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ドラマ『憑きそい』がちゃんと怖くてオススメできるホラー作品

今回紹介するのはFODで絶賛配信中のホラードラマ『憑きそい』(主演・山田真歩)

1話約12分の全9話で映像化されたショートドラマ作品。

FODなんて暗黒大陸での帰還生存者と同じぐらいの人口しか登録してないサービスで配信されてもぉという方にも安心して欲しい。

フジテレビでも8月16日(水)25時25分から地上波(関東ローカル)にて毎週水曜日深夜放送しており、同時にTVerでも配信が開始した。

 

 

ドラマ『憑きそい』は、イラストレーター・占い師の山森めぐみさんが実際に体験したことをInstagramに投稿したホラー漫画が原作で“インスタ最恐”と話題になり書籍化もされた作品だ。

 

 

インスタ最恐って聞くと、「陽キャパリピなギャル系が彼氏の気を引こうと大袈裟に驚いてアピールとして利用する前戯としてのコンテンツだろ」と偏見を持って斜に構えてしまう性格が捻じり曲がった僕。

あらすじを読んでも

霊感が強い主人公の山川めぐみ(山田)は趣味の占いをきっかけに様々な人々と出会い、恐怖体験に巻き込まれていく。

と書いてあってう~ん、ありきたりって思ってしまう。

ただ、見ないで判断するのはよくないとTVerで視聴。

 

怖い。えっコワ……。

 

スカッとした感じではなく、尾を引くタイプの怖さ、これこそがJホラー。具体的に書くと実写版の『ゲゲゲの鬼太郎』とは真逆のようなホラー。

 

『憑きそい』はJホラーあるあるの絶叫が飛び交うわけでもないし、安っぽいCGとふざけたBGM、もはやギャグになっている演出に俳優初経験のアイドルの演技があるわけでもない。普通の日常の中に潜む恐怖が描かれている。貞子のようなキャラクター頼りでもない。リアルな肌触り。僕たちもいつ出会うかも知れない怪異。その恐怖。

確かに、画面が暗めで音量が少し小さいシーンがあるのと、何よりもオバケがガァァァって襲い掛かってくる分かりやすい怖さを仕掛けてくる所はあまりにも古典的でマイナスだけど、それで終わらない厭さがあるのが本作のポイントだろう。じめじめしたホラー。ジャパニーズホラーの良さが全て詰まっている。個人的には3話の終わり方が大好きなのでそこまで見て欲しい。

 

フジは〝ほん怖〟のような幅広い層に受ける笑えるホラーから『憑きそい』のようなニッチでJホラーの原点回帰作品まで幅広いホラー作品を作ってくれて助かる。

 

2022年末のTV番組『このテープもってないですか?』と2023年の『憑きそい』はホラー好きには見逃せない作品になっているので是非見て欲しいし、一時期に比べて地上波でもホラーを真摯に取り扱うようになってきていて嬉しい。映画館で観たホラー作品が怖いよりも地上波で放送されるようなホラーなんて怖くないという偏見がある中で深夜で1人、たまたま地上波で見たホラー作品が怖いって本当にインパクトがあってチビリますからね。その日は寝れない。テレビ局さん、そんな滅茶苦茶怖いホラー作品これからも待ってます。

 

tver.jp