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映画『シグナル100』感想。凄い勢いで人が死んでいく中で輝く橋本環奈の顔の良さ

橋本環奈と中村獅童が見守る中、これから売れさせたい顔面のイケてる若手俳優を多めに出して、「ワー」「キャー」と叫ばせ、顔面に寄っていくカメラワーク。

きれいだな〜カッコいいな〜と観客に印象付けさせながら、バシバシ容赦なく死なせるという、当たって砕けろなオーディション映画である。

そんな映画『シグナル100』の感想をネタバレありで書いていきたい。

 

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 概要

ヤングアニマル』(白泉社)にて、2015年から2016年まで連載された宮月新原作、近藤しぐれ作画による日本の漫画が原作である。

監督は日本・カザフスタン合作の映画『オルジャスの白い馬』を手掛けた竹葉リサ。

そして脚本には実写版『進撃の巨人』や『ガッチャマン』『20世紀少年』などを手掛けた渡辺雄介が起用された。

脚本家に関しては、良い意味でも悪い意味でも悪い意味でも悪い意味でも邦画の歴史に残りそうな作品を多く手がげているので、物凄く不安になる人選である。

劇伴音楽にはGENERATIONS from EXILE TRIBEなど様々なポップアーティストに楽曲を提供してきたJin Nakamura。

シグナル100 オリジナルサウンドトラック

シグナル100 オリジナルサウンドトラック

  • アーティスト:サントラ
  • 出版社/メーカー: インディーズ
  • 発売日: 2020/01/15
  • メディア: CD
 

 あらまし

ある日、担任の下部(中村獅童)が言った。
「君たちには、ある行動を取ると自殺する催眠をかけました。」
助けを呼ぼうとしても、学校から逃げようとしても、できない。待つのは自殺という道のみ。
生き延びるには、クラスの中で1人になるまで生き残るしかない。
自殺へつながるシグナルは100個。「遅刻をする」「スマホを使う」「涙を流す」「他人に暴力をふるう」そういう何気ない行為が死を招く。

何をすれば自殺になってしまうのか分からないまま、学校に閉じ困られ、最後の1人になるまでのバトルロイヤルが始まる。

 

図書室にあった本で「自殺催眠」とはカルト教団が作ったモノであること。また、100のうち64のシグナルを把握し、更に残りが教室に貼ってある下部が作った34のルールだと気づいた和田隼(瀬戸利樹)(イケメン)はクラスのメンバーに50個だけ教えて、裏で1人ずつ自殺に追い込むという情報戦において終始優位に立つ。

 

主人公樫村怜奈(橋本環奈)(可愛い)は自殺のさせあいではなく、チームワークで他の方法での催眠解除を目指すが、極限の状態であるクラスのメンバーは和田の狙い通りに次々に崩壊。

だが、樫村怜奈(橋本環奈)も自殺のシグナルに教室のルールがあることに気づき、そこに「学校で朝を迎えない」がある事を残りのメンバーに伝える。

「もう時間がない。みんなで争っている場合ではない」

残りのクラスメイトは絶望しながらも自殺のさせ合いをすることをやめる。

 

しかし、最終的に体育館に残りメンバーが一同揃ったところで、和田が「酒を浴びる」という自殺ルールを利用し、ビール(発泡酒かも)をみんなにぶっかけ、生き残りは和田や樫村を含めて4人になってしまう(なぜ学校にビールがあるんだ)

 

「他人に暴力をふるう」がNGなのだが、和田への殺意が抑えられない残りのメンバーは次々に和田を狙い、逆に自殺していく。

 

決着の時、和田とは幼馴染だったサッカー部の榊蒼汰(小関裕太)が命を落として和田を自殺させ、樫村が最後の1人になり朝を迎える。

榊から朝になったら見て欲しいと渡されたスマホを見ると、サッカー部4人の動画で流れ、4人とも樫村が好きと告白するシーンで樫村が泣いて終わる(中身は橋本環奈なのでモテモテなのも妙な説得力がある)

 

最後、大人になった樫村は法では裁けない下部に自分らと同じ「自殺催眠」をかけ、物語は終わる。(ここの身体中に鎖をジャラジャラさせている中村獅童がその顔芸を相まって凄い方向性の世界観なので、ここだけでもこの映画の価値はある)

 

解説

「こめかみドリル」「全力土下座」「口電球爆発」「エクソシスト死」「覗き見オナニー死」など、多種多様な自殺の仕方を見せてくれるので、雑なCGなところはあるが、R15なのを活かしている。人が死ぬのを見るのが趣味な人や好きな人にはオススメだ。

動物が死ぬと許せないが、人が死ぬのはエンタメで楽しい。

 

監督自身が『バトル・ロワイアル』を意識したと語っている通り、『令和版バトル・ロワイアル』と言ってもいい映画だ。

ネットの誹謗中傷のように不特定多数からの恐怖が増す昨今、人を精神的に追いやる事が高度化している。

人は簡単に人を自殺に追い込む事が出来るのだ。

そして今の時代、一番重要なのが「暴力」ではなく「情報」であり、『バトル・ロワイアル』のように直接的な暴力ではなく、「情報」の有無で人は死ぬ時代なのだ。

 

原作では樫村は最後、教師になり生徒を導こうとするが、学級崩壊し、絶望。

下部と同じことを行う「自殺催眠ループ」で終わるが、本作では樫村が序盤で自殺したハズなのに生きていた下部への復讐で終わる。

原作も映画でも、樫村は何も成長することなく、観客も鑑賞後何も残らない。

まぁ、映画は別にメッセージ性が全てではないし、こういう映画もあって良いと思う。何しろこれは顔が良い若手俳優オーディション映画なので。

 

最後に

私達は後何回、橋本環奈の制服姿を目にすることが出来るのだろう。

私達は後何回、橋本環奈の制服姿を目にすることが出来るのだろう。

意外と多くないのかもしれない。

そんなこと考えていると仕事も手につかない時ありませんか。私はある。

 

残り少ないかもしれない橋本環奈の制服姿を目に焼き付けておく為にも、本編では意外と活躍せず、ただただ「君たちの死に方、私が絶対見届けてやるかんな!」と息巻き、死ぬのを傍観するだけの橋本環奈の勇姿を見て欲しい。