REX』の主人公がいる世界。

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恐らく次回作のメインとなる「虚構の世界」ではこのヨゾラとネームレススターが鍵になると思うが、世界観的にディズニーキャラよりFFのキャラが中心となって活躍しそうだ。FF13FF15は今までのKHシリーズには出てないし、この世界に出ても違和感少なそうなので期待できる。


イェン・シッドや王様たちに今回のことを伝えたカイリ。
ドナルドとグーフィーは各地のメンバーに現状を説明しに行くこととなり、カイリはアクアの元で修業をすることに。

そして王様は「スカラ・アド・カエルム」に向かい「古のキーブレードマスター」の情報を集めにそれぞれ旅立つところで本作は終わる。

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最後に

何かイェン・シッド様の声に違和感があると思ったら、稲垣隆史さんではなく伊藤和晃さんが担当している(亡くなったわけではない)

そりゃ、こんなにも長期シリーズとなると声優さんも変わってしまう。なぁリアよ。

 

キングダムハーツ』シリーズは2022年3月28日に20周年を迎える。

みんな大好き野村哲也氏が「20周年に向けてがんばります(笑)」とコメントしているが、個人的には「4」はまだだと思う。今までの流れからするとニンテンドースイッチで外伝作品がありそうである。そして2030年ぐらいに「4」発売。私はそこまで生きているのだろうか。

 

今回キンハーを人質に音ゲーを遊ぶ形になったが、まぁこうやって自分の中の守備範囲を広げていくのは大事なことだと思うので、その点は遊べて良かった。ただまぁ音ゲーとしてもそんなに出来がよい訳でもないので、「俺は野村哲也に貢ぎたい!!!」という断固たる決意がある人以外は焦らず安くなってから買ったら良いと思う(私は残念ながらその決意を持っているので)

個人的には『キングダムハーツ』シリーズは完結まで追いついていきたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします(先に寿命で死んだらごめん)

 

最後に一言。

 

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カイリさん、下にスパッツ履いているのだろうけど、激しいアクションするのにミニスカは物語に集中できないよ(私が悪い)