君はまだ藤原竜也といえば取り敢えず「ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛」と叫ぶ野蛮人だとか生ビールを飲んで「キンキンに冷えてやがるっ・・・!!」と知性の欠片もない事を言う畏れ多いイメージを持ってないだろうか。それは古い。最近の藤原竜也は生ビールを飲んでも「あ~」しか言わないし、野蛮な「゛」なんて絶対に使わない。興玉雅の生まれ変わりである藤原竜也は天宇受売命の生まれ変わりである広瀬アリスと居酒屋で小粋な神トークをするような神様である。神。幸山厘における鳩野ちひろとかそういう神ではなく、本物の神が藤原竜也。
それが判明するのがドラマ『全領域異常解決室』こと『全決』である。
「全決」とは大和朝廷時代からある世界最古の捜査機関で、超常現象のような“不可解な事件”を捜査する内閣官房直轄の機関。ある日雨野小夢(広瀬アリス)がそんな「全決」に出向を命じられた所から物語が始まる。
取り敢えず1話を見てと言いたい所だが、1話だけ見て判断しないで!と言いたいのが本作。なぜなら私も1話を見て視聴をきったからである。君たちには時には我慢して7話まで見て欲しい。というかリアルタイムで役者ファンでもなく7話までちゃんと継続してた視聴者は凄い。
超常現象が絡むドラマって2通りあって、1つは本当に怪異や超常現象が存在する『SPEC』のようなドラマと「実は人間の仕業でした~」というドラマ。本格的にミステリーする気あるならそりゃ「実は人間の仕業でした~」になるけど、個人的には本当に怪異や超常現象が存在するドラマが好きだ。ただそういうドラマは貴重だ。日本のドラマだとほぼない。
『全決』もどちらなのか分からず1話をドキドキしながら見ていたら最後の最後で「実は人間の仕業でした~」オチでガッカリした。しかも、それでミステリーとして出来が良いならまだ見れるが犯人はモザイクスプレーとかいう監視カメラに対して透明人間になれる非実在アイテム使いましたみたいなオチでしょうもな~~~~~~~ってなってしまって視聴を止めてしまった。今は後悔している。
しかし、本当に所々面白いけど、全体的には野暮ったいのが本作である。結構多くの人が途中リタイアしたと思う。2話も「お前あの祠壊したんか!?」がちょう当時のSNSの話題にのってバズったのに「PS5を30台くらい連結してスパコンの代わりにする」みたいな幾らなんだって胡乱な描写があったりして人を選んでいく。あと全体的に古臭い。
2話以降も「実は人間の仕業でした~」オチは継続する。様々な怪現象に対してファフロツキーズ現象だったとか違和感もありつつ説明されて半分納得しながら所々起る胡乱な展開には時には笑って時には目を瞑って見て欲しい。4話ぐらいでアレこれ何なんだってなり
そういうのを我慢して我慢して5話の終盤である。
「5話まで全部プロローグだった!」なげーわ!!!!
6話7話で更に畳みかけてきてうぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ともう2度と見たくないと思った1話を見返したくなる展開になるのだ。
SPECみたいな能力者が出てくる→なんでそんな能力持ってるのかというと神様でした→実はそいつもアイツも神です→藤原竜也「僕も神です」→広瀬アリス「私も神なんですね」
はぁ~~~~~~神
まぁ、こいつら「人間は駄目だ愚かだ」って言う割にはその神様もよっぽど俗物じゃねーかとか色々引っかかる所はあるのはあるが、作品全体のパワーが5話までとは明らか違う。
僕もいつか言いたい「僕も神です」
そして本作、やっぱり藤原竜也が凄い。藤原竜也が凄いなんて当たり前の事なのでわざわざ書くのも野暮だが、本当に凄い。今までの藤原達也ってドラマや映画に主演してもどちらかというと「動」滅茶苦茶感情も表に出してこちらの感情を揺さぶってくることが多いが、本作はまさしく「静」叫ばないし転ばないし借金まみれにならない。
ただ、7話見た後に1話を見直すとその目の動き、表情の微妙の変化から最初に見た時と全く違う感情が読み取れて「うわぁぁぁぁぁぁぁ」ってなるこの演技。神か?私にとって幸山厘における鳩野ちひろのような存在。
『全領域異常解決室』こと『全決』これから最終話に向けて一気に盛り上がると思う出是非リアルタイムで見て欲しい。そして今までの話はネトフリで全部見れる。良い時代だ。
それがそれとして、
モザイクスプレーの謎も解明して欲しい