マシュマロでこういうのを頂いた。
恥ずかしながらリアルでもネットでも人間関係が希薄過ぎる人生を送ってきた。
「○○の作品オススメです。観てほしい」みたいなこと他人から言われたの人生振り返ってもほぼほぼ初体験で、軽く感動してしまった訳なのである。
TwitterでくるDMやブロブのコメント欄も大体「おい老害!俺の好きな作品に好き勝手なこと言ってんじゃねー!〇す」とお叱りばかりなので余計に感動してしまう。ネットは人と人とが足を引っ張り、蹴りあう地獄だと思っていたのだ。
僕は『うたの☆プリンスさまっ♪ 』(以下うたプリ)について知らなさすぎるので、軽くwikiで調べた。2010年から続いている伝統のあるコンテンツでアニメだけでも
マジLOVE1000%
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マジLOVE2000%
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マジLOVEレボリューションズ
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マジLOVEレジェンドスター
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マジLOVEキングダム(劇場版)
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マジLOVEスターリッシュツアーズ(劇場版)
滅茶苦茶シリーズ続いとる。怖い。
そういえばニコニコ動画で秋公開のアニメ一覧動画を見ている時にチラッと見たことあったけど、眼球から入った情報は脳みそまで届くことなく消失していた。
うたプリで僕が知っている知識、本編もキャラクターも一切知らない「顔が滅茶苦茶良い男の子達が歌って踊る」ぐらいしかない。
そんな僕がマジLOVEスターリッシュツアーズ観て楽しめるか……と不安になりながら、まぁでもマシュマロには予習なくても楽しめるって書いてあるしな……と劇場に向かったわけですが……
いや、これがねぇ、それはもう楽しめましたよね。
ここから詳細を書いていく。ネタバレありなのでご注意を。
(C) UTA☆PRI-MOVIE ST PROJECT
思い出コロコロ
仕事で重い荷物持ったせいで腰痛が限界で、やっぱり映画観るの中止にするか悩んでいたけど、明日から台風直撃するので今日しかないか~と劇場に向かう。
映画館で席を予約しようとした時に、目に入ったのは「無発声スタイル」の文字。
無発声スタイル。
映画館で声出しOKだった古代時代から変革した現代の新しいstyle。
僕は今までに応援上映形式の映画は2回経験がある。
『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』で初めての応援上映を体験した際、1人の方が最初は元気よく応援していたが、周りは同調して声を出すことは全くなく、どことなく重たい空気のまま進み、元気よく声出してた方も段々と声が小さくなり、最後には自然と無発声スタイルになっていた事を思い出す。人の心が折れていく様を見続けた。
2回目の応援上映は『バーフバリ』
最初は元気よく野次が飛んでいたが、恐らく応援上映回だと知らなかった人が「静かにしてください!!!」とガチギレしたため、その後は死んだ。
思い返すとろくな思い出がねぇ応援上映形式。
不安な気持ちで一杯だった訳だが、時間も遅く無発声スタイルしかその日はやっていなかったため、予約する。
劇場に着くとシアターの中に入らず、扉の前で喋る人の多さに邪魔だなぁと思いつつ、中に入って待っているとほぼ満席になる。うたプリ、お前覇権なのか……?
周りの方々は公式と思わしきライトを点灯済み。最前線に座っている人なんてライトを六刀流で持っている。令和のゾロ×2は映画館にいた。
そして始まる映画。
いきなり本編かと思いきや、
「上映には二種類ある。この回がどちらかわかっているな?」のアナウンスというかセリフでビビる。
映像がパワーポイントで作ったみたいなクオリティなのが気になるけど、通常回と無発声スタイル、2種の上映スタイルの違いについてオープニングで説明してくれるのはありがたい。
「静かにしてください!!!」とガチギレする人防止のためにも応援上映形式の映画はすべてこのオープニングを挿入して欲しいと切実に願う。
そして今度こそ本編。
パイロットの制服を着て飛行場を歩いていく7人の姿。
なるほど!!「うたプリ」はパイロット兼アイドルの男性グループなんだなと即座に理解する僕。リアルだとパイロット資格もったアイドルなんて難しいから2次元の旨味を利用した良い設定だなと膝を打つ。
外へ出るとそこには7機の飛行機。1人1機!?!?!?流石パイロット兼アイドルだねぇ!!!!
そのまま飛行機で飛んできて会場へ。コンサートが始まる。
- 【マジLOVEスターリッシュツアーズ】
何か地球撃たれてなかった?
7台の飛行機から地球に対してビームが放たれ直撃してたように見えたんだけど、なんかそれに対してのコメントあるのかなと思っても何もいない。
仕事で疲れてクタクタの身体のままイケメンを名一杯浴びたせいで限界を超えての幻覚なのかなと自分自身を疑った。家に帰ってyoutubeで予告動画を見かえしてみると
(C) UTA☆PRI-MOVIE ST PROJECT
あー
(C) UTA☆PRI-MOVIE ST PROJECT
普通に地球撃たれてたわ。
我らが蒼き母星を攻撃する演出なんてスパロボでも中々ないよ。
でも僕以外の観客は地球が撃たれた事をスルーしてたし、もしかしたら「うたプリ」では地球破壊は恒例なのかもしれない。調べると歌ってるユニット名も「ST⭐︎RISH」で宇宙に関連しているし、Perfumeが毎回「3人合わせてPerfumeです!」と言うノリで地球破壊しているユニットなのだと僕は覚えた。
MCコーナー
応援上映形式と言えども無発声スタイルなので極力声出し、コールアンドレスポンスをさせないようなMCになっているのかなと思いきや、そんな手加減全くなかったね。
アイドル「俺の名前を言ってくれ~!」
観客「(声は出せないから)」代わりにライトをふる。
みたいな感じで、隣に座っている人の声にならない声が聞こえた感じがした。
全体的にここ声が出せたら気持ち良いだろな~の連続である。気持ちは人形にされたちいかわ達。
ここからソロパート
【OK,HELLO WORLD】
MC終わり、ソロパートのトップバッターは赤髪の子。音也くんと言うらしい。
僕の中では赤髪=シャンクスという図式が成り立つ。顔が良く左腕がないのがシャンクスで顔が良く左腕があるのが音也くん。覚えた。
キャラ的に元気なワンコ系かと思ったけど、ゴリゴリのロックの衣装でロックを歌ってらっしゃる。首元にチョーカーつけてるイケメン、性癖OK。
劇場のライトの色も赤色に変わる。ソロパートだとそのアイドルのイメージカラーに変えて応援するのか~
【Ready to be a Lady】
突如出てくるマネキン。
情熱の国といえばマネキンである。スペインの
そのマネキンに対して凄いクオリティで踊り続け、求愛するイケメン。冷静に考えると異常な画である。
それにしてもこのイケメン、全体的にファンサえぐない!?
こっちは初対面なので特に手振ったりもせず冷静に観ていたのだが「え?!なんか僕と目合ったよ!!!オオーーーン!!!!」となる瞬間あったんだけど!?
いや、他のアイドルも1回は目が合って「オオーーーン!!!!」となったな
【トリッドラブ】
僕の青春時代なら保志総一朗氏が声優やってそうな褐色の男の子。可愛い。
急に始まるアラバスタ編で魅惑のメマーイダンスを見せられる。
可愛らしい振り付けしながら歌っていたはずなのに突然空を飛ぶ。
これが古代エジプトパワーか。
【Snow Ballade】
僕は2次元アイドルに詳しいからこの聖川氏は髪が青系統で赤髪の音也くんのライバル的存在なのが丸わかり。恐らくマジLOVE2000%での追加戦士だった聖川氏は音也くんと子供の頃からのライバル関係で、アイドルになってからは先にユニットで売れ出した音也くんの事を考え過ぎて闇落ちしたこともあったけど、子猫ちゃんたちの声援を聴いて自分を見つめ直し、己を取り戻したまで読めた。ガハハ。それはそれにしてホクロが好き。
【愛をボナペティ】
完全に劇場が幼稚園化。
ペンライトを上上下下グールグル
ペンライトを上上下下グールグル
た、楽しい……。僕はペンライト持参してなかったけど、それとなく腕動かすだけでもたのちい。
まさかおっさんになった年齢でも「はなまるです」と褒められるとは思わなった。
全社畜が泣いた。明日から幼稚園に行き直してもいいですか?
【TRIGGER CHANCE】
これ声優、宮野真守だよね!?
声優に詳しくない僕でも声と表情と画面がうるさくて宮野真守だと分かる。
真のイケメンはシルクハットが似合うと旧約聖書の「ナホム書 第3章 6節」にも書いてある。
腰を回すセクシーさと、ステッキを使ったテクニカルなダンス、そして蠱惑的な歌唱。
語彙ない事しかいえなけど、かっけぇよ。
【未来⭐︎オーライ】
ソロパートの終わり。
中国4000年の歴史でこの子だけライブ中の予算が高そうで不公平だと不満も出そうだけど、他のメンバーも舞台袖から完全に愛しい目で見ていたので問題なさそう。
なんか大爆発が起きたと思ったら龍が動き出して空飛ぶライブとか初めてみたけど、うたプリでは普通らしい。おもしれーアイドル。
それにしてもショタが脇見せながら元気よく動く姿にしか吸収できない栄養素がある。
「世界まるごと、ありがとなーーーーーーーーーー!!!!!」の規模のデカさに負けました。
【UUUU】【SAMURAIZM】
ここでも地球壊れる。
地球が壊れたらハートが出てくる。これこそが愛。これこそがうたプリ。ここまできたら僕も完全に理解した。
MCコーナー
アイドル同士で褒め合いイチャイチャしているのもずっと見せられる。
そしてサプライズ企画。
会場のお客さんが点灯するライトで客席に「ありがとう」の文字が浮かび上がぶ。『トップをねらえ!』のラストを思い出す。
【ST⭐︎RT OURS】
ラストの曲。
何十年経った後も年取ってきちゃったねってジョークを
笑い合い突っ込みあって みんなで歌おうよ?
僕達はずっとずっと この地球-ほし-の中で
春も夏も 秋も冬も君の 側で愛の理由を探すんだ 永遠を誓った強さで
と歌いながら宇宙服っぽい恰好で突然ドームの屋根開く。
屋根の向こう、そこには光り輝く宇宙。
「世界」がテーマのコンサートだったが、彼ら遂に星を超えて宇宙へと。
今まで見てきた過去と、これからの新しい未来。
宇宙(未来)へと進んでいくし歳もとるけど、僕たち7人はこれからも一緒に肩を寄せ合って君と共に生きていく。この世に永遠なんてないけど、想いだけは∞だよって言っているようで好きな歌。
感無量になりながらのエンドロール。
何かイイ感じにコンサートを振り返っているが、最後に
誰?誰?誰?誰?となる新キャラたちの登場で困惑。一体全体おめーさん達だれぇ!?
顔のある女の子実存していい世界観だったんだぁと。
実写版テニスの王子様のラストみたいな感覚になる。
いい映画だった……と劇場を後にしようとすると画面が再び明るくなる。
アンコールである。
これは映画ではなくコンサートなのでもちろんアンコールもある。
関係性を知っているとエモそうなメドレーが始まり、あーアニメみたい気持ちがムクムクと湧いてくると同時にラストで
【マジLOVE1000%】
この歌、知ってる!!!!!君たちの曲だったの!?!?!?
とラストで分かる衝撃。
当時、趣味だけは若かく凝り性だった母親がこの曲が好きで何度も聴いていたのだが、家が狭いから強制的に僕も聴くことなった。僕は母親と仲良くなかったので歌の詳細など聞くことはなかった。
これを聴きながら僕は就職の為の履歴書を書いたり、面接の為に苦手な質疑応答の特訓したり、試験勉強したりしていた。
この曲を聴きながら第一志望の会社からのお祈りメールが届いて泣いたり
この曲を聴きながら念のために受けた会社からの合格の封筒が届いて悩んだり
この曲を聴きながら、今働いている会社の合格メールが届いてガッツポーズしたりした。
そしてこの曲を聴くことなく実家から出て一人暮らしをはじめた。
今ではすっかり社畜になり、蓋をしていた思い出がブワッと脳裏に流れてきて僕は泣いた。涙が突然ボロボロと零れはじめた。
お互い別々の道を進んでいるけど、ここでもう一度人生の交差したんだなって。
スクリーンから「これからもST⭐︎RISHに、ついてきて…くれるかな?」の声が聞こえて
「……うん」って声なき声が出た。
終わりに
僕はうたプリを1ミリも知らないと思ってたし、実際1ミリも知らなかった訳だけど、その歌声は僕の間近にいたのだ。
自分にとっての過去で起きた大事なピースとの突如の出会いに散々泣き、劇場が明るくなった後、満席の女性の中でただ1人のおっさんがぐちょぐちょに泣いているという異様な空間になってしまった。ごめんなさい。
頭の中に爽やかな風吹きながら劇場を後にすると、あんなに痛かった腰痛が治っていることに気づく。
これが上上下下グールグルしたおかげか、散々泣いたおかげかは知らない。
取り敢えず、ペンライト購入してもう1回観たいなとそう思った。
あと、うたプリ入門ってやっぱりゲームから始めた方がいいのかな?