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ホラー映画『トイレの花子さん新章 花子VSヨースケ』感想

「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」で有名なホラー映画。

今回取り上げるのはそんな『トイレの花子さん新章 花子VSヨースケ』

トイレに潜む2大霊、皆さんご存知だろうトイレの花子さんとヨースケが激突する心霊ホラー。

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いや、ヨースケって誰だよ。

 

花子さんは分かる。

トイレの花子さんとは「誰もいないはずの学校のトイレで、ある方法で呼びかけると『花子さん』から返事が返ってくる」というもの。赤い吊りスカートをはいた、おかっぱ頭の女の子の姿が最も有名であり、僕の子供の頃からよく聞く最もポピュラーな都市伝説の一つではないだろうか。

それに対してヨースケ。

誰だお前。

調べてみると神奈川県横浜市の学校に伝わる伝承で、女子トイレに花子さんが住むように、男子トイレにはヨースケくんが住み着くとされ、呼びかけて3秒以内に逃げないと殺されるという、明らかに呼び出した時点で生還は無理という恐ろしい妖怪である。

それにしても横浜市だけってローカル過ぎない?そりゃ知らない訳である。

 

全国的に有名なトイレの花子さんと同じトイレの怪異である横浜ローカルキャラという格差対決。長州力地方プロレスラーとの戦いみたいなイマイチ盛り上がらないカート。というかヨースケはこれが銀幕デビューらしい。いきなり花子と対決させられるヨースケが可哀想。全国区商業展開している大企業と地元でひっそり活動してるローカル零細企業とじゃ勝負になんねぇんだよ(無慈悲)イオンに潰される商店街である。

それでは感想をネタバレありで書いていきたい。

 

あらすじ

 除霊師見習いの雫音は、師匠の美代と修行の旅に出ていた。雫音は霊の感情に共感しすぎる未熟な部分があり、ときには霊の思念に飲み込まれてしまいそうになることを美代から注意するように言われていた。

 

ある日、ふざけて廃校に忍び込んだロックバンドメンバーのミカやジョーらが肝試しをしていたところ、一緒に参加していた友人の亜紀が命を落としてしまう。

事態に怖じ気付きお祓いにやって来た彼らの話から邪悪な霊の存在を感じ取った雫音は除霊のために廃校へと向かう。予想をはるかに超える強大な闇の力を持った霊との戦いで窮地に立たされる雫音だったが、美代と謎の女性、泉に助け出される。しかしこの事件は、悪霊との壮絶な戦いの序章に過ぎなかった。

 

 【監督】 鳥居康剛 【出演】 志田友美, 杉江大志, 横山ルリカ

 

ヨースケじゃ花子の相手にならない

 

タイトル的には2大悪霊のVSものを謳ってるが、話の構成的には除霊師VSヨースケの話がストーリーの大半を占め、ヨースケVS花子さんの話は終盤の一瞬だけ。そのため今作、実質的には花子さんの出番は殆どない。ある意味タイトル詐欺。

 

そしてヨースケ。

糞雑魚人間どもには粋がってノリノリで殺しを堪能するヨースケくんは、除霊師おばさんたちをも上回る強さを発揮し、 主人公たち除霊師一行は何度もピンチに陥ってしまう。

しかもこのヨースケくんが、除霊師おばさんの息子だったことも判明し、人間対ヨースケの終着点は……? というちょっといい感じの盛り上がりを見せる展開に。

 しかし終盤、それまでほとんど出番がなく、話題にも全く上がらなかった上にほとんど静観を決め込んでいた花子さんが百合関係である主人公のピンチを前にして登場するや否や、糞雑魚人間相手に余裕ぶっこいていたヨースケくんをボッコボコに打ちのめし、「水のない所であれだけの水遁を使えるなんて・・・なんて奴だ!」を引き起こし、最後の力を使って反撃を仕掛けようと裏取りに来たヨースケにも一切動じず水の刃で貫くという驚異的な戦闘能力を見せつけ、なんか何事もなかったかのように帰っていってエンド。

ヨースケはトイレに逃げ帰り、お母さんに包まれて成仏するという悲しい結果に。

引きこもりのマザコンが調子にのってイキっいたら女番長の愛人を傷つけてしまい、ボコボコにされて引きこもりに戻ってしまった感じである。

 

ヨースケくん、得意技が遠隔首絞めとガス部屋攻撃という、格下相手の人間相手にしか戦えないのに対し、圧倒的範囲攻撃を誇る便器水津波、水の壁によるガード、水の形状変形による武器作成など、攻守ともに隙のない性能を見せる戦闘特化の花子さんとでは勝負にならなかった。所詮横浜ベイスターズレベルである。

 

 

最後に 

恐ろしい程怖くないホラー映画と安っぽいCGだけど、腹立つ奴は大体死ぬし、70分と短いからサクッと見れるのでいかがでしょうか。