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【終わらないもっこり、終わった昭和】アニメ映画『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』感想

冒頭の世界一色っぽい「もっこり」一体なに?とイキナリ予想外の感情の揺さぶられ方をしたこの作品。そう、『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』である。今作の感想など書いていく。

劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉: 公式ノベライズ (徳間文庫)

 

 シティーハンターとは

原作は、1985年に「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートした漫画『シティーハンター』。超一流の射撃の腕を持つ裏社会No.1の始末屋(スイーパー)だが無類の女好きもっこりの冴羽獠と、依頼人の女性に手を出そうとする獠にはハンマーで制裁しながらも、仕事のパートナーとして獠を支える相棒の槇村香。そんな二人が新宿を舞台に様々な依頼を受け、悪と闘う様を描くハードボイルドアクションコメディだ。

 

今作は20年ぶりの復活でありながらも冴羽獠役の神谷明と槇村香役の伊倉一恵に加えて、野上冴子役の一龍斎春水(麻上洋子)、海坊主役の玄田哲章、美樹役の小山茉美ら、TVアニメからのオリジナルキャストが集結している。

 

あらすじなど

あらすじとか話の筋書きは冴羽獠が命狙われている美少女の依頼を受け、槇村香とはケンカしながら、美少女にはセクハラをし、狙ってくる悪役を冴羽獠が全てやっつけ、エンディングで槇村香と仲直りし、一枚絵で引きつつ「get wild」が流れて終わるという黄金パターンだし、「あ、こいつ悪者だ」って思った奴がそのまま悪者なので何も心配もする必要ありません。

ハードボイルド版水戸黄門みたいなものなのでハラハラを楽しみに観るのではなく「よっ!待ってました!」という感覚で観て欲しい。

 

 

昭和な空気と最新テクノロジー悪魔合体

 

今作、体感時間、半分アクションで半分冴羽獠のセクハラもしくはお色気シーンである。特に終盤まで何か会話が落ち着くと取りあえず冴羽獠のもっこりで話のオチをつける事の連続で中々観ていて恥ずかしくなってくる感覚がある。これは私がシティーハンター世代ではないので余計に感じるのかもしれない。何というか空気が昭和のまんまなのである。ただ、敵がドローンなど無人兵器使ってきたりなど最先端テクノロジーを駆使してくるので時代感のギャップが凄いし、うちの昔の上司もこんな糞みたいなセクハラしてたなと嫌な思い出を思い返し苦笑もしたが、おそらくそんな糞上司が今作観ればそのセクハラシーンでもとても感動するだろうと予測出来るので、キャッツアイの復活含めてそんな糞上司世代向けの作品なんだろなとは思いました。

 

まぁ、ただ私もアクションシーンはとても楽しめましたし、日本の新宿であそこまで派手なアクションシーンが出来るのはアニメだからこそだなと思いました(ただ、だからこそ中盤の戦場がただの公園になってしまったのは話の都合とは言え勿体ない)

また、敵の銃が全く当たらないのもお約束ですが、あまりのエイム力で笑えますし、その分冴羽獠の凄すぎる銃アクションが光りますね。海坊主などのいつものキャラが十分な活躍シーンあるのも良かった。

 

最後に

平成も終わろうとしている今、とっくに終わった昭和の亡霊みたいな作品でしたが、そんな亡霊に会えて懐かしがる人や、逆に新鮮に思う人、会えた事を楽しんだ人、それぞれだと思いますし、だからこそ今やる価値があった作品だと思います。

まだ観てない人は是非観て欲しい。

で、最後の世界一色っぽい「もっこり」一体なに?と最後の最後まで予想外の感情の揺さぶられ方をした