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【学園青春ゾンビアイドル映画の金字塔】実写映画『がっこうぐらし!』感想

実写映画化決定で炎上し、ポスターで炎上し、最後にキャベツで炎上し、2019年のネットで一番ホットな作品、実写映画『がっこうぐらし!』を今回取り上げる。

正直、上映前から原作派、アニメ派、実写映画絶対反対派とそういう層が嫌い(マウント取りたい)層での激しい空中戦がネットで話題になりすぎて上映後が空気になっている気がしてならないこの作品、あんなに擁護してた人達も結局映画自体はそんなに興味なかったのか、観に行ってないだろというツッコミはおいといて感想書いていきます。

 

映画「がっこうぐらし!」予告編第2弾

 

 

 

□キャスト

 

先生以外、出演メンバーはみんな「ラストアイドル」というグループのアイドルであり、この映画はどちらかというと「ゾンビ要素があるアイドル映画」だと思えれば一番満足度が高いと思います。髪の色は原作とは違いますが、原作のビジュアルを再現するのではなく、落とし込んでいて全体的に悪くないです。また、アイドルのわりには意外とみんな演技もしっかりしていました。特に阿部菜々実さんのスタイルの良さを活かしたアクションや、腹や脚にフェチを感じるカメラワークの多さなど、阿部菜々実さんファンにはたまらない作品になっていますし、阿部菜々実さん知らない人でもこの子いいなとなるのでその時点でアイドル映画として最高ですね。

 

□物語

基本的には原作通りで、約五巻分の原作をうまく取捨選択しつつ、掘り下げも丁寧で脚本はよかったと思います。

原作はゾンビだらけの社会で学校に避難している女子高生達のサバイバル学園モノで、本質には学校を脱出するかどうかを学園生活という青春からの卒業で表現し、部室を出て学校を出る事の恐怖は大人になることに対する恐怖と重なり、少女達は大人になる事を選ぶかどうかの物語。面白いので原作を読んでない人は読んで欲しいですね。アニメも良い出来です。

 

□残念な所と素晴らしい所

ゾンビ映画の割には圧倒的に血が足りない。汚れない。

アイドル映画としてそんなにグロ要素が無理なのかもしれないけど、スプラッター要素は皆無で、ゾンビ倒しまくっているスコップに全然血がつかないし、汚れない。最後、あんなに火事などで汚れた制服が新品のように綺麗になったり、そんなちゃんとした卒業証書どうやって用意したんだよとか、様々なディテールが気になってしまいます。あと、ヘリが出てきた時は墜ちる奴やんって思いましたが墜ちなかったですね、予算の問題かな。

 

素晴らしい所は、最後のゾンビ大襲撃の所の演出、カメラメーク共に良かったですね。教室の扉や窓から次ぎ次ぎに出てくるゾンビ達のシーンなど興奮度が高かったです。

映画「がっこうぐらし!」予告編第2弾

↑このシーンは個人的に一番好きです

 

□総評
  

「まぁまぁ」です。

いや、本当に酷評するほど酷くはありませんが、絶賛するテンションにはなりません。

ネットだと原作派やアニメ派、実写映画反対派などの批判が公開前からあり、それの反発で擁護派の過剰な「褒め」も目立つなぁという気持ちがありまして、そりゃ他人が作品をどう評価するのは自由ですが、個人的には、良い作品だと思いますが「アイドル映画の割には」「邦画実写映画の割には」「低予算の割には」と枕詞が付くタイプの良さなので、この作品を観る前にハードル上げすぎて実際に観ちゃうと「こんなもんか」ってなっちゃうと思うので肩の力抜いてまったり観て欲しいですね。

とても楽しい「学園青春ゾンビアイドル映画モノ」だと思います。

 

がっこうぐらし!

がっこうぐらし!

  • メディア: Prime Video