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映画『ミンナのウタ』感想。ファンムービ―かと思いきやホラー映画としてちゃんとしていて嬉しい

Jホラー映画って予算少なめでもそこそこの出来が製作できてそこそこヒットするからホラー映画の擬態型しているアイドル映画が多い。僕たちJホラー映画ファンという生き物はそういう映画を観に行っては蛇口を開けてもピチョピチョ数滴だけ落ちてくる水滴のようなホラー要素を必死に舐めて何とか生命を維持している。

 

この映画『ミンナのウタ』もEXILEや三代目J Soul Brothersに続く、新世代のグループとして2人のボーカルと5人のパフォーマーで構成されるダンス・ボーカルグループとして結成されたGENERATIONSのメンバー全員が本人役で出演という見るからにヤバそうなホラー映画である。

「どうせアイドル映画なんだろうなぁ」と思いつつ数滴落ちてくるかもしれないホラー要素の為に舌を出して舐める準備をする。そして始まる映画。

 

¬::;;ドバァァァァァァアー( ; ›ω‹ )「うぁぁぁぁ蛇口から普通に水が出てきたぁぁぁぁぁ!!お、溺れるぅぅぅぅ!!!」

 

状態である。嬉しい溺れ方。呪怨オマージュに溢れ新しいホラー演出とか斬新さは少なかったけど、実家のような安心感のある怖いホラー映画。

 

ここまで安心できるの、そもそも正直『ミンナのウタ』をまったく期待していなかったからだろう。

なぜならアイドル映画の他に監督が清水崇。『呪怨』で有名で最近では『犬鳴村』など村シリーズもホラーとしては大ヒットしたJホラー界のレジェンドである。

しかし、今年公開され、最近ではウィッグ女装でネット界を騒然とさせている西畑大吾主演の『忌怪島/きかいじま』が酷い出来だったのだ。ホラー映画のハズなのに設定だけやたら複雑で怖さより意味不明さが勝つ変な映画。

 

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他にも酷い映画を量産しており、個人的に9割ぐらいハズレの監督ってイメージだったのも『ミンナのウタ』の期待値を下げていた大きな要因だった。

実際に観て思う。『忌怪島/きかいじま』よりかなり真っ当なホラー映画なのでみんなにオススメ出来ると。特に日本人はジャンプスケア系のホラーが苦手な人が多い印象があるが、安心して欲しい。ジャンプスケアはかなり少ない。じんわり足元にヒタヒタしてくる恐怖系映画である。まさに湿気の多い厭な日本のホラーって感じだ。

ジャンプスケアでいうなら予告という短い時間に流れた『死霊館のシスター 呪いの秘密』の方が多かったぐらいだ。海外の人、本当にああいうホラー好きね。

 

 

GENERATIONSのメンバー全員が本人役で出演しているというファンムービー的な側面は勿論あるが、GENERATIONSのメンバーよりマキタスポーツさんの方が出演時間長い。つまりイケメンより性格も悪い禿げたおっさんを観客は観ることになるのだ。

ただ、性格も悪い禿げたおっさんがGENERATIONSのメンバーを知らないという設定のおかげで僕のようなGENERATIONSファン以外の人間のためなのだろう無理なくメンバー紹介してくれるシーンがあってそこはうまいと思う。

また片寄涼太さんのシャワーシーンなどホラー映画お決りのサービスシーンもちゃんとおさえているのもポイント高い。あと役に立ちそうで絶妙に役に立たない裕太さんとか一人一人がキャラ立ちしてるのも良い。

 

普通のホラー映画なら主人公は無力な少女がなることが多いが、本作では主人公はザ陽キャであるGENERATIONSのメンバーなので、「メンディーぐらい骨格も筋肉も強そうな男が雷を怖がるポメラニアンのようにビビるようならもう無理だよ〜…」感がある、健康優良男子たちが次々やられていくJホラーとして中々珍しい感じも良い。

でも、GENERATIONSのメンバー総出演といいつつ数原龍友は演技シーンでは出てこないので「またしても何も知らない数原さん」でエンドロール企画あって欲しかった。

 

最後に

パンフレット読むとGENERATIONSが今年10周年のようで『ミンナのウタ』共々盛り上がりたいって言っていて、確かにLDH系は僕もハイローで好きになった人間なので、本作きっかけでホラー映画好きがGENERATIONSも好きになって、村シリーズみたいに夏恒例のホラー映画シリーズにまで成長していったら僕としても嬉しい。

さなVS山王連合会とか滅茶苦茶観たいぞ!!!!

という訳でオススメだよ。