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映画『モータルコンバット』感想。真田広之、お前やりたい放題か

「過激な暴力表現の極みなので現在日本未発売のゲーム」の映画化。

北米でもその激しすぎるバトルと相手にトドメを刺すシリーズ定番描写である“フェイタリティ”の残虐さを理由に激しい議論を呼び、レーティング制度が誕生したきっかけにもなったゲーム史に残る作品の映画化。

これ以上のつかみはない。人体破損が好きな人は是非観て欲しい。

ここからはそんな映画『モータルコンバット』をネタバレありで感想を書いていきたい。

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あらすじ

胸にドラゴンの形のアザがある総合格闘家のコール・ヤング(ルイス・タン)は、魔界の皇帝シャン・ツンからの刺客サブ・ゼロに狙われる。その後彼は、特殊部隊少佐のジャックス(メカッド・ブルックス)の指示で地球の守護者であるライデン(浅野忠信)の寺院を訪れる。そこで太古より続く格闘トーナメント「モータルコンバット」の存在と、自身が世界の命運を懸けて魔界の敵と戦うために選ばれた戦士だということをコールは知る。

 

モータルコンバットしないモータルコンバット

タイトルにもなっている「モータルコンバット」は「天下一武道会」や「暗黒武術会」と同じ格闘トーナメントの大会名だが、本作ではトーナメントをしていない。

本作の物語は、トーナメント直前の、魔界側が地球側を出し抜こうとして「モータルコンバット」が始まる前に地球側の出場者を殺そうとする話。つまり、戦いの火蓋は切って落とされたばかり。「俺たちの戦いはこれからだ!よっしゃあああツッ!THE ENDォォ!!」的終わり方。

地球側が魔界の刺客を全員倒した時の魔界のボスのセリフがこれ。

 

「今度は軍隊を連れてくる」

 

いや、トーナメントしろよ。

モータルコンバットが始まりそうで始まらない。それが映画『モータルコンバット』なんだよね。

 

真田広之、お前やりたい放題か。

ゲームを遊んだ事がない人は映画を観ると冒頭の真田広之による痺れるような忍者アクションを一通り見た後にいきなり「魔界」が出てきた事にビックリした事だろう。そして魔界といわれると一般的にイメージする化物ではなく思いっきりアジア人顔の魔界の住民に「フフッ」と笑みがこぼれ、やたら住民が少なくソーシャルディスタンス が完璧な魔界。コロナ対策のバッチリさに感心するだろう。

 

魔界と地球など6つの世界の命運を賭けた武術大会、それが「モータルコンバット
地球の守護者ライデンと魔界の覇王シャン・ツンが各々の陣営に戦士を立て、約数千年に渡り戦いを続けてきた。

知識不足である僕には全く知らん間に開催されていた大会であったが、なんと地球側は負けに負けている。9連敗を喫していたのだ。あと1回負ければ地球は魔界に支配されてしまう。

しかし、予言があった。

魔界と地球の10回目の戦いにおいて真田広之演じるハンゾウの貢献によって地球側が勝つと。

そのため、魔界の覇王シャン・ツンは10回目の「モータルコンバット」が始まる前に地球側の出場者を殺そうとするのが今回の話。

 

ここから地球側の登場人物の紹介する。

 

最大の危機を前にして、ハンゾウの子孫でありながら総合格闘技で勝てない毎日を送り、ドラゴンのアザを持っていると敵に襲われ家族にも危険が及ぶという理由から家族と離れる選択をしたのに、修行がうまくいかないので家族の元に帰ってしまい、案の定家族に危険が及んでしまった馬鹿野郎。何より最後の最後まで地味of地味の主人公、コール。主人公なのにラスボスをハンゾウに獲られたり、活躍の場面が恐ろしく短かった。次回作に期待。

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ドラゴンのアザ持ってないけどやたら強い女戦士のソニア。

 

サイクロップスのような目からビームを発射する犯罪者のカノウ。最初は口が悪くグループの和をかき乱すけど、内なる聖なる心が後半で爆発!頼もしい味方になるのかなと思いきやそんな事は全くなく地球側を金で裏切って、結局殺されてしまった。魔界の住民より普通にクズな珍しいキャラだと思う。

 

両腕がつよつよメカな黒人戦士のジャックス。

 

炎を操るけど、炎の操り方が地味なリュウ・カン。甘い顔からは考えられないほどのその筋肉量にビビる。CGかと思った。

 

空飛ぶギロチン帽子の使い手クン・ラオ。どう考えても外れ能力にしか見えないが意外と大活躍。敵は魔族とはいえ女性だったのに真っ二つにして殺すという殺し方がエグイ。好き。

 

そしてハンゾウ

本作の真の主人公であり、冒頭で死んでしまったのでやはり真田広之は長時間ハリウッド映画には出れないのかと思いきや、最後の最後に冥府からスコーピオンとして蘇るというやりたい放題。

主人公のコールが叫びながら氷を殴るだけの間に、ラスボスであるサブ・ゼロとの死闘は本作最大の見せ場だろう。いや、真田広之。お前、主人公か。

真田さんが「サブ・ゼロとの戦いでは刀を使いたい」と提案し、スタンドチームが「サブ・ゼロが真田さんから噴き出した血を凍らせて短剣にしたらどうですか」と提案して実現した日本刀VS短剣というスコーピオンVSサブ・ゼロは観ていて痺れる。

 

そして最後は口から地獄の火炎を放出してサブ・ゼロをフェイタリティする。いや、真田広之。お前、やりたい放題か。

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地球の守護者ライデンを演じるのは浅野忠信。残念ながら劇場では吹き替えがないので浅野忠信を演じる浅野忠信を見る事が出来ないが、ずっと目が光っていたり、雷を操る浅野忠信がパチモンのマイティ・ソー みたいでずっと面白いからズルい。

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フェイタリティ

ストーリーを期待してはいけない。

恐ろしく意味がなかった修行、ドラゴンのアザを獲得すると秒で奥義を覚えるソニア、やりたい放題真田広之、全然始まらないモータルコンバット、なぜかパンフレットでインタビューを受けている『鉄拳』シリーズのプロデューサー原田勝弘などなど、「なんだコレ!?」と目を疑う展開をかましてくるのだが、まぁ『モータルコンバット』だからな!で解決するから強い。

本作の見どころはストーリーではない。人体破損である。

R15指定を最大限に活かした残虐ファイトが連発する本作。
殴る、刺すといった基本行為だけでは飽き足らず、

心臓鷲掴み、人体真っ二つ、人体フリーズドライなど、原作のゲーム同様のフェイタリティな残虐模写をブチ込んでいる。
自分の子供の前とかでもお構えなしで起こる残虐表現は思わず笑みがこぼれてしまう。

やはり、血飛沫や人体破損の鑑賞は人に栄養を与えてくれることがよく分かる。

笑顔になれる。

色んな意味で出血大サービスな作品で劇場を後にした時の足取りはきっと軽くなるだろう。

 

モータル・コンバット (字幕版)

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