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映画『レディ加賀』感想レビュー。胡散臭い森崎ウィンに「なんだこいつ…」ってなる

ま~たイロモノ作品出てるよ小芝風花

 

出演作が途切れない女優・小芝風花。

僕が彼女を知ったのは実写版『魔女の宅急便』だった。その時は映画自体のクセの強さに持っていかれてあまり印象に残らなかったが、その愛すべきコメディエンヌぶりを実感したのが実写版ドラマ『トクサツガガガ』を見て好きになった。

それ以降も『彼女はキレイだった』『Invert 城塚翡翠 倒叙集』『波よ聞いてくれ』など朝ドラ主演やってそうでやってないこと除いて順風満帆に傑作ドラマにも出演している小芝風花。ただ、映画になると出演作に恵まれないというかクソというか、う~~~~んってなる。『貞子DX』とか『妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』とか『文福茶釜』とか。映画というより二時間ドラマのクオリティばかりで鑑賞が辛い。

日本だとコメディエンヌが輝けるようなコメディ映画ってそもそも土台無理なのでは!?という疑惑がそもそもある。大半が低予算かコスプレ学芸会になるかの2択しかならなさそう。そういう意味では小芝風花も映画に本格的に出演しだすと普通のラブストーリーとか社会問題を扱う作品に出たりするのかなぁと思っていた。

そんな小芝風花が新しい映画をやると聞きつけて凄い勢いでポスターを見た僕。

 

 

完全にネタやん

そんなタイトルでそんな真剣な顔されるの、逆に笑えるやつやん。

レディー・ガガと加賀温泉を組み合わせるの4千万人の日本人が1度は思いついたけど胸の奥底にしまい込むネタやん…。地元のCMとかで消費されるレベルだろ…と思いつつ調べてみると約10年前からある地元の女性たち(旅館の女将等)によるプロモーションチームの名が「レディー・カガ」で、今年北陸新幹線敦賀が延伸するのに合わせて女性タップダンスチームの奮闘を描く地域観光振興映画らしい。全体的に『フラガール』の色違いみたいな奴である。矢口史靖感というか。『マイ・フェア・レディ』をもじった『舞妓はレディ』だったり、こういうの好きだよね。

 

今週は『夜明けのすべて』『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』『カラーパープル』と絶対に外れようがない名作映画達が公開されたが、個人的にはこういう面白いかどうか観るまで分からないような映画が大好きなので『レディ加賀』を率先して鑑賞した。

 

 

本作は地域PR動画の延長線上みたいな映画で、最後のタップダンスさえ成立したら後は内容の出来云々は関係ないのかもしれないが、だからってこれっぽっちも練られていないストーリーでビビる。そのくせ「伏線回収しました~~」みたいなどや顔してくるのもムカつく。

 

可愛い小芝風花と倒れて入院中でも化粧完璧美しい檀れいや相変わらず声大好きな松田るかなど俳優陣は良いのだが…良いのだが!!!って奴である。

全体的にテンプレみたいな登場人物達の中で、怪しい胡散臭い森崎ウィンが本作の中で異質で、正直いなくても成立するストーリーなのに結構出番があって冒頭から「なんだこいつ…」ってなるし、最後の最後には「なんだったんだこいつ…」となる。それが味にもなっているのだが

「こいついるの!?」ってなる絶妙なバランスである。

 

ハートフルな人間ドラマとしても地元を盛り上げる観光映画としても中途半端で終始ドダバタして殆どのこと放り投げて終わる。 女将継承や修行の話から急にタップダンスの話になってて軸のブレが凄い。印象としてまじで「ドダバタ」しか残らない。タップダンスステージ始まったからはせめてドダバタ起きずステージに集中させて欲しかった。

そして最後は綺麗な花火があがったねぇ~~~終わりだよ!!!って終わる。滅茶苦茶問題あっても綺麗な花火が上がれば終わる。映画って凄い。

 

 

最後に

この映画の売上の一部が能登地震の義援金にも使われるらしい。映画の内容もこれまでも加賀温泉は様々な災害など壁があったが乗り越えてきた。今回もきっと乗り越えられるというストーリーなので、凄い「今」の話になってしまった。そういう意味でも文句はあっても嫌いになれない映画である。あと、加賀市の街並みが綺麗で食べ物が美味しそうだったので、3月になったら石川県旅行行こうかと考える。お茶好きなので本作でも登場した加賀棒ほうじ茶飲みたくなったわ。

 

タップダンスは詳しくないが、夜空の下で踊る小芝風花はカッコ良かったので、小芝風花ファンは観て欲しいそんな映画である。