社会の独房から

映画やゲーム、小話など。

『いだてん』第一部感想。 走る事の楽しさを真摯に伝える事の意義と意味。

「楽しいの?楽しくないの?」

 

第一話でアジアで初めての国際オリンピック委員会委員への就任が打診され悩む嘉納 治五郎の問いがこれである。

「楽しむ」ということが悪という風潮が強かった時代、楽しさを抑える従来の道徳教育での問題意識をもっていた嘉納 治五郎はオリンピックを通して国民に運動の楽しさを知らしめ、国民体育の発達を目指した事からこのドラマは始まる。

そしてそんな言葉を胸に秘め、第一部の全24回ただただ走り続けたのが金栗四三である。そんな彼の姿に人々は笑い、勇気付けられ、そして自分自身も奮い立ち、一歩一歩前進し、次世代にバトンを渡していく。

時代劇でもないし、合戦シーンもない。そんな「大河」ドラマ『いだてん』第一部の感想を三人の主人公を中心に書いていく。

大河ドラマ「いだてん」オリジナル・サウンドトラック 前編

 韋駄天、その走り

金栗四三は挑戦と挫折の人生だ。

日本人初のオリンピック選手にして、その足の速さから人々から「韋駄天」と呼ばれていた金栗はオリンピックというプレッシャーと、初の海外だからこそ出てくる環境の不慣れさ、文化の違いの戸惑い。そういうあらゆる事が金栗を襲い、初のオリンピックは良い結果を残す事が出来なかった。

次のオリンピックでは心身共に絶頂期だったにも関わらず、戦争の為に中止になってしまう。

そんな悔しさをバネに次にオリンピックに参加するも、もはや走り過ぎていた金栗は限界を向かえており、ピークの時のような走りはもはやそこにはなかった。

 

とうとう彼はオリンピック選手を諦め、次は次世代の育成に本気を出す。

特にまだ、この時代は女子スポーツは世間から認められていなかった為、彼は日本女子へのスポーツの普及を志す。帰国し、東京府立第二高等女学校へ赴任した四三は、授業を差し置き女子生徒らにスポーツを推奨していく。

最初は反発も大きかったが、体を動かす事の楽しさを知っていく女子生徒達は段々とスポーツに興味を持つ。金栗自身も教育者として人として成長していく。

そんな彼をどん底の落とす事が発生する。

関東大震災」だ。

彼はそこで大切なモノや人を亡くし、傷心して地元である熊本に帰る。

そこで彼は「韋駄天」とは人々のために走って、食い物集めて運んだ神様だという事を知る(最大の苦難の時にタイトルの「いだてん」の意味が回収され主人公が再起するの人類みんなが大好きな奴)

そして彼は日本人初のオリンピック選手でも、震災での悲劇のヒーローでもなく、韋駄天として、一人のアスリートとして走りで人々を救っていく。

そんな彼を妻のスヤさんは「馬鹿が走っているのを笑ってもらっているだけよ」と言う。

そう、第一話で嘉納 治五郎の「楽しいの?楽しくないの?」という問いはここで回収される。国の使命でも、責任でもない。楽しいから走るのだ。思いっきり走る事は楽しのだ。そんな楽しそうに走っている金栗にみんなが元気を貰えるのだ。

金栗四三はオリンピックではなくても、これからも走り続ける。

彼こそは「韋駄天」なのだから

 

落語

本作の演出で一番の賛否両論ポイントはこの落語シーンだと思う。

落語のシーンは本当にいるのかと、クドカンの趣味に走りすぎではなどの批判はネットで何回も観てきた。

だが、私は断言する。

落語はいると。

富及などのエピソードに落語のネタを重ねるのも面白いし、何よりも圧巻だったのが関東大震災の回である。

震災と厩火事を重ね、夫婦は茶碗が割れても切っても切れぬ縁、そしてあっけなく失われる縁だと言うことを見事に描く。

「弁天池に逃げ込んだ吉原の娼妓達
着物が、髪が燃え、水に飛び込む
溺死した者の上に死者が重なり、池は人の体でうずまった」

震災による様々な浅草の悲劇を「噺」の形で淡々と語らせる。

真実を滑稽に包み、それでも包みきれない悲しさが視聴者に衝撃を与える。

「噺」だからこそ、伝わる。そんな事ってあると思う。

 

受け継がれるモノ

シマちゃんという人がいた。

まだ、女子スポーツというモノが認めれていない時代。それでも女子スポーツを広げようと頑張ってきた人だ。

彼女は「私はまだ何もしていない」と焦っていた。

教師者として働いたり、妻として、母親として活動したりしていた彼女だったが、それでも彼女は「私はまだ何もしていない」と焦っていた。

そして関東大震災

彼女は行方不明となった。

彼女と夫である増野さんは諦めつかず、必至に探すものの見つからず。

では彼女は本当に「何もできなかった」のか。

それは違う。

シマさんは居なくなってしまっても彼女の言葉に行動に動かされた人見絹枝さんがこれからの女子スポーツを引っ張っていく。

彼女はこれからのオリンピックで多大な成果を出し続け、女子スポーツの発展に大きく貢献していく。
そう、シマさんの想いが夢が女子スポーツの幕開けとして次世代にバトンを渡していくのだ。

そして夫の増野さんも妻が愛した、人生を賭けた「女子スポーツ」の未来の象徴である人見絹枝さんの活躍を観て、シマちゃんの不在を認めるのも、彼女の全てを愛して受け入れた増野さんらしさがあって良かった。

 

最後に

『いだてん』というドラマは様々なエンターテイメントを内包している。

娘が足を出して走る事に反対していた村田父をただの敵役に終わらせるのではなく、関東大震災では医者として必死に働き、井戸に毒などそういう嘘に惑わない人として描く、ただただ悪人などこの世にはいないのだ。

落語パートでお前必要なのかと言われていた若き落語家が実はシマちゃんの孫だという事がわかるサプライズも用意周到に置いてある。

1話1話を丁寧に描いているからこそ、小さな伏線や描写に感動する。

 

このドラマは確かにスタートは2020年にある東京オリンピックプロパガンダがあったかもしれない。ただ、走って行く中でそれでもこのドラマはクドカンの脚本とスタッフ達の努力、そして演者達の熱演により、今までにない最高な「大河」ドラマとして成り立っていると大きな声で言いたい。

勘違いして欲しくないのはこのドラマは決してただのスポーツ賛美ではなく、人間賛歌なのである。「全体主義」の中で「国の代表」という重責を描きながらも個人としてのマラソンの情熱を描き、自分達が未来への架け橋になることの重要さを描いている。

 

金栗四三の「走り」が、落語家の「噺」が、シマちゃんの「想い」が世代を超え、受け継がれていく。そういう「大河」なのだから。

 

真面目に書いてきました。このドラマ。これからの第二部もどういう展開を見せてくれのか本当に楽しみです。

 

最後になりましたが、一言いいですか。

美川くん元気にしているの!?

視聴者が最後に見た美川くんの姿が路上で女子達の写真売ってた光景なのやばすぎる。

いだてん 後編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

いだてん 後編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

 

リア充映画を波で超えたモノ。映画『きみと、波にのれたら』感想。

リア充とアニメの相性って悪くね?

そんな私の考えをぶっ壊すこの映画『きみと、波にのれたら』

正直お話の大筋は予告が全てで、非常に真っ直ぐな作りになっているし、湯浅監督の過去作のような独特な臭みは完全に波に流されており、良くも悪くも非常に綺麗である。

 

しかし、ただのリア充映画に終わらない誰しもが経験する人生の喪失の再生。

それを非常に丁寧に描いており、リア充爆発しなくても良いけど自分より不幸せになって欲しいと常に思っている私のような陰キャでも胸が苦しくなるような物語になっている。正直少し泣いた。そんな映画の感想を書いていく。

映画チラシ きみと、波にのれたら 片寄涼太 川栄李奈 松本穂香 伊藤健太郎(吹替)

 初めに

監督は前作『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭の最高賞を受賞した湯浅監督。

私は『四畳半神話大系』からこの監督を知り、『ピンポン』や『DEVILMAN crybaby

夜は短し歩けよ乙女』などなど。強者揃いの最近のアニメ映画監督の中でもトップクラスに勢いのある人と言っても過言ではない。

脚本は前作の『夜明け告げるルーのうた』から続いてガルパンシリーズなどの脚本も書いている吉田玲子さん。

音楽は半分ぐらいハイローに出演しているGENERATIONS from EXILE TRIBEが担当している。

ここからはネタバレ含みます。

 

序:クソ雑魚バカップルよ永遠に

最初主人公であるひな子の住んでいるマンションが火事になり、消防士である雛罌粟港(あまりにも難し過ぎる名字。結婚してこんな名字になったら泣く)が助けるという運命的で出会い(再会)をする二人。

そしてそのまま痛々し過ぎるバカップルムービーが始まる。恐らくバカップルってこういう事するよねと考える全てが詰まっておりかなり濃密なバカップル時間である。BGMが二人のバカップルカラオケなのも相まってあまりにもバカップル過ぎて、此処まで来ると好きになる、応援したくなる。私みたいな陰キャな大学生活を送ってきた人間がこんなん観ると「ああああああああああああ」って発狂してしまう。これから大学生になるそこの君!大学にはこんな輝かしい生活なんて待ってないからな!この映画を観て勘違いするなよ!大学なんてもっとジメジメしていてフナムシみたいな存在だからな!そこ間違えると大学生活死にたくなるぞ!

 

破:喪失と生死の境界

そんな私もみなと君が死んで「ざまぁぁぁぁぁぁぁ」なんて一切思わなかったです。本当です。あまりにもひな子が不憫で可哀相で辛い展開。ひな子はとうとうみなと君の幻覚見だして、周りの人に変人扱いされて見ていて悲しくなる。ひな子がクスリやっているかの様な発言してもちゃんと友達でいたあの二人の子は偉いですよ。私なら絶対距離置きます。そしてこの映画はここから本番になる。

 

みなと君がいる「水中」とは死後の世界を、「大気中」は生の世界を描いている。

ひな子は死んでしまったみなと君を忘れられず死後の世界である「水中」に釘付けになる。ただ、みなと君の妹である雛罌粟洋子が兄の夢を引き継ごうとする意思を持っている事を知ったり、みなと君の後輩川村山葵の成長を見たり、そしてなりよりも今までみなと君に助けられてばかりだと思っていたが実は昔、ひな子がみなと君の命を救ったヒーローだった事を知り、自分が誰かを助ける事が出来る事を知ったかな子は「水中」ではなく「大気中」でもう一度ちゃんと生きようと決意を改める。

 

そして終盤、ひな子は生と死の境界を越え、「波乗り」をする。

 

急:きみと、波にのれたら

そして終盤、DQN達のせいで大火事になった建物に閉じ込められるかな子と洋子。

ここから本作の最大の目玉である建物からの波乗りによる脱出シークエンスが始まる。

ここで重要なのはみなと君はあくまでひな子が自分の力で切り抜ける事が出来る環境作りしかしていないという事。

建物に広がった火を彼の水が消していき、そしてその波に乗ったひな子が洋子と共に地波乗りで地上を目指す。

命を落とし、「水中」にしか居られなくなってしまった彼は、ひな子に自分に依存するのではなく自分の波に乗って生きて欲しいと願い、そして手助けをした。ひな子はそんな手助けを受けながらも自分の力で波乗りをし、「水中」と「大気中」、「生」と「死」の境に乗り、洋子と共に波のりに成功する。そして自分の中にあるみなと君の死という大きな喪失はそうそう乗り越えられるモノではないし、忘れる事なんて出来る訳もないが、それでも「波にのる」ように前に進む道を選んだという事なんだと思う。

 

最後に

最初にも書いたが本作は非常にまっすぐなお話になっており、意外な展開とかそういうのも全くない。

ひな子がみなと君を救ったという事も観客は初めの初めに何となく分かるので「やっぱりな」以上の感想も出てこないが、それでもそのまっすぐなお話に私の心は感動してしまう。後、ひな子の声優を演じている川栄李奈さんが本当に上手い。本職声優でも普通にやっていけると思う。

個人的にはこのままひな子さんは独身のまま後輩の憧れの格好良い先輩ライフセーバーとして活躍しながらもふとした瞬間、みなと君を思い出し暗くなり、そんな所を一人の後輩(女性)から心配されるそんな展開になって欲しい。

この映画を観てひな子を嫌いになる人なんていないと思うし、幸せになって欲しい。

ただ、これまでの人生、何の努力もしてこなかった陰キャな私にはあまりにも強く優しく輝いた彼女達の物語という大波にのまれて死にたくなってしまったので、陰キャは波にのまれないように踏ん張って鑑賞しろよ!!!

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無能イケメン筋肉とエイリアンの化学反応。映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』感想

「知ってる? スティーヴン・スピルバーグシルヴェスター・スタローンデニス・ロッドマンもみんな地球人じゃなくエイリアンらしいよ」

そんな無茶苦茶で愛おしい世界観の構築に成功し、大ヒットシリーズとなった『メン・イン・ブラック』シリーズ。

私も子供の頃に映画館で観てドハマリしたし、友達や先生が実はエイリアンなのではと疑い、油断すると食べられるのではと独り泣き叫んだ思い出がある。

そんな子供心に暗い闇を与えたと同時に黒いサングラスとブラックスーツに身を包み、地球上に生息するエイリアンによる犯罪や侵略行為を監視、取り締まりを任務にし、最先端なテクノロジーを駆使する最高機密機関「メン・イン・ブラック」(MIB)の格好良さに酔いしれた。憧れた。

 

そんなシリーズ最新作『メン・イン・ブラック:インターナショナル』の感想をネタバレ全開で書いていく。

ポスター/スチール写真 A4 パターン12 メン・イン・ブラック インターナショナル 光沢プリント

 

クリス・ヘムズワースの残念イケメン筋肉無能先輩

今作の主人公の一人エージェントHを演じるクリス・ヘムズワース

アベンジャーズ』シリーズでソーという「イケメン筋肉王子様」を演じたり、リメイク版『ゴーストバスターズ』で「頭のネジを吹っ飛んだ残念イケメン筋肉」を演じたりしてきたが、本作ではエージェントHという「残念イケメン無能先輩」を演じる。

予告を見る限りでは新人エージェントであるMの頼れる先輩役なのかなと思っていたら裏切られる。確かに頼れる一面もあるが、それ以上に無能な側面だったり、失敗などを繰り返してダメだなコイツ感を惜しみなく出してくる。

序盤で「エージェントHが変わったから信用するな」という発言がある。普通に考えて、何かしらエージェントHにトラウマ的な事が起こったのか、それとも実は中身は宇宙人になってしまったのか、実は悪い奴なのかなど色々考えるが、最後ら辺になるとこいつタダの馬鹿で無能だから裏切る事ねーわという謎の安心感が出てくる。

恐らく「エージェントHが変わったから信用するな」というのはエージェントHが記憶を上書きされ偽りの英雄になっているのが起因していると思われるが、まぁわかり辛い。

そして本作ではそんな作られた英雄だったエージェントHが真の英雄になるまでの物語とも言える(でも彼がトップになったロンドン支社の未来が心配)

 

出来る女テッサ・トンプソン

本作のもう一人の主人公エージェントMを演じるテッサ・トンプソン

子供の頃にエイリアンと出会い、MIBという組織を知った彼女は、妄想癖があると他人に笑われながらもMIBに憧れ、MIBに入るために有能でありながらも一般的な幸せに見向きもせず、みじめと言われる生活をしている。

子供の頃、『メン・イン・ブラック』シリーズを観た人は1度はMIBに憧れる。ただ、普通の人はMIBになるという夢を諦めて現実というツマラナイモノに囚われる。

ただ、彼女は違う。諦めずMIBの一員になったのだ。この時点で私たちの夢を具現化してくれた彼女は100点満点の造形である。

そして、MIBの新人という事で本作の世界観を視聴者に説明する舞台装置でもあるが、エイリアンや、未知のテクノロジーを観ても、困惑より楽しさ、夢が叶った事への嬉しさから出てくる表情が今までのシリーズと違って新鮮である。

 

伝説の英雄、エージェントHとコンビになるが、「あれっこのエージェントHって実は無能じゃね」という真相が段々と分かっていき、態度が変わっていくのも楽しい。ソー無能なのである。

そして中盤、子供の頃にあったエイリアンが成長して出てくるが、正直、ここでその伏線つかうの!?という困惑が強かった。まさか、一番最初に出てきてどう考えても再登場あるなと思っていたエイリアンの伏線をこんな使い方するとは思わなかった。しかも出番もこれだけだし。一体何なんだ。普通、序盤で出てくる伏線って最後に回収するのがお決まりじゃなかったのか(確かに最序盤の伏線は最後に回収されたけど!)

まぁ、私が重要な伏線だと思っていたのは、ただ彼女がMIBに興味持たせるための展開であって、あのエイリアンは一種のおまけだったのだなと思う。彼女は子供の頃にエイリアンにあったお陰で、エイリアンに対して好意的になっているし、あの兵士のエイリアンを仲間にするのもそういう積み重ねのお陰だと思うと悪くはない。

 

恐らく彼女は最終的にエージェントHより立場は上になるんだとなという事は容易に想像出来る。

 

最後に

本作は正気、盛り上がるシーンも少なくて、評論家の評価が低いのもよく分かるし、かといって今までのシリーズファンが好きになる奴かと言えば、そういう訳でもない。

最後に裏切り者が判明するが、あまりにも分かり易過ぎて、笑ってしまう。「そうだろーな」という反応してしまうし、意外性も少ない。100人いたら1000人当てれると思う。そして最大の不満は1のビー玉や、2のロッカーのような壮大すぎる宇宙空間映像が最後になかった事。これは頑張って入れて欲しかった。

 

ただ、クリス・ヘムズワースの魅力は十二分に発揮されているし、テッサ・トンプソンも良い。

ソーとヴァルキリーとは違う二人の関係性、段々とエージェントHが無能だとわかり、エージェントMがまるで先輩かのように見えてくるのも面白い。しかし、やはり、面白い面白くない以前に全体的に無味無臭過ぎて、3日ぐらいで内容忘れてそうなニューラライザー型映画だという事は否定出来ない。

 

最後に、一言だけ言わせてくれないか。

 

 ドナルド・グローヴァーが実はエイリアンだったっていう人選渋すぎないか

【2001年宇宙の旅を原液のまま一気飲み】映画『海獣の子供』感想

大昔に『2001年宇宙の旅』という名作SF映画があったのですが、これがまた中々難解な内容と素晴らしい映像美の映画で、後生の作品に多大な影響を与えた。

この『海獣の子供』は『2001年宇宙の旅』をこの令和の時代に全く薄める事をせず原液のままでドーンとコップに注いでいる映画であり、あまりに濃い味にむせそうにもなるが、それが癖になる(洗脳される)そんな映画だと思う。観る前はショタが可愛いとか米津玄師さんの曲楽しみとか色々考えてたけど観終わった後は『海は空、空は海、地球は子宮、人は乳房、我は宇宙……』だけが頭の中でこだまする。

今回はこの映画の感想を書いていく。

海

圧倒的映像美とスピリチュアルな暴力

原作は五十嵐大介さんの『海獣の子供』今回のアニメ映画版の制作を担当したのが、『鉄コン筋クリート』や『ハーモニー』などでも知られるSTUDIO4℃。監督を務めるのは、ドラえもんシリーズ、アニメ『謎の彼女X』や『恋は雨上がりのように』などでも知られる渡辺歩さん。主題歌は米津玄師さんが担当している。

原作は5巻まで出ているモノを映画版では2時間にギュッと納めているため、元々原作でも難解だった内容は更に難しくなっており、「考えるな、感じろ」である事は間違いない。

ただ、本当にアニメーションのクオリティは素晴らしく、

 まさしく「アニメーションに飲み込まれる」
 スクリーンに映し出される雄大な海とそこに生きる生き物の描写・映像に感動するし、テンポを犠牲にしてまで何かあるといちいち動物たちのカットを挟んでくる姿勢は制作者の意気込みを感じる。

 深海と浅海を描き分け、生き物の躍動感と“生命そのもの”を描き出すような映像だけでも十分な魅力がある作品。

特にラスト近くは『2001年宇宙の旅』のスターゲートよろしく、幻想的で圧倒的なスピリチュアルの暴力的映像美に酔いしれながら眠気を誘う。

確かに映像は凄いのだが、結構冗長で「あ、終わったか。いや、まだあるな」というツッコミを3回ぐらいした。全体的に丁寧だがテンポは良くない。そこにも『2001年宇宙の旅』を感じる。

 

本作のメインキャラは主役の女の子の他にショタの男の子が二人いるのだが、二人ともタイプが違うが可愛く、主役の女の子も可愛いのでただただ三人の動きを観ているだけでも幸せである。私はショタ好きではないが、本作は本当に可愛い。目覚めそうだし、製作陣は絶対に狙っていると思う。比喩表現が多くて話は分かり辛いが、本筋は少女だった主人公が一夏の冒険を通して成長する。そんなよくある話を生命の誕生から宇宙の秘密、人類の意味などここまでのスケールにさせるのは凄い(素直に褒めている)

 

また、原作では「波打ち際で生と死が入れ替わる」という台詞がある。これは異界と現世、此岸と彼岸は命を行き来しているということ、それが誕生と死であるという事がわかるのだが、映画では主役の琉花が波打ち際で倒れている海に対して助けるためには水に引き込むか浜に引き上げるか戸惑うシーンで原作の内容を独自に解釈していたり、映画初見でも楽しめるが、原作を知っているとその違いをより楽しめる出来になっていると思う。また、原作では「女の体は彼岸から命を引き込む通路」という内容を理解するためには必要な台詞があるのだが映画では尺の都合かカットされていたりするし、より話を理解するためにも原作は興味を持ったなら1度読んで欲しい。

 

芦田愛菜さんと稲垣吾郎が凄い

芦田愛菜さん演じる主役の琉花を筆頭にメインキャラはみんな上手い。というか芦田愛菜さんは演技も上手くて勉強も出来て、完全無欠では?この先どれほどの活躍を我々に観させてくれるのか楽しみだ。

また、稲垣吾郎さんなんて本当に稲垣吾郎さんと分からなくてエンドロールで稲垣吾郎さんの名前見つけてビックリしたほど。

稲垣吾郎さん、恐らくシンプルに演技が上手い人なんだなという印象を持った。個人的には稲垣吾郎さんが演じた役は『一三人の刺客』が一番好きだったが、本作はああいう狂人ではなく、普通のお父さん役である。ただ、仕事に逃げて、家庭や妻の問題に直視出来ない所があったが、娘が成長していく中で、父親も父親として成長し、家庭を再び取り戻す。稲垣吾郎さんはそんな父親をそっと優しく演じきっている。

ただ、脇役ではあるが、尼神インターは二人とも酷かったし、アニメは洋画と違って字幕に逃げられないんだから、声優選びは考えて欲しい所。しかし、芦田愛菜さんと稲垣吾郎さんは凄い。

 

最後に

個人的に『君の名は』以降、単発アニメ映画でも映像だけが凄いのではなくて内容もエンターテイメントしていて面白い作品が劇的に増えたイメージがある。

そんな中、本作はエンターテイメントというより100%のスピリチュアルであり、殆ど宗教である。観た後の感覚は何だか一昔前のアニメ映画を観た感覚で、令和になってもこのような感覚になるとは思っていなかったので新鮮で中々良いモノである。

あなたもスピリチュアルの波に溺れて欲しい。

 

海獣の子供 全5巻完結セット (IKKI COMIX)

海獣の子供 全5巻完結セット (IKKI COMIX)

 

 

死ぬ前にゴジラに踏まれたい。映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』感想。怪獣賛歌と狂人ドラマ

私が映画館で初めて観た映画は『ゴジラVSキングギドラ』だった。

それ以来、私は平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)と共に育ったと言っても過言ではない。

そんな私はゴジラに憧れ、「ぎゃおぉーーん、ぐぁおん!」と文字にするのが非常に難しいゴジラの鳴き真似して友達に引かれたり、夏休みの自由研究でゴジラの妄想生態本を書いて先生に引かれたりした子供時代だった。

 

私のピカピカしたゴジラへの情熱もVSシリーズが終わり、また私が大人になるにつれ冷めていった。ただ、2016年公開の『シンゴジラ』で再び体が滾り、そして本作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で完全にバーニングした。これは、この作品は私たちVS世代への同窓会でありながら、日本のゴジラが世界のGODZILLAとして羽ばたいた記念すべき怪獣賛歌であるからだ。この映画の感想をネタバレ全開で書いていく。

映画 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ポスター 2019 キング オブ モンスターズ カイル チャンドラー ヴェラ ファーミガ ミリー ボビー ブラウン 渡辺謙

狂オタク、ドハティ監督によるオマージュの数々

幼いころからゴジラオタクだったと公言しているドハティ監督。

この映画を観ればわかるが、恐ろしくなるほどの怪獣愛に満ち溢れている。

そもそも狂っていないとゴ!ジ!ラ!!!!ソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャ!!!!みたいなBGM絶対に採用しない。

そんな本作ではすざましい程のオマージュがある。私が確認出来ただけでも

などなどである。恐らくもっと多いと思われる。これを一作にまとめたドハティ監督が恐ろしい。そんな拘りはエンドロールにも現れている

Godzilla:himself
Ghidorah: himself
Mothra:herself
Rodan: himself

こんな描き方するエンドロール観たことない!

次回作から何をするんだという戸惑いすらある。ありがとうドハティ監督

 

作品の主役、怪獣達の活躍記録

ラドン

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火山からカッコよく復活、風圧で避難民や街を吹き飛ばす

そしてそのまま戦闘機を圧倒しイキり散らす

ギドラと激突するも敗退、ギドラの舎弟になる。

ギドラが王だとラドンもそうだそうだと言ってます。

ゴジラと共闘しようとするモスラを妨害するが敗退

ギドラを倒したゴジラの前にひれ伏しゴジラの舎弟になる
ゴジラが王だとラドンもそうだと言ってます。
と人間味あふれる怪獣で笑った。今作の癒し。

モスラ

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「怪獣の女王」ことモスラの見た目は「バドラ」が合わさったような見た目になっており、格好良く、今作のヒロインでもある。

出番こそ少ないもののあまりにも神々しい姿はインパクトの塊である。成虫になった姿を観た瞬間から(まぁ綺麗……きっと人類の味方だな……)みたいな顔に全員がなってるモナークの科学者集団は洗脳でも受けているのかと疑問に思ったが、まぁ彼らは狂人集団なので。

作中でゴジラを庇って死んでしまったが、エンディング中に謎の卵発見というワードがあったので復活する可能性大ありである、私は映画『モスラ』シリーズも思い入れが強いので単独作品作って欲しい。

ギドラ

映画ポスター ゴジラ キングオブモンスターズ Godzilla King of the Monsters キングギドラ US版 hi2 [並行輸入品]

ゴジラの宿敵でありながら0勝8敗中のギドラである。詳しくは以前書いた記事である

www.shachikudayo.com

に書いているが、本作でも負けたので0勝9敗に更新である。

ただ、本作のギドラは非常に格好いい。

まさしく「キング」ギドラである。そして宇宙からの怪獣、つまり地球においては偽りの王というロジック。本物の地球の王、「怪獣王」ゴジラと「キング」ギドラの対決。

これこそが僕らが観たかった怪獣同士の戦いだという想いに浸れる、最高。

そして他の首がモスラの糸にかかると心配して助けようとするギドラ可愛い。

次回作ではメカキングギドラとしてゴジラとコング、共通の敵になる可能性がある。

ゴジラ

今作のゴジラさんは人間によって復活された宿敵ギドラを倒そうと頑張るもその最中に人間達にオキシジェンデストロイヤーを撃たれて死にかけ、休憩しているとまたしても人間がやってきて核撃たれて無理矢理復活(人間で言う所のエナジードリンクを無理矢理一気飲みさせられた感じか?)

それでも人間を襲わないというあまりにも慈悲の心に溢れている本作のゴジラ。そのままギドラを倒し、他の怪獣達にも舎弟にする。まるで番長である、怪獣番長の誕生である。

というか本作、地球で番長しているゴジラ兄貴と荒らしに来たギドラ、気が強い幼馴染のモスラ、子分を生業とするラドンと、完全にヤンキー漫画である。

次回作でコングとゴジラが戦うらしいが、恐らく私の読みでは、地球という学校の番長をしているゴジラに新参者のコングが挑む構図になると思う。

コングが世界各国の怪獣番長を倒し、成長しながら仲間を増やし、そしてゴジラ軍団に立ち向かう不良漫画的、即ち『クローズZERO』(小栗旬さんも出るらしいし)展開になるのかもしれない(ならない)

 

エンドロールで顕著だが、ゴジラが通った後には自然が回復し、絶滅動物ですら復活する、もはや地球の正義の使者であるゴジラが人間と争う話を作るのは中々難しいのではないか。続編が気になる。

 

狂人ドラマと芹沢博士と価値観の多様性

本作は公開される前、人間ドラマが薄いという批評がネットでバズっていた。

実際に観てみると確かに人間ドラマは薄い。なぜなら出てくる人間誰も彼も頭がおかしい奴ばかりだからである。

前作のギャレス・エドワーズによる『GODZILLA』、通称ギャレゴジにてゴジラが大好きで、意地でも「ガッズィーラ」ではなく「ゴジラ」と発音する劇中唯一の日本人にしてゴジラ界のレジェンド、芹沢の名前を継ぐ男を演じた渡辺謙が今作ではまだまともという事がわかる。

それほど、キャラが濃い奴らに囲まれているが、本作ではそんな渡辺謙がある意味主役である。

渡辺謙と言えば、ハリウッドで活躍する数少ない日本人だが、『バットマン ビギンズ』で敵のボスと思いきや、影武者で出番少なくすぐ退場が代表例のようにイマイチ活躍が少なかったが(それでも本当に凄い)今作では人間側の主役的立ち位置の一人で、初代ゴジラのように芹沢博士として人類を救うべく、命を捨てて兵器を利用する。

ただ、初代ゴジラと決定的に違うのは初代ゴジラではゴジラを倒す為に兵器を利用したが、本作ではゴジラを復活するために兵器を利用している。

そして兵器とは核である。

日本のゴジラ観は今まで、戦争や原水爆、環境破壊に対する「人間がやってはいけない事をした罰の具現化」であり、人がやってきた事の後ろめたさの表れだったが、本作では違う。怪獣とは人間ではどう足掻いてもどうする事出来ない存在「神」として描かれている。それはCMでもあった「我々がゴジラのペットになるのだ」という台詞に象徴されている。

その違いは日本とハリウッドの価値観の違いだと思う。私も日本のそういう価値観が好きだが、ゴジラは日本だけに留まらず、海外に進出し、日本以外の様々な価値観と身につけていった。その結果が本作のゴジラ観であり、そんなゴジラだらかこそ日本だけではなく世界中で愛されるようになっていくのだと思う。そんな変化に少しの寂しさもありながら、子供の頃大好きだったあのゴジラがこの先、どれほどの化け物コンテンツとして育っていき、世界中の子供達に愛されるようになるのかそんな事を考えるだけも非常にワクワクする。

 あと、あの環境テロリスト集団、お前はもう用済みだ宣言の後にそのまま帰宅を許してくれる組織初めて見た。車も貸してくれるし優しさの塊。恐らく本作で一番話がわかる連中だと思う。これからも出番がありそうなので楽しみである。

最後に

今作では非常に強いテーマ性がある。

それは「愛」とか「人生」とかそうしうモノではない。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のテーマ、それはただ一つ

ゴジラとは怪獣王」という事だけである。それが熱烈に私たちに伝わり、見終わった後、ゴ!ジ!ラ!!!!ソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャ!!!!というBGMが頭から離れないようになる。まるで宗教映画である(ではない)

本作は非常に面白い作品ではるが、ただ一つ難点があるとすれば劇場を出た後どうしてこの世界ではゴジラやギドラやモスラや謎のマンモスが暴れていないのだろうと怪獣が一切いない街並みにただただ涙を流すしかない所であり、再び怪獣達が暴れるこの映画を観たくなる所である。怪獣中毒である。

 

私はこの映画を観て、ある夢が出来た。

それは死ぬときはゴジラに踏まれて死にたいという事だ。

私はどうしようもない人間だが、死ぬときぐらい自分で死に方を選ばせて欲しいし、私が死ぬときはゴジラに踏まれた時だ。絶対にゴジラのあの重さで踏まれて地面に挟まったら気持ち良く死ねると思う。だからどっかの強国が気が狂ったように水爆実験しまくってゴジラを起こしてくる事を期待しつつ今日も明日も会社に行こう。

 

映画『貞子』感想。日本が誇るホラーアイコンの終わりと棒読みババァ

1998年、邦画界においてホラージャンルに新たなムーブメントを巻き起こす作品が現れた。日本の原点たる怪談にも似たテイストを備えながら、ジメジメと陰湿で寄り添うような恐怖が日本中へとヒットの輪が広がった、中田秀夫監督の『リング』だ。

“見た者は1週間以内に死ぬ”という都市伝説的な「呪いのビデオ」を軸に置き、その謎を解くべく奔走する1組の男女を描いた『リング』は、ジャパニーズ・ホラー=Jホラーという新たな潮流を生み出した。

そこから20年、貞子はJホラーのシンボル的存在になり、作中ではハリウッドに海外遠征に行ったり、時代の変化と共にビデオテープという手段からインターネット動画へと変わったり、見た目がカマドウマみたいになったり伽椰子とタイマンしたり、合体したりした。

また作外では野球の始球式に出たり

nlab.itmedia.co.jp

 政見放送をしたり


「貞子vs伽椰子」総選恐 貞子 政見放送

とにかくネタ化が止まらなく、怖いというよりふなっしー的面白ユルキャラ化しているのは否定出来ない。

そんな貞子がシリーズの原点である中田監督と再びタッグを組んだのが今回感想を書く映画『貞子』である。

貞子 (角川ホラー文庫)

怖くはない

本作は正直全く怖くはない。

蒙古タンメン中本のような辛いカップ麺を期待したら、カップヌードルカレー味を出されたような刺激の物足りなさと怖さである。

最近ではホラーもどんどん過激になっており、海外ではスプラッター要素や、死霊館シリーズのようなポルターガイスト。日本でも白石 晃士監督演出のホラーなどが人気を上げており、1998年から変わらないホラー演出は鮮度が大分しんどい時代になってきているとも思う。

そもそも貞子の怖さの一つにそのビデオを見ると1週間以内に死ぬなどの「死に至るまでのルール」がきちんとあって、そこまでの心理戦などが楽しい要素でもあったのに、本作では霊能力が強い女の子が、母親(霊能力者)から名前も付けられずに育てられて、お前は貞子の生まれ変わりだからっていう理由で家に火をつけて殺そうとした所に突然貞子が現れ、母親は殺されるというルール無視の貞子大暴れからこの作品は始まる。

そして予告でもあった「撮ったら、呪われる」というフレーズ。

動画を撮った人より、動画を撮ってない人の方が被害者が多いという矛盾。

そもそも動画を撮るという縛りが厳しすぎて全然発動出来てないのでこれは完全に貞子の制約と誓約の選択ミス感が凄い。

個人的には最近社会問題になっている事故現場などを撮影してSNSで拡散してしまう民衆の問題などに切り込む内容なのかなと思ったのだが全くそんな内容でもなかった。

というより、本作は『貞子』っていうタイトルなのに別に貞子は本筋とはあんまり関係ないというか、無理矢理出番を作らされたような違和感が凄くて、正直貞子抜きにした方が綺麗に収まった疑惑がありありです。タイトルは『池田エライザ』の方が良かった。

 

また、ストーリーも霊能力が強い女の子は一体なんだったのか。youtubeにちょくちょく出てくる髑髏の映像は何を意味していたのか。何も分からない。

分かったことは貞子は子供の頃虐待を受けたり捨てられたりした人間が好物という貞子最低やなっていう事だけ。

正直ここまでユルキャラとなってしまった貞子でホラーは限界な気もする。そういう意味ではあんなに叩かれたカマドウマもどうにか貞子を恐怖アイコンに再びするために試行錯誤の上の迷走したのかも。

 

1時間半の池田エコイザのイメージビデオ

本作の一番の見所は池田エライザである。

監督もわかっているのか1時間半、ほぼ出ずっぱりである。

そして偶然、池田エライザは作中ほとんど縦セーターを着ている。不可抗力で乳を見てしまう。1時間半池田エライザに目が釘付けである。これは池田デカイザ。縦セーターのせいか完全に乳デカイザになっている(書いていて自己嫌悪になる)

後、ラストシーンで貞子と目の大きさ対決をするのでそこも見所。

とにかく池田エライザ好きと巨乳好きと白衣好きと佐藤仁美の変顔好きなら観ても損はしない。ホラー好きには全くオススメできない。残念だ。

 

最後になったが、今回一番ビックリしたのは、どう考えても只者ではない見た目と深いバックボーンがありそうな雰囲気百点満点の老婆による作中一番の圧倒的棒演技でした。「まじかよ、ばばぁ」って三回ぐらい口から漏れました。そこはインパクトが強いのでそこだけでも観て欲しいです。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

貞子vs伽椰子

貞子vs伽椰子

 
リング

リング

 

 

ゴジラの永遠の好敵手、キングギドラの歴史と戦績を振り返る

キングギドラ、それはゴジラの永遠のライバルにして、金星にあった高度な文明を3日間で滅ぼす程の宇宙怪獣だったり、メカ化したり、高次元怪獣になったり、様々な変化を伴いながらゴジラを苦しめてきた最大の敵とも言える。ゴジラのライバルと言えばギドラというファンの人も多いだろう。

 

今回はそんなゴジラとギドラとの戦いの歴史を振り返りながら、VSゴジラ戦でのギドラの戦績を確認していきたいと思う。

 『三大怪獣 地球最大の決戦

三大怪獣 地球最大の決戦

通称「金星の業火」と呼ばれたキングギドラの初登場作品。

かつて金星にあった高度な文明を3日間で滅ぼしたという前評判から期待値は大きく実際、引力光線を吐いて暴れ回わったり、巨大な翼からの突風で、東京を壊滅に追い込んだりしたが、その強さ故に、ゴジラモスララドンの三大怪獣と戦う事になり、ゴジラが引きつけているあいだに背後からラドンに乗ったモスラによって大量の糸を吐きかけられ、動けなくなったところをゴジラに岩石をしつこくぶつけられて戦意を喪失し、おめおめと宇宙へ逃げ帰ると言うちょっと可哀相な退場の仕方をする。

戦績 敗北 

 『怪獣大戦争

怪獣大戦争

ゴジラキングギドラが一緒に仲良く街を破壊するという珍しい光景が見られる本作。

X星人に「怪物0」と呼ばれて操られる(以後ギドラは自分の意志ではなく異星人に操られて登場するという可哀相な立場が多くなる)、X星に連れて来られたゴジララドンと戦うが、撃退されて敗走する。

しかしそれはX星人の罠でゴジララドンも洗脳されギドラと一緒に地球を攻撃。

地球人は反撃でX星人が全滅したため洗脳が解け、もはや戦う必要もないものの『スクライド』におけるカズマと劉鳳のように再びゴジラ(それとラドン)と戦う。最後はゴジララドンの言葉通りの特攻を受けて崖から海中へ落下して敗北し、ふたたび宇宙へ逃げ帰る。

戦績 敗北

 

怪獣総進撃

怪獣総進撃

キラアク星人の切り札として登場し、「地球の怪獣では歯が立ちません」とキラアク星人が豪語する通り、凄まじいパワーや引力光線で地球怪獣達を圧倒するらしいが、相手がミニラ、ゴジラモスラアンギラス、マンダ、バラゴン、ゴロザウルス、クモンガ、ラドン、バドンと10体という大怪獣群のため多勢に無勢。一応、実際に活躍する怪獣は一部だがあまりにもフルボッコで可哀相な戦いをさせられる。ほとんどイジメである。

最初こそ善戦するが、ゴロザウルスにカンガルーキックで倒されたあと、目を覆うような壮絶な猛攻撃を食らい、ついに死亡した。キングギドラの首から流れる血が生々しい。 

戦績 敗北

 

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン

ここから関連書籍などでは「二代目キングギドラ」と紹介されている。

M宇宙ハンター星雲人に操られてガイガンとともにゴジラアンギラスと戦い、あと一歩まで追いつめるが、乱戦の最中、自分に突っ込んだガイガンに引力光線を当てたことから、仲間割れになる。その隙を突いたゴジラアンギラスの連携に加え、地球人によってM宇宙ハンター星雲人の司令塔が爆破されてコントロールを失ったことにより、ガイガンとともに宇宙へ敗退する。

戦績 敗北

 

ゴジラvsキングギドラ

ゴジラVSキングギドラ

ここから平成シリーズ。

『VSビオランテ』がG細胞の扱いや、自衛隊の戦術など平成シリーズでも屈指のストーリーラインだったが、本作では未来人による歴史改変モノで中々フラフラしている描写も多い。

ちなみにスピルバーグの祖先だと思われる人や、どう見ても『ターミネーター』に影響されているアンドロイドなど、観ていてニヤニヤも出来るおまけが多いのも特徴。

未来人が連れてきた3匹の怪獣が、マーシャル諸島ビキニ環礁核実験の放射能の影響により合体、巨大化・凶暴化してキングギドラが誕生した。未来人の特殊音波によって操られており、引力光線を吐いて暴れまくっていた所、北海道に上陸したゴジラと対峙する。

最初は空中からのキックなどでゴジラとの戦いを優位に進めるが、未来人のコントロールが失われたことで形勢が逆転し、尾をつかまれ何度も地面に叩きつけられる。その後も長い首を使って締め上げるも、熱線で中央の首をはね飛ばされる。ゴジラが未来人の母船を破壊した隙に逃走を図るが、熱線で翼を貫かれ、海へ沈む。

戦績 敗北

これで終わりかと思いきや、212年間仮死状態で存命していたキングギドラを地球連邦機関が回収し、23世紀の技術で改造しメカキングギドラとして復活。

ただ、キングギドラ自体に意思が残っている訳ではなく、エミーという未来人のパイロットが操縦している。ゴジラと現代の東京で戦うが、反撃され翼を損傷し墜落。遠隔操作ではなくガンダム形式の操縦のため中にいるパイロットのエミーが気絶するなど苦戦するものの、ゴジラをマシンハンドで拘束。どこかへ運び去ろうとするが、暴れるゴジラから至近距離で熱線を浴びてついに海に墜落し、一緒に仲良く小笠原海溝に沈む。エミーはKIDSで脱出し、23世紀へと帰る。メカになってもゴジラには勝てない。

ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

本作では、日本の自然の守り神・護国三聖獣の一体「天の神・魏怒羅」として登場。

今までは数的不利な状況が多かったが、本作ではモスラと共闘でゴジラと戦うものの、不完全な状況で目が覚めたため、ゴジラに投げられてあえなく気絶し、結果としてモスラに孤軍奮闘を強いることになる。

その後、ギドラをかばってゴジラに敗れたモスラのエネルギーを吸収し『千年竜王キングギドラとして目覚める。ゴジラと海中で戦ったあとに浮上し、追ってきたゴジラに引力光線で攻撃するが、ゴジラはこの光線をも吸収したうえに熱線と合わせて放射し、これを至近距離で食らったキングギドラは死亡。その直後、護国三聖獣の霊魂の状態となり、ゴジラに憑依している怨念を浄化することに成功する。個人的にシリーズで一番格好いいキングギドラが観られる。ほとんど主役。

 

戦績 敗北 

 

ゴジラ FINAL WARS

ゴジラ FINAL WARS

一応、今作にキングギドラが登場する事は徹底的に伏せられていたが、モンスターXが露骨に3つ首だったため、一部のファンからは絶対キングギドラが登場あるわと言われていた(そして実際に登場した)

懐かしのX星人が再登場。今までは操っている星人がやられると露骨に弱体していたキングギドラだが、本作では統制官が倒され、X星人が全滅すると同時にモンスターXはカイザーギドラに変身。「超ドラゴン宇宙怪獣」の誕生である。

カイザーギドラはゴジラからの放射熱線によって中央の首を吹き飛ばされたあと、左側の首が放った光線を右側の首を盾にされて誤爆し、右側の首も失う。その後は何度も一本背負いを浴びせられて動かなくなったところを空中に投げ上げられ、熱線によって宇宙空間まで吹き飛ばされた結果、死亡する。

 

戦績 敗北

 

GODZILLA 星を喰う者』

live and die(アニメ盤)/アニメーション映画『GODZILLA 星を喰う者』主題歌

 

アニメーション映画『GODZILLA』シリーズの完結編に登場。

前作のメカゴジラが出番あるある詐欺だったため、本作もキングギドラの登場があるのか危ぶまれたが、実際にはバリバリ活躍した。異星人エクシフが「金色の王」「黄金の虚無」と称する黄金の怪獣にしてエクシフの信仰で語られる「宇宙知性」「既存の宇宙を超えた高次の領域へと至る門」と同一の存在。次元の狭間に生息する高次元エネルギー体であり、出現するだけでブラックホールが形成されるほどの重力制御能力を有している。また、この宇宙とは物理法則そのものが異なる別次元の存在であるが故に、人間の五感では認識できるがコンピューターなどの電子機器ではその存在を検知することは出来ず、干渉などをすることもできない。まさしく高次元怪獣の名に負けないチート的存在である。ゴジラ・アースとの戦いでは別次元の法則による優位性によって、ゴジラ・アースの一切の干渉を受けつけずにゴジラ・アースの実在を自身の次元法則で侵食して喰らい尽くそうとする(文章にするともの凄い事のように見えるが、実際の映像では正直甘噛みしているようにしか見えない)

主人公のハルオにより観測役だったメトフィエスが右目に埋め込んでいた観測装置を破壊されたことでゴジラ・アースがいる地球次元側へ引き込まれてしまい、ゴジラ・アースにボコボコにされた後ブラックホールを熱線で破壊され、撃退された。

 

戦績 敗北

 

 

結果

戦績0勝8敗

モスラメカゴジラと違い、あまりにも強い宇宙最強怪獣故、ゴジラがギドラに敗北するとそれは地球の敗北を意味する事が多いため、メタ的に見てギドラは永遠にゴジラに勝てない気がしてしまう。強すぎるのがいけない。

また、ギドラが登場する作品は宇宙人や未来人がセットになっている事が多いため、ストーリーラインがフワフワしている事が非常に多い。癖が強い。

そんな懸念材料もあるが、5月31日に公開される『ゴジラキングオブモンスターズ』ではどのような活躍をするのか、遂にギドラはゴジラを倒す事が出来るのか。

注目して見て欲しい。

 

GODZILLA ゴジラ(吹替版)

GODZILLA ゴジラ(吹替版)