『フロントミッション』シリーズと世界観を共有したステルスアクションゲームにして平成最後のクソゲーとSNSで叩かれまくった本作。
クソゲーとは「うんこのようなゲーム」という意味であり
うんこと言っても色々な種類がある。
バグが酷くまともにゲームが出来ないクソゲーや、ストーリーやゲームシステムが難解過ぎるクソゲ-、ゲーム本筋には関係ないのに強制的にクソ難易度なミニゲームが多いクソゲー、遊んでいて不快になる内容などなどである。
『LEFT ALIVE』は別にバグらしいバグはないし、不快になるような内容も特にはない(そもそもストーリー自体頭に入ってこない)
このゲームは理不尽な難易度と独特なゲームシステムが原因でクソゲーと言われていると思う。正直、世間で叩かれているのもわかる出来だし、スタッフが計算した面白さとは到底思えないが、私はこの作品が好きだ。大好きだ。
自分なりにこの作品の問題点と良い点、そしてどうしてこんなに好きになったのかをまとめてみようと思う。
- 確実に私たちの心を折ってくる鬼門の序盤
- 銃には頼れない幅広い戦略性
- 時代遅れなビジュアル、モーション
- 自由度が少ないマップ
- このゲーム一番の苦痛ヴァンツァー戦
- クソゲーというトンネルのむこう側にある面白さ
確実に私たちの心を折ってくる鬼門の序盤
まともなチュートリアルもないのにいきなり戦場のド真ん中に放り出されててしまう。
ステルスキルなんてものはないし、ヘッドショットもない。 敵雑魚兵は視野が広く、反応がかなり鋭敏。カバー状態でも足がはみ出ていたり、頭が見える状態だとこちらを発見してくる事もあったりなかったりする。レーダーもないので敵の配置も分からずどこまで相手の目が届くのかも分かり辛い。
今まで『メタルギア』シリーズや『アサシンクリード』シリーズなど数多くのステルス系のゲームをしてきましたが、それらが持つステルスアクションの暗黙の了解を悉く破ってきており「なんなんだこのゲームは!!クソゲーか!」と多くのユーザーが思ってしまう。
そして多くのユーザーがここで心を折られこのゲームを売り、SNSでボロクソ叩くのだ。これは本当に正しい反応だし、クソゲーだと感じたその心を大切にして欲しいが、私は折角8000円も出したのだからこんな所で辞めてたまるかと意固地になってしまった。ただ、このゲームをステルスゲームではなく『LEFT ALIVE』というジャンルのゲームだと分かってからはその独自のルールで考え判断する事が出来て段々と面白くなっていきました。
↑敵は団体行動が多いため、他のゲームのように撃ち合っても勝てない
銃には頼れない幅広い戦略性
このゲームは確かに序盤から妥協なしで圧倒的に難易度は高いが決して不可能で滅茶苦茶な難易度ではない。
必要なのは忍耐力
決して一度で華麗にノーコンするようなゲーム性ではない。
何度も何度も死んで何度も何度もトライし、どんな場面でも有効で安易な対応方法がない中あらゆる手段を考え状況を打破していく。それが『LEFT ALIVE』というゲームだ。
今までのステルスゲームによくある取り敢えず銃で場面を突破するゲームではない。
まず、雑魚兵は滅茶苦茶固く、ハンドガンでの撃ち合いでは1対1でも勝てない。
射撃精度が凄く、的確にこちらを当ててくる。
しかもこちらは銃で撃たれると照準がぶれまくるのに敵は撃たれても動じない。
ここなら大丈夫だと思った障害物を越えてきたり、こちらより高所な場所に移動し、立地的優位に立とうとしてくる。
ゴルゴのような目のよさと的確に当ててくるスナイパー
などがあり、そんな敵がウヨウヨいる中での銃撃戦が最終手段だ。
まず相手が一人ならスライディングだ。
スライディングゲーと言われるほど、スライディングが重要で無策で敵にツッコムとあっという間に弾がなくなり近接武器は壊れてしまう。
全LEFT ALIVEユーザー必須のテクニックなので必ずマスターしよう。
レフトアライヴ、雑魚兵にはヘッドショット及び銃攻撃は上ガードされるのでスライディングムーヴが強い #PS4share pic.twitter.com/DiODtKFx3J
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2019年3月1日
敵の集団戦の戦い方は基本的にボンバーマンだ。
このゲーム、地雷やグレネードの威力が高いためどれだけ効率よく爆風で敵を倒すかにかかっている。ワイヤートラップを設置して、わざと見つかりおびき寄せてもいい。
アイテムには重量があり一度に持って行けるのは限界があるが、安易に爆薬などを捨てたらダメだ。取り敢えず1度合成して地雷などを作ってみよう。基本的に籠城戦ならワイヤートラップや地雷。撃ち合いなら多数の弾薬と爆発缶、グレネードで大体なんとかなる。後は何度もリトライして敵の出撃タイミングなどを把握することが大事である。
一度見つかると、全身アーマーを着た殺意溢れる攻撃を繰り出してくる恐ろしい敵兵だが、殺人以外の要素のAIはアホで、追跡・警戒行動は緩い。視界範囲外に逃げ、潜伏しているだけですぐに見逃してくれる。また、無線でのやりとりをしないコミュ障集団であるため、見つかっても増援が来ることは基本的にない。このアホで可愛らしいAIのお陰で意外と慣れると攻略の糸口はある。というよりローリングでの強行突破で目的地まで一直線でいける事もあるので一度試してみて欲しい。
多くの人がお手上げになる難易度は独特だが考え工夫すればするほどそれに応えてくれる『LEFT ALIVE』自分にとってはやりがいがあったし、楽しい時間だった。
時代遅れなビジュアル、モーション
この要素は本当に擁護が不可能で特にモーションはこだわりが一切なく、知性の欠片もない敵の動きは全体的安っぽい、本当に酷い出来である。
テクスチャもあまり綺麗に張られていないし、現実と変わらないほどリアルなフォトリアル調のグラフィックなゲームが多い昨今、こういう中途半端なグラフィックが一番嫌われると思う。
また敵の挙動をちょくちょく変。
レフトアライブ、敵の消え方がホラーなんだが#LEFTALIVE #PS4share pic.twitter.com/WjCNjVzwMp
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2019年3月3日
自由度が少ないマップ
目的地は示されますが道筋は教えてくれない。
一見自由度が高いように見えるが、地図上ではいけても実際には通れない道は多数ある。
↑この道、地図なら何もないが実際にはトラックが止まっており進めない。
中には見えない壁があったり、そのぐらいの障害物超えろや!とつっこみたくなる所も多数あります。行けるかどうか確認のしようがないので実際に言ってみるかない。
このゲームは何事もトライするのが大事だ。
このゲーム一番の苦痛ヴァンツァー戦
恐らくこのゲームの花形であろうヴァンツァー戦
中盤以降乗る事が多くなるが、これは本当に人を選ぶ。
ロボ戦大好きっていう方には本当にオススメはしないですこのゲーム。
全挙動が重く、ダッシュは出来るがオブジェが多くいちいち引っかかる。
しかも、連続で5体以上のヴァンツァーと戦うことになる。
状況によっては1対2や1対3という不利な戦いを強いられることになり、かなりキツい。何度コントローラーを投げそうになったことか。
相手は雑魚敵と同じように正確無比な射撃でこちらに当ててくるため何度も何度も死ぬことになる。
しかも、ヴァンツァーに乗るタイミングでオートセーブがかからないため、死んだらヴァンツァー搭乗前からのやり直しになり、こちらの心を確実に折ってくる。
クソゲーというトンネルのむこう側にある面白さ
スクエニという看板。『フロントミッション』シリーズ最新作。豪華なスタッフ。
あまりにも上がりすぎたハードルがこの現状の原因だとは思いますが、ボリュームも前半に比べて明らかに後半はスカスカになっているので正直、制作も予算も限界だったのではと邪推をしてしまう。
私は序盤は使ったお金分は遊んでやると意固地になったまま遊んでしまったが、『LEFT ALIVE』というゲームのルールを理解してからは段々と楽しめるようになっていった。困難な状況を打破するために何度もリトライしながら工夫させるゲームシステム。少なくとも、制作者が意図したであろう「極限状況で、その場の工夫によって生き残ろうともがく」という遊びは理解できたし、実際にそれを楽しむことができた。
ハッキリ言って慣れるまでは本当にクソゲーと思ってしまう場面は多々あり、心は確実に折ってくる。しかし、序盤をクリアし、『LEFT ALIVE』というゲームを理解してくると見えてくる光景がある。面白さがある。それは目の前が見えない真っ暗なトンネルを進んでいるような感覚で何度も挫けそうになるが、歩いて行く内に暗闇に目が慣れ、見えてくる光景だ。そして最後トンネルを抜けるとあなたはもう『LEFT ALIVE』にはまっている(かもしれない)後は、理不尽な難易度の銃撃戦やヴァンツァー戦で心が折れるだけだ。
SNSではクソゲーという評価が一人歩きしてきているような気もするし、買う気もないのにアマゾンでの値段が下がっている事を嬉しそうに語る奴とは絶対に仲良くできない自信もあるが、これだけは言わして欲しい。
「実際に遊んでみないと何も分からない」
忙しい社会人がネットでクソゲーと言われているモノを触れている時間がないのは重々わかるが、幸い何故かこのゲームは急激に安くなっているので1度物は試しで遊んで欲しい。
実際に遊んでクソゲーだったら笑い話になるし、面白かったら最高だ。
どっちにしろ良い思い出になるのだからゲームは素晴らしいし、オススメだぞ。
遊んでみて実際にクソゲーでも責任は取らないけどな!