社会の独房から

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『「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版』感想。

悪ノリはYouTube動画ぐらいの尺が丁度いい。

f:id:Shachiku:20200529170041j:plain「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

 

興行収入13.7億円突破、動員100万人超えとなった『犬鳴村』

その宣伝の施策として「怖くない加工」を施した「恐怖回避ばーじょん」を1月にSNSで期間限定公開したところ大好評となり、まさかまさかの劇場版である。

恐らくDVD特典用に作っていたらコロナ渦と緊急事態宣言により、新作映画の公開が絶望的になったのでお声がかかったと推測出来る。

 

緊急事態宣言が解除され、劇場は再開してもまだまだ密接回避の生活が続く。劇場も当分の間は席と席に空席を作るだろう。

ホラー映画を観に行くと必ずいるデート目的のカップル(呪われろ)も怖い時に隣の人に抱き着いて怖さを緩和することが出来ないこの状況が辛い(呪われろ)

もしかしたらホラー映画はしばらく冷え込むかもしれない。

ただ、本作は全く怖くないのでそんな心配が全くない。

 

コロナ渦すら追い風してしまったそんな本作、『「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版』の感想を書いていきたい。

f:id:Shachiku:20200529170316j:plain「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

本編のあらすじや感想はコチラ

www.shachikudayo.com

 

 恐怖回避


『犬鳴村』恐怖回避ばーじょん告知映像

 

ホラー映画なのに恐怖回避。

個人的にホラー映画は鑑賞中に散々怖い想いをして、帰宅後の風呂場で悲惨な死に方をする覚悟をもって観て欲しいが、売り上げの事を考えるとそうも言っていられない。

カレーが食べたけいど、辛いのは苦手な人もいる。

課金はしたくないけど、ガチャでSSRは当てたい。

1人の時間は欲しいけど、独りは寂しい。

こんな僕でも、彼女は欲しい。

人は皆、慾張りなのだ。

 

 

正直、元々そんなに怖くはない『犬鳴村』だが、更に怖くなくなっている。

『「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版』は普段、人を怖がらせる事を本職にしているような職人たちがその経験と英知を結集し、ホラーシーンを完膚なきまでに台無しにしている。

例えば

  • 肩の力が抜けるような効果音、BGMの乱用
  • 可愛い犬

f:id:Shachiku:20200529182530j:plain「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

  • SNOWでの加工デコスタンプ
  • 怖くなる所は事前にカウントダウン

f:id:Shachiku:20200529182658j:plain「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

f:id:Shachiku:20200529182629j:plain「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

  • キラキラしてエフェクト
  • デカくて雑いモザイク
  • 可愛い犬

f:id:Shachiku:20200529182752j:image 「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

  • 警察24時風字幕

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「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ©2020 「犬鳴村」製作委員会

  • いらすとや
  • DJ INUNAKI
  • クソみたいな吹き出しセリフ
  • オナラ
  • 可愛い犬

等々である。

自分の事を面白いと勘違いしてそうな大学生の悪ノリが凝縮されており、普段なら舌打ちしてしまう演出だ。

 

以前に期間限定で公開された冒頭8分ぐらいはウィットに富んで、力が入っているのだが、問題はその後だ。

そもそもこの「恐怖回避演出」がホラーシーン以外にほとんど出てこないので、初見の人以外は会話劇で眠気を誘う。

しかも、中盤からネタ切れ起こしたのか、力尽きたのか「クソみたいな吹き出しセリフ」と「オナラ」ネタの多用という定番モノで置きに行くという志の低さで完全にダレる。

 

やはりこういう悪ノリは5、10分なら新鮮で楽しめるが100分近い時間があるとガムみたいに味が消えると思う。

ただ、ホラーというある程度の緊張感がある中だと、クソみたいに低レベルな笑いでも「ふふっ」ってなるのはズルい。

 

最後に

本作が劇場公開したのはある意味奇跡に近いだろう。

僕も久しぶりに劇場で映画を観た。

こういう時、「やっぱり映画館で映画を観るのは格別だな!」みたいな感動的な台詞を言えたら良かったが、劇場の予告で「こんな時だからこそ!映画館でしか味わえない感動を!」みたいな映画館のお気持ち表明動画が流れた後、15分ぐらい長々と映画予告を見せられて始まらない本編に「映画館ってこういう所だった!」と再確認させられた所と、久しぶりに映画泥棒と対面しても感動する事も鳥肌が立つこともなかったので、僕は映画館に対して特別な感情を持ってないのかもしれない。

 

極めつけは、コロナ対策で席が1席ずつ間隔を空けているのだが、ホラー映画観に行くと高確率でいる普段映画を観ないだろう中高生で鑑賞態度が著しく悪いウェイ系グループがいたことだ。

しかし、今回は席が1席ずつ空いているし、マスクを着用しているのだから無駄話しないだろうと甘い事考えていると、声が届くよう普段より大きな声で会話を始めて、更にそれをおっさんがキレて怒鳴り声が劇場内で響くという恐ろしい空間になってしまった。

 

恐怖回避ばーじょんなのに、映画館は恐怖に染まってたよね(〆の挨拶)

 

 

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