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映画『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』感想!めぐみん無双!ゆんゆん伝

『このすば』の魅力とはなんだろう。

一見、平和な異世界でありながら死がすぐ近くにあるそんな世界観なのか。

元引きこもりニートで欲望に対して忠実であり、見ていて清々しい下種さと隠しきれない小物感。しかし、ごく僅かだが確かにある正義感と男気でギリギリ不快感を感じさせない主人公であるカズマの魅力か。

 

そんなカズマを異世界に送り、ヒロインでありながら誰よりも身体を張り笑いをとり、女神なのによく泣きよく食べよく呑みよく寝てよく遊び、一発芸を披露するという誰よりも人間らしい。しかしながらもカズマのよき相棒であり、偶にみえる母性の塊のような瞬間にバブみを感じられずにはいられないポンコツ女神通称「駄天使」ことアクアのお陰か。

 

一見クールな美女だが、中身は超弩級のドM。
モンスターに陵辱されるのを夢見て敵に突っ込んでいく作中随一の変態であり、世間知らずな貴族令嬢でもある困った女性。金髪碧眼の女騎士・ダクネスの存在か。

 

そして本作『紅伝説』のメインヒロインでもあり、1発撃ったら魔力切れという、尖りまくった爆裂魔法「エクスプロージョン」という最強クラスの破壊力を有する爆裂魔法の使い手であり、ロリ体型の紅魔族の少女・めぐみんの影響か。

 

普段はそこそこなのに、変なところで急に超ヌメヌメ動く作画か。甲田雅人さんによるやたら格好いいBGMか。

恐らくそれら奇跡的に融合し、作者の暁なつめ先生や『スクールランブル 二学期』『これはゾンビですか? 』などを監督し、本シリーズの監督である金崎貴臣さん、シリーズ構成の上江洲誠さん、キャラクターデザインの菊田幸一さんにより絶妙なバランスで成り立っているのが『このすば』の魅力だろう。

そしてそんな『このすば』の最新作であり、初の映画化でもある『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』の感想を書いていきたい。

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 『このすば』のあらまし

『このすば』こと『この素晴らしい世界に祝福を!』は、著・暁なつめ先生、イラスト・三嶋くろね先生によるライトノベル作品で、元はウェブサイト「小説家になろう」にて「自宅警備兵」名義で連載されていたオンライン小説であり、2013年から角川スニーカー文庫で文庫化が行なわれて以降も新刊が発表され続けている。2016年冬にテレビアニメ1期、2017年冬に2期が放送され好評を博し、2019年に原作第5巻『爆裂紅魔にレット&ゴー!!』の内容を元にした劇場版アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』の公開が決定した。

 

あらすじは

日本に住んでいた引きこもりニートの佐藤和真(カズマ)が死亡し、死後の案内を行っていた女神・アクアと出会い、彼女を道連れにRPGの世界のような異世界に転生するところからスタートする。
その異世界で2人は中二病部族「紅魔族」の少女・めぐみん、真性のマゾで貴族令嬢のダクネスとパーティを組み、様々なクエストを受けて、失敗や成功を繰り返し、時に魔王幹部と戦っていくストーリー。「なろう」産の異世界モノは無数に存在するが、本作はその中でもトップクラスのユルさを誇る作品で、シリアスパートはあるものの大抵は気楽に観ることができる。

 

原作1巻分を一本の映画にまとめるという事

上記でも書いたが、本作は原作第5巻『爆裂紅魔にレット&ゴー!!』を元にしているため、原作にあった大量の面白シーンがカットされている。

例えば

  • 安楽少女殺害のシーン
  • テレポートで消えたと言いつつ光の屈折で見えなくするだけの紅魔族達と性格の悪いアクアさん。
  • 紅魔族達によるテレポート煽り
  • 元々薄かった原作第5巻より更に薄くなったアクアとダクネスの存在感

などなどである。

また、今回もカズマ達の所為で(?)町に大迷惑というより、被害の大きさが過去最大級なのだが、原作ではもの凄い早さで復旧し3日で元通りになるという話の「オチ」があった。

しかし、映画ではそのシーンがカットされているため、カズマ達の所為で(?)町への被害が尋常じゃないまま終わるし、原作では戦闘中も紅魔族達によるテレポート煽りなど、ゆるさがあったのだがそれもなくなっているため、悲壮感と緊張感が凄い事になっている。

一応、そういう事に対する不快感を減らす為か、最後は原作にはない文字通りカズマが捨て身の行動するので、何となく良い感じで終わるのだが思い返してみるとモヤモヤしてしまう。同じくモヤモヤした人は是非原作を読んで欲しい。

 

上記な事もあり、元々原作のファンで『爆裂紅魔にレット&ゴー!!』に期待していた人は「アレッ」と思う出来かもしれない。

ただ、このアニメスタッフはただカットするだけではない、めぐみんとゆんゆんの関係性や学生時代の時の追加や、熱すぎるラスボスの追加など、『爆裂紅魔にレット&ゴー!!』を再構築し、カズマの「モテ期」にスポットを当てて、一本の映画としての満足度が凄い事になっている。

私はこの映画を観て笑って笑って笑って笑って、最後少しジーンとなって良い気持で映画館を出ることが出来た。120点の出来だ。

 

めぐみん

原作者も認める本作一番の人気キャラであるめぐみん

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(c)2019 暁なつめ三嶋くろねKADOKAWA /映画このすば製作委員会

本作はそんなめぐみんを愛でまくる映画であり、これまではエクスプロ―ジョンをぶっ放して役目終了、恋仲役は何だかんだ変態女騎士のダグネスが一歩も二歩もリードしていたが、この話では、カズマの手を握って「ずっと、このまま皆で一緒にいられるといいですね」と言ったり、両親公認の仲(?)になったり、夜に部屋で二人きりになって「……本当に何もしてくれないのですか?」とか言っちゃったり、最後の最後の爆煙がハートの形になったり、めぐみんのファンにとっては最高の作品と行っても過言では無い。今までめぐみん嫌いの人でも「めぐみんさいこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」となる作品である。私はそうなった。何度でも言える「めぐみんさいこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

そしてライバルのゆんゆんの活躍。恐らくダグネスの10倍ぐらい活躍している(本作はダグネスだけしか認めない人には全くお勧め出来ない)

コミュニケーションが下手で友達もいないし、普段は名乗りが恥ずかしくて言えない所もあったりするが、本作では地元の、家族の、恐らく友達のピンチに誰よりも気高く立ち上がり、正々堂々名乗るシーンは本作最大の見所と言えるだろう。

 

お互い認め合い、信じ合い、気にしているライバル関係ほど、尊いモノはないが、めぐみんとゆんゆんはまさしくそれだ。

そんな二人が協力し、最大の敵に呪文を撃つ。

「我が名はゆんゆん、紅魔族随一にして「最高」の魔法使い!」

「我が名はめぐみん、紅魔族随一にして「最強」の魔法使い!」

ここまで格好いい名乗るシーンがあるだろうか。ここだけでこの映画を観て良かったの心の底から思える。「めぐみんゆんゆんさいこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!!!!!!!!」

 

 

最後に

映画を堪能した後は、『この素晴らしい世界に祝福を!』の第三期があるのかばかり気になってしまう。原作のストックはまだまだあるし、映像で早く観たいシーンも盛りだくさんだ。

なので本作が少しでもヒットしてくれることを祈りつつ、私ももう一度観に行こうと思う。

映画『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』は音も凄いので是非音に拘った重低音鳴り響く映画館で観て欲しいし、是非とも応援上映をして毎回詠唱が違う事で有名なエクスプロージョンをみんなで詠唱したい。エクスプロォォージョンッ!!ってしたいので映画館の偉い人、是非考えてください。

最後に一言良いですか。

あててんのよ」って台詞聞いて笑った人、元ネタのジャンプ漫画『タカヤ -閃武学園激闘伝-』も読んでね