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漫画『高校生家族』感想と実写キャスト予想。何歳になっても青春は終わらない

週刊少年ジャンプの青春漫画と言えばあなたは何を浮かべるだろうか。

SLAM DUNK』『ハイキュー!! 』『SKET DANCE』『シューダン!』『青春兵器ナンバーワン』『To LOVEる -とらぶる-』『くらげ中二』『魁!!男塾』等だろうか。

創刊52周年を迎える週刊少年ジャンプには様々な青春漫画があり、それこそ青春時代に読んだ思い入れが強い青春漫画もあるだろう。

 

そうすると、どうしても自分が一番思い入れのある時代のジャンプを最強黄金時代だと思い込み、最近のジャンプを読んでもないのに「最近のジャンプつまらんし、ろくな青春漫画がないなぁ」の精神になってしまいがちだ。

 

人はそれを「おじさん(おばさん)になった」という。

 

青春とは人生のある時期ではなく、心の持ち方を言う。

若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、

安易に就こうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。

人間は年齢を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。

 

これはドイツ出身のアメリカの詩人サミュエル・ウルマンの言葉である。

サミュエル・ウルマン解釈での青春で最もピッタリな青春漫画が今、週刊少年ジャンプに連載している。

それは皆さんご存知だろう 『高校生家族』である。

今回はそんな『高校生家族』の感想とあと、実写化キャストの予想(予言)を書いていきたい。

高校生家族 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

狂気の中にある青春

高校入学式当日の朝、家谷光太郎は高校生活に期待を抱いていたが実は父親「一郎」も母親「静香」も妹「春香」(8歳)もペットの猫「ゴメス」も同じ高校に通う事を知る。こうして家谷家の面々に巻き込まれる形で、光太郎の高校生活が始まっていく。

f:id:Shachiku:20210811155614j:image(C)仲間りょう/集英社

 

まぁ~無茶な話である。

最初は家族全員が同じ高校に通うインパクトだけを狙った一発ネタ的漫画に見えてしまったこと。

息子の光太郎目線で物語が進んでいくので、家族と学校の距離感が狂い、家族の奇行が光太郎の平凡な高校生活の邪魔に見えてしまい、可哀想に思えてしまったこと。

それらのせいでイマイチ楽しめない時もあったが、読んでいる内に印象が変わっていく。

 

なぜなら、息子の光太郎目線だけではなく、それぞれの家族の目線で物語が進むようになっていったからだ。

そこにあったのは確かな創造力・強い意志・情熱・勇気。

そう「青春」である。

 

家族全員がそれぞれの「高校生活をエンジョイしたい」という限りなくひたむきで前向きな想い。

「人生の過去の後悔を取り返したい」「色々な事に、新しい事に挑戦したい」「人はいつだって何にだってなれる」そのために家族はいつだって本気だし、並々ならぬ努力を続ける。自分の限界に挑んでいって汗かいてボロボロになって…

 

家族それぞれが思い思いの事を実行するが、それのせいでお互いの青春に割り込んだり、邪魔になったりしないので読んでいてストレスがない。

また、どれだけ荒唐無稽な事に挑戦する事になっても、家族はそれを応援し、肯定する。

それを読んでいる僕も段々と「頑張れ一郎、頑張れ家谷家」と応援したくなる。

読み終わった後に、青空を全身に浴びたような気持ちになる。

読破後の後味が「青春~~~~」になるのだ。

 

例えば、本作のターニングポイントだろう、一郎がバレーボール部に入部する話。

 

一郎は高校生になる前はサラリーマンだった。

一般的には、中卒だった大人が高校卒業認定を取りたいなら仕事をしながら定時制通信制の高校に入学する。

 しかし一郎の目的は「高校卒業資格」ではなく、「高校生活」なので全日制の高校に通うために仕事を完全に辞めてしまう。

 彼は中卒でありながら、そこそこの会社のマーケティング部に勤めていて、家族を持ち、一戸建てに住めるほど稼いでいたのに、それを全て捨てて高校生活を選ぶ。

僕は土手下にあるプランターをどかしたらワシャワシャ動き出す蟲のような存在だった学生時代を過ごしてきたので、高校生活にそんな価値ねーよって思ってしまうが、一郎はそう思っていない。

 

そして中学の時にやっていたバレーを続ける選択をする。

バレー部に入るために、同じ一年生の洲崎くんに声をかける。

 

洲崎くんはバレー部の凄い選手で、一年でありながらエースが確定している。同時にエース故の孤独さがあり、目出鯛高のバレー部のレベルの低さにガッカリもしていた。

 

そこへ、40歳超えのおっさんが自分と同程度の身体能力を見せつけながら、「バレー部に入部したい」と話しかけてくる。殆ど変質者である。

 洲崎くんは一郎に入部テストが終わり新入部員受付の期間が過ぎている事を告げて去っていく。

 

普通ならそこで諦める。

しかし一郎は憧れのバレー部入部を諦めず、選手でなくていいから入部させてくれと懇願し、雑用係として入部するのだ。

f:id:Shachiku:20210811155645j:image(C)仲間りょう/集英社

 

ここから始まる一郎と洲崎くんの関係。

洲崎くんは今までエースとして、1人の人間として本気でぶつかれる、自分をさらけ出せる相手がいなかったし、一郎はバレー選手として自分の存在を認めてもらえる相手がいなかった。

そんなお互いに欠けており、求めていたモノを与え合っている関係性が生まれる事になる。

自分を解き放ってくれる存在に歳は関係がなかった…

 

一郎と洲崎くんはスポ根漫画によくある「孤高のエースと変わり者」の関係性の亜種なんだろうけど、
その「変わり者」担当が子持ちの40歳のおっさんという点で唯一無二の面白さになっている。

最後がオチなく終わったとしても「ギャグ要素は何処!?」ではなく「青春しているな~来週のバレーの試合も楽しみ!」って気持ちになるので、実質『ハイキュー!! 』である。

 

そんな親父周りで熱々の王道青春物語をやりつつ、それをギャップに平凡な光太郎がクソゆるいテニス部で青春を過ごすのも面白いし、その上で親父が倫理的にやれない恋愛要素を光太郎がやっていくのもよく出来ている。

 

そして『高校生家族』のもう一つの魅力が縦横無尽に広がっていく関係性と善性の方向性だろう。

 

母の静香は他の家族に比べると比較的キャラが立ってないが、彼女の中学の時の親友の娘が今の同級生で友達というややこしすぎる関係性を築いたし、そこに光太郎の恋愛要素が絡んでいくので更にややこしくなる。

家族皆がそれぞれの青春を謳歌していく中で築いた関係性がお互いに交差していく。その上、登場してくる皆が皆、良い人たちばかりだけど、その善性の方向性がどこか狂ってるので、ギャグのクオリティの高さも相まって、「満足度は高いけど、何なんだこの漫画」って評価になっていく。何なんだこの漫画。

 

例えば、31話で光太郎の同級生の竹林くんが静香の事を好きになる話がある。

彼は幼い事から父子家庭で育ち、母性に飢えていた。それを聞いた光太郎は静香に竹林の母親を演じるようにお願いし、一郎たちも手伝うようになる。竹林くんの「母親との思い出」を作っていくために中学入学のエピソードや小学生の時の喧嘩、幼稚園のお遊戯会など『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』的に話が進んでいき、最終的に赤ちゃんになった竹林くんは満足して話が終わるし、それを見ていた光太郎は「母親がいるって当たり前じゃないんだな…」と謎の感慨に浸る。

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(C)仲間りょう/集英社

 

このエピソードを読んだ時、何なんだこの話…登場人物全員狂っているのかなって気持ちになったのと同時に胸の奥底が温かくなった。これこそが『高校生家族』

これこそが青春。

 

実写キャスト予想

最後に実写キャストを予想して終わりたい。

 

一郎

中井貴一さん 本命だけど、最近はあんまりTVドラマに出ないから映画化じゃないと難しいかも。

松重豊さん 『きょうの猫村さん』で猫役を演じたり、コメディ系にもよく出演なされるので可能性は高そう。個人的には松重豊さんのユニフォーム姿見てみたい。

遠藤憲一さん ちょっと顔はヤクザみたいで怖いが、激しい運動にも応えてくれそう。

 

静香

日本の女優界、40代ぐらいでも滅茶苦茶層が厚いので誰がなっても不思議ではない。

麻生久美子さん   『時効警察』世代なのでどうしてもコメディで女優と言えば麻生久美子さんが頭に浮かぶ…

石田ゆり子 さん  今最もノリにのっている女優さんなのであり得そうだし、そんな女優さんが『高校生家族』に出るか?という不安材料もある。

松下由樹さん    プールの飛び込みの回で「牛」「ワニ」に見える描写があったので瘦せすぎていない女優さんが合っていると思うので松下由樹さんがいい(滅茶苦茶失礼で誠にごめんなさい)

 

光太郎

神木隆之介さん 頭の時計が止まっているので高校生といえば神木隆之介さんになってしまう。もう28歳だが、まだまだ制服は似合いそう。

②藤原大祐さん 現役高校生で、滅茶苦茶可愛い。可愛すぎて顔も平凡な光太郎にあってない気もするが、可愛いからどうでもいいんだよ!!!日本の実写ってそんなもんだろ!!!!!失せろ!!!

北村匠海さん ちょっと情けない感じとか光太郎にピッタリだと思う。

④山﨑賢人さん  とりあえずジャンプの実写といえば山﨑賢人さんのイメージ。福田雄一監督だけはやめてくれ!!!

 

春香

芦田愛菜さん    子役の女優といえば芦田愛菜さんのイメージがあったが、17歳だったので流石に8歳役は厳しいか。あと、芦田愛菜さんの月収判明みたいなページがあり、開いていみると僕の年収より圧倒的に高くて泣いた。

②白水ひよりさん 『彼女はキレイだった』というドラマに子役として出演しているが、滅茶苦茶可愛い。12歳だから8歳役も演じれるハズ!!!滅茶苦茶可愛いよ!!!!! 

③橋本環奈さん  とりあえずジャンプ漫画の実写は橋本環奈さんが出演しているイメージ。福田雄一監督だけはやめてくれ!!!別に『高校生家族』で役者の変顔が見たい訳じゃないんだ!!!!佐藤二朗ムロツヨシが入る込む余地はないんだ!!!!!!

 

ゴメス

①本物の猫

②ぬいぐるみ

松重豊 

 

 

実写キャストを色々予想して書いたが、個人的にはアニメ化して欲しいのが本音。

 

そして映画化して、劇場版『クレヨンしんちゃん』みたいに世界を救ったりして、やたらとスケールの大きい話を湯浅政明さんとか水島努さんとか高橋渉さん監督で50作ぐらい作って欲しいよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(終わり)