2019年8月21日にスマートフォン向けにサービス開始した『スーパーロボット大戦DD』通称『スパロボDD』
スパロボシリーズを掲げたアプリは今までにも『スーパーロボット大戦X-Ω(クロスオメガ)』通称『スパクロ』が既に出ていたが、中身は『チェインクロニクル』のようなラインディフェンスゲームでスパロボの名を借りただけの物だった。
『スパクロ』がサービス開始した当時(2015年)はまだシミュレーションRPGはスマートフォンアプリとして一般的でなかったというのが原因だったらしいが、最近ではシリーズの楽しさは残りつつお手軽シミュレーションRPGとして人気が出た『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や、スマホでありながら本格派『誰ガ為のアルケミスト』など、スマホ向けに数多くのシミュレーションRPGが世に出てきたりしている中、スパロボが先陣きれていればスマホゲーム史が変わったのではと思ってしまう。
個人的にシミュレーションRPGはスマホの弱点である操作性をあまり必要とせず、タッチ操作とも相性が良い事はニンテンドーDSで証明されていたので、とてもスマホ向けだと思っていた、
そんな中、ようやくサービス開始した『スパロボDD』に私は非常に期待していた。
だが、
だがである。
非常に残念な所があるのを無視出来ない作品であり、万人に全くお勧め出来ない。
そんな『スパロボDD』の残念な所と面白い所、色々と感想を書いていきたい。
本作の魅力
カオス感を堪能出来るいつものスパロボ
スパロボの魅力の一つと言えば、やはり古今東西のロボットアニメのキャラや機体が一堂に会するという事だ。
本作では初参戦として『デビルマン(原作漫画版)』『ゼーガペインADP』『革命機ヴァルヴレイヴ』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』があり、ストーリーはまだ序盤しか配信されていないが、各作品ともしっかりしたカオスなクロスオーバーを見せている。
原作キャラの死亡や不幸を回避したり、フラグ折ったり、ハッピーエンドにさせる力をもっているのでオルガなど鉄華団の救済がどうするのかも気になる所だ。
また、本作の主人公は『スパロボ』ファンおなじみの大張正己さんによるオリジナルロボットで、大変格好良い。このディーダリオンという主役ロボ、ストーリーの上ではロボットというよりウルトラマンのような特撮の巨大ヒーローみたいな役回りになっていて、そこは『スーパーヒーロー作戦』を彷彿とさせる。そして、純粋に強いので育成のオススメキャラでもある。
『スパイダーマン』でさえベン叔父さんの死をわざわざ映像化しなくなった時代。
近年の『スパロボ』では、シリーズを重ねてきたためか新規参戦以外の作品の発端が描かれることはあまり多くない。原作終了組が半数以上の事すらある。
そんな中、本作では『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスⅤ』『勇者王ガオガイガー』といったシリーズおなじみの作品も、原作の第1話に当たるエピソードをモチーフにしたストーリーが展開されるのだ。
原作を知らない新規プレイヤーでも楽しめる作りになっているのはもちろん、長年の『スパロボ』ファンとしては、シリーズを通じて感じられるノスタルジーが1周回って新鮮ですらある。正直、家庭用ゲーム機のスパロボで出しても違和感ないくらい豪華であり、むしろ家庭用ゲーム機でやりたい。出して欲しい。
『スパロボDD』に絶望してアインストールした人でもストーリーは良かったと言っている人が多いぐらいの出来なので、ここは本当に堪能して欲しい。
イベントでもストーリーが欲しい!
散々褒めたストーリーだが、残念なお知らせがある。
本作の最初のイベントであった 『Zの鼓動』が先日まで開催していた。
このイベント、ストーリーがヒトカケラすらないのだ、
イベントボスとしてサイコガンダムや飛行要塞グールが出現するのだが、何の為戦っているのか分からないまま、何回も何回も周回してあしゅら男爵フルボッコにして累計ポイントで豪華報酬を貰うイベントなのだが、
正直まるで楽しくない。
オート戦闘出来るので、事務的に無心でポチポチすれば良いのだが、楽しさを遙か彼方に置いてきた感じである。別にあしゅら男爵を撃墜するのが趣味ではない。
これからもイベントはあるだろうが、ストーリーは最低限お願いします。
(11月追記)イベントも何だかんだ3回ほど開催したが、どれもこれもストーリーなしで、報酬の為に虚無の周回をする毎日。1回目のイベントよりも報酬が貰えるラインは優しくなり、周回数は下がったが、そんな事よりもストーリーが欲しい。
本家と変わらない出来の戦闘アニメ
戦闘システム自体はスマホ向けに簡略化されており、出撃機体数は4体までだし、ユニットを動かす順番は、ターン製ではなくスピードによって決定され、武器や必殺技、精神コマンドは戦闘準備の段階でそれぞれ1つに固定される。
ただ、戦闘アニメに関しては本家スパロボシリーズと変わらないと断言して良いだろう。
— 社畜@はてなブログ (@vGCxzofgajr0BQc) 2019年9月28日
ボイスもついており、大変盛り上がる。飽きれば本家と一緒でスキップ出来るので宝具をいつまでもカット出来ない『FGO』よりユーザーに優しいとも言える。
ただ、原作BGMが流れない。厳密にいうと上記でも書いた 『Zの鼓動』という機動戦士Zガンダムがメインの期間限定イベントの中で、Zガンダムの劇中曲が1曲だけ流れたが、その一曲だけだ。やはり、原作BGMが流れないと戦闘アニメは良いのにイマイチ盛り上がらない気がする。
本作の文句
課金石をビックリするぐらい配布しない
機体自体はストーリーをクリアすると手に入るが、ユニットパーツという所謂必殺技がガチャで手に入る。パッとしないソシャゲにありがちな所謂装備ガチャだ。
ただ、本作は当然課金石でガチャを引かないと駄目なのだが、本当にビックリするぐらい課金石を配布しない。この前、メンテが延長しまくって一日ぐらいメンテした時に250個配って大変驚いたぐらい配らない。
ストーリークエストをクリアすると石は貰えるが、1回クリアしてしまうと当然もう貰えない。
まず、一回ガチャ引くのに課金石が25個いるのに基本的な入手方法がストーリーと課金以外にはデイリーミッションしかない。ただ、ミッションクリアしても1個しかもらえない。単純計算で月に1回ガチャを引くだけしか貰えない事を意味する。
追記。遂にアップデートでログイン報酬が良くなった。
【「デイリーミッション/デイリーログインボーナス」報酬変更について】
— スーパーロボット大戦DD公式 (@srw_dd_pr) 2019年10月25日
いつも #スパロボDD をご利用頂き、誠にありがとうございます。
2019年10月30日(水)より、「デイリーミッション」「デイリーログインボーナス」の報酬を変更します。
詳細はアプリ内お知らせをご覧ください。#スパロボ pic.twitter.com/1faMcOSICb
ありがとうスパロボDD、これからも修正頑張って欲しい。
このゲームのガチャの最高レア確率が3%しかないため、まぁ当たらない。往年のスパロボユーザーは命中率3%なんて全く信用しない。どうしても当てないのいけない時は必ずセーブする。
一応、ガチャチケットは大量配っているが、まぁ当たらない、なぜなら3%なので。
9800円で760個しか石が買えず、30連しか出来ない。天井の仕様がないこのゲームで30連で最高レア当たる気がしない。なぜなら3%なので。
これで課金してガチャ引こうと思う人がどれだけいるのだろうか。
オススメの課金石の使い方はアイテムショップに並んでいる、パックを買う事だ。
SSR確定チケットが付属している事があるので、確実に最高レアが手に入る。なぜなら100%なので。
また、最近はステップアップガチャをよくするようになったが、注意点がある。新規追加された武器を狙おうと思っても闇鍋具合が酷いステップアップガチャしかないので、一点狙いは難しい。何であんな新規武器を当てさせる気がないステップアップを開催するのか理解ができない。
命中率99%が信用できない
これは本家からそうなんですが、こちらの攻撃は90%台でも外すし、敵の攻撃は10%台でも連続で被弾したりする。
ただ、本家はセーブからのソフトリセットによる「やり直し」が気軽に出来るが、こちらはオートセーブなので出来ない。
ストーリーであればスタミナ制がないので何度でもリトライ出来るが、このゲームで最も周回する事になる曜日ダンジョンでは1日3回と回数制限がある。ちなみに『ポケマス』と違い、クリア出来なくても挑戦するだけで回数が減ってしまう。
それをクソみたな命中率で被弾して失敗するとイライラしてしまう。
また、このゲームは曜日ダンジョンの難易度がやたら高く、こちらを気持ち良く育成させてくれない。
このゲームの育成要素は3つ
- 機体改造
- パイロット養成
- ユニットパーツ強化(必殺技強化)
それぞれ鍛え上げながら曜日ダンジョンをクリアしていくのだが、曜日ダンジョンの難易度が1から10まであり、1つランクが上がると難易度がもの凄く上昇する。
例えば、機体改造難易度4で手に入る素材は10段改造までだが、パーティ参加最大数である4体まで10段改造が終わっても機体改造難易度5に挑戦して勝てない。
詰むのである。
どういうゲームデザインしてるんだ。
曜日ダンジョンは曜日毎に敵の特化が変わるのだが、例えば命中特化型が出てくる曜日なので固い装甲のスーパー系で耐えながら戦うかと思っても、命中が化け物なだけで、攻撃も防御もHPも低くなく、寧ろ高く、運動性もあるのでこちらの攻撃を避けたりして、まぁ勝てない。
なのでパイロット養成に挑戦するが、パイロット養成強化の素材が全然落ちないので育成が全然進まない。
また、精神コマンドを増やす精神の本が完全に課金要素で泣いたり、各キャラに対応したSSRユニットパーツをガチャで引いた時に入手できる「オーブ」を使うとパイロットをかなり強化する事が出来るが、ユニットパーツ毎に最大50凸あるという無尽蔵の課金要素であるため、上を見るときりがない。そもそもSSRなんて全く当たらない。なぜなら3%なので。
そんな状況の中で、ストーリーで新機体が手に入ったり、ガチャで新しいユニットパーツが追加されても、1から育てるのが大変過ぎて課金してまで新しいのを手に入れようと思わないのがガチャゲーとして結構な致命傷な気がしてならない。
ブレイクシステム
本作は武器の種類にビーム、実弾、打撃、斬撃、特殊の5種類ある。
敵が持つブレイクゲージというバリアにはこの5種類の内のどれかが弱点であり、ゲージを壊さないとダメージが大幅にカットされ、非常に鬱陶しい。しかも壊した後も一定時間経つと復活するため、ひじょーーーーに鬱陶しい。
このゲームのリセマラをするなら武器の種類が被らないSSRユニットパーツ複数狙う事をお勧めする。
また、ブレイクシステムというよくわからないバリアはあるのにATフィールドやオーラバリアなど原作にあるバリアが何一つ再現されていないため、一部ユニットが大分損している。
最後に
色々書いたが、本作はまだサービス開始して1ヶ月しか経っていない。
開始直後に言われていたリセマラ時にnextボタンがしつこく、チュートリアルが丁寧すぎる問題も比較的直ぐに修正されたし、アプデの予定表みると毎日無料ガチャ引けたり(あんな確率だと何も当たらんだろと思うけど、なぜなら3%なので)全体的にテンポ良くなったり、色々修正されるらしいので、今後が楽しみだ。
私も色々文句は言っているが同時期にサービス開始した『ポケマス』より何だかんだ遊んでいるので、課金する気は全くおきないがこれからが楽しみである(ただ、ここ最近セールスランキングが100位越え常連になってきていて、サービス継続出来るのか心配になってくる)
ただ、本作のお陰でゼーガペインに興味を持ち、huluで一気見してしまう程はまってしまったので、スパロボDDには感謝している。このままサービス終了しても私の中でゼーガペインの思い出は消えないだろう。自分の知らない名作に出会える。それこそが『スパロボ』の最大の魅力とも言える。ありがとうDD、これかもよろしく。
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