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【ネタバレ】『アントマン&ワスプ クアントマニア』感想。カーン、お前ラスボスな割に目が綺麗だね

魔法ゲートから大量のアリが出てきてサノス軍が潰されるMAD動画が作られると思う

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アントマンは、<量子世界>に導く装置を生み出した娘キャシー達とともに、 ミクロより小さな世界へ引きずり込まれてしまう。そこで待ち受けていたのは、過去、現在、未来すべての時を操る能力を持つ、 マーベル史上最凶の敵、征服者カーン。彼がこの世界から解き放たれたら、全人類に恐るべき危機が迫る…。

 

「今度の『アントマン&ワスプ クアントマニア』はMCUを変えてしまう大きな作品になるよ」

「今までの映画と違い、新たな“アベンジャーズ”に続く作品」

監督のペイトン・リードや帽子が世界一似合うケヴィン・ファイギの言葉通り、集合映画が作られることなくヌルっと終わったフェーズ4からの2025年公開予定『アベンジャーズ』シリーズ第5弾『Avengers: The Kang Dynasty』6弾『Avengers: Secret Wars』に繋がるフェーズ5の先陣を切る映画となった本作。

 

まぁ~~~~~~~~ 普通の、平均的MCU映画って感じだ!

面白いって褒める時も「普通に面白い」とわざわざ「普通」って付けたくなるぐらいの普通さ。フェーズ4のMCU映画が普通のヒーロー映画が少なかったから逆に新鮮味すらある。

 

これまでのアントマンシリーズって現実世界を舞台にしたコミカルなアクション映画だったが、本作は量子世界が舞台になっており、スターウォーズみたいなスペースオペラとなっている。

大量の兵と兵器を持つ「帝国」に対抗する「反乱軍」の構図に見た事あるデザインの廊下と見たことあるデザインの兵器での撃ち合い。聞いたことある演説に感化される一般市民の構図も何回見た事か。量子世界と銀河宇宙の差別化されなさ過ぎて「そこには力入れません」という決意にも見える。

 

そのスターウォーズの影響でアントマンシリーズにあった楽しさがない。普通の街中や日常の風景の中で物体が収縮する楽しさ、クソデカトーマスや、クソデカキティちゃん武器などの日常生活の延長線上にあるサイズ変換ギミックも少ないし、スコットの別れた妻とその今の夫も出てこないし、ウー捜査官も一瞬の登場で、何より3馬鹿が登場しない。ルイスが早口で語るシーンもないのだ。マイケル・ペーニャのいないアントマンなんてそれは「ふんわり山芋の鉄板焼」がない鳥貴族みたいなものである。

 

 

その分、本作ではスコット一家の絆に力を入れている。

スコットと娘で令和のグレタみたいになってるキャシー、ホープと父ピムと母ジャネット。3世代5人の家族の物語。

スコットは5年、ジャネットは30年近く量子世界にとらわれており、家族としての時間を奪われた一家ともいえる。そんな彼らが時間を操るカーンに立ち向かうという構図は良いが結局は「カーンがヤバすぎて現実世界に来られたら困る」という解でしかないのでそこに葛藤が見えない。

カーンの「俺は時間を操れるから過去に戻ってやり直せる」という甘言に対して散々悩んだ挙句に「それでも自分が考え、勝ち取り、生きた時間を大切にしたい」的なメッセージと共に打破する展開になってないのが勿体ない。

 

 

不満点も多いけど、アントマンとは何者なのか。その本質に対して100点の解答をしているのが本作の見どころだろう。

可能性の嵐の中、見た目がサーティーワン以外同じなのは少し残念ではあったけれど(逆にサーティーワンはどうやったここまで来た!?)、違う人生の選択をしたスコット達が集まって各自考え方や行動がバラバラだったのに、キャシーの助けを求める声に対してはどの選択肢を選んだスコットもその声に駆けつけて、一致団結し協力し合うあのシーンはこの映画のベストシーンの一つだと思う。お父さんはヒーロー。メンタル的にはスコットがカーンを超えてしまったシーンでもある。

 

 

そしてピム博士。娘との仲と嫁は戻った!孫娘みたいなのもできた!嫌いだったスタークは死んだしスターク社は大変!そりゃご機嫌なのかもしれないが、性格も丸くなって大活躍である……。浮気しようと思ったけど妻を想って浮気しないその心意気。

というか未来の知識や技術をもつカーンすらどうにもならないピム粒子ヤバすぎるだろ……。こいつが悪落ちしないユニバースの安心感よ……。あの量子世界にいるアリの大群が悪落ちしないことを祈る。

逆にジャネットは活躍の場が少ないわ、量子世界に何年もいるのに化粧バッチリだわ、必要な情報を教えず引き延ばすわで中々酷い。しかも情報を教えなかったの浮気を隠したかったのも理由にあるんじゃねーかと邪推してしまう。というかジャネットが本人の意思ではないといえ、量子世界を見捨てたことへのフォローないのね。

 

 

カーン

本作はアントマンの映画であり、サノスに続くスーパーヴィランであるカーンの映画初の顔出しである。

そのカーンの扱いに困っているように感じられた映画でもある。これからにも影響あるので滅茶苦茶強く見せたいけど、1本の映画としてヴィランは倒したい。そのバランスに難儀してそうな映画だった。

ただ、結果的に強そうに見えないというか、ジャイアントマンの暴力性を見ては逃げようとするし、アリの大群にやられて満身創痍になるの普通に格が低いだろ!!!

映画を観る前の僕の予想としてはアントマンやジャネットが犠牲になったうえでキャシーだけでも現実世界に帰れるのかなぁと思っていたが、まさかの全員生還である。

ソーを倒したり、いくつものアベンジャーズ倒したらしいけど、イルミナティ面々がスカーレット・ウィッチ瞬殺されたみたいに主人公補正ないと弱いヒーロー達だからなぁ。

 

そしてその後のカーン会議。

「ククク…奴はカーンの中でも最弱…」になるのかなと思ったら「え?カーンがやられた?マジ?カーンじゃない奴に?やばいやばいカーン全員緊急集会緊急集会!」になるのも格が低い。そもそも征服者カーンって殺すのではなくて追放しか出来なかった時点でカーンの中でもかなり上位者だよね……。

サノスみたいに長年椅子に座ってニヤついてインフィニティウォーで本気出すみたいな爆発力がないとヴィランとしての威厳を保つのは難しいのかもしれない。

 

カーンの流れ的には

存り続ける者が変異体をユニバースごと剪定し続けていたためカーンが生まれる世界はある一定以上発生していなかった
・ドラマロキ最終回でシルヴィが存り続ける者を殺した
・結果カーンが存在する世界が一斉に誕生した
この流れっぽいね。やはりロキが元凶……。

 

 

最後に

一度しかポータルは開けない!閉じた!
開いた
帰ろう

のラストの流れ何!?となる。

確かにキャッシー達が装置作っていたし、「一度しかポータルは開けない」は量子世界からの話で現実世界からなら何度でも開けれるのかもしれないが!

まぁただ最近のMCUは誰かが犠牲になる話が多かったのでこの終わり方はアントマンっぽい。それなら頭からビーム出すデストロイヤーみたいな奴も生きてて欲しかったし、モードック(ダレン)もやっぱり生きてましたって誕生会に参加してるくらいのノリでも良かった。アベンジャーズからまた1人死者が出てしまって哀しい……。

 

あと、続編があるならヘルメットを何度も何度もカチカチカチカチ開け閉めする止めて欲しい。

 

 

ラストの「ありがとう虫マン!12ドルね」
コーヒークソ高いな!!!って。日本円だと1600円ぐらいである。映画館のコーヒーって小さいのに400円ぐらいして「たけーな」と思ったけど桁が違った。流石サンフランシスコ。絶対に旅行できない……。