GENERATIONSのメンバー全員が本人役で出演という見るからにヤバそうなホラー映画だったのにちゃんと怖くてビビった映画『ミンナのウタ』のDNAを引き継いだ作品が出ると聞いて、怪異さなVS山王連合会観れるのか!!!とハシャいでいたらまさかのLDH抜きマキタスポーツ続投である。そんな映画『あのコはだぁれ?』を今回は取り上げる。
本作は『ミンナのウタ』の続編であり、高谷家の面々が登場して暴れまくる。
"あのコ"こと”さや”が今までの幽霊と違うのはこの世に恨みや妬みがあり現世にとどまってただその土地に新しく引っ越してきただけの人や、物に触れてしまっただけの人を呪って辛い目に合わせようとしてくる後ろ向き系幽霊ではなく、「自分の歌をみんなに届けて、みんなを自分の世界に引き込む事」という夢の為に頑張る前向き系幽霊ということだろう。『ガンソード』のカギ爪の男みたいな幽霊である。
後ろ向きでも前向きでもどっちにしても無関係な人を巻き込むので存在が迷惑なのは変わらないが。あと、さや自体よりも母親の方が怖いのは前作と変わらず。そして前作以上にコント「高谷家」がふんだんで、天丼ネタも多かったので笑えてくる。
そして襲いかかってくるけど用事が終わると魂返してくれる優しさがあるのは前作同様だ。
本作、清水崇どうした!?言いたくなるぐらいホラー演出がキレキレであり特にゲームセンターの一連の演出は是非見て欲しい。
真っ当な恐怖と色々紙一重な恐怖のバランスが良く、劇場で悲鳴も聞こえると同時に人によっては笑い声を我慢する感じが丁度いい。
それにしても染谷将太の使い方が贅沢というか、冒頭の掴みとして使われた後は「これでギャラどれだけ貰えるんだろう…」という想いを馳せてしまう。
ストーリーはまぁ、あってないようなモノ。『あのコはだぁれ?』っていうタイトルだんだし、新任の教師がある生徒を見かける。だが、クラスの中で彼女について触れる者は誰もいなかった……みたいな展開になるのかな…と思いきや、クラスの中に異分子がいる的ホラー要素はスグ解決してあのコはさや!ヤバい子なの!って展開していくのが思ってたのと違う人も出てくると思う。染谷将太が渋谷さんと合わせようとしていた人も結局は放置だし(推測はできるが)
出演者は「高谷家」以外も良かった。
主演の渋谷さん、演技は初めて見るけど絶叫が似合うし自然な感じで良かったし、何よりも早瀬憩さんの幸薄いそうな感じが良かった。早瀬憩さんは実力派若手として活躍するのが目に見えてますからね。要チェック。
絶叫上映のオススメ
絶叫上映というのはご存知だろうか。
"あのコ"が上映中の場内を徘徊したりするという映画館は映画に集中できる所という前提をぶち壊す演出である。まじでビックリするぐらい映画に集中出来ない。家で見ているのがまだ集中出来るぐらいである。ただ、そんな演出がある事を知らない人が「何かいる!?」と悲鳴を聞けるお化け屋敷感あるのがとても良い。
絶叫上映に参加する時は絶対に席は端が良い。大きなスクリーンがある場内に"あのコ"がたまにぶらぶらして徘徊するのだけれども、端の席だと運が良いと顔を覗き込まれたり大声で叫んだりしてくるのを間近で体験できる。何ならノベルティも貰える。ズルくないか?
絶叫上映は出来るながら観客が多い時に行っていた方が良い。なぜなら"あのコ"と1on1は気不味いからだ。
それにしてもホラー映画の客層ってマジで終わっているのでこういう企画、いつか誰かがちょけて終わってしまう未来が見えてしまう。怪異より人が怖い、そんなオチにならない事を祈る。