航空部なんて部費高すぎて入れる訳ないだろ!!!!!!!!!!
バイトしている描写もないし、登場人物全員金持ち。
あらすじ
高校3年生までスポーツに打ち込んできた都留たまきは、青凪大学への入学をきっかけに、恋をして充実したキャンパスライフを送ろうと意気込む。だが、体育会航空部の主将・倉持潤に勧誘されてグライダーに体験搭乗した彼女は、たちまち魅了されて同部に入部する。なにかと面倒を見てくれるが衝突してしまう先輩・空知大介を筆頭に、個性豊かな部員たちに囲まれながら、グライダーの魅力にはまっていく。
アニメ映画『ブルーサーマル』は、「月刊コミック@バンチ」に連載されたいた小沢かなのマンガ『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』が原作となっている。実際に小沢かな先生が学生時代に在籍していた航空部での経験をもとに描かれたらしい。
全5巻で既に完結。
2021年からは、前日譚となる倉持が主人公の『ブルーサーマル FIRST FLIGHT』がLINEマンガにて連載されていた。
監督は『東京マグニチュード8.0』『プリンセス・プリンシパル』シリーズや『英雄伝説 空の軌跡 THE ANIMATION』の橘正紀。
脚本は『ぬらりひょんの孫 第1期』『咎狗の血』『戦国BASARA Judge End』『異世界はスマートフォンとともに。』『覇穹 封神演義』の高橋ナツコ。
ナツコさんは「原作通りに作ってもダメだよなぁ…そうだ!!」の精神の持ち主で、アニメ化した時に「高橋ナツコ」の名前があると苦い顔をするファンもいるほど。
ただ、TVシリーズと違い映画はどうしても尺の問題に突き当たるので、原作改変は仕方ない側面が大きい。本作も監督の橘正紀はインタビューで
本作を作る上で特に苦労した点は尺。
コミックス5巻分を100分程度に収めるのにかなり苦労しまして。実は編集で50分削っているですよ
と語るほど苦労しているのは分かるが、グライダーというマイナー競技なのにルールや専門用語の説明があまりも無いからいま何をしていているのかよく分からないまま観続けるハメになる。何かいきなり競技相手が交信して、陰湿に精神的負荷与えようとしてくるのも???になる。
とりあえずグライダーは
「ブルーサーマル」
「上昇気流」
この2つの単語であらゆるが説明されるし、こっちはこっちで「あ~上昇気流ね。来たね来たね」となんとなく分かってくるので、映画終わりにそのまま操縦練習許可証取れるかもしれない。凄い映画だ。
練習描写も殆どなく、練習試合や大会が連続しているが、それすらもカットしているので、主人公の生まれ持ったセンスで全て解決したようにしか見えない。
ダメな点もあるが、本作の良さは航空描写だろう。
CGではなく、2Dで描かれたグライダー。
空の色や雲の形、グライダーの細かな挙動と機体の軋み、計器の動き。グライダーから見た地上の背景も非常に細かく描かれている。
空を飛ぶ、という要素に映画の見所を全振りしていて気持ち良い。
だからストーリーなんてオマケなんです。
確かに序盤は主人公とグライダーとの出会いが強引な点を除けば導入からサクサクで話も分かりやすい。ただ、中盤ぐらいから話が雲のようにフワッフワッしてくる。
これはある意味原作通りというか。最終巻の5巻とか怒涛の展開と増えるポエムの数に「えっ打ち切りなの?」って思ってしまう程だ。
ここからネタバレありで書いていきたい。
原作との違い
脚本の高橋ナツコがパンフレットでこう言っている。
原作の小沢かな先生と打ち合わせをした際に「原作そのままにしなくてもいいです。倉持が生きていて欲しいという気持ちは私にもあるんです」と仰っていて、私もとても共感しました。監督の橘正紀とも相談して、現在のラストになりました。
映画を観た人が倉持先輩と朝比奈さんとの間の契約だの投資だの色々背負ってる匂わせと病床の母の要素などなど、倉持先輩のラストの事を知りたくて原作を読む人も多いと思う。
原作を読むと色々判明すると同時に倉持先輩が死んでいてショックを受ける人が滅茶苦茶いそうである。
映画だと倉持先輩が母の死などあって、グライダーの墜落に見せかけて(母の死がショックで平常心を失い、本当に事故して偶々生き残った説もある)消息不明の世捨てからの不法滞在者コースになったのは衝撃的だが、原作だとグライダーの墜落で死んでいる。
同じ展開にしつつ、無理矢理生き残らせたのが映画版なのである。
いや、そんな事ある!?
何もかも背負い込んでしまうタイプが爆発してしまい、背負ってた全てを捨てたくなる気持ちは分かるが、心配する人が一杯いて、実際に救難部隊が探索している中、死んだと見せかけて海外で悠々自適に生きるなんてヤバすぎるでしょ。バイトでのバックレLV99みたいな事平然とやっておるぞこの眼鏡。
えっもしかして記憶喪失なの!?思い入れがある青凪Discus見て記憶思い出した系!?いや、現代だと警察にそれこそ保護されるだろ!!!
原作をなるべく改変しないが、倉持先輩は死なせない。
それを同時にやらなくちゃいけないのが、脚本家の大変な所だなぁ。
結果的に倉持先輩の肉体と精神鬼つぇぇ!!で全て解決させたの流石高橋ナツコである。
最後に一言。
公開のタイミング的にブルーサーマルじゃなくてプルサーマルだと思うよね。