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清楚な女子がギャルになる漫画『白金あずさは頭を打ってギャルになる』感想。

一時期インターネットを見ているとやたら視界に入ってくる漫画広告「自称サバサバ系女」が最近あまり見かけなくなって平穏を獲得できたと思ったら今度は

 

「ゾンビにあふれた世界で主人公だけがゾンビからスルーされる体質なので人助けをするが、その対価として女性に肉体関係を迫る男」の広告が溢れ出したが、それも落ち着いて、年末年始に実家でTwitterのない時代はどう過ごしていたのか想像できないほどダラダラTwitterを見ていると

 

「清楚な女子が頭を打ってギャルになる漫画」の広告がやたら流れだしてしまった。

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てっきり僕はギャルになった女子を何とか以前の清楚系に取り戻す話だと思ったので

「ギャルは!!

ギャルのままで!!!!!

良いだろ!!!!!!!!!」

とファミマの和風ツナマヨおにぎりを酷評された事でキレるTwitter民ぐらい本気で怒ってしまったのでこれは決着をつける必要があるなと思い、独占配信しているめちゃコミのアプリをインストールし、120円課金して『白金あずさは頭を打ってギャルになる』を全話読んだのでネタバレありで感想を書いていきたい。

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清楚を取り戻す話ではなかった。

本当にすいません、全然違うかったです。

 

 

というかTwitter広告で派手にネタバレかましているけど、実はヒロインの女子は記憶喪失になった訳ではなく、元々はギャルだったものの、好きな男性(主人公)がギャル嫌いだと知り、清楚にクラスチェンジしていたが、やはり本当の自分自身を好きになってもらいたいと再びギャルに戻り行動していたという話。

 

あるがままの自分を生きていく。

 

インディアンの思想でもあり、最近流行の「自己肯定感」の話でもある。

てっきり、Twitter広告で出てくるような低俗な漫画なので、ギャルとエッチなハプニング繰り広げながら、恋愛漫画に突っかかって来る不良レベルで出していい男ではないパコるさんが出てきて露悪的な展開になったり、最終的に転生してきた主人公によってスカッとジャパン!!!ハーレムエンドになるのかと思ったいたが、そんなことはまるでなかった。

心が癒される純愛短編漫画だった。

 

この作品で肝なのは最後まで主人公の男子はヒロインの記憶喪失が演技だと知らないまま終わったことだろう。

主人公が記憶喪失になって別人のようなギャルになった彼女を好きになるのは元の清楚な彼女に対する裏切り、浮気では!?と悩むシーンがある。

例えば二重人格の女子がいて両方の人格を好きになるのは浮気なのか。外見しか見ていないのではないか。そういう話。

それに対して、本作をこう答える。

ギャルだろうが清楚だろうがその人物の本質は変わない。

俺が好きになった彼女は、自分が正しいと思った事を行動する彼女は、どんな恰好になっても変わらない。好きだ!!!!!と。

つまり、五体ではなく、本質の話。

 

人は記憶を失っても人格を失わないというエピソードは実際にある。

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ジョンソン氏はいつも幸せそうで、世界の美しさや人と出会う喜びに満ちあふれています。あらゆることに感動し、あらゆる人に感動を与えています。だから本のタイトルも変えました。3年間の取材を通して、かつての出来事の記憶は失われてしまっても、人間の本質はまったく変わらないことがはっきりとわかりました。

 

つまり、記憶を失ったり、人の見た目が変わり、性格が多少変わっても「その人」という本質は変わらない。

そして本質が好きなったとなれば、見た目がギャルになったとしても、好きという気持ちは変わらない。心がうわついて変わりやすい浮気ではないと断言できる。

 

 

最後に

2話完結という短さで、登場人物も最低限。主人公とヒロインの関係性に絞りながら、というメッセージは今を生きる高校生とが読んだらクルものがありそうだ。

僕はくたびれた糞おっさんなので、メッセージ性とかどうでも良くてギャル可愛いな~と思いながら読んでました。

 

清楚にならなくて良かった。この勝負、僕の勝ち。

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