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夢の終わり、人生の始まり『アベンジャーズ/ エンドゲーム』感想

遂に『エンドゲーム』を鑑賞してしまいました。昨年の2018年で、MCUは10周年。11年目に到達したこの2019年、『アベンジャーズ』シリーズの一旦の「完結」を迎える本作

 

それはただの終わりではない。前人未到の、もはや『アイアンマン』から続く「最も成功した映画シリーズ」とも言われるユニバース構想が、ついに辿り着いた到達点なのです。歴史的作品と言っても過言ではない。そんなシリーズを実際に追い続ける事が出来たこと。本当に幸せな事だと思う。ありがとう。

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 トニースタークの物語の完結。

「私がアイアンマンだ」

そんなMCUを代表する名言から始まったトニースタークのアイアンマン。

彼は映画『アベンジャーズ』でミサイルを宇宙空間へと逃がそうとした際に、宇宙より迫る強大な敵の存在を確認することにより人生が変わってしまいました。

「恐怖と不安」これこそがトニースタークの行動源になるのです。

傲慢で自己中な彼だが、本心は誰よりも人を心配し、傷つく事を恐れる。そんな二面性こそがトニースタークの最大の魅力だと思います。

その警戒心は映画『アベンジャーズ エイジオブウルトロン』の冒頭にスカーレットウィッチの能力によってフラッシュバックし、彼はウルトロン計画を進めることとなりました。しかし、それは結果的に失敗し、世界を巻き込んだ大騒動に発展、結果的にアベンジャーズがその終息するも被害は甚大な事になってしまいました。

キャプテンアメリカ シビルウォー』では、ウルトロン計画で自分のせいで多くの人が犠牲になってしまった事の後悔とヒーローの戦いが一般市民を巻き込んで、危険に陥れてしまうことへの懸念からソコヴィア協定に賛成し、スティーブ・ロジャースと対立しました。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではスパイダーマン達と被害を最小限に抑えるためにもサノスがいる星に殴り込みにいくものの失敗していましました。

 

そして『アベンジャーズ  エンドゲーム』彼はペッパーと自分の娘と一緒に暮らしていました。それは人類の半分が失った事を考えれば、幸せな暮らしです。

しかし、タイムトラベルという手段が見つかり、危険な道だが、みんなを救えるかもしれない可能性を見いだします。

彼は今の幸せを享受する選択も出来るが、そうはしなかった。なぜなら彼はアイアンマンというヒーローだから。

 

スティーブ・ロジャースという正義の味方の締めくくり

「完璧でなくても善良な君のままで」というロジャースが超人血清を打たれる前にアースキン博士に言われる台詞とともキャプテンアメリカは誕生しました。

彼は正義感は強かったものの、身体が弱かった青年でした。そんな彼だからこそ誰よりも「弱さ」を知っているんですよね。

そして彼は『キャプテンアメリカ シビルウォー』では国が正義を決めるソコヴィア協定を否定し、トニーとの間に亀裂が走ります。

 

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではワカンダでサノスと死闘を繰り広げるものの結局サノスの指パッチンを止める事が出来ませんでした。

 

そして『アベンジャーズ  エンドゲーム』では絶望に包まれる地球で悩み事を聞いたりなど、キャプテンアメリカとして出来る事を一生懸命行っていました。

トニーとロジャースそんな二人が 『エンドゲーム』で再び手を取り合うのです。

 

二人の物語は完結する

時間を戻し、過去を救えるかもしれない。

そんな希望を持ちながらMCUは過去のシリーズの総括していくことになる。

無印の『アベンジャーズ』や、『マイティ・ソー / ダーク・ワールド』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』など、シリーズ過去作の舞台でエレベーターの件など過去のシリーズを知っている人ならニヤリとできるファンサービスの塊のようなシーンの連続です。

そんな中、ロジャースはペギーと会い、トニーは父と会い、ソーは母と会う。アベンジャーズを代表するこのビッグ3が、それぞれの歴史を物語を総括するように、死んでしまった愛する人との再会を果たす。そして今までの振り返りとこれから起きる事への覚悟をそれぞれが決める事になるのです。

そしてトニーの父親であるハワード・スタークはトニーに助言する「大義より個人の幸せを優先するべき」と。

トニーは父を愛している。それは事実だが、それとは別に父への反抗心を常に持っていた。そんな彼は結局、最後は個人の幸せより大義を選び、命を落としていまう。

そしてロジャースは過去に戻り、ペギーとダンスをするなど過去の約束を守り、個人の人生を、即ち幸せを選ぶ。

二人はアベンジャーズシリーズの中核でありながら、それぞれの道を選び人生を完結させます。それに間違いなどある訳がなく、迷いながらも苦しみながら涙しながら選んだ信念のある人生なんですよね。

 

最後のお祭り

ずっとまっていたキャプテンアメリカの「アッセンブル」から集うヒーロー達。

本当にどれだけこのシーンを待っていたか。もうここからはファンへのご褒美タイムでした。

キャプテンアメリカ シビルウォー』でケンカしたり、何かと対立が多いヒーロー達だが、この待ちに待った全軍勢揃いのシーンは、感無量なのです。恐らく全世界のファンが、「全員が集合して、キャップがアッセンブルを発声してくれるだろう」と、薄々分かっていたはずである。分かっていたのに、それでも、ここまで感極まってしまう。どうしようもなく号泣し、興奮し拳を握ってしまう。劇場が一つに包まれたシーンだ。

 

最後、キャプテンアメリカの称号はサムに受け継がれ、トニースタークは死んでしまった。我々が知るアベンジャーズは、もう二度と結成されない。だからこそ、今までの「10年間」がより重みを増していき、私たちの記憶として永遠に語られ続けるのだと思います。

 

エンドクレジットの後に、彼が映画『アイアンマン』にて最初のアイアンマンスーツを作成する時に立てていたような鉄を打つ音が劇場に響き渡ります。

確かにアイアンマンないしトニースタークという男の物語はこの作品で1つの幕切れを迎えました。そしてアベンジャーズシリーズは一旦終わりました。

しかし、エンドロール後のあの音がMCUの再スタートを想起させる音であることは間違いありませんし、だからこそこの作品が「終わりの始まり」になるのだということを確信させてくれます。

私たちが観たかったモノ全てが(よく言えばもう少しハルクの暴力が観たかったけど)3時間で詰まっており、夢のような時間でした。

映画史に残る映画だという事は間違いないです。そんな映画を生で追い続ける事が出来て、本当に幸せだったと思います。

私は勘違いしていたのですが、『アベンジャーズ』は『アイアンマン』から『エンドゲーム』までが一つの映画なんですよね。だから上映時間も3時間ではなく11年なんです。

そしてこれからまた新しい超大作が生まれるのだと思うとまだまだ死ねません。

皆様、長生きしましょうね。

本当にありがとうございました!!!!!!!!!!