社会の独房から

映画やゲーム、漫画など。

2021年の映画興行収入ランキングを見ながらグダグダ書く

賞レースの時期になると必ず現れるのが「こんな大ヒットしてる映画が賞取れないなんておかしい!」という意見。もっともである。

しかし、考えて欲しい。大ヒットしている時点でその映画は興行収入という軸で評価されている。誰しもが資本主義の奴隷である現代に金を稼いでいるという評価以上の指標があるだろうか。否、ない。

映画やお笑いの賞レースなど評価の軸が曖昧だと「なんでこいつが優勝なんだ!!」という意見に対しても反論が難しく「人それぞれ」と濁す回答になる事が多いが、「興行収入面で大ヒット」という絶対的な軸がある作品を批難しても軽く「老害」扱いされて終わりである。それだけ経済面での数字は説得力があり、強い。

ただ、世の中には沢山の映画があって興行収入だけではすくいきれない名作も沢山あり、それを評価しようというのが賞レースともいえる。

それ故に「こんな大ヒットしてる映画が賞取れないなんておかしい!」と怒る人も、俺の好きは作品は既に評価されてるし、賞レースぐらい譲ってやろうという寛大な気持ちを持って欲しい(お前は何様なんだよ

 

という訳で本題。2021年の映画興行収入ランキングを見ながらグダグダと感想を書く。金の話は楽しいからだ。

参考にさせて頂いたサイト。

eiga.com

www.kogyotsushin.com

www.eiren.org

ちなみに『呪術廻戦0』は2022年扱いです。

「2021年映画興行収入ランキングTOP20」

1位 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』102億8000万円(アニメ・邦画)
2位 『劇場版 名探偵コナン 緋色の弾丸』76億5000万円(アニメ・邦画)
3位 『竜とそばかすの姫』65億3000万円(アニメ・邦画)
4位 『東京リベンジャーズ』44億7000万円(邦画)
5位 『るろうに剣心 最終章 The Final』43億4000万円(邦画)
6位 『新解釈・三國志』40億3000万円(邦画)
7位『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」』40億~(邦画)
8位 『花束みたいな恋をした』38億1000万円(邦画)
9位 『マスカレード・ナイト』37億7000万円(邦画)
10位 『ワイルド・スピード ジェットブレイク』36億4000万円(洋画)
11位 『僕のヒーローアカデミア ワールドヒーローズミッション』33億7000万円(アニメ・邦画)
12位 『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』27億円(洋画)
13位 『るろうに剣心 最終章 The Beginning』24億1000万円(邦画)
14位 『映画 えんとつ町のプペル』23億6000万円(アニメ・邦画)
15位 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』22億円(アニメ・邦画)
16位 『約束のネバーランド』20億4000万円(邦画)
17位 『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』20億1782万円(邦画)
18位 『ゴジラvsコング』19億円(洋画)
19位 『銀魂 THE FINAL』18億7000万円(アニメ・邦画)
20位 『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』17億7000万円(アニメ・邦画)

 

洋画の苦戦

映画館事情において新型コロナが流行した2020年から1番変わったのは洋画の苦戦だろう。トップが『ワイルド・スピード ジェットブレイク』の36億4000万円である。

2020年は洋画自体殆ど公開してなかったのでランキングに入らないのは仕方ないが、2021年はポツポツと公開があったもののイマイチ伸びていない。特に興行収入ランキング常連だったディズニーアニメの苦戦が顕著だ。

コロナ禍以降、Disney+配信のみだったり、劇場公開とDisney+配信が同時だったり、それを劇場側に嫌われ、スクリーン数がやたら少なくされたディズニーだったが、ようやく劇場公開一本に絞った『ミラベルと魔法だらけの家』も公開1か月で興収6億5700万程度である。早々にDisney+での配信も始まったので、これ以上は伸びないだろう。

劇場でヒットしない→公開数が減り早めに配信する→早めに配信するからますます劇場で観ないという悪循環になりそうだ。

www.disneyplus.com

 

コロナ禍前の『アナと雪の女王2』が133億だったり、新作でも『ズートピア』が76億や『モアナと伝説の海』が51億だったりしたので、この下がり方は凄い。去年公開されたピクサー映画の『2分の1の魔法』も8億程度なので、この空気を壊すには来年公開予定の『バズ・ライトイヤー』に期待か。

 


www.youtube.com

 

アメリカを中心に海外で大ヒットしているマーベル映画だが、『エターナルズ』12億円『シャン・チー テン・リングスの伝説』9.6億円『ブラック・ウィドウ』9.5億円と相変わらず日本ではアメリカほどヒットしていない。

これからDisney+のドラマ視聴も必要となりそうなので、ますますマーベル映画のハードルが高まるだろう。僕もマーベルドラマの出来の微妙さもあり結構辛くなってきた。

 

マトリックス レザレクションズ』も興行収入で苦戦している。やはりコロナ禍でハリウッドの有名人が日本に来ない→日本のメディアで取り上げる量が減る→認知度が減る→来客に繋がらないという事情はありそう。

 

『ウエスト・サイド・ストーリー』『ナイトメア・アレイ』『最後の決闘裁判』などが興業的に苦戦し、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』『ノー・ウェイ・ホーム』が大ヒットするというヒーロー映画が席巻しているアメリカ映画館とジャンプアニメ映画が席巻している日本映画館状況はよく似ているし、所謂「大人向け」映画は配信中心となる傾向がこれからより高まりそうだ。

 

邦画とアニメ

邦画は色々な意味でオワコンと言われて久しい中、『花束みたいな恋をした』38億1000万円の大ヒットや、『ドライブ・マイ・カー』の海外賞レース席巻など、明るい話題も多い。

『花束みたいな恋をした』は配給が東京テアトルリトルモアと考えると異例と言っていい大ヒット。公開から2カ月以上経っても、トップ10圏内にランクインし続けたロングランヒットだ。ここまでのロングランヒットは鑑賞した後の口コミの熱量で、SNSを中心に次なる観客を連れてくる流れを加速したのだろう。

ちなみに僕は『花束みたいな恋をした』を観ていない。心がチクチクするのに耐えれない心ヨワヨワ社畜なので……。

 

またクレヨンしんちゃん映画も去年の『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』が11億程度だったのに対して 『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』が17億7000万円と、コロナ渦前のほぼ同等に戻った。個人的にもオススメの映画だ。

 

『竜とそばかすの姫』65億3000万円は興行収入が約58億5000万円を記録した『バケモノの子』を超えて、細田監督作品の最高興行収入を更新した。庵野監督も『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で自己新記録。

 

君の名は。』の大ヒット以降オリジナルアニメ映画がよく製作されるが、『アイの歌声を聴かせて』は現在約2億、『サイダーのように言葉が湧き上がる』は推移不明など興行収入面ではなかなか苦戦しているのが多い。

やはり監督のネームバリューと金曜ロードショーなど宣伝面でのプッシュがないと難しい。改めて当時は監督のネームバリューも一般的ではなく宣伝もそこそこだったのに大ヒットした『君の名は。』の異質さが目立つ。

 

 

また、SNSではあらゆる層から嫌われている福田雄一監督の『新解釈・三國志』が去年の『今日から俺は!!劇場版』に続いて大ヒットを飛ばしており、ネットの声と世間との乖離を感じる1年だった。

 

2022年

2022年はスパイダーマン、シン仮面ライダー、シンウルトラマン新海誠最新作、人気の高い警察学校組がメインのコナン映画、そして『呪術廻戦0』

大ヒットが予想される大作映画が続々公開され、今年以上に盛り上がるので楽しみ。

 

誰が読んでるかわからないが、グダグダ感想を書き続けると思うので来年もよろしくお願い致します。

花束みたいな恋をした テーマ