社会の独房から

映画やゲーム、漫画など。

ポケモン映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』感想。オリジナル映画VSコピー映画とそのメタ的手法

いくら名作とは言え何で今更『ミュウツーの逆襲 』を3DCGでリメイクするんだろう。もしや、今度発売されるポケモン新作ゲームのソードシールドから幻ポケモン登場のサプライズでもあるのでは!?もしかしてミュウとミュウツーが戦っている間に割り込んだりするのでは!?と期待しつつ観てみるとまるでそんなことなかった『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』の感想書いていきます。

「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」ミュージックコレクション (通常盤) (特典なし)

 3DCGになって可愛くなったり不気味になったり

本作が一番オリジナルと違うのは3DCGになった所だ。ただ、少し前に『名探偵ピカチュウ』があった所でハードルが上がりまくっているのに正直このグラフィックは辛い。

www.shachikudayo.com

 観て貰えれば分かるが、特に人間が不気味。


【公式】「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」TVCM(60秒)

まるでゲームキューブで発売された『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』の正当進化させた感じであり、『名探偵ピカチュウ』を観なければここまで思わなかったが、もう見ているのでどうしようもない。不気味の谷だ。

あと、今更やるなら完全版をリメイクした方がよくなかったか?という疑問もある。

ただ、ポケモンは可愛く見える所もちょくちょくあって、特にカイリュー好きは大満足出来ると思う。カイリュー可愛いよ。あと、ロケット団のムサシのスタイル良すぎて少しエロいでのそこもお子様には良い刺激かもしれない。

この3DCG路線、『ドラクエ』とか『ルパン三世』などにも続くが、どしてもディズニーとかと比べてしまい、不気味の谷なのが辛い。これからの日本アニメ産業のためには必要な事なのは理解出来るし、今はその成長過程なのも分かるのが、自分の好きな作品が不気味の谷にされるのはダメージがでかい。

幸いな事に3DCG路線は今年だけで来年は今まで通りの作画らしいので助かる。

 

コピー映画をコピーするメタ的要素

オリジナルの『ミュウツーの逆襲 』はコピーされた命のありかが一つのテーマであったが、今作の登場で映画自体にオリジナルとコピーが発生した。

どちらが優れているのか、良いのか。コピーを作ることの意味と罪。それらの作中のテーマ自体がメタ的構造として映画自体にもかかっているのは面白い。

そして生まれてしまったモノは今はもう生きている。どれだけ手抜きだよとかこんなん作るならサンムーンの映画作れよとか原点にして頂点を公式が使うのは寒いぞとか様々な批難に対して

「私は誰だ…
此処は何処だ…
誰が生めと頼んだ!
誰が作ってくれと頼んだ…!」

で論破できるのか強い。

 

最後に

正直、ポケモン映画はここ最近『君にきめた』や『みんなの物語』など面白くてクオリティ高く、挑戦的な物語が連続して出てきたので本作も期待していたので、本当にちょっとガッカリしたというか、わざわざ作った意味が少し分からなかった。

個人的には特典目的でもなければわざわざ映画館で観なくてもツタヤで100円で観れるしそれには『ピカチュウのなつやすみ』も付いてくるよという考えはよぎってしまう。

 

ただまぁ4DXで観るとワクワク出来るし、後、私みたいは独身には関係ないが自分が子供の頃観た『ミュウツーの逆襲 』を今度は自分の子供と一緒に観れる経験が出来るというのも良い思い出になりそうではある(書いていて別の意味で涙出てきた)

あなたも自分の子供と観に行った様子をインスタなどSNSでアップして幸せマウントとっていこうぜ!

「俺はぁぁぁ! ここのぉぉぉ! 王だっ!」映画『Diner ダイナー』感想

「俺はぁぁぁ! ここのぉぉぉ! 王だっ!」

映画館行く度に藤原竜也のこの絶叫を聞かされる日々からようやく解放されました。

結構、映画館行くタイプだったのですが、毎回「俺はぁぁぁ! ここのぉぉぉ! 王だっ!」って聞かされるのも今となっては良い思い出です。

そんな嫌になるほど聞いてたハズなのに最近まで「オーナーだっ!」って言ってるものと認識していました。「王だっ!」だったんですね、勘違いしてすいません。

監督は『さくらん』や『ヘルタースケルター』などで話題になったフォトグラファー出身である蜷川実花さん。原作はホラー小説家・平山夢明の小説です。

この小説をどう二時間に納め、映像化するのだろうかとワクワクと不安が同居していたのですが、実際に観てみるとまぁやっぱり二時間に納めるのは無理!って感じでした。

それでは感想書いていきます。

 

映画『Diner ダイナー』Original Soundtrack

5那由他3兆点のキャラクターとビジュアル

本作の最大の魅力であるキャラクター達を紹介していきます。

ボンベロ藤原竜也

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(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

 

殺し屋専門のダイナー(食堂)に、王のように君臨する孤高のシェフ。

元は凄腕の殺し屋だったが、殺し屋達を束ねる組織のトップ=デルモニコにその料理の腕を見込まれ、殺し屋からは足を洗うことに。

演じるのは映画では必ず絶叫する事でおなじみの藤原竜也さん。

本作では後半、激しい銃撃戦になりますが、そこでまるでジョンマクレーン刑事のような死なない不死身の男だと言うことが判明します。マジで死なない。今撃たれたよね!?ってシーンが3,4回あるがそれでも死なない。主人公補正の塊のような現象は段々笑えてくるので是非見て欲しいです。

 

オオバカナコ玉城ティナ

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(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

 

可愛いは正義

本作の最大の見所は玉城ティナ絶対領域である(断言)

監督も分かっているのかやたら太ももが映るシーンが多い。

原作では20代後半で生き残るための狡猾さも持ち合わせている人物なのですが、ここら辺の人物像が結構アレンジされています。

ただ、玉城ティナは可愛いし可愛い。

冒頭で誰からも必要とされてない、何も出来ないと絶望を噛みしめているオオバカナコに対していやそんな美貌をもっていてその悩みは無理があるやろ!というツッコミが出たりしますが可愛いからOK

途中、オオバカナコの所為で人が死んだりするのに急に前向きな事言い出して演出の奇抜さもあって頭の中に?がでます。

でも、可愛いからOK

玉城ティナファンは観て損はしない映画です。

 

スキン窪田正孝

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(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

 

過去最強に格好いい見た目の窪田正孝

ばりばりジョーカーを意識しているような見た目で、中身も本当にジョーカーだし、窪田正孝で早く和製ジョーカーの映画作って欲しいですね。

また、原作のスキンをそのまま3次元に落とし込んだような存在感も素晴らしく、何より内なるトラウマを抱えている人間を演じるのが本当に巧いです。

そしてあることで一気に狂気を爆発させるシーンも、ギャップの嵐で素晴らしい。

 

キッド本郷奏多

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(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

 

ここまでの悪ガキを演じられるのは寺田心本郷奏多しかいない

途中、あまりにも上手い藤原竜也のモノマネ聞いてびっくりしたけど、流石に本人が声だした訳じゃないよね?調べたけど情報がどこにも出てこなかった。。。

一見幼い子供のような可愛らしい姿をしていますが、それは仕事(=殺し)のために全身整形やホルモン注射を施し、骨格にまで手を加えた結果らしい。ここまでの子供を演じられる本郷奏多が怖い。彼のこれから悪役を極めて欲しい。

 

無礼図真矢みき

恐らく本作で一番美味しい役所だと思います。

 

他にも土屋アンナ小栗旬など滅茶苦茶魅力的なのに出てきては直ぐ死んでしまうというキャラの大渋滞を起こしており、藤原竜也玉城ティナ以外の推し目的で観に行く人はここで退場か~とショック受けるかもしれないので注意が必要ですね。

 

0点なアクションと演出

令和にもなってマトリックスリスペクトなアクションシーンを真顔でやるとは思わなかったわ!

アクションシーンが意外と少ないのですが、その分最終局面で激しいアクションシーンがあります。ただ、まー全体的に見辛いし、アレです。横っ飛びしながらの銃撃で目の前の相手に一撃も当たらないの逆に凄いです。背後で流れるBGMのチョイスも相まって段々と笑えてきます。

演出も冒頭からオオバカナコの独白から始まるのですが、街の中でたたずむのオオバカナコの周りをサラリーマンたちが歩きます。そこで急にサラリーマンがストップしてビックリすると前のめりで一回のけぞって反動付けて再び歩くという演出。

また、オオバカナコの過去振り返るシーンでは演劇のような演出も多様されます。全体的にくどい。本当にくどい。恐らく好きな人は好きそうだけど、私はあんまりでした。

監督が織りなす一枚画の素晴らしさに動きがついていけていない感じがします。

ただ本当に一枚の画は美しく格好良いのが多いので、漫画の『BLEACH』的かもしれません。

 

極限な状況での愛

ここからネタバレあります。ご注意お願いします。

 

本作のストーリーの根幹にはオオバカナコの人生見つめ直しの他にボンベロとの愛があります。

ボンベロの彼女に対する接し方は、奴隷でも扱うかのようなものであり、2人の間にあったのは完全なる主従関係でした。

しかし、極限の状態で料理を通して少しずつ自分の居場所を、自分のやりたい事に気づき始めたオオバカナコはただの奴隷ではなく、自分の意思で働くようになっていきます。そんな意思を見たボンベロも彼女を認め出します。

そして最後にそんな絶体絶命な時に料理教えてるの!?というシリアスな笑いを通して料理の仕方を伝授し、ボンベロはオオバカナコを解放し、オオバカナコは結果的に自分の意思でダイナーを離れます。また、再会する事を祈りながら。

原作のラストではカナコとボンベロの再会を描くことはないんですが、映画版では明確に2人の再会を描いています。

原作の『Diner ダイナー』という作品では2人がお互いに好意を寄せていることを視覚的に仄めかす描写はありませんでした。でもだからこそ読者は全体から二人の関係を読み解く事が出来ます。ただ、映画ではキスします。100%の恋愛です。

ここら辺は人によっては解釈違いが凄くて、拒絶する人も出てくるかも知れません。

この映画を一番見てはいけない層は原作好きな気がします。

ただ、最後の再会がメキシコの死者祭(死者が蘇る日)での出来事みたいなのであのボンベロは幻想といった解釈も出来ると思います。それならどう考えても死んだハズの犬の菊千代が生きていたように見えるのも納得出来ます。

 

最後に

殺し屋の話なのに意外とグロテスクな描写も少ないのでお子様でも安心して見れると思います(責任はとらない)

脚本的にも演出的にもかなりアレな内容だったんですが、何とか映画として楽しめる事が出来たのはキャスト陣の熱演と魅力のおかげだと思います。彼らは本当に凄かった。

 

最後に一言言って終わります。

きゅうり一本挟まったあのハンバーガー一体何!?

 

ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)

 

無能イケメン筋肉とエイリアンの化学反応。映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』感想

「知ってる? スティーヴン・スピルバーグシルヴェスター・スタローンデニス・ロッドマンもみんな地球人じゃなくエイリアンらしいよ」

そんな無茶苦茶で愛おしい世界観の構築に成功し、大ヒットシリーズとなった『メン・イン・ブラック』シリーズ。

私も子供の頃に映画館で観てドハマリしたし、友達や先生が実はエイリアンなのではと疑い、油断すると食べられるのではと独り泣き叫んだ思い出がある。

そんな子供心に暗い闇を与えたと同時に黒いサングラスとブラックスーツに身を包み、地球上に生息するエイリアンによる犯罪や侵略行為を監視、取り締まりを任務にし、最先端なテクノロジーを駆使する最高機密機関「メン・イン・ブラック」(MIB)の格好良さに酔いしれた。憧れた。

 

そんなシリーズ最新作『メン・イン・ブラック:インターナショナル』の感想をネタバレ全開で書いていく。

ポスター/スチール写真 A4 パターン12 メン・イン・ブラック インターナショナル 光沢プリント

 

クリス・ヘムズワースの残念イケメン筋肉無能先輩

今作の主人公の一人エージェントHを演じるクリス・ヘムズワース

アベンジャーズ』シリーズでソーという「イケメン筋肉王子様」を演じたり、リメイク版『ゴーストバスターズ』で「頭のネジを吹っ飛んだ残念イケメン筋肉」を演じたりしてきたが、本作ではエージェントHという「残念イケメン無能先輩」を演じる。

予告を見る限りでは新人エージェントであるMの頼れる先輩役なのかなと思っていたら裏切られる。確かに頼れる一面もあるが、それ以上に無能な側面だったり、失敗などを繰り返してダメだなコイツ感を惜しみなく出してくる。

序盤で「エージェントHが変わったから信用するな」という発言がある。普通に考えて、何かしらエージェントHにトラウマ的な事が起こったのか、それとも実は中身は宇宙人になってしまったのか、実は悪い奴なのかなど色々考えるが、最後ら辺になるとこいつタダの馬鹿で無能だから裏切る事ねーわという謎の安心感が出てくる。

恐らく「エージェントHが変わったから信用するな」というのはエージェントHが記憶を上書きされ偽りの英雄になっているのが起因していると思われるが、まぁわかり辛い。

そして本作ではそんな作られた英雄だったエージェントHが真の英雄になるまでの物語とも言える(でも彼がトップになったロンドン支社の未来が心配)

 

出来る女テッサ・トンプソン

本作のもう一人の主人公エージェントMを演じるテッサ・トンプソン

子供の頃にエイリアンと出会い、MIBという組織を知った彼女は、妄想癖があると他人に笑われながらもMIBに憧れ、MIBに入るために有能でありながらも一般的な幸せに見向きもせず、みじめと言われる生活をしている。

子供の頃、『メン・イン・ブラック』シリーズを観た人は1度はMIBに憧れる。ただ、普通の人はMIBになるという夢を諦めて現実というツマラナイモノに囚われる。

ただ、彼女は違う。諦めずMIBの一員になったのだ。この時点で私たちの夢を具現化してくれた彼女は100点満点の造形である。

そして、MIBの新人という事で本作の世界観を視聴者に説明する舞台装置でもあるが、エイリアンや、未知のテクノロジーを観ても、困惑より楽しさ、夢が叶った事への嬉しさから出てくる表情が今までのシリーズと違って新鮮である。

 

伝説の英雄、エージェントHとコンビになるが、「あれっこのエージェントHって実は無能じゃね」という真相が段々と分かっていき、態度が変わっていくのも楽しい。ソー無能なのである。

そして中盤、子供の頃にあったエイリアンが成長して出てくるが、正直、ここでその伏線つかうの!?という困惑が強かった。まさか、一番最初に出てきてどう考えても再登場あるなと思っていたエイリアンの伏線をこんな使い方するとは思わなかった。しかも出番もこれだけだし。一体何なんだ。普通、序盤で出てくる伏線って最後に回収するのがお決まりじゃなかったのか(確かに最序盤の伏線は最後に回収されたけど!)

まぁ、私が重要な伏線だと思っていたのは、ただ彼女がMIBに興味持たせるための展開であって、あのエイリアンは一種のおまけだったのだなと思う。彼女は子供の頃にエイリアンにあったお陰で、エイリアンに対して好意的になっているし、あの兵士のエイリアンを仲間にするのもそういう積み重ねのお陰だと思うと悪くはない。

 

恐らく彼女は最終的にエージェントHより立場は上になるんだとなという事は容易に想像出来る。

 

最後に

本作は正気、盛り上がるシーンも少なくて、評論家の評価が低いのもよく分かるし、かといって今までのシリーズファンが好きになる奴かと言えば、そういう訳でもない。

最後に裏切り者が判明するが、あまりにも分かり易過ぎて、笑ってしまう。「そうだろーな」という反応してしまうし、意外性も少ない。100人いたら1000人当てれると思う。そして最大の不満は1のビー玉や、2のロッカーのような壮大すぎる宇宙空間映像が最後になかった事。これは頑張って入れて欲しかった。

 

ただ、クリス・ヘムズワースの魅力は十二分に発揮されているし、テッサ・トンプソンも良い。

ソーとヴァルキリーとは違う二人の関係性、段々とエージェントHが無能だとわかり、エージェントMがまるで先輩かのように見えてくるのも面白い。しかし、やはり、面白い面白くない以前に全体的に無味無臭過ぎて、3日ぐらいで内容忘れてそうなニューラライザー型映画だという事は否定出来ない。

 

最後に、一言だけ言わせてくれないか。

 

 ドナルド・グローヴァーが実はエイリアンだったっていう人選渋すぎないか

死ぬ前にゴジラに踏まれたい。映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』感想。怪獣賛歌と狂人ドラマ

私が映画館で初めて観た映画は『ゴジラVSキングギドラ』だった。

それ以来、私は平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)と共に育ったと言っても過言ではない。

そんな私はゴジラに憧れ、「ぎゃおぉーーん、ぐぁおん!」と文字にするのが非常に難しいゴジラの鳴き真似して友達に引かれたり、夏休みの自由研究でゴジラの妄想生態本を書いて先生に引かれたりした子供時代だった。

 

私のピカピカしたゴジラへの情熱もVSシリーズが終わり、また私が大人になるにつれ冷めていった。ただ、2016年公開の『シンゴジラ』で再び体が滾り、そして本作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で完全にバーニングした。これは、この作品は私たちVS世代への同窓会でありながら、日本のゴジラが世界のGODZILLAとして羽ばたいた記念すべき怪獣賛歌であるからだ。この映画の感想をネタバレ全開で書いていく。

映画 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ポスター 2019 キング オブ モンスターズ カイル チャンドラー ヴェラ ファーミガ ミリー ボビー ブラウン 渡辺謙

狂オタク、ドハティ監督によるオマージュの数々

幼いころからゴジラオタクだったと公言しているドハティ監督。

この映画を観ればわかるが、恐ろしくなるほどの怪獣愛に満ち溢れている。

そもそも狂っていないとゴ!ジ!ラ!!!!ソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャ!!!!みたいなBGM絶対に採用しない。

そんな本作ではすざましい程のオマージュがある。私が確認出来ただけでも

などなどである。恐らくもっと多いと思われる。これを一作にまとめたドハティ監督が恐ろしい。そんな拘りはエンドロールにも現れている

Godzilla:himself
Ghidorah: himself
Mothra:herself
Rodan: himself

こんな描き方するエンドロール観たことない!

次回作から何をするんだという戸惑いすらある。ありがとうドハティ監督

 

作品の主役、怪獣達の活躍記録

ラドン

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火山からカッコよく復活、風圧で避難民や街を吹き飛ばす

そしてそのまま戦闘機を圧倒しイキり散らす

ギドラと激突するも敗退、ギドラの舎弟になる。

ギドラが王だとラドンもそうだそうだと言ってます。

ゴジラと共闘しようとするモスラを妨害するが敗退

ギドラを倒したゴジラの前にひれ伏しゴジラの舎弟になる
ゴジラが王だとラドンもそうだと言ってます。
と人間味あふれる怪獣で笑った。今作の癒し。

モスラ

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「怪獣の女王」ことモスラの見た目は「バドラ」が合わさったような見た目になっており、格好良く、今作のヒロインでもある。

出番こそ少ないもののあまりにも神々しい姿はインパクトの塊である。成虫になった姿を観た瞬間から(まぁ綺麗……きっと人類の味方だな……)みたいな顔に全員がなってるモナークの科学者集団は洗脳でも受けているのかと疑問に思ったが、まぁ彼らは狂人集団なので。

作中でゴジラを庇って死んでしまったが、エンディング中に謎の卵発見というワードがあったので復活する可能性大ありである、私は映画『モスラ』シリーズも思い入れが強いので単独作品作って欲しい。

ギドラ

映画ポスター ゴジラ キングオブモンスターズ Godzilla King of the Monsters キングギドラ US版 hi2 [並行輸入品]

ゴジラの宿敵でありながら0勝8敗中のギドラである。詳しくは以前書いた記事である

www.shachikudayo.com

に書いているが、本作でも負けたので0勝9敗に更新である。

ただ、本作のギドラは非常に格好いい。

まさしく「キング」ギドラである。そして宇宙からの怪獣、つまり地球においては偽りの王というロジック。本物の地球の王、「怪獣王」ゴジラと「キング」ギドラの対決。

これこそが僕らが観たかった怪獣同士の戦いだという想いに浸れる、最高。

そして他の首がモスラの糸にかかると心配して助けようとするギドラ可愛い。

次回作ではメカキングギドラとしてゴジラとコング、共通の敵になる可能性がある。

ゴジラ

今作のゴジラさんは人間によって復活された宿敵ギドラを倒そうと頑張るもその最中に人間達にオキシジェンデストロイヤーを撃たれて死にかけ、休憩しているとまたしても人間がやってきて核撃たれて無理矢理復活(人間で言う所のエナジードリンクを無理矢理一気飲みさせられた感じか?)

それでも人間を襲わないというあまりにも慈悲の心に溢れている本作のゴジラ。そのままギドラを倒し、他の怪獣達にも舎弟にする。まるで番長である、怪獣番長の誕生である。

というか本作、地球で番長しているゴジラ兄貴と荒らしに来たギドラ、気が強い幼馴染のモスラ、子分を生業とするラドンと、完全にヤンキー漫画である。

次回作でコングとゴジラが戦うらしいが、恐らく私の読みでは、地球という学校の番長をしているゴジラに新参者のコングが挑む構図になると思う。

コングが世界各国の怪獣番長を倒し、成長しながら仲間を増やし、そしてゴジラ軍団に立ち向かう不良漫画的、即ち『クローズZERO』(小栗旬さんも出るらしいし)展開になるのかもしれない(ならない)

 

エンドロールで顕著だが、ゴジラが通った後には自然が回復し、絶滅動物ですら復活する、もはや地球の正義の使者であるゴジラが人間と争う話を作るのは中々難しいのではないか。続編が気になる。

 

狂人ドラマと芹沢博士と価値観の多様性

本作は公開される前、人間ドラマが薄いという批評がネットでバズっていた。

実際に観てみると確かに人間ドラマは薄い。なぜなら出てくる人間誰も彼も頭がおかしい奴ばかりだからである。

前作のギャレス・エドワーズによる『GODZILLA』、通称ギャレゴジにてゴジラが大好きで、意地でも「ガッズィーラ」ではなく「ゴジラ」と発音する劇中唯一の日本人にしてゴジラ界のレジェンド、芹沢の名前を継ぐ男を演じた渡辺謙が今作ではまだまともという事がわかる。

それほど、キャラが濃い奴らに囲まれているが、本作ではそんな渡辺謙がある意味主役である。

渡辺謙と言えば、ハリウッドで活躍する数少ない日本人だが、『バットマン ビギンズ』で敵のボスと思いきや、影武者で出番少なくすぐ退場が代表例のようにイマイチ活躍が少なかったが(それでも本当に凄い)今作では人間側の主役的立ち位置の一人で、初代ゴジラのように芹沢博士として人類を救うべく、命を捨てて兵器を利用する。

ただ、初代ゴジラと決定的に違うのは初代ゴジラではゴジラを倒す為に兵器を利用したが、本作ではゴジラを復活するために兵器を利用している。

そして兵器とは核である。

日本のゴジラ観は今まで、戦争や原水爆、環境破壊に対する「人間がやってはいけない事をした罰の具現化」であり、人がやってきた事の後ろめたさの表れだったが、本作では違う。怪獣とは人間ではどう足掻いてもどうする事出来ない存在「神」として描かれている。それはCMでもあった「我々がゴジラのペットになるのだ」という台詞に象徴されている。

その違いは日本とハリウッドの価値観の違いだと思う。私も日本のそういう価値観が好きだが、ゴジラは日本だけに留まらず、海外に進出し、日本以外の様々な価値観と身につけていった。その結果が本作のゴジラ観であり、そんなゴジラだらかこそ日本だけではなく世界中で愛されるようになっていくのだと思う。そんな変化に少しの寂しさもありながら、子供の頃大好きだったあのゴジラがこの先、どれほどの化け物コンテンツとして育っていき、世界中の子供達に愛されるようになるのかそんな事を考えるだけも非常にワクワクする。

 あと、あの環境テロリスト集団、お前はもう用済みだ宣言の後にそのまま帰宅を許してくれる組織初めて見た。車も貸してくれるし優しさの塊。恐らく本作で一番話がわかる連中だと思う。これからも出番がありそうなので楽しみである。

最後に

今作では非常に強いテーマ性がある。

それは「愛」とか「人生」とかそうしうモノではない。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のテーマ、それはただ一つ

ゴジラとは怪獣王」という事だけである。それが熱烈に私たちに伝わり、見終わった後、ゴ!ジ!ラ!!!!ソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャソリャ!!!!というBGMが頭から離れないようになる。まるで宗教映画である(ではない)

本作は非常に面白い作品ではるが、ただ一つ難点があるとすれば劇場を出た後どうしてこの世界ではゴジラやギドラやモスラや謎のマンモスが暴れていないのだろうと怪獣が一切いない街並みにただただ涙を流すしかない所であり、再び怪獣達が暴れるこの映画を観たくなる所である。怪獣中毒である。

 

私はこの映画を観て、ある夢が出来た。

それは死ぬときはゴジラに踏まれて死にたいという事だ。

私はどうしようもない人間だが、死ぬときぐらい自分で死に方を選ばせて欲しいし、私が死ぬときはゴジラに踏まれた時だ。絶対にゴジラのあの重さで踏まれて地面に挟まったら気持ち良く死ねると思う。だからどっかの強国が気が狂ったように水爆実験しまくってゴジラを起こしてくる事を期待しつつ今日も明日も会社に行こう。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(字幕版)

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(字幕版)

  • 発売日: 2019/11/19
  • メディア: Prime Video
 

 

映画『貞子』感想。日本が誇るホラーアイコンの終わりと棒読みババァ

1998年、邦画界においてホラージャンルに新たなムーブメントを巻き起こす作品が現れた。日本の原点たる怪談にも似たテイストを備えながら、ジメジメと陰湿で寄り添うような恐怖が日本中へとヒットの輪が広がった、中田秀夫監督の『リング』だ。

“見た者は1週間以内に死ぬ”という都市伝説的な「呪いのビデオ」を軸に置き、その謎を解くべく奔走する1組の男女を描いた『リング』は、ジャパニーズ・ホラー=Jホラーという新たな潮流を生み出した。

そこから20年、貞子はJホラーのシンボル的存在になり、作中ではハリウッドに海外遠征に行ったり、時代の変化と共にビデオテープという手段からインターネット動画へと変わったり、見た目がカマドウマみたいになったり伽椰子とタイマンしたり、合体したりした。

また作外では野球の始球式に出たり

nlab.itmedia.co.jp

 政見放送をしたり


「貞子vs伽椰子」総選恐 貞子 政見放送

とにかくネタ化が止まらなく、怖いというよりふなっしー的面白ユルキャラ化しているのは否定出来ない。

そんな貞子がシリーズの原点である中田監督と再びタッグを組んだのが今回感想を書く映画『貞子』である。

貞子 (角川ホラー文庫)

怖くはない

本作は正直全く怖くはない。

蒙古タンメン中本のような辛いカップ麺を期待したら、カップヌードルカレー味を出されたような刺激の物足りなさと怖さである。

最近ではホラーもどんどん過激になっており、海外ではスプラッター要素や、死霊館シリーズのようなポルターガイスト。日本でも白石 晃士監督演出のホラーなどが人気を上げており、1998年から変わらないホラー演出は鮮度が大分しんどい時代になってきているとも思う。

そもそも貞子の怖さの一つにそのビデオを見ると1週間以内に死ぬなどの「死に至るまでのルール」がきちんとあって、そこまでの心理戦などが楽しい要素でもあったのに、本作では霊能力が強い女の子が、母親(霊能力者)から名前も付けられずに育てられて、お前は貞子の生まれ変わりだからっていう理由で家に火をつけて殺そうとした所に突然貞子が現れ、母親は殺されるというルール無視の貞子大暴れからこの作品は始まる。

そして予告でもあった「撮ったら、呪われる」というフレーズ。

動画を撮った人より、動画を撮ってない人の方が被害者が多いという矛盾。

そもそも動画を撮るという縛りが厳しすぎて全然発動出来てないのでこれは完全に貞子の制約と誓約の選択ミス感が凄い。

個人的には最近社会問題になっている事故現場などを撮影してSNSで拡散してしまう民衆の問題などに切り込む内容なのかなと思ったのだが全くそんな内容でもなかった。

というより、本作は『貞子』っていうタイトルなのに別に貞子は本筋とはあんまり関係ないというか、無理矢理出番を作らされたような違和感が凄くて、正直貞子抜きにした方が綺麗に収まった疑惑がありありです。タイトルは『池田エライザ』の方が良かった。

 

また、ストーリーも霊能力が強い女の子は一体なんだったのか。youtubeにちょくちょく出てくる髑髏の映像は何を意味していたのか。何も分からない。

分かったことは貞子は子供の頃虐待を受けたり捨てられたりした人間が好物という貞子最低やなっていう事だけ。

正直ここまでユルキャラとなってしまった貞子でホラーは限界な気もする。そういう意味ではあんなに叩かれたカマドウマもどうにか貞子を恐怖アイコンに再びするために試行錯誤の上の迷走したのかも。

 

1時間半の池田エコイザのイメージビデオ

本作の一番の見所は池田エライザである。

監督もわかっているのか1時間半、ほぼ出ずっぱりである。

そして偶然、池田エライザは作中ほとんど縦セーターを着ている。不可抗力で乳を見てしまう。1時間半池田エライザに目が釘付けである。これは池田デカイザ。縦セーターのせいか完全に乳デカイザになっている(書いていて自己嫌悪になる)

f:id:Shachiku:20200726171801j:plain(C)2019「貞子」製作委員会

後、ラストシーンで貞子と目の大きさ対決をするのでそこも見所。

とにかく池田エライザ好きと巨乳好きと白衣好きと佐藤仁美の変顔好きなら観ても損はしない。ホラー好きには全くオススメできない。残念だ。

f:id:Shachiku:20200726171826j:plain(C)2019「貞子」製作委員会

 

最後になったが、今回一番ビックリしたのは、どう考えても只者ではない見た目と深いバックボーンがありそうな雰囲気百点満点の老婆による作中一番の圧倒的棒演技でした。「まじかよ、ばばぁ」って三回ぐらい口から漏れました。そこはインパクトが強いのでそこだけでも観て欲しいです。最後まで読んで頂きありがとうございました。

f:id:Shachiku:20200726171855j:plain (C)2019「貞子」製作委員会

貞子vs伽椰子

貞子vs伽椰子

 
リング

リング

 

 

ゴジラの永遠の好敵手、キングギドラの歴史と戦績を振り返る

キングギドラ、それはゴジラの永遠のライバルにして、金星にあった高度な文明を3日間で滅ぼす程の宇宙怪獣だったり、メカ化したり、高次元怪獣になったり、様々な変化を伴いながらゴジラを苦しめてきた最大の敵とも言える。ゴジラのライバルと言えばギドラというファンの人も多いだろう。

 

今回はそんなゴジラとギドラとの戦いの歴史を振り返りながら、VSゴジラ戦でのギドラの戦績を確認していきたいと思う。

 『三大怪獣 地球最大の決戦

三大怪獣 地球最大の決戦

通称「金星の業火」と呼ばれたキングギドラの初登場作品。

かつて金星にあった高度な文明を3日間で滅ぼしたという前評判から期待値は大きく実際、引力光線を吐いて暴れ回わったり、巨大な翼からの突風で、東京を壊滅に追い込んだりしたが、その強さ故に、ゴジラモスララドンの三大怪獣と戦う事になり、ゴジラが引きつけているあいだに背後からラドンに乗ったモスラによって大量の糸を吐きかけられ、動けなくなったところをゴジラに岩石をしつこくぶつけられて戦意を喪失し、おめおめと宇宙へ逃げ帰ると言うちょっと可哀相な退場の仕方をする。

戦績 敗北 

 『怪獣大戦争

怪獣大戦争

ゴジラキングギドラが一緒に仲良く街を破壊するという珍しい光景が見られる本作。

X星人に「怪物0」と呼ばれて操られる(以後ギドラは自分の意志ではなく異星人に操られて登場するという可哀相な立場が多くなる)、X星に連れて来られたゴジララドンと戦うが、撃退されて敗走する。

しかしそれはX星人の罠でゴジララドンも洗脳されギドラと一緒に地球を攻撃。

地球人は反撃でX星人が全滅したため洗脳が解け、もはや戦う必要もないものの『スクライド』におけるカズマと劉鳳のように再びゴジラ(それとラドン)と戦う。最後はゴジララドンの言葉通りの特攻を受けて崖から海中へ落下して敗北し、ふたたび宇宙へ逃げ帰る。

戦績 敗北

 

怪獣総進撃

怪獣総進撃

キラアク星人の切り札として登場し、「地球の怪獣では歯が立ちません」とキラアク星人が豪語する通り、凄まじいパワーや引力光線で地球怪獣達を圧倒するらしいが、相手がミニラ、ゴジラモスラアンギラス、マンダ、バラゴン、ゴロザウルス、クモンガ、ラドン、バドンと10体という大怪獣群のため多勢に無勢。一応、実際に活躍する怪獣は一部だがあまりにもフルボッコで可哀相な戦いをさせられる。ほとんどイジメである。

最初こそ善戦するが、ゴロザウルスにカンガルーキックで倒されたあと、目を覆うような壮絶な猛攻撃を食らい、ついに死亡した。キングギドラの首から流れる血が生々しい。 

戦績 敗北

 

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン

ここから関連書籍などでは「二代目キングギドラ」と紹介されている。

M宇宙ハンター星雲人に操られてガイガンとともにゴジラアンギラスと戦い、あと一歩まで追いつめるが、乱戦の最中、自分に突っ込んだガイガンに引力光線を当てたことから、仲間割れになる。その隙を突いたゴジラアンギラスの連携に加え、地球人によってM宇宙ハンター星雲人の司令塔が爆破されてコントロールを失ったことにより、ガイガンとともに宇宙へ敗退する。

戦績 敗北

 

ゴジラvsキングギドラ

ゴジラVSキングギドラ

ここから平成シリーズ。

『VSビオランテ』がG細胞の扱いや、自衛隊の戦術など平成シリーズでも屈指のストーリーラインだったが、本作では未来人による歴史改変モノで中々フラフラしている描写も多い。

ちなみにスピルバーグの祖先だと思われる人や、どう見ても『ターミネーター』に影響されているアンドロイドなど、観ていてニヤニヤも出来るおまけが多いのも特徴。

未来人が連れてきた3匹の怪獣が、マーシャル諸島ビキニ環礁核実験の放射能の影響により合体、巨大化・凶暴化してキングギドラが誕生した。未来人の特殊音波によって操られており、引力光線を吐いて暴れまくっていた所、北海道に上陸したゴジラと対峙する。

最初は空中からのキックなどでゴジラとの戦いを優位に進めるが、未来人のコントロールが失われたことで形勢が逆転し、尾をつかまれ何度も地面に叩きつけられる。その後も長い首を使って締め上げるも、熱線で中央の首をはね飛ばされる。ゴジラが未来人の母船を破壊した隙に逃走を図るが、熱線で翼を貫かれ、海へ沈む。

戦績 敗北

これで終わりかと思いきや、212年間仮死状態で存命していたキングギドラを地球連邦機関が回収し、23世紀の技術で改造しメカキングギドラとして復活。

ただ、キングギドラ自体に意思が残っている訳ではなく、エミーという未来人のパイロットが操縦している。ゴジラと現代の東京で戦うが、反撃され翼を損傷し墜落。遠隔操作ではなくガンダム形式の操縦のため中にいるパイロットのエミーが気絶するなど苦戦するものの、ゴジラをマシンハンドで拘束。どこかへ運び去ろうとするが、暴れるゴジラから至近距離で熱線を浴びてついに海に墜落し、一緒に仲良く小笠原海溝に沈む。エミーはKIDSで脱出し、23世紀へと帰る。メカになってもゴジラには勝てない。

ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

本作では、日本の自然の守り神・護国三聖獣の一体「天の神・魏怒羅」として登場。

今までは数的不利な状況が多かったが、本作ではモスラと共闘でゴジラと戦うものの、不完全な状況で目が覚めたため、ゴジラに投げられてあえなく気絶し、結果としてモスラに孤軍奮闘を強いることになる。

その後、ギドラをかばってゴジラに敗れたモスラのエネルギーを吸収し『千年竜王キングギドラとして目覚める。ゴジラと海中で戦ったあとに浮上し、追ってきたゴジラに引力光線で攻撃するが、ゴジラはこの光線をも吸収したうえに熱線と合わせて放射し、これを至近距離で食らったキングギドラは死亡。その直後、護国三聖獣の霊魂の状態となり、ゴジラに憑依している怨念を浄化することに成功する。個人的にシリーズで一番格好いいキングギドラが観られる。ほとんど主役。

 

戦績 敗北 

 

ゴジラ FINAL WARS

ゴジラ FINAL WARS

一応、今作にキングギドラが登場する事は徹底的に伏せられていたが、モンスターXが露骨に3つ首だったため、一部のファンからは絶対キングギドラが登場あるわと言われていた(そして実際に登場した)

懐かしのX星人が再登場。今までは操っている星人がやられると露骨に弱体していたキングギドラだが、本作では統制官が倒され、X星人が全滅すると同時にモンスターXはカイザーギドラに変身。「超ドラゴン宇宙怪獣」の誕生である。

カイザーギドラはゴジラからの放射熱線によって中央の首を吹き飛ばされたあと、左側の首が放った光線を右側の首を盾にされて誤爆し、右側の首も失う。その後は何度も一本背負いを浴びせられて動かなくなったところを空中に投げ上げられ、熱線によって宇宙空間まで吹き飛ばされた結果、死亡する。

 

戦績 敗北

 

GODZILLA 星を喰う者』

live and die(アニメ盤)/アニメーション映画『GODZILLA 星を喰う者』主題歌

 

アニメーション映画『GODZILLA』シリーズの完結編に登場。

前作のメカゴジラが出番あるある詐欺だったため、本作もキングギドラの登場があるのか危ぶまれたが、実際にはバリバリ活躍した。異星人エクシフが「金色の王」「黄金の虚無」と称する黄金の怪獣にしてエクシフの信仰で語られる「宇宙知性」「既存の宇宙を超えた高次の領域へと至る門」と同一の存在。次元の狭間に生息する高次元エネルギー体であり、出現するだけでブラックホールが形成されるほどの重力制御能力を有している。また、この宇宙とは物理法則そのものが異なる別次元の存在であるが故に、人間の五感では認識できるがコンピューターなどの電子機器ではその存在を検知することは出来ず、干渉などをすることもできない。まさしく高次元怪獣の名に負けないチート的存在である。ゴジラ・アースとの戦いでは別次元の法則による優位性によって、ゴジラ・アースの一切の干渉を受けつけずにゴジラ・アースの実在を自身の次元法則で侵食して喰らい尽くそうとする(文章にするともの凄い事のように見えるが、実際の映像では正直甘噛みしているようにしか見えない)

主人公のハルオにより観測役だったメトフィエスが右目に埋め込んでいた観測装置を破壊されたことでゴジラ・アースがいる地球次元側へ引き込まれてしまい、ゴジラ・アースにボコボコにされた後ブラックホールを熱線で破壊され、撃退された。

 

戦績 敗北

 

 

結果

戦績0勝8敗

モスラメカゴジラと違い、あまりにも強い宇宙最強怪獣故、ゴジラがギドラに敗北するとそれは地球の敗北を意味する事が多いため、メタ的に見てギドラは永遠にゴジラに勝てない気がしてしまう。強すぎるのがいけない。

また、ギドラが登場する作品は宇宙人や未来人がセットになっている事が多いため、ストーリーラインがフワフワしている事が非常に多い。癖が強い。

そんな懸念材料もあるが、5月31日に公開される『ゴジラキングオブモンスターズ』ではどのような活躍をするのか、遂にギドラはゴジラを倒す事が出来るのか。

注目して見て欲しい。

 

GODZILLA ゴジラ(吹替版)

GODZILLA ゴジラ(吹替版)

 

【ドラマ版スカッとジャパン】映画『コンフィデンスマンjp』感想【ネタバレなし】

映画観客上級者である私は予告で長澤まさみさんが「みんなまんまと騙されたでしょ~」と思いっきり笑顔で言ってるもんだから観る前からこれ敵の思惑通りに見えて実は最後の最後に長澤まさみさんがすべて私の計画通り~と言ってどんでん返しがあるんだろうな~という所まで完全に読めた映画『コンフィデンスマンjp』


『コンフィデンスマンJP ーロマンス編ー』 予告②【5月17日(金)公開】

 

大筋で言えばそんな大どんでん返しの作品だった訳だが、そもそもこの映画をやる前のドラマシリーズからそんな大どんでん返しを繰り返しだったため、観客も大どんでん返しがあることは分かっていて観に行っているし、最後に大どんでん返しがあることが分かっているからこそ途中の鬱やしんどい展開も受け入れられる構造はまるで、フジテレビで大人気の番組『スカッとジャパン』のようです。そう最後にあるだろう「スカッと」の部分を求めて観客はこの映画を観るし、製作陣も分かっているため、見事なまでの気持ちの良い大どんでん返しと言うなの予定調和を観る事が出来きます。

【Amazon.co.jp限定】コンフィデンスマンJP DVD-BOX(ロゴ入りトートバッグ+ビジュアルシート付き)

 

これまでもこれからも全盛期、長澤まさみ

今年に入ってから『マスカレードホテル』『キングダム』と出演作が大ヒットしている恐らく2019年邦画界の顔と言っても間違いない長澤まさみ

2004年公開の『世界の中心で愛を叫ぶ』から第一線で活躍し、歳を取るにつれて可愛いから美しいになり、『マスカレードホテル』では木村拓哉とのダブル主人公でありながらキムタクに引けを取らない存在感とそのホテルマンとしてのプロ意識と芯の強さを感じる事を感じる事が出来ました。

また『キングダム』では楊端和を演じ、山の民を武力で束ねる美しき山界の王として威厳と強さ、そして太ももが完璧でした。

そして『コンフィデンスマンjp』では観ているこちらが心配になるほどの長澤まさみの顔芸や顔芸や顔芸を堪能する事が出来るし、おばさん扱いや、ババァ扱いも受けてそんなものは関係ないと心強く楽しそうに「変化した今」を演じてくれている。

若い時から主役級の役を演じてきた女優さんって30代ぐらいになると二通りに分かれると思う。変化せず「アイドル的女優」を演じ続けるか「技巧派」になるか。

どちらが悪いとかではないのですが、長澤まさみは「アイドル的華は持ちつつ完全な技巧派女優」に成功した数少ない女優なんだと思います。真面目な演技からコメディ演技なんでもどんと来いという心強さがあります。

『コンフィデンスマンjp』では信用詐欺師というしたたかで本質が見えないという難しい役をやっていますが、少しリアクションがやり過ぎ感はあるもののそれすらも演技という解釈も出来て本心が分からないダー子という役にピッタリでした。

 

スカッとジャパンの真髄

大どんでん返し的展開であることを予告で言ってしまうと観客も身構えてしまうので大どんでん返しにならないけど、大どんでん返しを売りにしているのでそれを言わないことは出来ない問題って映画の宣伝でよくありますよね。

ただ、大どんでん返しが最後にあることを知っているので中盤の鬱展開なども気楽に観る事が出来るんだと思います。所謂度々ネットで話題になる「ネタバレした後の方が映画を楽しめる人がいる」問題と一緒だと思います。

わくわくより安心が好き。

フジテレビの『スカッとジャパン』では本当に観ていてイライラする敵キャラが存在しますが、それが嫌な奴であればあるほど最後のどんでん返しによるスカッと感は堪りません。『コンフィデンスマンjp』でも最後の開放感のために大どんでん返しを楽しむ。そんな作品だと思います。

また、大どんでん返しのスケールが想像よりでかいのでそういう点も楽しめるポイントで、気持ち良く騙されたっていう気持ちにもなるし、ドラマを観てなくても全く問題ない親切設計’ドラマを観ているとニヤニヤ出来るポイントはある)ので是非劇場で観て欲しいですね