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アニメ映画『キミだけにモテたいんだ。』感想。秋元康×岡田麿里×乙女=無限大

口にするのが恥ずかしい映画のタイトルって今までも沢山あったが、「キミだけにモテたいんだ。」のパンフレット一部くださいってスタッフに言うのも中々難易度高い。恥ずかしくて小声の早口で言っちゃってスタッフに「え」って聞き返された時は羞恥の極まりでおっさんなのに涙が出そうになってしまった。おっさんなのに。

そんなおっさんに映画を観る前からトラウマを与えつつ

キミだけにモテたいんだ。

という人生で一度は言われたい(そうか?)願望を叶えて「モテメン甲子園」という強すぎる設定に「乙女ゲーム」を連想させるキャラクター達、脚本はドロドロした人間関係に定評がある岡田 麿里、そして何より企画原案がアニメ産業にもガンガン進出してきている秋元康。その割には宣伝も殆どしてなく、小規模上映。どういう映画になるのか想像も出来ず、どんなホラー映画よりも恐怖だった本作だったが、実際に観てみると凄い真面目に男子高校生の不器用な恋愛と熱い友情を描いていてある意味肩透かし的だった『キミだけにモテたいんだ。』の感想を書いていきたい。

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概要

あらすじ

見た目はいいのに中身は惜しい残念な男子高校生・時夫とアシモは、同じ学校の後藤田に突然連行されて、学校でも有名なお嬢様・ホリコこと掘ノ宮早紀子のもとへ。ホリコは時夫たちを『モテメン甲子園』に出場させて、その賞金で諸事情から負った借金を返済しようとしていたのだった。集められたメンバーは女子に冷たく「中二をこじらせている」と噂されてモテない時夫、行動が子供すぎてモテないアシモに加え、かわいすぎるためモテない幸太郎、人間そのものに興味が持てないためモテない亜紀。掘子の執事的存在でモテの講師役の後藤田を加え、一同は無理やり5人1組の学校代表メンバーに。優勝を目指してモテメンへと成長していく中で、周囲や自分の変化もホリコに対する恋心も自覚することになる。そしてまたホリコにも隠していたことが……。決勝を前に一致団結しながら、複雑に絡んでこじれてもいく6人の想い。本当の〈モテ〉とは何なのか。恋と友情の青春劇が開幕!

脚本は最近『空の青さを知る人よ』を公開したばかりの売れっ子岡田麿里。キャラクター原案はニコニコ動画で活躍し、Honey Worksのメンバーでもあるヤマコ。キャラクターデザインは『マクロス△』でおなじみのまじろ。監督は『牙狼-GARO-炎の刻印』で助監督を務めた久藤瞬という全体的に若いメンバーに企画原案は秋元康である。

この映画についてパンフレットに秋元康が不特定多数にモテるより好きな人だけにモテた方が良い。それをテーマにこの映画を作ったと書いてあって、秋元康キッッッッッッッッッモって気持ちになる(失礼)

 

5体1の恋模様

「モテメン甲子園」にチームで出場する個性豊かな5人のメンバーは全員同じ女の子、ヒロインである「ホリコ」に恋するのだが、岡田麿里節が効いたドロドロ展開あるのかと思いきやそんな事は全くなく、「お子様過ぎて、抱きたいと思えないんですよ」というセリフだけ岡田麿里節を感じたぐらいで基本的にドロドロなる事なくあったかい友情に溢れながら物語は進んでいく。調べると脚本家も岡田麿里以外の人も関わっていてチーム体制だったので岡田麿里狙いこの映画を観るのはあまりオススメしない『空の青さを知る人よ』を観てくれ。

ただ、岡田麿里節は薄いものの、54分という短い上映時間の中で主人公である時夫の成長と個性豊かなメンバー達やヒロインである「ホリコ」の魅力。「モテメン甲子園」の真面目なギャグ度合い。やたらノリが良いモブ女子達。どれもこれも密度が高くて面白い。何より画面がずっとイケメンなので観ていて飽きない。

少し前に公開された『PRINCE OF LEGEND』と全体的に展開とノリが被るという奇跡を起こしてる。『PRINCE OF LEGEND』のアニメ化と勘違いしてしまうほどで、プリレジェファンはこの映画も気に入ると思う。

 

それにしても本当にこの映画のモブ女子たちはノリが良くて、「モテメン甲子園」の途中、「告白」の疑似体験をするという企画で、他の参加者達は不特定多数に告白をするものの、主人公たちは目の前にいるホリコに告白していくという他の観客からしたら面白くない場面でも、見ず知らずのホリコに感情移入して応援したり、声援を送ったり、怒ったり、感動してくれるという優しさに包まれている。現実だと絶対にネットが炎上して晒され、いじめられる。現実は糞。

 

最後に

そもそもこの映画ってなんなんだろうか。宣伝もほとんどしてないから劇場はガラガラだったし、この映画の企画があることすら知らない人は多いだろう。ただ、作画も特別力が入っている訳ではないので、低予算映画として成り立つのかもしれないが普通こういう映画ってTVアニメからスタートさせて少しずつファンを獲得して映画化しないか?

てっきりライブシーンでもあるのかと思いきや、そういうシーンもなく、一応ED歌っている秋元康プロデュースの声優ユニット「ハイスクールチルドレン」の売り込みとしても中途半端。

何なんだ秋元康の税金対策なのかとか色々疑問だったけど、おそらくパンフレットから滲み出る「俺は昔から様々な人たちからモテモテでツレーわ。でも分かったんだ。本当に大切なのは自分が好きな人に振り向いてもらえるかどうか。好きな人にだけモテれば良いんだ。因みに俺の奥さん元アイドルの高井 麻巳子だから!」という説教と自慢がしたかった映画なのだと受け取りました。秋元康キッッッッッッッッッッッッッッッッッモって気持ちになる(失礼)

 

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