あまり大きな声で言わなかったけど、個人的に2019年で一番のガッカリゲームだった『キングダムハーツ3』における待望の有料DLCが本作「Re Mind」である。
本編の詳細は以前書いた記事を見てもらいたいが
ディズニーワールドはどれも出来がよくてこれは過去最高傑作では!?と期待させておいて、最後のあまりにも『ソードマスターヤマト』展開でガッカリだったキーブレード墓場と最後のステージの大幅なテコ入れと真13機関のメンバーと戦える「リミットカットエピソード&ボス」、そして自分だけのオリジナルの写真を撮影できる「データグリーティング」機能の追加である。
値段は3,800円+税とコンサート映像が追加された4,800円+税の二種類。
個人的にはコンサート映像は物凄く感動出来たのでそちらがオススメだ。
今回はレビューではなく、このDLC部分の感想をネタバレありで書いていきたい。
最初からこれを出して欲しかったキーブレード墓場
どういう感じのアプデをするか気になっていたけれど、まさか普通にやり直させるのではなくて、ソラをもう一度過去に戻させて、本編では見えなかった裏側を見せるという話の整合性を保ちつつ、ユーザーにもう一度キーブレード墓場をやらせるという天才的手段。
本編をやり直すと伏線らしきものもあり、最初からこの展開考えていたとなると最初から本編に入れておけよという気持ちも高まる。
流れ的に
①失敗ルート。カイリは復活しなかったので、ソラの目覚めの力でなかったことに。
②やり直しで本編正史ルート。本編でソラが頑張っている裏で、失敗ルートから来たソラが裏で頑張っていたという話。
これにより、本編では見えてこなかった裏側が見える。
例えばアクアが大量のハートレスを前に絶望するシーン。
いや、アクアはこんな事で絶望しないだろと本編だと思っていたが実はアクア視点だと
闇堕ちした大量の自分に見えていたというオチ。私も大量のアクアに捕まりたい。
後は、テラの思念。
本編だと唐突に現れてなんだなんだって思った人も多いかと思うが、実はリマインドのソラが裏でテラの思念を呼んでいたからだったり、キーブレード墓場で引っかかった所の解明があった。
そういう裏側を見れて楽しい気持ちと、再放送のようなキーブレード墓場の展開をフル尺で見せられて「いやもうそれ本編で見たから」と言ってしまうほどのキツさ。
追加要素がどこにあるのか分からないのでスキップも出来ない辛さがあった…
一番良かった所はリクやロクサス、アクアなど他のキャラの操作が出来たこと。
ロクサスがスライドターン出来たり、ユーザーが求めるモノをよくわかっている。
ただ、ソラを育て過ぎた反動で、他のキャラが弱すぎて、戦争と言いつつ、あんなにソラ1人で頑張った理由が分かってしまった…ソラは強くなりすぎたのだ…
そして何より守護者同士の共闘が良い。
シンクロ技を繰り出した時にそのキャラ同士の掛け合いが素晴らしい。特に前から聞きたかったロクサスとヴェンの掛け合いですよ。これですよこれ。
そしてその後のミッキーが光を、仲間を信じて体を引きずりながら一歩一歩前に進んでいく姿。これはもう「意外と役立たず王様」の称号を返却出来ますよ。
そして最後はソラとカイリの共闘。
ワンハートという羽バサーってなるの素敵。我が子が巣立ったような感動。
全体的にキーブレード墓場は相変わらず辛かったど、スカラ突入してからは良かった。
それにしてもキーブレード墓場は結局、一体敵を倒すごとに流れぶった切って、間の抜けたイベント挟むのも改善しなかったのは何なんだ。あそこのイベント処理まじで初心者レベルだと思うんだが…
「リミットカットエピソード&ボス」
2FMで難易度「クリティカル」モードが好きだった人は絶対に好きな鬼難易度である「リミットカットエピソード&ボス」
これが滅茶苦茶難しくて、滅茶苦茶楽しい。
無料アプデだったバトルの調整も素晴らしく、追加アビリティはどれもサクサクだしフォームも快適で素晴らしい。大阪チームとは思えない良い出来で、感動してしまう。
敵は本当に強いのでRPGでありながらレベル上げしても気休めにしかならない。何度も戦って敵の行動パターンを把握するしかない。
少しずつ反撃のタイミング掴んで行き、攻略してる感じが『SEKIRO』を思い出す。楽しかった。難易度クリティカルで全クリした人は尊敬する。
そしてヨゾラ。
髪型や顔を見るとどことなくFF15の主人公「ノクト」を思わせる。
本名の「ノクティス・ルシス・チェラム」をラテン語に和訳すると「夜の光の空」でより関連性を感じられる。本人は否定しているが、どうしても幻となった「ファイナルファンタジー ヴェルサス XIII」を野村哲也さんはまだ諦めていない感じに思えてしまう。
↑特にこことかヴェルサスまんまである
シークレットエピソードではそんなヨゾラの人となりが分かる。
ヨゾラは、不思議な空間に迷い込み試練を受け、そこで「ソラを救え」と言われたようであり、ヨゾラはソラと戦い勝利した後、ソラを氷(クリスタルかも)漬けにして「必ず救いだす」と言い残し、ソラとヨゾラの邂逅が終わる。
もしかしたらヨゾラが「verumlex」というゲームに閉じ込められたようにソラは 「KINGDOMHEARTS」というゲームに閉じ込めらており、今までの冒険はゲームの世界で、ヨゾラはそんな世界からソラを現実世界に救い出すことが目的なのかもしれない。
キングダムハーツユアストーリーになったら最悪だけど。
正直、表面上の点は沢山あるが、中心となる情報が不透明なので、これからの展開が予想出来そうで出来ない。モドカシイ状態である。
恐らく次回作でこのヨゾラがキーマンになるのは決定的なので、リクが新宿にいたのも見ても、ディズニー映画の『魔法にかけられて』のように二次元と三次元を行き来する展開になるのか、今から楽しみだ。
最後に
個人的に意外と楽しめるのが「データグリーティング」
キングダムハーツ3のグリーティングモード、なんでも撮れて楽しいな pic.twitter.com/PTsbBINoGi
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2020年1月24日
最後になるが、ずっと待っていたキングダムハーツ3なので、正直に言うと最初からコレで発売してほしかった感情はある。今まで10年以上待ったんだから1年ぐらい延期しても私は待ったよ。
キーブレード墓場で淡々と展開を処理するあの虚無さ。ソシャゲで活躍したらしいプレイヤーの名前が次々に出てくるあの虚しさ。
期待した分、ガッカリした気持ちが強かった。
ポケモンに追加DLCがあって炎上したり、昨今様々なカタチのDLCがあるが、個人的にはクリア後のストーリー追加とか、武器追加、強敵追加とかは別に気にならない。
だけど、やはりゲームって初体験の時の感動が大事だと思っているので、本編のストーリー、演出に関わることはDLCで補強するのではなく完璧な状態で出して欲しいというのが本音。
去年のようなあの熱意は消えてしまったけれど、それでも私にとってキングダムハーツは特別なゲームなので、これからも期待している。
最後の最後に一言、
そろそろ一旦綺麗に完結しても良いのではないだろうか。