戦車が来るより怪物刑事マ・ソクトが来た方が絶望する
上腕二頭筋の太さが僕の太股2つ分で有名な俳優マ・ドンソク演じる“怪物刑事”マ・ソクトが、拳ひとつで最狂の悪党たちを撃ち破る爽快アクション『犯罪都市』最新作 NO WAY OUT。1作目の韓国チャイナタウン一斉摘発から始まり、2作目のベトナムでの凶悪犯との死闘を経て、今回は新種薬物事件の背後で蠢く日本のヤクザと汚職刑事たちが、マ・ソクトの前に立ちはだかる。
本シリーズの魅力は観ていて寒気を覚えるような狂犬のごとき残忍さと無鉄砲な横暴さを持つ敵が好き放題しまくってヘイトを稼いでいく序盤中盤の展開とそんな憎たらしい悪党に対してラブリーかつ無敵のマ・ソクト刑事が徐々に追い詰めていき最後は超重量級パンチや背負い投げでスカッと解決して宴会で〆る気持ち良さだろう。
思いっきり違法捜査でも「悪」を赦さず韓国市民を守るため奮闘するマ・ソクト刑事の勇姿はコナンやVIVANTで刑事や公安を少しでもカッコ良く描くと苦い顔をする人が見たら絶叫しながら倒れそうな描かれ方だが、マ・ドンソクの「人情があり気は優しくて力持ち」なヒーローを演じたら右に出る者はいないのでその圧倒的説得力に違和感なく観れる。
1作目から怪物みたいな強さだったマ・ソクト刑事だが、3作目にもなると登場するなりBGMが変わるので「よっ!待ってました」と掛け声をかけたくなるし、拳で奏でる衝撃波でカメラがいちいち揺れたりして怪物さを強調する演出で笑みがこぼれる。
とにかく強い。それまでその強さから好き放題していた強敵たちがマ・ソクト刑事の前では1人のチャレンジャーになっていく。
そんなマ・ソクト刑事を倒すにはどれだけ強いのか知らなければならない。まずはその強さを書く。
悪党はとにかく数が多い。そんな悪党に対してマ・ドンソクの躯体から放たれる瞬速ボクシングアクションで次々吹っ飛ばしていく。雑魚なら1撃。他の刑事をボコボコにする中ボスなら3~5撃。圧倒的強さのボスなら7,8撃でノックアウトに持っていく。
悪党はハンデを埋めるため凶器としてナイフ、鉄パイプ、手斧、刀、そして銃も使ってくるが、このデブ、身体が脂肪ではなく筋肉で太っているのでスピードもあって瞬発力もあって動体視力もあって空間把握能力もある。確かにマ・ドンソク以上に図体も大きく筋肉もある役者も沢山存在するが、この瞬発力からのボクシングstyleこそ、マ・ドンソクの強みといっていい。
更には頑丈なので鉄パイプでどれだけ叩かれても「いてーな」で済ます。つまりマ・ソクト刑事は攻撃力だけでなくHP、守備力、早さ、魅力。どのステータスとっても最強なのである。ゴールデンカムイにおける熊みたいな存在。
そんなマ・ソクト刑事、どうやったら倒せるのか。
まず1対1の接近戦は無理である。今回のボスは刀と銃を使ったが見事に避けられ拳で倒された。しかし、刀と銃以上の武器って何だろう。チェーンソーとか火炎放射器とか散弾銃とかロケットランチャーになってくるが、もはやバイオハザードの大ボス相手の装備で何と戦っているのか不安になる。しかし、チェーンソー以外は広範囲にも攻撃出来て脅威になるだろう。
また、今作でマ・ソクト刑事に唯一と言っていいダメージを与えたのが死角からの車による衝突。
つまり鉄のボディで覆われた乗り物ならマ・ソクト刑事と戦えるのだ。そう考えるとヤクザゲーム『龍が如く7』で鉄球クレーン車がボスとして登場したのは理にかなっていた。あの時は荒唐無稽だと笑ってすいません。鉄球クレーン車は犯罪都市シリーズが続いていったらいつか出てきそうな相手だ。
そして遠距離からの狙撃。しかし、考えれば考えるほど偶然くしゃみとかして避けそうなのが怪物刑事マ・ソクトなのである。うん、避けそう。
あとは化物には化物をぶつけるんだ理論で最初の狩人ゲールマンとかガスコイン神父とか殉教者ローゲリウスみたいな強敵を呼んでくるしか僕には思いつかない。
最後に
『犯罪都市 NO WAY OUT』は面白かったんだけども、強行班の課長とか好きなキャラが出てこなかったのは寂しい。いつか火炎放射放つ鉄球クレーン車と対峙するマ・ソクト刑事の大ピンチに駆けつけてくれたら滅茶苦茶盛り上がるなぁと思うので長いシリーズになって欲しいぜ