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【スチームパンク版ハイロー】『移動都市/モータル・エンジン』感想【ロマンの塊】

何もかも飲み込み大きなキャタピラで走るロンドンの大聖堂から伸びる古代兵器の圧倒的破壊力」や「マッドマックスな世界に突如現れるやたら強いリーゼントヤクザ女」、「FF12とマッドマックスとトランプ政権が融合したスチームパンクな世界観」「スチームパンク版ハイロー」などロマンの塊である本作。

冒頭からキャタピラ走行のロンドンが小都市を喰らい尽くしていき、観客は大人から子供へ、ロマン溢れるこの作品に興奮度はMAX!

どれもこれも最高なポンコツ映画の感想を書いていくよ!

 

ポスター/スチール写真 A4 パターン1 移動都市/モータル・エンジン 光沢プリント(写真に白枠あり)

 

 

あらすじ

人類は自らのテクノロジーで崩壊した。所謂「60分戦争」と呼ばれる最終戦争から数百年の時が過ぎ、わずかに残された人類は地を這う移動型の都市で生活することを余儀なくされた。巨大移動都市ロンドンは、「都市間自然淘汰主義」が幅をきかし、都市同士が捕食しあう弱肉強食の荒れ果てた地でその支配を拡大させ、小さな都市を捕食することで成長を続けていた。また、大地に足をつけて生きる本来の生き方を提唱する「反移動主義同盟」も台頭し、移動都市との対立が続いている。

 

そんなロンドンの指導者的立場にあるヴァレンタインに対し、過去のある出来事から復讐心をたぎらせる少女ヘスターは、ある小都市がロンドンに捕食される騒ぎに乗じてロンドンに潜入したところから話は始まる。

 

子供の宝箱のような世界観とポンコツな話作り

冒頭の「都市喰い」の一連の動きが本当に素晴らしい。

いわゆる『マッドマックス』や『北斗の拳』のような戦争後の破滅的未来が舞台の中、

それらの作品とは違うのは『移動都市/モータル・エンジン』は名の通り「都市」が常に移動を続けており、車両と生活が一体化したスチームパンクな世界観を見事に表現している。また、大都市ロンドンという敵を見つけると鳴り響く警告音、突如変形していくお店や警戒態勢になる住民達。たったの5分でここまで世界観を表現出来るのは匠の技術だ。

そこからの始まる大都市ロンドンとのカーレース。こんな素晴らしいエンターテイメントで観客を出迎えてくれる作品はそうそうない。

 

それからも断片的に説明される世界観の説明などにオタク心を燻られ、

主人公のヘスター・ショウ の足を引っ張るトム・ナッツワーシーにイライラさせられたら、地下で動くワーム型の移動都市に興奮したり、顔にキズあると言ってもどう考えても美人な主人公のへスターが安くで人身売買されそうになった所に現れる独り世界観違うやたら強いリーゼントヤクザ女に笑いそうになったり、格好いい飛空挺。どれもこれも最高だ。

 

ここまでテンション上がる要素ありながら、どう考えてもお前に尺取りすぎなへクターの育て親にして殺人マシーンの暴走や、ありきたりで唐突なへクターとトムの恋愛模様、大きい割にあまりに脆すぎる空中都市の存在などツッコミたい所も多い。

特に既視感の強い人間ドラマ及びサイボーグ関係はポンコツな出来になっているが、この作品はそこでないのだ。世界観に惹かれビジュアルに魅了されるのだ。

 

 

終盤の展開(ここからネタバレ全開だよ)

独りで空中都市を破壊したサイボーグはへクターがトムに恋していることを知り、へクターがこの世界を憎しみだけで生きている訳ではない事を悟りへクターを許し最後に物語りの鍵となるペンダント(中はUSB、ハイローの琥珀さんを思い出す)を渡しこの世を去る。感動的なシーンだけどここまで来るのに空中都市破壊など被害が尋常ではないからね。正直サイボークはロンドンでの最終決戦で命落とすと思ってたけどそんなことまるでなかったぜ!

 

その頃ロンドンではヴァレンタインがついにかつて人類滅亡の原因となった古代兵器「メドューサ」を完成させ、「反移動主義同盟」の本拠地である壁に向かう。

反移動主義同盟」の本拠地が意外と綺麗で湖や森林もあって良い感じなの、みんな移動都市なんてやめてここで住めやってなるよね。

そして始まる最終決戦。

ロンドンの最終兵器「メドューサ」というなのレーザーが壁に撃たれるのだが、すごいのはすごいが思ってたより威力がないとうかなんというかハードルが上がり過ぎていたメドューサちゃん。しかも再充電とか撃ちすぎると熱暴走起きそうになったり中々ポンコツで可愛いよメドューサちゃん。

 

やられたらやり返す「反移動主義同盟」の神風攻撃でついにロンドンに突入し、「メドューサ」にUSBをさすへクター(ここはまるでハイロー2でPCにUSBを挿入した雨宮兄を彷彿とさせる)

「メドューサ」は活動停止するがヴァレンタインはロンドンをそのまま壁に突撃させようとする(正直ヴァレンタインはここまで壁破壊に拘る理由がイマイチ劇中で説明されないのでただの凶人に見える

 

そしてへクターはヴァレンタインと対峙するが、ここで衝撃の真実

 

「へクターは宿敵ヴァレンタインの娘だと判明する」

いや、それスターウォーズやん。使い古されて恥ずかしくて誰も使わなくなった設定を惜しげも無く使うの逆にカッコイイやん!

なんやかんやでロンドンは壁にぶつからずヴァレンタインはロンドンのカタパルトに挟まれ死亡。

そして半壊した壁でロンドンの住人と「反移動主義同盟」が手を取り合うという『ブラックパンサー』以上のあまりにも露骨なトランプ政権批判を大まじめにやり遂げる(ハイロー3でいきなりネット批判をし始めた村山さんみたいな感じだ)

 

最後はへクターとトムが恋仲になって物語は終わる。

 

最後に

この作品は徹頭徹尾頭が悪い。それは否定出来ない。

ただ、思わず少年心を呼び覚ます圧倒的なビジュアルと世界観。大きなモノが動き、暴れて、爆発するそれだけなのにそれこそが本当に楽しい。

こういく作品、日本でもあったなと思ったら『HiGH&LOW』がそうなんですよね。

全然違うんですけどこの圧倒的わくわく感とビジュアル優先の画面作りといい本質は一緒で、ハイロー楽しめた人はこの映画も楽しめると思うので是非『移動都市/モータル・エンジン』を観て欲しいし、逆にハイロー観たことない人はハイローを観ろ!責任は取らん!

 

『移動都市/モータル・エンジン』大変楽しく面白かったです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

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