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今ならゲームが苦手な人にもお勧め出来る『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』感想。フロムの優しさと厳しさに包まれて

平成最後の話題作であり、発売してしばらく経っているがその難易度故、「一般人にはお勧め出来ない」や「イージーモードつけろ」という意見があったり、攻略記事を書いていた記者がチート使っていた事が分かって炎上したり、その世界観の奥深さや、英語版の名乗りのインパクトが強い鬼庭刑部、愛されキャラの葦名弦一郎、そしてお米やおはぎのお陰で未だに話題に事欠かないゲーム、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』

 

デモンズソウルから始まるソウルシリーズの開発会社フロムソフトウェアが放つ最新作であり、私も発売日に買ったものの、正直『ダークソウル』シリーズも『ブラットボーン』も買ったもののクリア出来ず積んでしまったゲーム下手くそが発売前からシリーズ屈指の難易度と言われていた『SEKIRO』をクリア出来る気が全くせず、遊ぶ前から完全に心が折れてしまい、パッケージを開けないまま積んでいた。

ただ、このままで良いのかと奮い立ち、実際に遊んでみると意外な程サクサク進む事が出来た(難しいと言われまくっていたのでハードルが上がり過ぎていた気もする)

 

サクサク進める事が出来た理由が分かったので、未だにこのゲームの難易度の高さに尻込みしビビっているゲーマーたちや、発売日に買ったものの難しくて積んでしまった人、そういう人達に向けて今回の記事を書こうと思う。

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達成感にも限界がある

この隻狼というゲーム、難しいという事実は議論の余地がない。こう言うことを書くと一部の層から「フロム信者はイキッていて気持ちが悪い」だの叩かれるが、実際に難しい。

トライ&エラーがこのゲームの真髄だが、手こずると同じボスに20回や30回、下手くそだと100回以上負ける事もある。

今までのシリーズと違うのは救済措置が少ないという点で、オンラインで助けてもらう事も、レベルを上げる事もない。死んで死んで死んで相手の動きを覚えるしかない。

トライ&エラーの楽しさはその達成感にあると思う。何度も失敗して乗り越えたその先の光景が美しい。ただ、美しいと思うのにも限界があって、10回やそこらであればいいのだが、100回ぐらいトライ&エラーすると例えクリアしても見える景色は徒労で霞んでしまう。

私は非常にゲームが下手くそなのでまともに『SEKIRO』と向き合うとまず心が折れる事を確信し、卑怯にもまずゲームを始める前に攻略サイトとプレイ動画を見て、「勉強」した。

そして実際に遊んでみると非常にサクサク進んだ。

それもそのはずでこのゲームの戦闘の真髄は二つあると思っていて、

 

それは「安定行動の発見」と「指の慣れ」である。

 

 そしてこのゲームで死ぬ要因は「安定行動の発見」までのトライ&エラーの割合が高く、本来は何回も何回も戦って相手の行動パターンを全て知り、行動を見切るのだが、事前に行動パターンを知ることで、「あっ!この動き観たことある」と進研ゼミの漫画の一コマみたいな事が起きる。私はこれを「進研ゼミ戦法」と呼ぶ。

後は、「指の慣れ」だけである。これは実際に戦って何度か死んで覚えるしかない。

ただ、闇雲に戦うより死ぬ回数は圧倒的に違う。

攻略サイト観て良いのなら『ダークソウル』シリーズも『ブラットボーン』も簡単ではという疑問も出てくるかも知れないが、『SEKIRO』が決定的に違うのは、戦う武器も決められていて、今までのシリーズほどスキルの自由もないため、「邪念が少ない」事にあると思う。

『ダークソウル』シリーズも『ブラットボーン』も何回か死ぬとレベル上げという誘惑に駆られるし、攻略サイトは当たり前だがサイト毎に書いてある事が結構違ったりするので、別のスキル上げとけば良かったという後悔や、他の武器選んでおけばと残念に思ったりして、最初からのやり直しも検討したりしていく内に色々と面倒になって「やーめた」とコントローラーを置く事があったのだが、『SEKIRO』はそれが少ない。目の前のボスと向き合うしかないのである。

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↑一応平田屋敷など雑魚が多い所もあるにはあるが


 『SEKIRO』は易しくないが優しいゲームではある。

まず、デスペナルティが少ない。

『SEKIRO』は死ぬとお金やスキルポイントが一定数ロストする(運が良ければ回避されるが)と決められており、今までのシリーズのように死んだ場所で取り戻す事は出来ないが、逆に言えば、死んだ場所に戻らないといけないという義務感というストレスがない。失ったものは戻ってこないと思った方が気が楽だし、ボス前には必ずと言っていいほど休息地があるため、自分で容易にコントロールする事が出来る。同時にボス戦で死んでもリスボーン地点が近いため再戦までに雑魚を簡単に回避できるの嬉しい。

後、発売前に色々言われていた「竜咳」というプレイヤーが死ねば死ぬほどNPCが苦しむシステムも、どれだけ死んでもNPCが死んでしまう事はないし、アイテムで簡単に復活できるので気にしなくても良い(ゴホゴホ五月蠅いが)

 

個人的に『ブラットボーン』で一番辛かった回復アイテムマラソンをしなくて良いのも優しい。

また、移動も崖からの転落死が少なく、忍者らしく隠れる事で雑魚戦はスルー出来る事が多いし、レベル上げの必要がないのでそもそも必要のない雑魚戦は戦わなくても良い。

とにかく『SEKIRO』はボス戦に集中できる調整が完璧に成されており、戦闘以外はフロムによる優しさに包まれていると言っても過言では無い。

 

『SEKIRO』の序盤はとにかくボスラッシュで、少し先に進むだけでボスが矢継ぎ早に出てくるが、基本的にどのボスにも明らかな弱点や攻略法が用意されており(例えば赤鬼なら火がニガテ、鬼庭刑部はガード主体で勝てるなど)それを把握さえすれば10回程度のトライ&エラーで倒せると思う。

 

私が思うにフロムのゲームは一部から誤解されている所があると思う。

確かにフロム=難しいというイメージは間違っていないが、その難しさには理不尽さが少ない(カメラワークがイマイチなので一部ボスで理不尽に感じることはある)

高難易度を売りにしているゲームによくある歯応えはあるけど、手応えはないという状況には全くならない。歯応えと手応えの両立を見事に果たしている。

 

ボスの行動パターンを学習し、己の行動スピードを知り、反射神経を研ぎ澄まし、何度も何度も画面のど真ん中に赤い「死」の文字を見せつけられながらも自分の指と目をボスを慣らせば必ず勝てる仕組みになっており、その信頼と実績こそがフロムソフトウェアのゲームはここまで多くの人を熱狂させているのだと思う。

そして『SEKIRO』には戦闘に慣れないプレイヤーを育ててくれる教官がいる。

葦名弦一郎とまぼろしお蝶だ

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↑こういうカッコイイお婆ちゃんは色んなゲームで出て欲しい

 

この二人を倒した頃には弾きと体幹というシステムを身体で理解する事が出来、圧倒的成長に繋がる。そしてなによりチャンバラによる戦闘が本当に楽しい。『SEKIRO』楽しいとなる。脳汁が出まくり、今は俺は戦いながら成長していると実感出来る。牛の穴を追っかける戦いとは訳が違う。刀と刀がぶつかり合い、紙一重で迫る攻撃から身を守る。攻めるかガードするか弾くか躱すか。一瞬の油断も許されない戦いは「死闘感」の究極のカタチ。このままずっと戦っていたいという快感と疲れて早く終わりたいという疲労とのせめぎ合いが気持ち良いのである。

 

 

そして葦名弦一郎とまぼろしお蝶を突破するとあなたは『SEKIRO』理解でき、それからボスはそれほど苦戦せず(各ボス10回前後のリトライ)進めるだろう(大猿に苦戦する人もいるらしいが)

実際、中盤から終盤にかけて序盤で戦った赤鬼や火牛と再戦出来るのだが、恐ろしく簡単に倒す事が出来た。私の腕が成長していると実感出来る。この成長は感動モノだ。

 やっぱり中盤ごろは楽勝なんだなーってここら辺はソウルシリーズと一緒なんだと油断していると最後の最後に一番強い奴が来る。

 

 VS剣聖

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SNSを眺めていてもこのラスボスに苦戦している人をよく見る。

私もこいつと人返りルートに行くと戦えるあるボスには苦戦した。

特にラスボスには前座がいて、ラスボス本人は第3形態まで持つ実質4ゲージボスであり、これまでのボスが使ってきた技の要素の多くを使ってくる集大成敵ボスでもあり、とにかく強い。個人的には前座自体は滅茶苦茶弱いんだが、ラスボス本人と戦い方が違いすぎて感覚の違いに戸惑うし、とにかく邪魔で、ラスボスに集中させて欲しかった(前座が好きな人には申し訳ないが)

 

ただ、この『SEKIRO』というゲームには攻略法が無限にあるので、プライドを捨て勝つことだけに狙いを絞ると意外と倒せる。

まず、攻略サイトなどを参考に相手の動きを知り、攻略法を実践してみて自分でも安定してカウンターできる攻撃を把握する、そしてそれ以外はガード及びステップで避ける事を貫き通すというやり方だ。攻略法ではあらゆる行動にカウンターが出来ると書いているが、タイミングが難しいのも多いため、下手くそだと安定しない。攻略サイトはあくまで参考程度にして、自分が対処出来る行動のみ対処する。

実際に全てのパターンを試してみて、自分の好みの行動のみ攻撃するのが安定行動だ。

 このゲームにはタイムリミットというモノがないのでどれだけ長期戦になっても問題はない、自分の集中力が切れそうなら、オプション画面開くと無限に休憩出来る。

焦れば死に、迷えば敗れる。

対処法はただ一つ「経験」しかない。

そして相手は決められた行動パターン以外はしてこないので、自分の中で落ち着いて対処できる所のみ行動する。特にラスボス戦はステージが広く、障害物もあるので逃げようと思えばいつまでも逃げる事が出来る。とにかく死なない事が大事なのだ。

 

ただ、実際に戦うとチャンバラをしたくなるので、どれだけ情に流されず己の掟を守れるかにかかっている。だが、チャンバラすると楽しい。難しい。

 

最後に

長々と書いてきたが、こういう攻略法が出来るのは発売日にこのゲームを買ってくれて率先して屍になってくれた先駆者達のお陰である。ありがとう。

彼らの途方もない程の死のお陰で生まれた経験や知識が私たちの血肉となり、『SEKIRO』のサクサクプレイを生んでくれている。もう一度言う。ありがとう。

 

後、まぁこんな記事書いている私がこんな事言うのもアレだが、注意が必要なのはクリアした人などに「アドバイス」を聞くのが良いが、意外と簡単とか、弱いとか良ボスとかそういう「感想」は話半分で聞くのが良いという事である。『SEKIRO』のような自分の成長を実感できるようなゲーム設計では、あんなに戦っている最中は苦戦してクソゲーとか怒っていても実際に倒すとその達成感から良ボスと記憶改変が起こる事は珍しくないので、そういう感想を当てにすると「聞いてた話とちゃう!」と裏切られる事もあると思う。聞くべきはあくまで「アドバイス」だ。だから、正直この記事も信用してはいけない。私もクリアした側の人間だからだ。この記事読んで私ゲーム下手くそだけどやってみようと思って実際に買って遊んで、難しすぎてクリア出来なくても私は責任は取らない。

ただ、それでも『SEKIRO』買ってない人はさっさと買ってプレイしてみて欲しい。アクションが苦手でもこのゲームの作り込まれた世界観に圧倒され、フロムゲー特有の仄暗さはしっかりあるものの、それだけでなく「和の美」にあたる部分の作りこみを気に入るだろう。

また、アイテム説明文のフロム節は今作も健在であり、詩的でありながら厨二心をくすぐられる文章は読んでいてニヤニヤしてしまう。

 

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最後になったが、『SEKIRO』は本当にゲーム自体の完成度が高く、世界観も素晴らしい。

2019年を代表するゲームであるのは間違いないので、是非、難しいという先入観を捨てて1度このゲームを遊んでそして絶望して欲しい。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE - PS4

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE - PS4