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『映画刀剣乱舞-黎明-』感想。みんなも「へっしーLet's Go TOKYO」を味わってくれ

『映画刀剣乱舞-黎明-』を観た僕は、ものすごい衝撃を受け、フラフラになって映画館をあとにした。

 

 

本作は2015年にEXNOA(旧DMMゲームズ)とニトロプラスが共同製作したPC版ブラウザゲーム『刀剣乱舞』を実写化したもの。

一応、2019年に公開された『映画刀剣乱舞-継承-』の続編だったりするが、そのことは気にする必要はない。前提知識なしでも楽しめる映画だからだ。ミュージカル(刀ミュ)や舞台(刀ステ)も大人気だがそれすら見る必要はない。

「この映画はMCU映画みたいに多数のメディアに跨った続編映画であり前提知識が必要だから調べておけ」なんてことは強要しない。会社帰りでも、エプロン着たままでも興味もったその瞬間にそのまま映画館に向かっていい。特にイケメン集団による殺陣アクション好きは観て損はない。

 

 「よくわからないけど取り敢えず予習でDMM GAMESのサイトにいってゲーム初めてみよう」とか考えて、その果てにゲームにハマり過ぎて気がついたら劇場公開が終わっていたなんておこらないように今すぐ観ろ。何!?そんなハマるようなゲーム性じゃないから安全だと!?失礼な!!!確かに僕は3時間ぐらいで飽きたけど、何が自分にヒットするかなんて誰が予想できるものか!「スマホでもゲーム出来るじゃん!」でもない。スマホの電源を切り今すぐ映画館へ向かえ。そんなことしなくても『映画刀剣乱舞-黎明-』は面白いからだ。

 

この記事が言いたいことは本作を鑑賞するにあたっては、前知識は全く必要ない。前作「-継承-」を未見でも問題ないということだ。なぜこんなに「知識無くても楽しめる!」と熱弁しているかと言えば、「僕」が楽しめたからだ。

ミュージカルも舞台も見ていない。前作「-継承-」も見ていないし、ゲームも3時間で投げた「僕」でも楽しめたからこそ、こんなにも初見さんにもオススメしている。「1000人にアンケートした結果」とかそういう客観的事実ではなく主観的にオススメしている。だから、楽しめなかったらごめんなさい。

 

確かに登場キャラが異様に多く、全員が髪も服もカラフルで2.5次元的だし、名前は刀の名称によって難しい漢字を使用しているため、頭の中でスッと入ってこない。へっしーぐらいである楽に覚えられたの。故に個人的に事前に知っておくと物語の縦軸をノイズなく鑑賞できるポイントだけ最初に解説したい。この映画から入ったニワカなので間違っていたら誠にごめんなさい。

 

  • 刀剣男士と彼らの主である審神者(「さにわ」と読む)の使命は、「歴史を改変から守る」こと。意外とSFなのである。ドラえもんでいうタイムパトロールみたいなポジション。敵は、過去へ干渉し歴史改変を目論む「時間修正主義者」が送り込む軍勢「時間遡行軍」

 

  • 刀剣男士たちは本丸(顕現した刀剣男士たちの本拠地のこと)ごとに存在しているため、同じ刀剣男士もそれぞれ別の個体が存在する。サトシのピカチュウとキャプテンピカチュウが違うように。オリジナルのゲーム設定でも、プレイヤー(審神者)の数だけ同じ名前の刀が存在している。

 

 

まぁ僕が楽しめたように前知識0でも楽しめると思う。名探偵コナンの映画と同じように冒頭に世界観の説明から始まる「誰一人取りこぼさない」映画になっている親切さがあるので。ただ、ホラー演出があるのでそういうのが心の底から苦手な人には注意が必要だ。

 

 

ここからネタバレにならない程度にもう少し踏み込んだ話をしたい。

本作は滅茶苦茶面白い映画だが、完璧な映画ではない。ストーリーが取っ散らかっているという明確な弱点がある。

 

話の縦軸となるのは歴史の敗者

 

歴史で残るのは常に勝者の歴史である。

敗者の歴史や弱きモノの歴史は改変され、残らないことすら多い。

この映画の中心はそんな時代の敗者と弱きモノ。

そんな彼らの声を聴くためのお話になっている。

歴史の流れに埋もれた、弱者(敗者)の想いに寄り添うモノとその戦いの主軸は好きなのだが、どうにもだるい

本作のオリジナル主人公である女子高生が「戦いを話し合いで解決云々」言い出した辺りから「これだるそ~~~」と直感が働いたが、本当にだるい。ガンダムシリーズで「撃てませ~ん」と言う主人公は嫌われると昔から定評があるが、こちらは自分の手で直接汚す訳じゃないから余計にだるく感じてしまう。

また、決まった時間内にまとめなければならない中、詰め込まれた沢山の設定に振り回されてしまった感も否めない。やりたいメッセージ性の重さと登場人物の多さ、勧善懲悪に終わらない敵と盛り込み過ぎである。

 

個人的にはもっとシンプルに刀剣男士と仮の主の絡みが見たかった。

 

 

特に、長谷部とギャルのやり取りなんて次回作あったらこのコンビを主人公にして欲しいぐらい好き。堅物と陽気なギャルの会話なんて全人類が好きな奴でしょ。他にも公務員と山姥切長義も好き。また、ちょうど関西から東京に転勤を経験した所なので、京都から東京へ新幹線じゃなく飛行機選ぶチョイスに笑う。何よりも現代に刀剣男士がいる異物感が独特で面白い。ここら辺の日常パートもっともっと見たかった~~~~~~。

 

そして、最後の戦い。

僕は『刀剣乱舞』を全然知らないけど、顔がイケメンだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!アクションキレキレだぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!この映画これがやりたかっただけだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

とまじまじと分かる展開で興奮しながら映画が終わるので満足度が凄い。減点式だと70点ぐらいだけど、加点式で100000点ぐらいの映画。途中文句も出るけど、最後に昇華されて成仏できる。

 

あなたも、是非、成仏してくれ。

 

 

 

あと、三日月宗近みたいなキャラクター良いよね…(これ以上言葉はいらない)