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『New ポケモンスナップ』感想レビュー。捕食されるポケモンたち。

ポケモンスナップの1番の魅力を聞かれたら、僕は「野生ポケモンの生態系を見れるから」と答えるだろう。

本家ポケモンシリーズでは基本的に捕獲した後のポケモンとトレーナーの交流がメインである。

例えば最新作のソードシールドであったポケモンキャンプの機能はゲットしたポケモンと触れ合ったり、カレーライスを一緒に食べることで「なかよし度」を上げていく(過去シリーズでは「なつき度」という隠しステータスも存在した)

ポケモンをゲットし、共に冒険する中で苦楽を乗り越え、絆を深めていく。

これこそが、本家ポケモンの醍醐味だろう。

所謂ポケモンとはパートナーであり、反発を買う言い方をすればペットである。

 

 

対してポケモンスナップではモンスターボールが登場せず、捕獲しない。

野生ポケモンのあるがままの姿を写真に収めるだけだ(木の上で寝ているポケモンにリンゴぶつけて落として強制的に起こしたり、陽気な音楽流して踊りを促す事はするが)

 

本家では見る事が出来なかった自然の中で生活するポケモンたち。

野生ポケモン達と出会うとアドレナリンがブワッと放出されるのを感じ、ワクワクドキドキの連続。

そんな体験を通して、ポケモン達の命の営みの素晴らしさを目と心で感じ取る事が出来る。

 

それは現実同様に厳しく、直接死んでるシーンはないものの「上空から降り注ぐメテノに激突し吹き飛ぶスコルピ」「ピジョットに捕獲されるコインキング」「ゼニガメを食べようと追いかけるサメハダー」など、「死」を感じる瞬間は多い。

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↑ケンコウオを笑顔で捕食するキャモメ

 

そんな厳しい自然環境の中で、ポケモンたちの「生きる力」や「生命感」が伝わる生物の躍動感こそがポケモンスナップだ。

本家ポケモンをやれば、意外な側面が見れるポケモンスナップが面白くなり、

ポケモンスナップをやれば、知識が増える事で本家ポケモンたちがより可愛く見える。

相互利益のある関係はスピンオフとしての「正解」を叩きつけてくれる。

 

数多くあるポケモンスピンオフゲームの中で『ピカチュウげんきでちゅう』『ポケモン+ノブナガの野望』に並ぶ3代スピンオフだと思っていたポケモンスナップだが、1999年にNINTENDO64で発売されて以来、続編を22 年間ずっと待っていてようやく発売された『New ポケモンスナップ』の感想を書いていきたい。

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概要

木々が生い茂るジャングルや広大な砂漠など、それぞれ環境が異なる島々が点在している「レンティル地方」。手つかずの自然が残されており、そこに暮らすポケモンの生態や自然環境については、調査がほとんど行われていない。主人公はカガミ博士からの依頼で、大自然に溢れる島々を訪れ、いきいきとした野生のポケモンを写真に撮って、生態を調査していくことになるぞ! ポケモンたちの野生ならではの表情やしぐさを発見しながら、自分だけのポケモンフォト図鑑を作りあげていこう。(公式HPより)

 

ポケモン図鑑見て遊ぶと100倍楽しい

タモリさんの名言に

「教養なんていうのは、あるにこしたことはないんですよ。なんであるかっていうと、遊べるんですよ。あればあるほど、遊ぶ材料になるんです、教養っていうのは」

 というのがある。

知識は僕らの人生に彩を与えてくれる。

観光名所に行くときにただブラブラ歩くのではなく、なぜ湖があるのか、なぜ山ができたのか、なぜ城下町になったのか、なぜ曲がり角が多いのか。
そういった自然の営みと人間の知恵を知っているだけで、観光の楽しさは倍増すると言って過言ではない。

それは数多くのポケモンが生息している「レンティル地方」も同じ。

本作はこだわりを持ってゲームを作られている為、ポケモンに対する知識があればあるほどゲーム体験が面白くなる。

例えばドードリオリーフグリーンポケモン図鑑にはこう書いてある。

3つの あたまで こうどな
さくせんを あやつる。ねるときも
どれか 1つは おきているという。

 そして撮れた写真がこれ

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図鑑通りである。これがそうか!!!って気持ちになる。知識として備えていると実際に見た時の感動もひとしお。

また、アリアドスが自分の糸に捕まったアマカジを逃がしてあげる場面がある。

これは「アリアドスっていい奴だな~」と思う人もいるかもしれないが、図鑑を見れば考え方も変わる。

えものの からだに いとを つけて わざと にがす。

いとを たどれば なかまごと つかまえられるからだ。

 アリアドス怖!

他にも怖いのはある。

えものを どくで しびれさせて

8000メートルの しんかいに あるという

すみかに つれていく。

うすい ベールのような うでで

あいての からだを しばりつけたまま

うみの そこへ しずんでいくのだ。

これは両方ともプルリルの図鑑説明だが、撮れる写真がこれ。

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笑顔!!!!

 

決定的瞬間である。ポケモン世界のコイキング、圧倒的弱者で可哀想になる。

捕食と言えば、サニーゴヒドイデ

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ヒドイデ

アローラちほうの ヒドイデと ちがい

ガラルの ヒドイデサニーゴの えだの

おいしさに きづいていない。

 を知っているとサニーゴヒドイデが一緒にいるとドキドキしてしまう。

 

また、図鑑を知っていると写真を撮りやすいという利点がある。

例えばオオタチ

ほそながい からだの かたちに

あわせた すを つくり ほかの

ポケモンは はいれなくしている。

 これを知っていると小さな穴にリンゴを投げつけて、出てきたオオタチを撮ることが出来たりする。

ドダイトス

ちいさな ポケモンたちが あつまり

うごかないドダイトスの せなかで

すづくりをはじめることがある

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 微笑ましい。

 

他にもヒノカケ達がお互いの火が消えないように群れで暮らしていたりして、開発陣のこだわりとポケモンに対する愛を感じる。

 

今回紹介したのはごく一部で、本作に登場するポケモン達の行動は基本的に図鑑を参考に作られている。

それ故にある程度、図鑑を知っているだけでも「レンティル地方」に出てくるポケモン達の生活の解像度がグッと上がってより楽しめるだろう。

 

何も知らずにあるがままのポケモン達にドキドキワクワクするのも楽しいし、

知識があるから楽しめる。

両方の楽しみ方がある。

 

細かな所

  • ゲームを始める人はまずはカメラ移動とポインタ移動の速度を上げよう。初期設定のままだとかなり遅くてイライラすると思う。
  • 前作主人公のトオル登場。成長したな(感涙)

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  • ポケモン写真採点の博士がやたらと優しい。「褒めて伸ばす」令和的なのかもしれないが、オーキド博士の「あまりよくない」「おしいのぉ......」と残念そうにダメ出ししたり、途中で評価を打ち切ってしまったりするのに慣れた身体だと寂しく感じる。DV受けたのに元カレを忘れられない女性みたいな感覚だ。つまりオーキド博士=DV男。よしよしが聞きたい。

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  • ストーリーを進めるのに必要なクリスタルフラワーの撮影がたまに難しいところがある。その結果、同じMAPを何度も周回を強いられる時は流石にしんどかった。
  • カメラアングルや画角を変えたり、ぼかしを入れて写真の微調整が出来る「エクストラ撮影」機能が神。
  • 64時代はわざわざローソンまで行かないと印刷出来なかったけど、今は家でもスマホに転送して簡単に写真シールプリント出来るの科学の進化を感じる。「かがくのちからってすげー!」
Canon スマホプリンター iNSPiC PV-123-SP 写真用 ピンク

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  • 発売日: 2018/09/06
  • メディア: Personal Computers
 

 

 

最後に

本作は前作NINTENDO64版からの正統派進化である。

クリアしたMAPは一方通行で移動するんじゃなくて自由に移動出来るようにしてくれとか思わなくもないが、次回作に期待しよう。

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↑主人公のジロ目が可愛い

 

クリアだけを目指すなら7~10時間ぐらいで余裕で出来る。その分、サブミッション的な奴は多いので、縦軸に短く横軸が長いゲームだ。

またカビゴンなどメジャー級含めて登場していないポケモンがいるのは仕方ないかもしれないが、寂しい。DLC有料でもいいから欲しいところ。

 

 

最後に一言。

USJは早く、『E.T.アドベンチャー』みたいなノリでポケモンスナップのアトラクション作って!!!!

わーわー書きましたが、僕からは以上です。さようなら。