ハリーポッターでは明かされなかった最大の謎、解禁(それほどでもない)
【監督】デイビッド・イェーツ 【脚本】J・K・ローリン、スティーヴ・クローヴズ
J・K・ローリングは発言がトランス差別だと炎上し、原作者なのにハリー・ポッター20周年記念番組である『リターン・トゥ・ホグワーツ』に呼ばれなかったり、さらにジョニー・デップが妻のアンバー・ハードに対するDV疑惑と離婚裁判でグリンデルバルド役を降板し、公開直前にはエズラ・ミラーがハワイで治安紊乱で逮捕騒動。
作品外の所で様々な事が起こり続け、全部で5部作らしいけど最後まで作る事が出来るのか!?という心配と、当初の予定通りのストーリーを観れるのか!?という不安と、魅惑のボディだったジェイコブことダン・フォグラーが健康的に痩せていって我儘フォルムが観れなくなるのは良い事だけどちょっと寂しさが残るそんなファンタビ3作目、ダンブルドアの秘密をネタバレありで感想書いていくよ。
ダンブルドアとグリンデルバルド
『ファンタスティック・ビースト』って「幻の動物とその生息地」を書くためにニュート・スキャマンダーが魔法動物とわちゃわちゃしていくのが車道でダンブルドアとグリンデルバルドの関係が歩道だと思ってたけど、前作からダンブルドアとグリンデルバルドの関係が車道でニュート・スキャマンダーと魔法動物が歩道になってしまっている訳だが、本作もそう。
冒頭の喫茶店から重たい。昔は愛し合った2人だけど、ダンブルドアはグリンデルバルドへの未練を断ち切って進もうとしている中、グリンデルバルドはクソデカ感情を捨てられない。
マグルが嫌いでマグルがいる空間にいることすら嫌いなのに、ダンブルドアにマグルの喫茶店を指定されたら行ってしまう。オタクなんて大嫌いなのに彼氏が大学サークル「現代視覚文化研究会」に入っているから自分もそこに入る女子大生みたいなもの。
それまでダンブルドア→グリンデルバルドの片思いなのかなと思っていたけど、冒頭のシーンと最後の「この先誰がお前を愛すのか」と「孤独が待っている」の台詞で、
グリンデルバルド!!!
お前ダンブルドア大好きなんじゃん!!!!!!となる。
そしてラストのシーン。
前作の2でも問題になったアメリカでは魔法使いとマグルの結婚は法律で固く禁じられており、それが原因でクイニーはグリンデルバルドの仲間になった訳だけど、本作のラストではダンブルドアが「歴史的」というように法律が恐らく変わったのだろう魔法使いとマグルでも結婚できるようになったことを表している。
ダンブルドアが、そんな歴史的なジェイコブとクイニーの結婚式を遠くから見ているだけで参加しないのは自分とグリンデルバルドのことが重なるから。
これからの魔法界が変わるような出来事と、友達の幸せでダンブルドアは喜んでいるのだけど、同時に彼が心の底から愛したグリンデルバルドと幸せになることはない。
戦うしかない。
そこにあるのは後悔と愛情と哀しさと目の前の幸せの享受とそれを守らなければならないという想い。
その決意をし、独りで雪が降る街中に消えていくダンブルドアだと思うと名シーンだなって。
ダンブルドアは自分の事を化物だと思っているのかもしれない。しかし、誰だって過ちを犯す。
大切なのはそこからどう努めるか。何を「選択」するのか。
「人が何者であるかを決めるのは能力ではなく選択」というテーマ性はハリーポッターへ受け継がれていく。
秘密の正体
タイトルにもなってるダンブルドアの秘密とは長男のアルバスだけではなくダンブルドア(家)と書いた方が正しい。秘密はこれ。
1.ダンブルドアとグリンデルバルドは過去愛し合ってたこと
2.ダンブルドア家の妹がオブスキュラス
3.ダンブルドア家の妹を兄か弟かグリンデルバルドが殺してしまった事故
4.ダンブルドア家の弟アバーフォースには実は息子がいてそれがクリーデンス
5.そもそも今回のノープラン作戦こそがダンブルドアの秘密作戦
6.ダンブルドア家の弟アバーフォースのスープ料理は見た目がおぞましく酷いが食べると美味しい
のどれが、または全部だろう、僕は6を推すぜ!!!
ソードマスターヤマト感ある
あんなに丁寧に丁寧に扱ってきた設定やら伏線が雑に回収された感じがする本作。
特にクリーデンス。
「マジでなんでこんなに尺を取るんだコイツに」とクリーデンスの事を舐めまくっていたファンタビ2のラストで実はアルバス・ダンブルドアの弟だと衝撃の事実が判明し、「どういうことだ!?????」と多くのファンを困惑させたのも懐かしい。
本作では実は弟の息子だという事が判明し、8割ぐらい嘘じゃん!!となったし、
血の誓いで戦えないグリンデルバルドに代わってダンブルドアを殺せるのはお前だけみたいな秘密兵器感あったのにダンブルドアに勝てる要素なく圧倒的に負けるし、
あっけなく光堕ちするし、
なんか本当にダンブルドアに対する嫌がらせの為に用意されたとしか考えられない。
最後も辛うじて生きているけど、クリーデンスの寿命より先にエズラ・ミラーの役者人生が終わりそうな勢いである。
彼の母親についてなどの情報がまだ殆どないので、次回作でもう少し触れられそうだが。
また、クイニーの花嫁姿を見れたことは嬉しいけど、あっさり自陣に帰ってきてしまった事は拍子抜け。
「血の誓い」の破れ方もガバガバ。
互いに攻撃×攻撃はできないけど
攻撃(誓う対象以外に向けたもの)×防御がぶつかると壊れるとか「これは奇跡だ」とダンブルドアは言うけど、普通にありえそうな奇跡である。
最後に
意外と評判が良くない本作だが個人的には多少拍子抜け要素もありつつも、全体的には満足。ファンムービーとか揶揄されがちだけど、ここまでの規模で、ここまで金をかけてファンムービーで成り立つならやっぱりそこがハリポタの、J・K・ローリングが創り出した世界観の強みだと思うし、ファンの多さが桁違いである。これからもファンムービーを創り続けて欲しい。
また本作はやはりマッツのグリンデルバルドが本当に良い。
ファンタビのグリンデルバルド、コリン・ファレル、ジョニデ、マッツ・ミケルセンの3形態になってしまったけど、マッツの「正気なまま平然と淡々とやばいことをするヤバいやつ感」が凄いな pic.twitter.com/E6sZpEsgSk
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2021年12月13日
マッツのグリンデルバルド、妖艶が歩いているって感じである。民衆にもみくちゃにされるのがあんなに似合う俳優はいない。北欧の至宝。
あと、今作は俳優のキャサリンが妊娠してたのでティナの出番が少ないのは仕方ない。
また、群衆の魔法使い達。
グリンデルバルド「私は麒麟に選ばれし新しいボスです」
↓
魔法使い達「うおおおおおおおおおお」
↓
グリンデルバルド「マグルと戦争をする!目の前にいるマグルにクルーシオ!」
↓
ジェイコブ「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
↓
魔法使い「うおおおおおおおおおお」
↓
麒麟「グリンデルバルドは偽物の麒麟を利用した。本物の王はヴィセンシア・サントス!!!!」
↓
魔法使い「うおおおおおおおおおお」
ワンピースにおけるドレスローザの群衆ぐらいの手のひら返しっぷりである。
まぁ、魔法使い達も一枚岩ではないので、別の人間だというのは分かるが……
ファンタビは5部作で今の所
1でニュート側優勢
2でグリンデルバルド側優勢
3でニュート側優勢
と続いたので恐らく4で絶望のラストになり、5で完結の流れになりそう。
今作が1930年代ぐらいでハッピーエンドで終わり、ダンブルドアとグリンデルバルドの決闘が1945年なので、次は少し時代が飛びそうな気がする(エズラ・ミラー問題があるクリーデンスもその間に死んだり、老けて別人にすることに出来るし)
ジェイコブとクイニーの子供が登場しそうだが、子供が闇堕ちとかなったらどうしよう。
頼む、ジェイコブだけは幸せになってくれ。