アメリカ国内における興行収入が1億4,575万ドル(約160億円)に達し、『名探偵ピカチュウ』を抜き、アメリカで最も売れたビデオゲーム原作映画になった『ソニック・ザ・ムービー』
その結果に浜村通信も大喜びしていたが、世界興行収入ではコロナの影響で急ストップがかかり、『名探偵ピカチュウ』が4億3,301万ドル(約476億円)なのに対して、『ソニック・ザ・ムービー』は3億645万ドル(337億円)の2位止まりになってしまった。
この運に見放された感と、タイミングの悪さは流石にSEGA。
映画でもSEGAらしさは全開だ。
SEGAが任天堂(株ポケ)に勝てるかどうか。
全ては満を持して公開された日本にかかっている(多分無理)
という訳で映画『ソニック・ザ・ムービー』感想をネタバレありで書いていく。
【監督】 ジェフ・ファウラー 【脚本】パトリック・ケイシー/ジョシュ・ミラー
あらすじ
宇宙の果てにある平和な島で暮らし、砂浜やループコースターを驚異的なスピードで駆け抜けるソニックは、そのスーパーパワーを狙われたため地球に逃げてきていた。10年後、安全に生活していたソニックは、世界征服を企てる悪の天才科学者のドクター・ロボトニック(ジム・キャリー)に目をつけられ、保安官のトム(ジェームズ・マースデン)に救いを求める。
概要
ソニックってキャラクターは知ってるけど、ゲーム自体は遊んだことがないって人が滅茶苦茶いる事で有名なSEGAの看板IPであり、アクションゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』は日本より欧米で大人気。
またSEGA公式Twitterアカウントのプロフィール画像がソニックになっているのでそちらで知った人がいるかもしれない(そしてその臭いツイートでソニックごと嫌いになっているかもしれない)
そんな人気者の映画化は5月に予告編が公開された際、主人公ソニックの姿が「あまりにも不気味すぎる」とファンたちからブーイングが殺到したため、アート修正を施すべく公開日が延期になってしまい、更に日本ではコロナの影響で延期になり6月26日ようやく公開になった。
(C)2020 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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修正されると決まった時は、客のクレームに屈する悪しき前例を作ったみたいなよく分からない非難をしていた人もいたが、結果的に「気持ち悪い」で話題性を作り、そこから原作準拠の可愛らしい姿で客の心を掴んでヒットしたんだから、製作陣はシメシメと思っているのかもしれない。
ただ、修正されたらされたで、前のも愛おしくなるよね。
修正前バージョンもDVD特典とかでつけて欲しいが、パンフレットなど読んでも製作陣は修正前の事は一切触れていないのでガチの黒歴史化、闇に葬られる可能性がある。
という訳で本編について語っていきたい。
ストーリーはない
その力ゆえにナックル族から身を追われ、育ての親でありロングクローと母星から離れ離れになってしまったソニック。
地球で孤独に暮らしていた彼は狂気の天才科学者ドクター・エッグマンに追われることになってしまい、ひょんなことから出会ったトムと逃避行していくという物語。
衝撃的な展開もなく、シンプルであり王道。新鮮味がないともいう。
本作の舞台となる田舎町のグリーンヒルズ(名前の由来は『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の最初のステージで有名なグリーンヒル)
ソニックはグリーンヒルズを「地球上で最高の場所」といい、トムは田舎ではなく都会を夢見る。
中を覗き込もうとする外部者ソニックと、外の世界がみたい内部者のトム。
この対比が本作のメイン軸だが、中盤でトムがグリーンヒルズから出ていくと知った時のソニックがなかなかうざい(無理矢理母星から離れる事になったソニックには自分から地元を離れるトムが理解できないのは分かるが、敵に追われている場面でやられると)
作中でソニックの新しい逃避先としてちょくちょく言及されるマッシュルームプラネット。
マッシュルームヒルが元ネタだけど、「キノコ」ばかりとか、ソニックが行きたくないと連呼することから、マリオの隠語かなって思っちゃうよね。
あと、地球で孤独だったソニックがかなり映画好きになっていて
「キアヌは国の宝」
「次の大統領ロック様?」
みたいな発言でニヤニヤ出来るのは良い。
ジム・キャリー
本作はドクター・ロボトニックがエッグマンになるまでの物語でもある。
そしてそんなドクター・ロボトニックを演じるジム・キャリーが本作の見どころと言っても過言ではない。
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それにしてもこの男、ノリノリである。
パンフレットに、本作の出演が決まってから9歳の孫とゲームで遊ぶようになったが、孫に負けまくるのが頭に来て、汚い言葉を使ってしまい、罰金箱に小銭を入れる生活をしていたというジム・キャリー、なんだこのほのぼのエピソード。
そんなジム・キャリーはどこまでが脚本で、どこまでがアドリブなのか良く分からない演技を連発していて、画面に少しでも出てくるとワクワク感が凄い。『ダークナイト』のジョーカーみたいに魅力的な悪役って、「次は何をしてくれるのだろう」っていう想いを一身に受けて、尚且つ予想は裏切っても、期待は裏切らないから良いよね。
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↑次回作への出演も決まったようなモノ
最後に
ソニックの時速が480マイルと判明したが、その速度を持ちながらオリンピックで「配管工おじさん」ことマリオで競い合ってるの何!?ってなる
ソニックさんも大人なので色々仕方ないのかもしれない。任天堂へ派遣してきたみたいな立場だし。
次回作への布石としてテイルズも出てきたし、
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3でエミーローズちゃん参戦して欲しい!!!!
(C)SEGA
終わり。