社会の独房から

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映画『太陽は動かない』感想。藤原達也サイコーーー!!!!

藤原達也が主演していると聞くだけで「この映画、間違いないな」という妙な安心感がある(あいさつ)

 

明治時代は包帯だらけの最強の剣士であり

中学生同士の殺し合いで生き残り

デスゲームで生き残り

死神のノートを操り、新世界の神を目指し

勝てば一攫千金、負ければ命の保証はない究極のギャンブルバトルで勝ち残る屑になり

22年前の連続殺人犯だと名乗り

夢実現セミナーを主催したり、団体の教祖になったり

視界に入れた人間を思いのままに”操れる男”になったり

元殺し屋のシェフになり

そしてーー

心臓に爆弾を埋め込まれたエージェントになってしまった。

 

藤原達也出演作品の何とも言えない癖の強さが癖になる。本当は作品自体は無臭なのかもしれないが、藤原達也が出演することで一気に独自の世界観に変えるのかもしれない。領域展開を発動できる数少ない役者なのかもしれない。

 

そして、竹内涼真

彼が主演で出ているドラマ、和製ウォーキングデッドこと『君と世界が終わる日に』では無限弓矢や、銃で撃たれても即回復といったクリア特典後のバイオハザードの主人公みたいな動きで物語をかき回しており、「一体何を見せられているんだ」の連続で飽きない。 

 

そんな藤原達也と竹内涼真がバディを組んだ映画が本作『太陽は動かない』である。

ネタバレありで感想を書いていきたい。

映画&ドラマ「太陽は動かない」オリジナル・サウンドトラック

【監督】羽住英一郎 【原作】吉田修一 

あらすじ

 

心臓に爆弾を埋め込まれた秘密組織のエージェント・鷹野(藤原達也)と相棒の田岡(竹内涼真)。
24時間ごとに迫る死の危険を抱えながら、「新時代エネルギー」の極秘情報をめぐり、各国のエージェントたちとの命がけの頭脳戦が始まる。誰が敵か味方が分からない極限の状況の中、2人の心臓爆破のリミットは迫っていた―。

 

 

うぉおぉおぉおぉぉぉお藤原達也!!!!

導入のアクションシーンが100点。

ブルガリアでロケをしたというコロナ後の現在なら考えられない話も撮影当時の2019年なら何の問題もない。運があった。

アクション自体はハリウッドで何回も観たようなアクション&カメラワークなんだけど、そこに「定期連絡を怠るとドォ~ン!!」という独自の設定が加わっているから銃弾が飛び、目の前で死闘が繰り広げられる悪夢のような状況の中、一心不乱にスマホで連絡をしようとする市原隼人がもう面白い。そんな命の次に大事なスマホを少しの衝撃でゴミの中に落としてしまうお茶目な市原隼人も面白いし、全力で邪魔しようとロケットランチャーまで用意する敵も面白いし、最終的にはバイクで引きずられながらもスマホ操作を止めない市原隼人が、親に引きずられながらもスマホ操作を止めない子供みたいで面白かった。スマホ中毒にしか見えない。

もっと市原隼人の活躍が見たかったのが本音。

 

そしてここから突然に鷹野の回想シーン。

アクション→鷹野の回想→アクション→鷹野の回想→アクションの繰り返しの構成になっていて、予告だとアクション一辺倒だったから意外と回想長くてビビる。

本作は原作の『太陽は動かない』だけでなく、続編『森は知っている』の要素もあり、「2冊の小説を1本の映画」にしている。アクションバリバリの動の『太陽は動かない』と鷹野の過去の話に焦点が当たった静の『森は知っている』

美味しい所取りと言えば聞こえはいいが、実際は「尺が…尺が足りてない…」という印象を強く持ってしまった。特にアクションは導入シーンがピークになってしまったのが勿体ない。

アクションコーディネーターの人が「ずっと戦いが続くのではなく、アクションはなるべくコンパクトに収め、スムーズに物語が進むようにした(中略)主役と誰かが戦ったら主役が勝つことはほぼ決まっている。それが分かっていながら、ずっと戦っている場面を観せられるのが監督も僕も嫌なんですよね」

と仰っていて、それは一理あるけど終盤の船のシーンでももう少し印象に残るキレキレのアクションが欲しかった。バディならではのアクションも観たかったし、「定期連絡を怠るとドォ~ン!!」要素も後半は「こいつらどうせ勝手に死ぬし、俺たちが殺さなくてもいいだろうw」のような敵が鷹野達を殺さない理由付けみたいになってしまった。

 

鷹野の回想シーンも女子更衣室を覗きをするシーンから始まるのが、これ絶対にTwitterで、「性暴力に遭って自傷するほど傷ついた女の子相手にまた危害を加えて、それに対して反省もなく、青春の思い出!俺たちズッ友の変わらない友情の証!「尻みてねーよ」を伏線にラストシーンで感動的に持ってくることに滅茶苦茶傷ついた!!!これだから邦画ダメ!」という趣旨のツイートがありそうだなと脳裏にこびりついてダメだった。もうTwitterしてなかった頃の気持ちで映画を観れないのかもしれない。

あと、上でも書いたようにラストで「本当はあのとき、あの娘のケツを見た」とライバルスパイであるキムさんが鷹野に伝えるシーンがある。これはキムさんの黒幕が昔の鷹野の親友であり、幼少期に死んだと思われていたのが実は生きていた事が分かる重要なシーンなのだが、キムさんが日本語片言なのと、ヘリの中で風圧が凄いという要素が混じったせいで滅茶苦茶聞き取り辛くて「え…え…なんて?」という困惑が感動に勝ってしまったのが勿体ない。

 

そして藤原達也。何より藤原達也。

本作の藤原達也は先輩役なのであまり絶叫しないが、それでも存在感が抜群。アクションもキレキレだし、ボロボロの姿のままデッカイ木箱の中に入ってお宅まで郵送されるお茶目さもある。

f:id:Shachiku:20210206193400j:plain(C)吉田修一幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

「今を生きろ!!」とやたら説教臭いのも藤原達也だからアリ。

藤原達也、「高所、水中、暗闇」が苦手なのに本作ではそれらの要素が全てあって、精神的に参った時に「涼真…もうやばいよ…」と言うと竹内が笑いながらスマホを見せて「竜也さん、トムクルーズならこれくらいやってますよ!」と言ってきて「それはそうだけど、違うだろ!」とツッコんで元気が出たという話が好き。やはりトムクルーズは生きたアリナミンAみたいなところある。

 

最後に

南沙良さんNHK朝ドラ主演決定です!!!!

f:id:Shachiku:20210306013221j:plain(C)吉田修一幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

鷹野の回想、結構眠たかった時もあったけど、南沙良さんが可愛すぎて満足度が高かった。2021年彼女、来るよ(もう来てる)


【映画レビュー】『太陽は動かない』感想