今もっとも勢いのあるアニメ映画監督といえば『君の名は。』『天気の子』そして『すずめの戸締まり』と大ヒットを続けている新海誠で異論はないと思う。
今回はそんな新海誠監督に影響を与えてきたり、オススメしている作品をまとめたので紹介していく。SF小説と、ダメな大人が出てくる作品が多め。
ダ・ヴィンチ 2022年12月号 より
『三体』 劉慈欣著
中国のSF作家劉慈欣による長編小説。現代でSF小説といえば本作といっても過言ではない程有名なので、読んだことない人でもタイトルぐらい聞いたことある人は多いだろう。全5巻と長いのでAudibleで聞くのもアリ。映像化も予定されている。
本の雑誌であるダ・ヴィンチらしい質問としてオススメの本の質問に対して新海誠監督は『三体』と答えている。スペースでも同じようにオススメしていたり実際に『三体1』の本の帯で
面白い物語を求めているのならば、この本で間違いない。SFの快楽がほしいのならば、この本は十全に答えてくれる。魅力的な人物に出会いたければ、この本の中にいる。『三体』の世界的なヒットの理由はとてもシンプルで、だからこそ達成し難い奇跡だ。
と書いていたり、Twitterで
『三体Ⅱ』本当に見事。最後まで存分に面白いです。物語のアップダウンとクリフハンガーが徹底していて、行けると思ったら絶望。かと思えば予想できなかった希望。ゲットオーバーの連続で、しかもその方法はテクノロジーか、理知的な戦略か、もしくは絶望に根ざした愛。美しいSF、美しいロマンスです。 pic.twitter.com/Zd5c589Uzg
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2020年7月16日
仕事の合間の楽しみとして読んでいた『三体Ⅲ』、これ以上のSFにはこの先出会えないのではないかと一瞬絶望してしまうくらい、ものすごく面白かったです。全編凄いのですけど、特に「歌い手」あたりの描写はもう好きすぎてくらくらしました。 pic.twitter.com/C9vIcxzy6F
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2021年12月4日
と絶賛しているので取り敢えずまだ読んでない人はこれを機に読もう。
『円 劉慈欣短篇集』 劉慈欣著
『三体』のSF作家劉慈欣による全13篇を収録した中国SF短編集。
新海誠監督曰く、『三体』以上の衝撃。
特にオススメは『郷村教師』『円円のシャボン玉』『時火』の3本。
ハードSFを大衆作品にするのであれば、こういう強烈なビジュアルイメージが必要なんだ、と教えてくれるような力のあるSF短編集でした
『自転しながら公転する』 山本文緒著
2021年の秋ごろに膵臓ガンのために亡くなられた山本文緒の小説。
故郷に戻ってきた主人公は働きながら男性と付き合うが、結婚問題や、親の介護、職場でのトラブル、地方生活のリアルな痛みを描いている。
話の中には読者をミスリードするような仕掛けが最初にあり、それが最後に大きな驚きへと直結する、というような構造が鮮やかに仕組まれている。
と新海誠監督がいっており、『すずめの戸締まり』にも影響を与えていそうだ。
ダ・ヴィンチ 2016年9月号より
『都市と星』 アーサー・C・クラーク著
遙か未来に人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造した。そこに10億年ぶりにイレギュラーに誕生した主人公が外の世界を目指す物語。
新海誠監督の『ほしのこえ』のサブタイトル『The Voices of a Distant Star』はクラークの『遙かなる地球の歌』の原題『The Songs of Distant Earth』からもじっているように、新海誠監督作品に多大な影響を与えてきたクラーク作品。他にも『2001年宇宙の旅』が好きで『幼年期の終わり』は高校生時代に一番好きだったと。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 村上春樹著
「世界の終わり」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの物語が交互に展開していくストーリー。村上春樹の4作目の長編小説で最高傑作の一つと呼ばれることが多い。新海誠監督は村上春樹の魅力を
春樹さんの文体特有の何度も繰り返し読み返したくなる感じは自分が作るものもそうでありたいと思う、1つの憧れです。1番影響を受けたという意味では『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を挙げたい。~作家が作品にどう責任を負うべきなのか、ものづくりをするうえでの姿勢の部分で、大きな影響を受けた
と語っている。あと新海誠監督で『すずめの戸締まり』なら同じく村上春樹著の短編集
『神の子どもたちはみな踊る』もオススメ。滅茶苦茶私の偏見を言うと村上春樹苦手な人は新海誠監督も苦手そう。
『ピラミッド帽子よ、さようなら』 乙骨淑子著
思春期の少年の自問と冒険をSF的に描き、病床の乙骨淑子が描き上げたかった未完の物語。
新海誠監督曰く、「作者はこの物語をどう終わらせたかったんだろう」と子供ながらに考えたのが物語づくりの原点らしい。
タワーマンションに住む汐美。夫は殆ど家に帰らず、一人で昼寝したり、パチンコしたり。そんな中、隣に住む中学生と猫と親しくなっていくという物語。団地をラプンツェルの塔に例えるのが唯一無二。
新海誠監督曰く、ダメな大人が魅力的だと。
『李歐』 高村薫著
平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、美貌の殺し屋李歐に出会う。しかし、2人が見た夢は遠く厳しく、15年の月日が2つの魂をひきさいていく物語。
新海誠監督曰く、男女の愛情以上の、男男の愛情は素敵であり、酒を飲んでダメになっていく大人の話が好きと。
『テニスボーイの憂鬱』 村上龍著
地主の一人息子の青木はステーキ屋の経営も、妻子も二の次というほどのテニス狂。彼はCMモデルの吉野愛子と熱烈な恋に落ちるが、先のない恋愛に疲れた彼女は、青木のもとを去る。しかし落ち込む間を惜しむかのように、彼はサイパンで出会った本井可奈子に一目惚れしてしまう
ダメな大人のダメな生活の裏にべっとりと切なさが張り付いている本作。
今だと本を読まない人ではテレビ番組の『カンブリア宮殿』で村上龍を知っている人も多いかもしれない。
『僕の中の壊れていない部分』 白石一文著
美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。 それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意からだった…という物語。主人公が非常に面倒くさい話である。
新海誠監督曰く、人生を絶望しきっている生き様も美しさを感じるとのこと。
『黄昏流星群』 弘兼憲史 既刊67巻(!)
主役は40代以降の中年・熟年・老年で、恋愛を主軸に人生観などを描いた短編漫画集。ドラマや映画化などもされている。ダメな大人が続々出てくる。
新海誠監督は『黄昏流星群』みたいな中年男女の恋愛ドラマをいつか作ってみたいと語っている。見たい。
『甘い水』 松本剛著
恋に落ちた少年と少女。しかし、明るみになった少女の秘密はあまりにも残酷だった。重い現実に押しつぶされそうになりながらも、必死に抗う二人の恋の物語。
1人の女の子を救おうとして挫折する男の子の話で、松本剛先生によるかなりヘビーな展開で読んでてうっとなる。『雲のむこう、約束の場所 』に影響を与える。ちなみに同じく松本剛著の『ロッタレイン』の帯コメントを新海誠監督が書いている。
『風の谷のナウシカ』
今更説明不要の2作。新海誠監督も『ルパン三世 カリオストロの城』を20回、30回繰り返し見て、そこから宮崎駿監督の他に作品にも手を伸ばし、『風の谷のナウシカ』は漫画にも衝撃を受けたとのこと。
『Oh!X』
今では廃刊しているパソコン雑誌。
デジタルの面白さをこの雑誌に教えてもらったという。今から集めるのは試練。
『ホーキング、宇宙を語る』 スティーヴン・ホーキング著
英国の物理学者スティーブン・ホーキングが数式を使わずに宇宙理論を紐解く。
多世界解釈やパラレルワールドなど物語を生み出す想像力は宇宙論から得ていると新海誠監督。
『日本近代文学の起源』 柄谷 行人著
新海誠監督は大学の授業でこの本を読んで
人間が風景を発見したのは近代になってからだ。「内面のある人間」が生まれたから何もない場所である「風景」に意味を見出した。~今思えば自分の作品で、風景に対する強いこだわりを抱いたのはこの本の影響があるかなと思います。人の内面と風景を重ねる手段は、たぶんこの本から来ています。
影響を受けた本で大学の教科書を言い出す人を初めてみたけど、まぁでも授業の本って気づかないだけで意外と人の人格形成にも影響を与えている気もする。
『くまちゃん』 角田 光代著
風変わりなくまの絵柄の服に身を包む、芸術家気取りの英之。人生最大級の偶然に賭け、憧れのバンドマンに接近したゆりえ。舞台女優の夢を捨て、有望画家との結婚を狙う希麻子など連作短編集。
「ふられ小説」であり、『言の葉の庭』にも影響を与えている。
「EYE SCREAM(アイスクリーム)」増刊2016年10月号新海誠、その作品と人。より
『花とアリス』は同じバレエ教室に通う親友同士の花とアリス。自由奔放なアリスに振り回されてばかりの花は、アリスが一目ぼれした高校生を一緒に尾行するうちに、その彼と共に通学している宮本のことが気になり始める物語。『花とアリス殺人事件』はその前日譚。
『君の名は。』では『花とアリス』の構図をオマージュしてコンテを描いたシーンがあると新海誠監督は言っている。また、奥寺先輩と瀧君と司が飛弾に行ってラーメン食べに行くのも『花とアリス殺人事件』の楽しさを自分の映画の一部に入れたかったからとも。
2作ともアマプラではレンタルのみ。
『なぞの転校生』(テレビ東京版) 監督 長澤雅彦 脚本 岩井俊二 原作 眉村卓
東西山高校二年の岩田広一と香川みどり。ある日下校途中で、空に上がっていく流れ星を発見する。なぜ流れ星が上がるのか?翌日みどりは学校で光る人影を目撃し、校内は幽霊話一色に。そんな折、突然、謎の転校生、山沢典夫という少年が現れた。
『君の名は。』OPで瀧と三葉が人混みの中で振り返るのは『なぞの転校生』そのままらしい。他にも『君の名は。』制作中に『なぞの転校生』をずっと見ていてストレートに影響を受けていると語っている。
アマプラでは配信なし。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』 監督 岩井俊二
1人の平凡な女性が、インターネットで知り合った男性と結婚することになる。しかし新婚早々、夫となった男性の浮気疑惑が持ち上がる。しかし反対に義母から浮気を疑われた彼女は、家を追い出されてしまう物語。
新海誠監督は岩井俊二作品のユーモアが作品全体のシリアスさを損なわずに存在していることに尊敬している。
アマプラではレンタルのみ。
『リリイ・シュシュのすべて』 監督 岩井俊二
中学二年の蓮見雄一(市原隼人)は、かつての親友、星野(忍成修吾)にいじめられ、窒息しそ うな毎日を送っている。唯一の救いはカリスマ的歌姫リリイ・シュシュの歌声だけ。自らが主宰するファンサイト「リリフィリア」の中にいるときだけが本当の 自分でいられる瞬間だった……。
新海誠監督が20代、30代の時に切実に見たかったのは本作だと。また、新海誠監督曰く、岩井俊二作品は母親が魅力的だと語っている。
アマプラではレンタルのみ。
『Love Letter』 監督 岩井俊二
婚約者を亡くした渡辺博子は、忘れられない彼への思いから、彼が昔住んでいた小樽へと手紙を出した。すると、来るはずのない返事が返って来る。それをきっかけにして、彼と同姓同名で中学時代、彼と同級生だった女性と知り合うことになっていく物語。
アマプラで配信中。
重田加代子は、自分だけ恋人がいないことに日々悩んでいた。理想の恋人を求めて突っ走るが、いつも何かに引っ掛かる。年上の親友・福永ヒロミも協力し、「しあわせさがし」をしていく。
本作のような不安の中でみなが一生懸命に幸せを掴もうとするのが同世代の感覚があると言っている。
答えなんかないけれども、でもこれが幸せなんじゃないかっていうものを探すような目線
木造アパート「一刻館」に新しい管理人、音無響子がやってきたことで起きる恋愛模様を中心のコメディ。
『秒速~』を作るにあたって、ダメなんだけどちょっとカッコよく見える系の主人子の系譜で本作の五代くんを挙げていた。
新海誠監督は村上春樹の小説に「逃れないようのない影響を受けている」ことを名言している。ちなみに新海誠少年、高校生時代に『ノルウェイの森』を読んで性的描写にドキドキして読み飛ばしていたらしい。分かる。大学生になってから読み直した模様。
今まで誰も言葉にしたことがない気分や空気感のようなものを、村上作品は語ってくれる。新しい世界を照らしてくれるんです
と語っている。
「コンテンツの思想」東浩紀や西島大介との対談からより
『イースⅡ』
日本ファルコムのARPG。30年以上に渡って続くファルコムの看板作品となっている。
『イースⅡ』は新海誠に影響を与え、後に新海誠は日本ファルコムに就職。2000年発売の『Ys II ETERNAL』のOPを手掛ける。
『凹村戦争』 西島 大介著
日本のどこかにある、世間から隔絶された村・凹村に、ある日突然「X」の形をした謎の物体が落下した。村の中学生・凹沢アルは、物体の正体を突き止めようと奔走する中で、H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』を読み、小説と同様に凹村の外では火星人による侵略が行われていること、それは凹村にも及ぼうとしていることを知り奔走する物語。
新海誠監督はこの本を5回ぐらい読んだとのこと。『凹村戦争』はクラークの『都市と星』みたいだと。
村上春樹の10作目の長編小説。 ギリシア悲劇と日本の古典文学を下敷きにした長編小説でもある。
ちなみに新海誠監督は大学生時代、永井荷風が卒論で、宮崎賢治ゼミと原子物語ゼミに通っていたが、宮崎賢治は好きじゃないとのこと。
あにこれ、新海誠インタビュー より
新海さんの恋のお話、声優さんのお話 - 新海誠インタビュー【あにこれβ】
『青い星まで飛んでいけ』 小川一水著
彗星都市での生活に閉塞感を抱く少女と、
緩衝林を守る不思議な少年の交流を描く「都市彗星のサエ」から、
"祈りの力で育つ"という触れ込みで流行した謎の植物をめぐる、
彼と彼女のひと冬の物語「グラスハートが割れないように」、
人類から"未知の探求"という使命を与えられたAI宇宙船エクスの遙かな旅路を追う表題作まで、
様々な時代における未知なるものとの出逢いを綴ったSF短編全6篇
核爆弾を使ったテロ以降、世界各地で頻発する内戦や大量虐殺。その背後にいる、ある言語学者の存在を追う物語。
亡くなった今でも彼のブログが度々Twitterでまわってくるほど影響力のある伊藤計劃氏。アニメ化などもされたが取り敢えず小説を読むことをオススメする。
『とらドラ!』
僕、もともと、ツンデレというものがよくわからなかったんですよね。「ツンツンした女の子の、いったいどこがいいの?」と思ってたんですけど、「とらドラ!」を観て、「あぁ、なるほど……ツンツンした子もいいな」って思うようになりました。
でも現実に、たまにツンツンした女の子もいますけど、やっぱり、なんていうか……大河とはちょっと違いますね(笑)。 やっぱり、声が釘宮さんじゃないとダメなのかな(笑)。
国民的アニメ映画のなった今では中々聞けない迫力ある新海誠インタビューである。新海誠監督は釘宮理恵さんの声が好きと覚えて帰って下さい。
『ヒックとドラゴン』 2010年8月7日公開 製作会社 ドリームワークス・アニメーション
バーク島に暮らすバイキングの少年ヒックは、ある日けがをしたドラゴンと出会い、心を通わせ合う物語。大傑作作品なので取り敢えず見て欲しい。
アマプラではレンタルのみ。ネトフリでは配信中。
『おまえうまそうだな』 監督 藤森雅也
ある日、マイアサウラのお母さんは、落ちていたたまごを拾い、自分の産んだたまごと同じように大切にする。しかしたまごから孵ったのは、肉食恐竜ティラノサウルスの赤ちゃんだった!という物語。原作は宮西達也による絵本作品。
アマプラではレンタルのみ。
「絵はプロレベル。話はマンガをバカにしているとしか思えません。」があまりにも有名な安部真弘による漫画及びテレビアニメ。海からの侵略者「イカ娘」と、彼女が上陸した海岸にある海の家「れもん」の関係者を中心としたギャグ展開。
毎週イカちゃんを見たくて観てた感じですね(笑)。放送日は「おっ、今日はイカちゃんの日だ。イカちゃんに会えるぞ」っていう感じで家に急いで帰ったり(笑)。
新海誠監督がアニメの作り方を初めて自覚的に知ったのが本作らしい。
『母をたずねて三千里』『未来少年コナン』この2作は子供の時に見たが、宮崎駿が関わっていたため、よく覚えてるという。
異星人との戦いで家族と離ればなれになった13人の少年少女は、力を合わせて地球軍の外宇宙練習艦ジェイナス号に搭乗、宇宙へと旅立つ物語。
新海誠監督が子供の頃に一番強烈に覚えているアニメが『銀河漂流バイファム』だという。自分がパソコンに興味を持ったキッカケも本作だとも。
『新世紀エヴァンゲリオン』 監督 庵野秀明
アニメ業界にいる人でエヴァに影響受けてない人っていない気がする。
新海誠監督もテレビアニメのラスト2話に衝撃を受けたと同時にこれなら手間的に自分でも作れそうと思ったらしい。
『耳をすませば』 監督 近藤 喜文
新海誠監督曰く、英語版の吹き替えのオススメとのこと。新海誠監督が『耳をすませば』好きなのは解釈一致。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 監督 富野 由悠季
富野さんの編集のいさぎ良さというか、「余韻なんか感じなくても良いんだよ」という、わざと情緒を排しているような作り方が、すごくいいなぁと思います。
『水星の魔女』でガンダム入った人にもオススメできる(?)映画。
「Vidéo : Makoto Shinkai nous parle d'animation dans son Supercut」より
Vidéo : Makoto Shinkai nous parle d’animation dans son Supercut
『モアナと伝説の海』
ディズニーアニメ。新海誠監督はディズニーアニメの中でモアナが一番好きと。ビジュアルとストーリー運びがアニメ映画として理想のような作品と答えている。
『亡くした体』 監督 ジェレミー・クラパン
パリの街をさまよう、切断された男の手。その手が何かに触れるたび、温かな子ども時代の思い出と、淡い恋心がよみがえっていく物語。 フランスのアニメ作品
今更説明不要だよ。
「BANDAI CHANNEL」の「クリエイターズ・セレクション 新海 誠 2013年9月25日公開」より
『ふしぎの海のナディア』 監督 庵野秀明
ジュール・ヴェルヌによるSF小説『海底二万里』および『神秘の島』を原案とし、総監督は庵野秀明、キャラクターデザインを貞本義行が務めたアニメ作品。新海誠監督が初めて庵野秀明を意識した作品だという。
『彼氏彼女の事情』
津田雅美による日本の少女漫画で庵野秀明監督によりアニメ化された。仮面優等生の事情を持つ主人公2人の恋愛と成長、コンプレックスとの対峙、そして周りを固める個性豊かなキャラクター達の人間模様が描かれる作品。
『コンタクト』 監督 ロバート・ゼメキス
地球外知的生命体と人類の接触を描いたカール・セーガンのベストセラーを映画化した作品。知的生命体の存在を研究している天文学者エリーは、ある夜、未知の電波をキャッチするが……という物語。
アマプラではレンタルのみ。
『タウ・ゼロ』 ポールアンダーソン著
32光年彼方の乙女座ベータ星めざし、50人の男女を乗せて飛びたった恒星船〈レオノーラ・クリスティーネ号〉。だが不測の事態が勃発した。宇宙船は生れたばかりの小星雲と衝突し、バサード・エンジンが減速できなくなったのだ。亜光速の船を止めることもできず、彼らは大宇宙を飛び続けるしかないのか?というSF小説。
新海誠監督はTwitterでも本をオススメしたりしていのでまとめた。オススメしている中でも、頂いた本は大人の匂いがするので今回除外している。気になる人はTwitterを検索して欲しい。
『ディザインズ』 五十嵐大介著
大好きな漫画はたくさんあるけれど、今でも紙で買うのは五十嵐大介だけです。ああもう楽しみだ…! pic.twitter.com/aCE36jodxb
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2019年11月14日
藤本タツキ先生も五十嵐大介作品が大好きだし、五十嵐大介作品が現代の人気作家を育てているのかもしれない。
『ムシヌユン』 都留泰作著
素晴らしいなあと新刊を楽しみにしている漫画はいくつかあるんですが、人にはちょっとお勧めしにくいくらい謎すぎて好きすぎるのが『ムシヌユン』です。最新5巻がやはり傑作でした。なんかもう種としての性の孤独と切なさが……。虫が苦手な方はやめた方がよいかもですけど。
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2017年12月12日
ジャンルはSF・エロティック。独特な漫画である。
『火星の人』 アンディ・ウィアー著
読み終わりたくない!と久々に最後までわくわくした本、「火星の人」をついに読み終えてしまいました。友人から教えてもらった本です。映画も今年公開だそうですが、本当にものすごーく面白かったのです。 pic.twitter.com/b5XNEtOZyZ
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2015年6月18日
『オデッセイ』として映画化もされたSF小説。
少女は孤独に未来を夢見た……亡国の民・日本人の末裔のふたりは、出会った。そして、人類第二の故郷・火星の運命は変わる。壮大な物語世界が立ち上がる、渾身の恋愛小説。
『異星人の郷』 マイクル・フリン著
東浩紀さんの『クリュセの魚』、創元SF文庫『異星人の郷(さと)』がとても良かったです。どちらもSFですね。RT @kochi_tokeitou: @shinkaimakoto 読書の秋ですね、最近読んで面白かった本はありますか?
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2013年9月16日
小説言の葉の庭、いつも読むのが楽しみです。
1348年のある晩、ドイツの深い森にある小村を異変が襲った。奇妙な光と障気。屋根が吹き飛び、火事が起きた。人知れず果たされたファースト・コンタクトを描くSF小説。
最後に
新海誠監督が日本ファルコムで働いている時に先輩から「どうしてこの仕事についたの?」と聞かれ、返答に困った新海誠監督。
それを見た先輩は「13歳の時の自分が今でも自分の中にいて、でも13歳の時が一番感性鋭い時代で、あの時に吸収したものが凄く大きかったから、13歳の同じような子供達を構成するような作品を作っていきたい」といって、新海誠監督は凄く感銘を受けた模様。
そしてそれを踏まえて『君の名は。』『天気の子』そして『すずめの戸締まり』は今の13歳の子供達にとてつもない大きなモノを与えているような気がしてならない。
子供じゃなくても、僕のようなダメな人間でも、そのダメさを肯定しつつも、明日を信じたくなるそんな作品たち。そりゃ、国民的映画監督になるわって思う。
これからも新海誠作品を応援し続けたい。