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PS5『フォースポークン』感想。どれだけ開けても宝箱の中身がただの草や石

人の顔の解像度低すぎて主人公が大坂なおみにしかみえない問題

プラットフォーム PS5,Microsoft Windows
ジャンル オープンワールドアクション
発売日 2023-01-24
価格 9600円
プレイ人数 1人
クリア時間 ストーリーだけで10時間前後。やりこむと50時間前後
メーカー スクウェア・エニックス

 

ニューヨークに住む「フレイ・ホーランド」は、ある日謎の現象に巻き込まれ、美しくも残酷な異世界「アーシア」へと飛ばされてしまう。 そしてその腕には意志を持つ魔法のブレスレット「カフ」が巻かれていた。 カフの助けを借り、フレイは故郷であるニューヨークへ帰る方法を探して広大なアーシアでの旅を始める。

 

FF15を開発したチームが集ったスタジオ「ルミナスプロダクションズ」の記念すべき1作目である『フォースポークン』

SIEですら大作になると縦マルチというひよってる状況の中でCSはPS5独占という売り上げ度外視の姿勢が嬉しくて購入したのだが、まぁ本作の評判は良くない。

Amazonのレビューが低いとか、一般のユーザースコアが参考にならないのはいつも通りの日常なのだが、メタスコアという著名なメディアやプロ評論家たちの評価を平均点が現時点*1で66点という賛否両論というか否より。本当に低い点数になってしまった。同じ66点のゲームなら『閃乱忍忍忍者大戦ネプテューヌ -少女達の響艶-』や『ブルー リフレクション 幻に舞う少女の剣』がある。『ブルー リフレクション 幻に舞う少女の剣』は神ゲーなのでメタスコアが当てにならない事がよく分かる。

 

という訳でクリア&大体やり込めたのでここからは感想を書いていこうと思う。

「ここ直して欲しい~~」ポイントも多いので評価が低いのも分かる。でも個人的には好き。挑戦に頑張りを感じる。応援したくなるそんなゲーム。

 

 

「ここ直して欲しい~~」ポイント1 宝箱の中身がただの草や石

オープンワールドの醍醐味の1つが広大なMAP探索があげられる。

「あそこに見える山を登ったら何かありそう」という好奇心をそそられ、実際に色々考え試行錯誤しながら登るとそこには相応のご褒美がある。これこそがオープンワールドの楽しさだと僕は思っているが、その点でいうと『フォースポークン』はガッカリ感が強い。

ご褒美の殆どが素材の草や石だからだ。

装備を強化するための素材。

装備となるマントやアクセサリーをゲットできるのはダンジョンクリアと村にいるモンスター殲滅ミッション報酬と限られているし、色々なアイテムと交換できるコインが入っている宝箱は見た目から違うので宝箱を開けるワクワク感がない。

色々な所に宝箱があるのでついつい開けて「あぁ……また草か……」となりがち。草ァ!

特に宝箱を守る強敵を何とか倒して、ワクワクしながら開けたらその辺に生えてる草が出てきた時のガッカリ感。草なんて宝箱に入れてもすぐ枯れるだろ!!

そもそもアイテムの種類が少ない。

 

「ここ直して欲しい~~」ポイント2探索がワンパターン

MAPは本当に広いが、バリエーションは少ない。街はないし、荒れ果てた村に行って敵を殲滅のパターンが多いし、ダンジョンの構成も似たり寄ったりで中盤以降飽きてくる。何より報酬の種類がマンネリ。戦うモンスターの種類も少ないので同じような敵と何度も何度も戦うことになる。

移動が楽しいゲームなのでMAPを広大にするのは分かる。広大な割に中がスカスカだといけないので宝箱置いたりダンジョンを所々設置するのも分かる。ただコピペしたような配置じゃなくてもう少しこう新鮮味を維持できるような、ワクワク感が減衰しないようなMAPにしてほしかったぜ!

 

 

「ここ直して欲しい~~」ポイント3相棒カフとのやり取りが面白くない

大坂なおみが異世界に移動するきっかけとなった右腕の腕輪カフ(三上哲ボイス)だが、主人公と常に一緒なのでよく喋る。イメージとしては『ゴーストワイヤー:トウキョウ』と同じ。

異世界を探索する大坂なおみの相棒みたいな立ち回りで、フィールドでは基本的にカフの掛け合いを聞く事にになるが、小粋なジョークやボケやツッコミの関係になるのかなと思いきや、結構ギスギスしていて聞いていて面白くない。ここにff15の会話センスが欲しかった……。何ならバリエーションも少ないので同じ会話を何度も何度も聞くことになる。カフがニューヨークのことをニューアークと言い間違えるパターン何度聞いたことか。痴呆老人か。

 

 

「ここ直して欲しい~~」ポイント4 街が1つしかなく、サブクエも少ない

世界観的に仕方ないが、人類が殆ど滅んでしまっているので街が1つしかない。

その唯一ある街も探索要素は殆どないうえに肝心のパルクール魔法が使用できないので移動が苦痛。

サブクエの種類も数も本当に少ない。

  • 羊に餌をやる
  • 猫を追いかける
  • ダンスを踊る
  • 指定された場所で写真を撮る

あとはたま~~~に「指定の場所で強敵を倒せ!」というサブクエがあったぐらい。

猫を追いかけることで汚いおっさん人形を入手出来る。本作ではやたらと猫が推されていて、ネットのユーザーに媚びてるなあと思ってしまう。

 

 

猫集めもできて、増えると一緒に寝る演出があったり、宿が猫だらけになってしまう。ネットのユーザーに媚びてるなあ

 

 

「ここ直して欲しい~~」ポイント5登場してくるキャラ、みんな好きになれない

正直、中盤ぐらいは遊んでいてイライラしてしまった。

大坂なおみはハプニングで異世界にやってきた。しかし、不思議な力を持っていたモノだがら「大になる力には大いになる責任がある」理論で大坂なおみに救世主だったり人殺しを強制してくる村人たち。それで大坂なおみが「嫌だ!イヤだ!元の世界に帰りたい~~」と至極当然なことを言うと自己中扱いで説教されたり、冷淡に扱われたりする。大坂なおみが可哀想過ぎる……。全体的に人類滅亡直前みたいな世界観だから皆に余裕なくピリピリしていて「こいつら救ってやるか‥」という気持ちが不思議な程湧いてこない。それはそれとして大坂なおみは大坂なおみで「さっさと救世主になるの受け入れろよ……」となってしまうし……。

↑全体的になんだこいつら……となる

 

また全体的にキャラは少ない上にキャラを深掘りするサブクエストも少ない。キャラ独自のエピソードも少ないので、どいつもこいつも好きになる要素がなく終わってしまった。終盤は盛り上がるけど、もう少しプレイヤーを気持ちよく接待してくれ!!!

 

 

「ここ直して欲しい~~」ポイント6 細かな所

  • アイテム一杯で拾えないのは分かるが、何のアイテムが一杯なのか教えてほしい
  • MAPを開きたいのに直前のプレイで更新された情報が表示されてわざわざ画面切り替えるのが面倒
  • NPCと会話しようとした時の決定ボタンがシビア

 

 

「ここ良いぞ~~」ポイント1 移動が気持ち良い

開発が最もアピールポイントとしている要素である魔法パルクール。

 

パルクールとは都市や自然環境の中を走る・飛ぶ・登るという自身の身体能力だけで移動する移動動作・スポーツの一種。

 

これが非常に爽快。

 

オープンワールドにおいてプレイ時間の多くを占める「移動」問題は常につきまとう。しかし、本作は移動自体に爽快感を持たせることでその問題を見事に解決していると言える。更にゲームを進めるとスパイダーマンのようなワイヤーアクションも出来るようになったり、

↑行ける範囲が一気に上がる

 

水の上を移動できるようになったり

↑ただ、水上のフィールドが少ないのが難

 

崖登りの性能が上がったり、出来ることが増え、移動が楽しいゲームになっている。ただ前述したように移動先の報酬が微妙なのが非常に勿体ない感じだ。

グラフィックに関してはまぁこんなものかって。

 

 

「ここ良いぞ~~」ポイント2魔法バトルが楽しい

最初は魔法弾で中距離からペチペチ殴る事しか出来ないが、中盤以降は炎の剣による近接攻撃など使い切れない程に種類も増えていく。

飛んでいる敵には魔法弾、群れている敵には広範囲の魔法弾、接近してくる敵には炎の剣による範囲攻撃など、色々考えながら行動も出来るし、全部無視して脳死で攻略できるぐらいの難易度ではある。

 

 

入力の判定はシビア過ぎず、狙いをつける時は時間の流れがゆっくりになるなど思い通りの動きをしやすい。全体的に優しい。

一気に襲い掛かってくる雑魚モンスターを広範囲魔法で一掃した時などは快感があって気持ち良いし、敵の攻撃をカッコよく避けれた時も気持ち良い。戦闘は魔法連携や魔法の切り替えが出来るようになってくると格段に面白い。多分、今度出るハリポタのゲームより面白いと思う。

 

「ここ良いぞ~~」ポイント3ロード時間はかなり快適

流石にPS4を切り捨てただけはある。ファストトラベルした時などロード時間は爆速。ただ、会話スキップの演出に違和感があったのでもう少しなんとかして欲しかった。

 

不満点も多いが本作の強みがちゃんと力入っていて強いので遊んでいて面白い。そんなゲーム。

 

 

最後に

本編では触り程度しか語られない世界観などは資料をゲットすると深く考えられている事が分かる。世界観大好き人間としがこういうのを眺めているだけでも結構楽しかったりする。

 

個人的に本作で一番辛かったのはゲーム性よりストーリー

誰からも愛されていないと自暴自棄になっていた大坂なおみが自分の過去を知り、世界を知り、人を知ったことで自分自身を見つめ直し再起する展開なので、終盤までずっと言い争いやグダグダしているので好きになれない人も多いと思う。ただ、最後は結構健やかに終わる「終わりよければ全てヨシ!」エンドなので、クリアした後だと嫌いになれない。

 

 

まぁ細かな不満点が色々あったりオープンワールドとして物足りない所があったり、主人公が美人ではなく、良い子でもなく、開発がスクエニで、FF15作ったスタジオというレビューで点数を低くしやすいポイントが多数あって、全体的に厳しい評価になっている気がする。

ただ、クソゲーと叩かれる程酷いゲームなんてことは全くなく、PS5持っている人なら買って遊んでみてもそこそこ楽しめるそんなゲームになっていると思う。

 

売り上げは芳しくなさそうだしルミナスプロダクションズの明日はどっちだ!?

 

 

 

*1:2023年2月4日